循環型社会|環境|明治ホールディングス株式会社

循環型社会

循環型社会に関する目標 事業活動からの廃棄物の削減 容器包装に関する考え方 食品ロス削減

貢献するSDGs

12 つくる責任つかう責任

明治グループサステナビリティ2026ビジョン
活動ドメイン

循環型社会

循環型社会に関する目標

2026中期経営計画

マテリアリティ:資源循環

  • データ対象範囲または取り組み主体会社
  • 1~5:(株)明治 連結(国内のみ)
  • 6、7:明治グループ 連結(国内のみ)
主な取り組み 指標 参考実績 目標 中長期目標
2022年度 2026年度 2030年度 2050年度
1 環境配慮型素材の研究開発を進めながら、プラスチック容器包装のリデュース推進 プラスチック使用量(総量)の削減率(基準年2017年度比) 18.3% 25%以上 30%以上
2 再生プラスチック、バイオマスプラスチックの活用強化によるバージンプラスチックの使用量削減 バージンプラスチック使用量の削減率(基準年2017年度比) N/D 40%以上 50%以上 100%
3 PETボトルに使用する再生プラスチック使用比率の拡大 再生PETの使用比率 N/D 70%以上
(2025年度目標)
100%
4 需給精度の向上による不良在庫削減、賞味期間の延長、賞味期限の年月表示化などによる食品ロスの削減 食品事業における製品廃棄量の削減率(基準年2016年度比) 31.5% 50%以上(2025年度目標)
5 生産(原料廃棄など)から販売(返品製品の廃棄)までのサプライチェーン上における食品廃棄物削減の推進 食品廃棄総量の削減率 N/D 2024年度中に目標設定
6 工場での排出物の発生抑制などによる最終処分量の削減 再資源化率 86.2% 90%以上 ゼロエミッション
7 動植物性残渣の再資源化(飼料化、肥料化、メタン発酵等)などによる食品廃棄物の削減 食品事業における食品リサイクル率 N/D 95%以上

2023中期経営計画

  • ※【】内はKPIの対象範囲
  • ※明治G:明治グループ
  • ※明治:(株)明治
明治グループサステナビリティ活動KPI
(2021年度から)
基準年 実績 達成目標
2021年度 2022年度 2023年度 2023年度 2030年度 2050年度
2023 年度までに再資源化率を85%以上に拡大【明治G国内連結】 80.5% 86.1% 88.2% 85%以上 ゼロエミッション
2025 年度までに国内の食品事業における製品廃棄量を2016 年度比50%削減【明治国内連結】 2016年度 34.1% 31.5% 26.8% 42%以上 50%
(2025年度までに)
2030年度までに国内の容器包装などのプラスチック使用量を2017年度比25%以上削減【明治G国内連結】 2017年度 16.0% 18.3% 集計中 15%以上 25%以上 容器包装に使⽤する新たな⾃然資本を最⼩化
2030年度までに物流部門で使用するパレット、クレート、ストレッチフィルムなどをリユース・リサイクルにより100%有効利用【明治G国内連結】 100% 100% 100% 100%
バイオマスプラスチックや再生プラスチックの使用拡大【明治G国内連結】 新たに果汁グミの包材に使用 新たにおいしい牛乳の包材に使用 新たにプロバイオティクスヨーグルトの包材に使用

事業活動からの廃棄物の削減

  単位 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
廃棄物排出量※1 日本 万t 2.8 2.6 2.4 2.4 2.2
原単位(日本) t/
億円
2.4 2.4 2.2 2.5 2.3
グローバル※2 万t 3.1 3.0 2.8 2.7 2.7
原単位(グローバル) t/
億円
2.5 2.5 2.3 2.5 2.4
有害廃棄物発生量 万t 0.2 0.1 0.1 0.1
リサイクル量※1 万t 2.3 2.0 2.0 2.0 1.9
最終処分量(埋め立て量) 万t 0.1 0.1 0.1 0.1
食品製品廃棄量削減率 % △25.1 △29.3 △34.1 △31.5 △26.8
食品廃棄物等の発生量 万t 2.5
食品廃棄物等の再資源化量 万t 2.4
プラスチック使用削減率 % △9.8 △11.7 △16.0 △18.3 集計中
  • データは、記載のない限り国内明治グループ(連結対象および持分法適用会社)が対象。
    2021年度までの原単位は、「収益認識に関する会計基準」を適用前の連結売上高から算出。
    2022年度までの原単位は、「収益認識に関する会計基準」を適用後の連結売上高から算出。
  • ※1生産系拠点から排出される産業廃棄物のみを対象。
  • ※2明治グループ(国内明治グループおよび海外生産系15社〈2019年度13社、2020年度14社、2021年度15社、2022年度14社〉)。

