広報誌「厚生労働」2021年1月号 新型コロナウイルス最前線|厚生労働省

新型コロナウイルス最前線

第3回
「#広がれありがとうの輪」を通じて、
感染症に強い社会の実現をめざす


世界中で大問題となっている新型コロナウイルス感染症。本連載では、その動向や対策などを紹介します。

第3回目に取り上げるのは、2020年12月4日から始まった、賛同してくださる企業・団体・個人の方々と一緒に推し進める「#広がれありがとうの輪」プロジェクトについてです。これまでの経緯をお聞きしました。


差別・偏見をなくして
声をかけあう社会にしたい




――プロジェクトが始まったいきさつは?

相原 プロジェクトの目的は、新型コロナウイルス感染症の感染予防の呼びかけと、医療従事者をはじめ感染者やその周囲の方々に対する差別・偏見をなくすことです。現場で献身的に働く医療従事者およびその家族に対する差別・偏見は言語道断です。また感染者に対する差別・偏見が蔓延すると検査や報告に二の足を踏む人がでてくる恐れもあります。こうした状況を変える必要があるというのがプロジェクトの原点です。

山口 新型コロナウイルスは誰もがかかる可能性のある感染症です。感染することを責め合うのではなく励ましあうことで、感染症に強い社会の実現をめざすのが、このプロジェクトの狙いです。

相原 感染症に強くなるには、マスク着用、手洗い、三密の回避などの感染症対策と、感染したことを責めない優しさが広がる社会が必要です。ともに頑張ろうという世の中の空気を醸成するためにも、誰もが参加できるプロジェクトが必要だと考えました。


――具体的にはどういったことが行われますか。

山口 感染予防の呼びかけや医療従事者だけではなく、身近な人への想いを、趣旨に賛同いただいた組織・個人の方と、共通ハッシュタグ「#広がれありがとうの輪」でつながり、それぞれが可能な方法で発信していただきます。対象はさまざまで、医療従事者だけでなく、日々の生活を支えてくださるエッセンシャルワーカーの方々、一緒に働く従業員、お取引先、お客様やファン、友人や家族など身近な方へのメッセージも含みます。
 気をつけていただきたいことを一方的に伝える方法もありますが、対話を積み重ねることで、より浸透すると思います。

相原 表現方法は問いません。厚生労働省から形を決めて「こうしましょう」というのではなく、とにかく賛同者がひとりでも多く増え、みんなで支え合う土壌になっていくのが、めざすべき姿です。


――ご担当者から、最後にメッセージを。

相原 発信した情報が広がり共感する方が増えていくことで、感染拡大防止と温かい社会の実現につながると思っています。多くの方にご協力いただけると幸いです。よろしくお願いします。

山口 プロジェクトに対してはさまざまなご意見をいただいています。真摯に受け止め今後の取り組みにも反映していきます。みなさまのご協力を何卒よろしくお願いいたします。


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「#広がれありがとうの輪」プロジェクト



<賛同してくださる方々の声>

●TikTok Japan
 感染症が再拡大するなか、一人ひとりが改めて正しい感染予防を心掛けること、医療従事者から身近な人まで多くの方々への思いやりの輪を広げることの大切さに共感し、今回の取り組みに賛同いたしました。
 TikTokで活躍するクリエイターや著名人、一般ユーザーの声を通して、TikTokでもこの輪を広げていきたいと考えております。


●一般社団法人やまなし 空と風
 コロナ禍で困難な職務に従事しておられる医療従事者・介護従事者などの皆様に、私たちの感謝の意を伝えると共に、感染拡大防止をPRすることを目的とした市民レベルの活動「Kawasaki Thanks Bridge Project」を発足。医療関連従事者への理解と共感を得る・感謝の気持ちを伝える動画配信やwebでのPR活動や市民の皆様と医療従事者を結ぶ活動を行います。


 

●株式会社 USEN(USEN-NEXT GROUP)
 USENでは5月から音楽配信(BGM)だけでなくさまざまなコメントで感染予防を呼びかける新番組の取り組みを進めて参りました。
 今回の主旨に賛同し「ありがとうソング特集」や「#広がれありがとうの輪」啓蒙CMを企業へ無償提供の企画を進めています。
 多くの企業や店舗にご賛同頂き感染拡大防止に繋がることを期待します。


●公益社団法人 ガールスカウト日本連盟
 ガールスカウト日本連盟では毎春、「ありがとうの輪」を広げる活動を実施しています。
 今年は新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛の中、困難な状況下で社会を支えてくださっている方への感謝のメッセージを全国の少女が発信しました。いまだ続く困難に向かう方へ感謝を伝えたく、このたびのプロジェクトに賛同いたします。共にありがとうの輪を広げましょう。


●法務省人権擁護局
 見えないウイルスを前にすると、感染への不安やストレスから、知らないうちに他人への差別や偏見を行ってしまっているかも知れません。
 自分にかかわるすべての人への思いやりやエールを忘れずに。その一つが『♯広がれありがとうの輪』でエールを送ること。
 人権尊重につながる大きな一歩です。







 

出  典 : 広報誌『厚生労働』2021年1月号 
発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト)
編集協力 : 厚生労働省