広報誌「厚生労働」2020年9月号 特集|厚生労働省

特集 PART1

今、薬剤師が熱い!!

“健康管理の特効薬” 薬剤師があなたの相談に答えます

 薬局や医療機関、ドラッグストアなどで薬剤師に相談したことはありますか? 薬剤師がどのような仕事・役割を担っているのかご存じですか? “なんとなく”知っている程度の人が多いのではないでしょうか。そこで本特集では、地域における薬剤師や薬局の役割や活用方法を解説します。より身近な存在に感じ、きっと活用してみたくなるはずです。



<薬剤師>
 薬の専門家として医師の処方箋に従って調剤したり、市販薬を患者の求めに応じて販売します。患者に対して薬の効果や副作用などの情報を伝える服薬指導をしています。必要に応じて医師への問い合わせや提案、患者の服用状況の確認などもしています。また、健康相談なども行っており、仕事は多岐にわたります。


<医薬品>
 医薬品には大きく分けて2種類あります。処方箋に基づいて薬剤師が調剤する「医療用医薬品」と、症状に合わせて薬局などで処方箋なしに購入できる「OTC※医薬品(いわゆる市販薬)」です。

※Over The Counter(カウンター越しの)の略。OTC医薬品には、使用の際に特に注意が必要な「要指導医薬品」と、リスクに応じて第1類~第3類に分類される「一般用医薬品」があります。


<勤務場所>
 薬局や医療機関、ドラッグストアのほか、製薬会社、卸売販売業者や研究所、行政機関など、多様な場所で勤務しています。






身近な場所・場面で薬の最新情報を提供



厚生労働省 医薬・生活衛生局
総務課課長補佐 薬局・販売制度企画室室長補佐
境 啓満

学校の環境衛生分野や
災害時にも専門性を発揮

 薬剤師は薬の専門家として、薬局や医療機関はもちろん、製薬企業や学校などさまざまな場所・場面で活躍しています。

 製薬企業で薬剤師は薬の臨床データ収集や新薬の開発に携わるほか、医療機関や薬局などに自社の薬の情報提供も行っています。

 また、学校薬剤師はプールの水質検査をはじめとした環境衛生の管理に加えて、感染症予防の啓発・普及、麻薬や危険ドラッグの危険性についての教育などにも取り組んでいます。

 自然災害時には、薬剤師は行政機関や他の医療従事者と連携して、被災地における医薬品提供体制を維持することが求められます。医療機関や薬局での対応だけではなく、被災地に薬剤師が派遣され、被災者への医薬品提供や避難所の衛生管理、服用している薬の相談などにも対応します。被災者が必要な薬を把握するため、「お薬手帳」などにより被災者の服用薬を確認することも重要であり、医師など他の医療従事者と情報連携して被災者を支えることなども大切な役割です。

 薬剤師は、日常業務と並行して、常に薬の最新情報を収集しアップデートしています。そのため、その人の状態や症状に合わせて必要な薬や最新情報を提供できるのです。薬を調剤することも薬剤師の重要な仕事ですが、アップデートし続けている薬の“情報”にこそ価値があります。この情報を患者さんや医療従事者に伝えることで、薬の適正使用や適切な治療に貢献しています。

 特に「健康サポート薬局」では、あなたに合ったタイムリーな薬の情報や健康づくりの方法、予防の情報などを教えてくれるでしょう。
たとえ薬を服用していなくても、薬剤師にどんどん話しかけてみてください。


広報誌『厚生労働』2020年9月号
発行・発売:(株)日本医療企画

 

出  典 : 広報誌『厚生労働』2020年9月号 
発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト)
編集協力 : 厚生労働省