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新型コロナウイルス最前線
第9回
新型コロナワクチン接種と変異株への正しい理解を
世界で大問題となっている新型コロナウイルス感染症。本連載では、その動向や対策などを紹介します。第9回目は、ワクチン接種や変異株についての解説と、「#広がれありがとうの輪」プロジェクトの進捗をお伝えします。合わせて、リニューアルする感染拡大防止ポスターについても紹介します。
——日本で接種が進められている新型コロナワクチンには、どのような効果(発症予防、持続期間)がありますか。
予防接種室●日本で接種が行われている新型コロナワクチンはいずれも、新型コロナウイルス感染症の発症を予防する高い効果があり、また、重症化を予防する効果が期待されています。効果の持続期間や、感染を予防する効果についても、時間の経過や接種者数の増加に伴い研究が進んでいます。
日本では現在、ファイザー社、武田/モデルナ社、およびアストラゼネカ社のワクチンが薬事承認されており、うちファイザー社と武田/モデルナ社のワクチンが、予防接種法における接種の対象となっています。
いずれのワクチンも薬事承認前に、海外で発症予防効果を確認するための臨床試験が実施されており、ファイザー社のワクチンでは約95%、武田/モデルナ社のワクチンでは約94%の発症予防効果が確認されています。(6月15日時点)
——変異株の新型コロナウイルスにも効果はありますか。
予防接種室●一般論として、ウイルスは絶えず変異を起こしていくもので、小さな変異でワクチンの効果がなくなるというわけではありません。それぞれの変異株に対するワクチンの有効性がどのくらいあるのかについても、確認が進められています。
——mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンは新しい仕組みのワクチンということですが、どこが既存のワクチンと違うのですか。
予防接種室●これまで日本において使用されていたワクチン(不活化ワクチン、組換えタンパクワクチン、ペプチドワクチン)は、ウイルスの一部のタンパク質を人体に投与し、それに対して免疫ができる仕組みでした。
mRNAワクチンでは、ウイルスのタンパク質をつくるもとになる情報の一部を注射します。
人の身体のなかで、この情報をもとに、ウイルスのタンパク質の一部がつくられ、それに対する抗体などができることで、ウイルスに対する免疫ができます。
——持病を持っていますが、ワクチン接種をすることはできますか。
予防接種室●慢性的な病気のある方もワクチンを接種できる場合が多く、むしろ、コロナウイルスに感染した場合、重症化するリスクが他の方よりも高いため、優先接種の対象となっている方も多くいらっしゃいます。一方、ワクチン接種は体調のよいときに受けるのが基本ですので、病状が悪化していたり、全身が衰弱している場合は避けた方がよいと考えられます。
——さまざまな情報が飛び交っていますが、新型コロナワクチンの情報に触れる際に気をつけるべきことはありますか。
予防接種室●メディアやSNS等で飛び交う事実に基づかない情報に惑わされないことです。厚生労働省ではHPにて治験データをもとに、新型コロナワクチンの有効性や安全性に関する情報を提供しています。
<変異株とは? Q&A>
現在、拡大が懸念されている変異株について解説します。
2021年6月に公開した内容をもとに作成しています。
Q1 ウイルスの変異株について教えてください。
A1 ウイルスが増殖する際、ウイルスの遺伝情報(新型コロナウイルスの場合はRNA)が書き換わることがあります。変異とは、こうした生物やウイルスの遺伝情報が変化することです。
一般的に、ウイルスは流行していくなかで少しずつ変異を起こしていきます。この変異したウイルスが変異株です。
変異によって感染の広がりやすさ(伝播性)や、引き起こされる病気の重さ(病毒性)が変わることもあれば、ワクチンや薬が効きにくくなる(免疫逃避や耐性獲得)こともあります。
新型コロナウイルスについても、約2週間に1カ所程度の速度で変異していると考えられています。
Q2 変異株への個人の感染予防策について教えてください。
A2 個人の基本的な感染予防策は、変異株であっても、3つの密(密集・密接・密閉)の回避や適切なマスクの着用、手洗いなどが有効です。今まで以上に徹底をお願いします。
Q3 変異株への対応について教えてください。
A3 現在、新たな変異株が世界各地で確認されています。そのため、こうした新たな変異株に対して警戒を強めていく必要があります。
国立感染症研究所では、こうした変異をリスク分析し、その評価に応じて、変異株を懸念される変異株(Variant of Concern:VOC)と注目すべき変異株(Variant of Interest:VOI)に分類しています。
厚生労働省では、新型コロナウイルスのゲノムを解析し、変異の状況を監視しています。世界保健機関(WHO)や専門家とも情報交換を行い、こうした変異の分析・評価を行うとともに、国内の監視体制を強化しています。
◎変異株に関する最新情報
<賛同企業の取り組み>
NTTコミュニケーションズ株式会社 シャイニングアークス
シャイニングアークスでは、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、スポーツ観戦アプリ「SpoLive」等を活用したリモート応援を推奨しています。競技運営関係者の皆さまの感染防止対策やファンの皆さまのリモート応援のご協力があり、日々の練習や試合が行えています。全ての関係者の皆さまに向けて、日頃より当たり前に実施している感染防止対策に「感謝の想い」を言葉にして「#広がれありがとうの輪」を付け、情報発信を行っています。
この困難な状況をONE TEAMとなり乗り越えるべく、正しい状況の理解や支援につながる取り組みを進めます。
公益社団法人全国老人福祉施設協議会
公益社団法人全国老人福祉施設協議会では、新型コロナウイルス禍で懸命に働いておられる高齢者福祉・介護の施設従事者の皆さまを支援するために、さまざまな活動を行ってきました。
新型コロナウイルスの感染拡大を抑え、介護の現場を支えてくださっている施設従事者の皆さまに感謝の気持ちを伝えるため、「#広がれありがとうの輪」プロジェクトに賛同しました。
◎公益社団法人全国老人福祉施設協議会HP
◎がんばろう介護!:高齢者福祉・介護現場にいらっしゃるすべての皆様へ
<感染拡大防止ポスターのお知らせ>
感染拡大防止ポスターをリニューアルします
新型コロナウイルス感染症の感染予防対策ポスターを2021年版として更新します。
流行している変異株に対しても、引き続き基本的な感染対策が有効です。正しいマスクの着用、こまめな手洗い・手指消毒、3つの密の回避の徹底をお願いします。
マスクに関しては、鼻出しマスク、あごマスクは避け、マスクの外側は触らないようご注意をお願いします。
*イメージ
出 典 : 広報誌『厚生労働』2021年7月号 発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト) 編集協力 : 厚生労働省 |