05 品質と信頼を司る工場 | 協同乳業株式会社 メイトー・農協シリーズ

協同乳業物語自然の輝きに、おいしさそえて。
"乳の価値"を永遠に語り継ぐ

愛されるブランドには、長年育まれてきた物語があります。
食卓に健康なおいしさをお届けする協同乳業のブランドにも、
豊かな自然の恵みを損なわずありのままに伝えたいという
多くの人々の想いが、幾重にも重なり合い綴られています。
進化し続けながらも、真に価値のあるものは大切に守り通し、
今日まで黙々と語り継がれてきた協同乳業の物語。
その1つ1つに込められた想いをシリーズでお伝えします。

協同乳業物語 05

品質と信頼を司る工場

安心できる、おいしさを求めて

品質管理された生乳が、おいしい牛乳やデザートなどの乳製品に生まれ変わって、食卓へと届けられる。酪農家の想いを"かたち"にして消費者に伝えるために、全国にある直轄工場や協力工場では、厳しい安全の基準を設け、自然のおいしさを引き出す工夫を重ねている。今回は、協同乳業の製造加工拠点の1つ・東京工場にスポットを当て、ブランドの価値を高める取り組みについて紹介する。

新鮮な生乳のおいしさをそのままに

東京都多摩地区の酪農家から集乳された生乳は、西多摩郡にある東京工場に運ばれ、東京牛乳へと生まれ変わる。東京牛乳に使用される生乳は最も遠い牧場でも工場から40km圏内(車で1時間程度)となり、おいしさの源となる生乳の鮮度を落とすことはない。"鮮度へのこだわり"は、酪農家と歩む協同乳業が基本としている信念だ。その誇りが「東京牛乳」をはじめ、信州ミルクランドで加工する「信州安曇野牛乳」、東海工場で加工する「おいしい愛知牛乳」、関西エリアで加工する「京都の美味しい牛乳」などの産地指定牛乳の味わいを一層引き立てる。

大切な鮮度を劣化させないために、協同乳業では徹底した温度管理を施している。酪農家が搾乳した生乳はバルククーラー(冷却貯乳槽)で貯蔵され、低温のまま工場へ運ばれる。工場での厳しい受入検査を通過した生乳は加熱殺菌と乳脂肪均質化の工程を経て、保冷式の貯蔵タンクに貯えられる。その後、パッケージに充填された牛乳は、低温輸送車で工場から直接、量販店や問屋へと運ばれていく。(詳しくは、「モーちゃんと工場見学」で)

乳飲料やヨーグルトなどの乳製品に加工する場合は、さらに複雑な生産管理が求められる。たとえばヨーグルトの場合には、生乳が最適な発酵をするように温度を管理し、発酵終了後に速やかに冷蔵工程へと流すタイミングが重要になる。カップに製品を充填する工程でも異物や細菌が混入しないよう注意し製造を行っている。その姿から、自然のおいしさを損なうことなく伝えたいという真摯な想いが伝わる。

大切にしたい"安全、安心へのこだわり"

"生産者と消費者を結ぶ懸け橋"の役割を果たす協同乳業は、「信頼される商品づくり」を何よりも大切にする。"安全、安心へのこだわり"は、製造加工プロセスのすべてに貫かれている。

総合衛生管理製造過程(HACCP手法)や食品安全マネジメントシステム(FSSC22000)の考えに基づき管理している。生乳の受入検査では乳成分の検査や細菌数だけでなく、訓練された検査員が風味をチェックし良質な生乳だけを受け入れ、製品出荷検査では工場の品質管理室が官能(風味)、成分、そして微生物のレベルまで厳密な検査を行う。各製造ラインでは担当者が自発的に品質向上活動を行い、協同乳業への信頼を守り通す。

生乳以外の原料にも、協同乳業独自の徹底的なチェックが施される。たとえば、乳製品は、様々なサプライヤーから商品のサンプルを取り寄せ、味や品質だけでなく、その製造課程の安全衛生管理状況まで厳密に確認する。安全のために、新しく原料を使用する場合には調達部門のスタッフが国産、海外問わず現地視察に赴き、安全性はもちろんのこと、きちんとトレーサビリティが取れるように万全の注意を払う。

東京工場に隣接する研究所では、乳製品の価値を高めるために、あらゆる角度から研究開発を行っている。健康に貢献する機能性を追求するだけでなく、原材料の栄養素などの基礎研究から最新の殺菌技術の研究まで、R&Dのカテゴリーは幅広い。研究所の分析グループでは、全工場の標準検査法を策定し、各プロセスでの検査方法を検証。原材料に含まれるアレルゲン(アレルギー源)の分析にまで踏み込んでいる。

"おいしさへのこだわり"を"かたち"に変える

研究所では、協同乳業本社から提案された商品を試作し、実際に市販できるレベルの商品に具現化させていく、いわゆる仕上げの商品開発も行っている。"おいしさへのこだわり"を具体的な"かたち"にしてお客様に届けるために、あらゆる角度からの検証が施される。

本社の商品開発グループから新製品の提案が出されると、研究所の商品開発グループは原料の調達方法と配合の比率、各工場が持つ製造ラインの適性、鮮度に関わる地域性、製造原価(コスト)配分のレベルまで掘り下げて、試作・量産化に最適な工場を選定する。候補に上がった工場の生産管理データに基づき研究所のミニプラントで理論的な検証を行い、慎重に最適な製造加工ラインを確定する。コンビニエンスストアのPB(プライベート・ブランド)は季節ごとに新商品が企画され、その都度、試作を行うことになる。

試作とは言え、量産化を前提とした本格的なもの。量産時と同等のラインを使い、同じ原料を配合し、商品化を予定するパッケージに中身を充填する。この段階に入ると、研究所内では何人もの白衣のスタッフがブースに並んで試食する姿が見られる。その中には、もちろん 商品開発メンバーもいるが、直接該当商品の開発に関与していないスタッフも多数加わる。ラインや原料の特性を知る人間ならば味覚や食感に与える影響を予断できるが、初めて食する者は味の違和感を直感できるからだ。

その場にいる誰もが「おいしい!」と感じることができるまで、試作は何度でも繰り返されていく。妥協を許さない取り組みの中で、「メイトーのなめらかプリン」や「しっかり濃厚4.4」などの個性溢れる商品が、たっぷりと時間をかけて開発されてきた。

"おいしさへのこだわり"が、協同乳業ブランドへの信頼を支えていく。全社が連携する商品開発に誇りを感じながら、試作工場はやがて量産化製造の段階を迎える。

お客様にとって良いものに、こだわり続ける

協同乳業の製造現場で働くスタッフは、自分たちが生産者と消費者を結ぶ最前線に立つことに、大きな喜びを感じている。"お客様の声へのこだわり"は、工場で働く人々の指針となっている。研究所の商品開発グループはインターネットを検索してSNSやブログで語られるお客様の意見にも耳を傾け、製造オペレーターはお客様からのお申し出をヒントにベストな製品づくりを心がける。

お客様にとって良いものだけに、こだわり続けていく。協同乳業のこの姿勢は、決して変わることはない。いまや製造技術の進化は目覚ましい。そんな中、協同乳業はそうした技術を貪欲に取り入れるだけでなく、素材を活かし、安全・安心に心がけ、自然のおいしさにこだわり続けていく。

お客様にとって価値のある製品だけが、協同乳業の強いこだわりとともに、工場から出荷されていくのだ。

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※記載内容は投稿当時のものです。