廃棄物排出量の第三者保証

2023年度の産業廃棄物排出量(日本)については、信頼性を高めるため、デロイトトーマツ サステナビリティ(株)による第三者保証報告書を受けています。

最終処分量の削減

限りある地球資源を有効活用し、循環型社会を実現するため、明治グループでは廃棄物の発生抑制や、分別・回収による再資源化、容器・包装の減容化・薄肉化を進め、最終処分量のさらなる低減に取り組むことで、地球環境保全へ貢献し、持続可能な社会の実現を目指していきます。

工場の廃棄物発生量の削減

明治グループ全体で、廃棄物発生量削減に向けた取り組みを推進していきます。具体的な取り組み事例として、(株)明治ではチョコレート菓子「ガルボ」のビスケット生地の剥離油の設備をノズルの間欠運転にすることにより、産廃発生量を年間24トン削減しました。

剥離油:生地を型から離れやすくするための油脂

容器包装に関する考え方

容器包装は、食品・医薬品の品質を守り、消費者に製品情報を提供する等の重要な役割を果たしています。明治グループは、この容器包装を環境に配慮した設計にしています。新たな資源の投入を最小化するために、資材の使用量を削減し、リサイクルしやすい製品設計を工夫するとともに、リサイクルされた資材の活用や植物由来など再生可能な資源から作られた材料の積極的な採用にも取り組むことで3R(スリーアール)に加え、Renewable(リニューアブル)を推進します。
また、製品の特性に合わせて、プラスチック、紙、ガラス、アルミ、スチールなど最適な材質を選択し、すべての容器包装が持続可能なものになるよう努めるほか、容器包装の機能強化、品質保持向上に関する研究開発を進めることで、賞味期限などの延長を図ります。
さらに、行政など外部との連携により、使用済みの容器包装の回収システムの構築に取り組み、循環型社会の実現に貢献します。

容器包装に関する取り組み

貴重な資源を無駄なく活用するために、商品の品質は確保しながら、パッケージや容器の減容化、薄肉化を進めています。特にプラスチック資源については、プラスチックごみによる海洋汚染の問題解決に向けて、資源循環の取り組みを強化しています。2020年7月に「明治グループプラスチック資源循環ポリシー」を制定し、2030年度までに容器包装などのプラスチック使用量を25%以上削減(2017年度比)する目標を定め、取り組みを進めてきましたが、目標を上回るペースで削減できていることから、2024年、2030年度までに2017年度比で30%以上削減するという目標に再設定しました。
また、石油由来原料のプラスチックの新規使用量について、2030年度までに2017年度比で半減、2050年度までにゼロとすることを目指す新たな目標も策定しました。(株)明治の商品に使用する容器・包装については、2022年時点で、使用する容器包装の80%(プラスチック容器包装では60%)をリサイクル可能な設計としています。さらに、2030年度までに使用する容器包装の85%(プラスチック容器包装では65%)、2050年度までに100%をリサイクル可能な設計とすることを目指します。
具体的な取り組み事例としては、商品に使用するペットボトル容器の軽量化などのリデュースや、商品の保管や輸送に使用するプラスチック製器具のリユース・リサイクル、さらに商品の包装袋や付属ストローに有機資源由来のバイオマスプラスチックや再生プラスチックの使用拡大を進めていきます。

容器包装の再商品化に関する取り組み

明治グループは容器包装リサイクル法に則り、販売した商品の容器包装の再商品化を、公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会に委託して行っています。

家庭用製品の国内容器包装使用量※1と再商品化実施委託料

  単位 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
プラスチック t 18,840 18,410 18,852 18,162
t 24,719 24,071 22,870 22,073
ガラスびん t 564 488 506 502
PETボトル t 9,291 9,192 7,366 7,340
容器包装合計 t 53,414 52,162 49,595 48,077
再商品化委託料 百万円 600※2 605※3 745※4 715※5
  • ※1 集計見直しのため修正
  • ※2 2019年度実績に基づく委託料
  • ※3 2020年度実績に基づく委託料
  • ※4 2021年度実績に基づく委託料
  • ※5 2022年度実績に基づく委託料

