広報誌「厚生労働」2022年1月号 新型コロナウイルス最前線|厚生労働省

新型コロナウイルス最前線


第15回
これからの新型コロナウイルス感染症対策
~ワクチン追加(3回目)接種などのQ&A~

“まだ終息の見えない”新型コロナウイルス感染症。本連載では、その動向や対策などを紹介しており、今回は、10月号で掲載した自宅療養のためのQ&Aに続き、ワクチン追加接種をするにあたっての注意点や備えについて、皆さまから多く寄せられる質問にQ&Aでお答えします。


Q1
なぜ追加(3回目)接種が必要なのですか。

A1
日本で接種が進められているワクチンは、高い発症予防効果などがある一方、感染予防効果や、高齢者においては重症化予防効果も、時間の経過に伴い徐々に低下していくことが示されています。このため、感染拡大防止および重症化予防の観点から、初回(1回目・2回目)接種を完了したすべての方に対して追加接種の機会を提供することが望ましいとされています。
 

Q2
追加(3回目)接種には、どのような効果がありますか。

A2
追加接種を行わなかった場合と比較して、感染予防効果や重症化予防効果などを高める効果があります。
 

Q3
2回目の接種後に引っ越しをしました。接種券は、現在住んでいる自治体から送付されますか。

A3
2回目の接種完了後、住民票所在地が変更となった場合、追加(3回目)接種用の接種券は送付されません。申請が必要になりますので、お住まいの市区町村にお問い合わせいただくか、コロナワクチンナビで追加接種用接種券の発行申請を行ってください。
 

Q4
ワクチンを受けた後に熱が出たら、どうすればよいですか。

A4
ワクチンによる発熱は接種後1~2日以内に起こることが多く、水分を十分に摂取し、必要な場合は解熱鎮痛薬を服用するなどして様子をみていただくことになります。
 

Q5
ワクチンを受けた後の発熱や痛みに対し、市販の解熱鎮痛薬を飲んでもよいですか。

A5
ワクチンを受けた後の発熱や痛みに対し、市販の解熱鎮痛薬でご対応いただくことも考えられますが、特に下記のような場合は、主治医や薬剤師にご相談ください。
●ほかのお薬を内服している場合や、妊娠中、授乳中、ご高齢、胃・十二指腸潰瘍や腎機能低下など病気治療中の場合(飲める薬が限られていることがあります)
●薬などによりアレルギー症状やぜんそくを起こしたことがある場合
●激しい痛みや高熱など、症状が重い場合や、症状が長く続いている場合
●ワクチン接種後としては典型的でない症状が見られる場合
なお、ワクチンを受けた後、症状が出る前に解熱鎮痛薬を予防的に繰り返し内服することについては、現在のところ推奨されていません。
 

Q6
副反応は、1回目の接種後より2回目の接種後のほうが強いといわれるのはどうしてですか。

A6
1回目のワクチン接種でいくらか免疫がつくことで、2回目の接種のほうが免疫反応が起こりやすくなるため、発熱や倦怠感、関節痛などの症状が出やすくなります。
 

Q7
追加(3回目)接種では、どのような副反応がありますか。2回目より重いのでしょうか。

A7
2回目の接種後と比較して有害事象の発現傾向は概ね同様であると確認されています。リンパ節の腫れについては、初回(1回目・2回目)接種時と比較して発現割合が高い傾向にありますが、ほとんどの場合が軽度であり、発現後短期間で治まっています。
 

Q8
ワクチンを接種すると心筋炎や心膜炎になる人がいるというのは本当ですか。

A8
mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン接種後、頻度としてはごくまれですが、心筋炎や心膜炎になったという報告がなされています。軽症の場合が多く、心筋炎や心膜炎のリスクがあるとしても、ワクチン接種のメリットのほうが大きいと考えられています。
(2021年12月16日時点)
 

詳しく知りたい方や、最新の情報はこちらをご参照ください。

 


引き続き、新型コロナウイルス感染症には基本的な感染対策を
 

<ワクチン接種後もマスク着用や手洗い、3密回避、換気などを徹底しましょう>

 皆さまのご協力で新型コロナウイルス感染症の感染状況は低い水準を維持しています。日々ワクチンの接種率も向上しています。

 新型コロナウイルス感染症にはワクチンはとても有効で、高い発症予防効果があり、また感染予防効果や重症化予防効果も確認されていますが、それらの効果は100%ではありません。接種してから時間の経過とともにワクチンの効果は減弱していくことがわかってきました。ワクチンを接種していても感染するブレークスルー感染によって誰かに感染させてしまうケースも見られます。ワクチン未接種の方は接種について引き続き検討をお願いします。

 また、接種後も引き続き「マスクの着用」や「手洗い」、「3密(密接・密集・密閉)回避」、「換気」など基本的な感染対策を徹底し、体調不良時は出勤や登校、移動を控えるなど感染拡大防止にご協力をお願いします。一人ひとりの行動が、大切な人と私たちの日常を守ることにつながります。


<2月4日(金)「風しんの日」啓発イベント実施予定>

 新型コロナウイルス感染症によって、私たちの生活が大きく影響を受けましたが、感染症は新型コロナウイルス感染症だけではありません。

 厚生労働省では、新型コロナウイルス感染症だけでなく、「風しん」やエイズ、HTLV-1など、さまざまな感染症に関する普及啓発を行っています。

 本イベントでは、2(ふう)月4(しん)日=「風しんの日」にちなみ、「“風疹ゼロ”プロジェクト実行委員会」と協力し、「風しん」について、正しい理解につなげるとともに、先天性風疹症候群(CRS)、抗体検査やワクチン接種などについて解説します。

 詳しくは厚生労働省のHPをご覧ください。

【イベント概要】
◆開催日時:令和4年2月4日(金)
◆開催方法:オンライン 先着500名程度
 個人でご参加ください。オンラインシステムはZoomWebinarを利用し、YouTubeでの2週間の振り返り視聴が可能です(予定)。
◆対象者:どなたでも参加可能です。
◆参加費:無料



 

出  典 : 広報誌『厚生労働』2022年1月号 
発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト)
編集協力 : 厚生労働省