研究活動の国際化、オープン化に伴う新たなリスクにより、開放性、透明性といった研究環境の基盤となる価値が損なわれる懸念や研究者が意図せず利益相反・責務相反に陥る危険性が指摘されています。
こうした中、我が国として国際的に信頼性のある研究環境を構築することが、研究環境の基盤となる価値を守りつつ、必要な国際協力及び国際交流を進めていくために不可欠となっています。
このような状況を踏まえ、政府としては、研究者及び大学・研究機関等における研究の健全性・公正性(研究インテグリティ)の自律的な確保を支援しています。
※ここでいう研究インテグリティとは、研究の国際化やオープン化に伴う新たなリスクに対して新たに確保が求められる、研究の健全性・公正性を意味します。
「統合イノベーション戦略推進会議(第9回)」(令和3年4月27日)において、研究インテグリティの確保に係る政府の対応方針として、「研究活動の国際化、オープン化に伴う新たなリスクに対する研究インテグリティの確保に係る対応方針について」が決定されました。
本決定を受けて、文部科学省から、大学・所管研究機関等に対して、研究インテグリティの確保に関する取組を進めていただくよう周知・依頼をしております。
令和3年4月に決定された政府の対応方針に基づき、「競争的研究費の適正な執行に関する指針」が競争的研究費に関する関係府省連絡会申合せで改定されました。
令和3年4月に決定された政府の対応方針に基づき、文部科学省及び内閣府において、大学・研究機関等に対し、研究インテグリティの確保に関する取組の実施状況についてフォローアップ調査を行っています。
これまで文部科学省から発出した研究インテグリティ関連通知等を掲載しています。
大学・研究機関等に対して文部科学省が行っている説明会の資料を掲載しています。また、YouTubeを利用し、動画配信しております。(動画は令和3年度学校法人の運営等に関する協議会のために撮影されたものであり、掲載については期限がございますので、お早めに御視聴ください。)
令和3年4月に決定された政府の対応方針に基づき、研究者やその所属機関向けのチェックリストの雛形を内閣府と連携し作成しました。 外国の機関や大学等との契約に係る手続等の観点別に具体的に留意すべき事項をまとめています。 本チェックリストを参考に、各大学・研究機関等の特性に合わせたチェックリストを作成し機関内での自己点検等に活用いただく等、教職員の研究インテグリティに係る理解醸成にぜひ活用ください。
※大学・研究機関等向けのチェックリスト雛形については、内閣府において令和5年6月29日付で改定されています。
研究インテグリティの確保に向けて、適切なマネジメントを行うことができる組織体制・規程整備等の取組例を示しています。なお、研究インテグリティの自律的な確保という目的は共通であるとしても、そのアプローチは、既存の体制・システムやその特性等に応じ、多種多様となり得るため、あくまでも一例である本プラクティスと整合していなければ不十分という趣旨ではありません。
令和2年度の内閣府委託調査において、我が国における研究インテグリティとその確保に向けた取組の在り方について検討が行われ、令和3年度以降の内閣府委託調査においては、研究インテグリティの確保に係る海外の取組動向の調査・分析と、日本国内の大学・研究機関への理解醸成の取組等が行われています。
令和5年5月12日から令和5年5月14日の日程でG7仙台科学技術大臣会合が開催され、個別テーマの一つとして「研究セキュリティとインテグリティの取組による信頼ある科学研究の促進」について議論が行われました。
この会合の成果文書として、「G7科学技術大臣コミュニケ」が取りまとめられ、内閣府ウェブサイトで公表されています。