ビンのリデュース・リユース・リサイクルの具体的な取り組み

宅配サービスで使用される宅配ビンにおいて、リユース、リサイクルを行っています。リユースとして、お客様が商品を飲み終わった後の宅配ビンを販売店が回収し、明治の工場に戻されたのちに洗浄して再利用しています。また、ポリキャップは洗浄後、専門業者にて緩衝材などに再資源化されています。この取り組みを推進するために、環境にやさしい活動として、お客様にビンの回収に積極的に参加していただくようご案内しています。リサイクルの活動として繰り返し使用することで損傷した宅配ビンを砕いて再度成型し、新しいビンとしてリサイクルしています。なお、宅配ビンは軽量化を図っており、ガラス使用量の削減(リデュース)にも取り組んでいます。

イラスト:ビンのリデュース・リユース・リサイクルの取り組みの全体像の図

(%)

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
宅配ビン回収率 97.7 99.5 99.3 99.7 99.7

明治グループは使用後の宅配ビンの回収率100%を目標に掲げています。

PETボトルのリサイクルの取り組み

宅配専用のPETボトルは100%リサイクル樹脂を使用しており、使用済みペットボトルから新たに作られたペットボトルを使用しています。
お客様が飲み終わった後の宅配専用のPETボトルは自治体にて回収されます。その内の一部は、PETボトルの工場にて粉砕されて新たにPETボトルの原料となり、再度宅配用PET容器に成型されて明治の工場に納品されています。この取組みによって、石油資源の使用量とCO2排出量の削減を実現しています。

イラスト:宅配専用PET容器の再生利用の循環図
写真:リサイクル樹脂を100%使用している明治の宅配専用PET容器

紙パックに関するリサイクル

明治グループでは、国内社員のエシカル推進活動の一環として「紙パックリサイクルキャンペーン」を年に2回実施しています。このキャンペーンを通じてリサイクルした紙パックは、再生紙使用のボックスティッシュやトイレットペーパーに換えて、生活にお困りの方々に寄贈しています。また、紙パックをリサイクルすると、単純焼却した場合と比較してCO2削減が図れることから、本キャンペーンは環境省が推進するデコ活(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)のwebサイトにおいて、「デコ活宣言」として登録されています。

デコ活
ロゴ:デコ活

「ザバス」のプラスチックカップを環境配慮型容器に切り替え

プロテインブランド「ザバス」シリーズのプラスチックカップについて、2021年1月製造分から順次、バイオマスプラスチックを10%配合した環境配慮型容器に変更しました。パッケージには、一般社団法人日本有機資源協会の認定による「バイオマスマーク」を掲載します。今後は「明治おいしい牛乳」のキャップなどに使用しているプラスチックなどにおいても環境配慮型素材への切り替えを行うことにより、バイオマスプラスチックの使用量をさらに拡大していきます。

写真:ザバスのプラスチックカップ

ストロー付き飲料商品について ストローにバイオマスプラスチックを配合

飲料商品に貼付するストロー使用量は、年間約6.5億本にのぼります。この飲料商品のストローにおいて、2021年2月よりバイオマスプラスチックを5%配合したストローに順次切り替えています。

写真:
ストロー付き飲料商品の一例

プラスチック資源循環に関する取組方針

私たちは、海洋プラスチック問題など地球環境への影響を踏まえ、取引先とともにプラスチック資源循環に資する、以下の活動に引き続き積極的に取り組みます。

  1. プラスチック製容器包装について、品質保持機能などその有用性を生かしつつ、可能な限りプラスチック使用量の削減が図れるよう商品設計を見直します。例えば、プラスチック製容器およびPETボトルの軽量化・薄肉化の促進、プラスチック製容器から紙製容器への変更などに取り組みます。
  2. プラスチック製容器包装の素材として、植物由来の素材、リサイクルし易い素材、リサイクル素材など環境に配慮した素材の使用を推進していきます。
    また、生分解性プラスチックの使用を検討します。
  3. 生産過程において発生する廃棄プラスチックは、再生処理事業者を通じて再生品へのリサイクルを促進します。
  4. 物流過程においてもプラスチックの使用量削減およびリサイクルに努めます。
    例えば、クレート(商品配送用のプラスチック製通い箱)の段ボールへの変更などに取り組みます。
  5. 河川や海岸などの清掃活動を通じて、地域の環境美化に取り組むとともに、海洋に流入するプラスチックごみの低減を図ることで、海洋環境の保全に努めます。

