ドラゴンボールという超有名漫画の中で、誰もが知っている名セリフと言えば「オッス!オラ悟空」だと思う。
この字面を見ただけで、悟空が片手を上げて笑いながら快活に言っている姿が脳内で再生されると思う。
ただこの有名な台詞は、実は漫画では一回も言っていない。実はアニメの予告で言われていただけなんですね。
あとスーパーファミコンの「超武闘伝」というゲームソフトでもオープニングで言っているのが、僕的にはかなり印象に残っている。
オッス!オラ悟空!いっちょやってみっか!
なぜ「オッス!オラ悟空」が心に残るのか
そんな漫画では言わない「オッス!オラ悟空」がアニメでしか使われていないはずなのに、なぜここまで心に残るのか。今日はそこについて独自解釈を交えて解説しようと思う。
まずこのセリフのすごいところは、悟空というキャラクターの特徴が一発でわかる挨拶だというところだ。
「オッス」
と聞けば、間違いなく体育会系の元気な人の姿を思い浮かべるだろう。
「オラ」
というのは田舎に住んでいると予想される一人称である。「僕」でもなく「俺」でもなく「オラ」というチョイスが実に良い。悟空は幼少時は山奥に住んでいたのでまさに適切だ。
「オッス!オラ悟空」
最後にシンプルに自分の名前を誇示する。この短いたったの7文字で、悟空という存在がどんな人物なのかある程度特定することができる。決してこのセリフから都会のもやしっ子を想像することはないだろう。
ただ、このセリフにはまだまだ秘密がある。
「オッス」という言葉は体育会系で良く使われる返事でもある押忍という言葉から来ているわけだが、その語源は以下のようになる。
オッスは、戦前、京都にあった武道専門学校の生徒の間から生まれた言葉で、「おはようございます」の略。
「おはようございます」が「おはよーっす」となり、「おわーす」「おす」と変化していった。
その「おす」に、武道の精神である「自我を抑え我慢する」という意味の「押して忍ぶ」が当てられ、漢字では「押忍」と表記されるようになった。
つまりこの言葉を使用する悟空=若い武道家であるということを端的に表しているのである。
さらに注目してもらいたいのは、オラという一人称だ。
「オラ」は日本語の方言であるが、スペイン語で親しいものへの挨拶という意味もある。親しみやすい悟空の性格を「オラ」という言葉に様々な意味を込め表しているのかもしれない。
「hola」は朝・昼・夜いつでも使える挨拶です。 聞いたことあるかもしれませんが、「やぁ」とか「こんにちわ」という意味です。 親しい間柄でよく使われます。
さらにオラという言葉は韓国語で「오라」と書き、「来い」という意味もあるのだ。悟空が戦い好きの先頭民族であることの表しているのではないだろうか?
ここまで考えて来て一つ疑問に思ったことがあるだろう。 「オッス!オラ」となった場合、スペイン語の挨拶も含まれている「オラ」と、武道家の挨拶である「オッス」で二重の挨拶をしてしまうことになる。
これは「おはようこんにちは」と言っているようなものであり、大変おかしな言葉になってしまう。
でも一度「悟空」というキャラクターという特徴を考えてみてほしい。悟空と言えば教養がそれほどある人物ではない。むしろ頭が悪いと断言しても良いくらいだ。「オッス!オラ」という二重挨拶にすることにより、悟空の愛すべきキャラクターを表現しているのである。考えられた上での二重挨拶なのである。奥が深い。
そして最後にこの言葉のリズムに注目して欲しい。一度「オッス!オラ悟空」という言葉を口に出していってみよう。言いやすく、リズム良く口にすることが出来るのがわかるだろう。
なぜリズムが良いのかというと実は2つ理由があるのだ。
この言葉は「悟空」という名詞で終わっている。つまり体現止めである。体言止めを使用すると、簡潔に表現ができ、また文章にリズムを持たせることができる。
また「オッス」「オラ」「悟空」と3つの単語にこのセリフは分けられるわけだが、トン・トン・トンというリズムを感じられると思う。この3つの言葉はスタッカートを用いて発音しているのではないかと私は予測している。
スタッカートはイタリア語で「離れた」、「分離された」という意味があり、音を浮き立たせてインパクトを持たせる効果がある。
さらにもうひとつ考えてみてほしい
「オッス!オラ悟空」
は8文字だ。これは次に言葉が繋がると考えて七五調のリズムを取ろうとしている。冒頭であげた「オッス!オラ悟空!いっちょやってみっか!」というセリフを例にしよう。
オッスオラ悟空:8文字
いっちょ:4文字
やってみっか:6文字
字余りはあるかもしれないが、757のリズムで言える心地よさを感じられる。こういった面からリズムの心地よさを出しているのであろう。
「オス」や「オラ」の意味、裏に隠された二重の意味、リズム…こういった面により、オッス!オラ悟空は素晴らしいセリフということがわかっただろう。
裏に隠された意味を読むと、セリフを考えた監督やスタッフの深い意図がわかってきて、よりアニメを楽しめるんじゃないだろうか。
※自分でも途中から何書いているのかわかりませんでした
Twitterもやっています
都会から来た女の子がバスに乗ってたときの会話
— megaya (@megaya0403) 2017年9月30日
「あの家かなり古いね」
「人住んでるのかな?」
「あそこまで行くと文化遺産だよね」
「網戸も開かなそうだよね」
「あっちもけっこうボロボロだねー!笑」
僕(やめてくれ、、、あれは俺の親戚の家だ、、、)