食品ロス削減

食品メーカーや小売業、外食産業、家庭などから出される食品廃棄物のうち、食べられるのに捨てられるものが「食品ロス」と言われ、農林水産省と環境省の推計(令和2年度)では、国内で年間522万トン発生しています。明治グループとしても多量に発生している食品ロスを重大な社会課題と認識しており、国の指針や業界団体の方針にも沿って以下の取り組みを推進しています。

食品ロスの定義

明治グループでは、食品ロスの定義を「発生した食品廃棄物等(不可食部分含む)のうち、飼料化、肥料化、メタン化、きのこ類栽培用の菌床化、炭化による燃料・還元剤化、油脂・油脂製品化したものを除き、埋め立て、焼却等により処理・処分されたもの」としています。

食品ロスの削減に向けた具体的な取り組み

明治グループでは、さまざまな方法で食品ロスの削減に取り組んでいます。

リサイクルによる食品ロスの削減

(株)明治の菓子や乳製品の生産に伴い発生する食品廃棄物等約1.2万tのうち、90%程度は食品リサイクル法に基づき、主に飼料化や肥料化、メタン発酵によるメタンガス化等のリサイクルを行っています。飼料化のメインは養豚農家向けの豚用の餌(乳酸発酵式液状飼料)ですが、一部牛や鶏、魚の餌にも活用しています。

商品需給の精度向上による不良在庫の削減

販売と生産部門が連携して、過去の売行データや販売促進計画等を考慮して、商品別に需給計画を立案・推進しています。日々その需給精度の向上に努め、不良在庫の発生を抑制し、食品ロスの削減に取り組んでいきます。

賞味期限の年月表示への変更

食品の賞味期限表示を「年月日」から「年月」へ順次変更しています。年月表示に切り替えることにより、製造・配送・販売の連携によるサプライチェーン全体にわたる食品ロスの削減や物流効率化が期待できます。2020年2月からは賞味期限が1年以上の家庭用商品(常温・冷凍商品)約120品を新たに「年月」表示へ変更しました。

関連リリース

品質を保持した賞味期限の延長

官能評価および科学的分析により品質への影響がないことが確認できた菓子、飲料、栄養食品、調理食品などの一部商品について賞味期限を延長し、賞味期限切れによる廃棄物の削減に取り組んでいます。

<乳児栄養>
商品名 賞味期限

明治ほほえみ らくらくミルク缶

14カ月→18カ月
関連リリース
<牛乳>
製造ライン衛生性の向上と新鮮こだわりパックの採用(満量充填、高い遮光性)により賞味期限を延長しました。
商品名 賞味期限

明治おいしい牛乳

製造日を含む15日→製造日を含む19日

流通業界と一体となった「1/3ルール」の見直しに向けた取り組み

「賞味期限」までの期間を製造業者、販売業者、消費者が1/3ずつ分け合うという、いわゆる「3分の1ルール」と呼ばれる商慣習は、まだ食べられる食品を廃棄する食品ロスの原因の一つです。

イラスト:3分の1ルール

明治グループでは、業界団体を通じて納品期限「3分の1ルール」の見直しに向けた取り組みを進めています。 現在では大手小売業を中心に納品期限が「2分の1」に緩和されつつあります。今後も「3分の1ルール」の緩和へ向けた取り組みが促進できるよう、「賞味期限の延長」や「年月表示化」の取り組みと三位一体で取り組んでいきます。

関連団体との協働

  • 全国フードバンク推進協議会との連携

    各関連団体と協働し、食品ロス削減に向けた取り組みを進めていきます。具体的には、一般社団法人 全国フードバンク推進協議会を通じてフードバンク団体と連携し、2019年1月から菓子やレトルトカレー、栄養ゼリー飲料などの商品を、2019年6月から災害時備蓄品の寄贈を開始しました。

  • 国連WFPとの連携

    2020年10月から国連世界食糧計画(WFP)が行う「ゼロハンガーチャレンジ ~食品ロス×飢餓ゼロ~」キャンペーンに特別協賛しています。本キャンペーンは日本の食品ロス削減の取り組みを途上国の食料支援につなげる取り組みです。

  • 消費者庁との連携による普及啓発

    消費者庁の食品ロス削減に向けた取り組みの一つである「めざせ!食品ロス・ゼロ」川柳コンテストにおいて入賞した作品を商品のパッケージに掲載することで、食品ロス削減の普及啓発を行っています。

    関連リリース
    「明治おいしい牛乳」パッケージ 入賞作品の掲載イメージ
食品製品廃棄量削減率(ESGデータ集へ)