バンコクから国際列車に乗ってラオスのビエンチャンへ行き、そこからラオス中国鉄道に乗り換えてバンビエンまで行った週末旅行の続きです。
バンビエンまでのようすは前編をご覧ください。
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※ラオスの“Vang Vieng”のカタカナ表記は「バンビエン」「ヴァンヴィエン」「ヴァンビエン」などさまざまありますが、当記事では「バンビエン」で統一しています。同じく、“Vientiane”も「ビエンチャン」「ヴィエンチャン」などありますが、「ビエンチャン」としています。
送迎車が・・・
バンビエンの駅に着いた私たちは、あらかじめお願いしていた迎えの車を待っていました。
バンビエン駅はバンビエン中心部から北東に約4キロ離れた場所にあり、私たちが予約したリゾートはバンビエン中心部から西側へ約20キロ行った山あいの集落に位置していたので、移動手段の確保が必要でした。
そこで事前に宿に問い合わせたところ、送迎サービスの連絡先を教えてくれました。
ホテル専属の送迎車というわけではないので、自分たちで直接連絡を取ってのチャーター予約です。
ちなみに、WhatsApp Messengerでのやりとりでしたが、タイ語で問題ありませんでした。(おそらく英語でも大丈夫かと)
ホテルまでの往復で1,000バーツ、予約金として事前に先方のタイの銀行口座へ500バーツの振込を行っていました。
(実際にやり取りしたのは同行のタイ友で、元々片道600バーツだったのが往復で上記価格になったとのこと)
バンビエンの駅に到着した私たちは、改札(駅を出る時もQRコードを提示する)を出て駅正面のロータリーまでやってきました。
バンビエンの駅も、ビエンチャンの駅も作りは似ています。(中国語が目立つこと!)
駅の周りには何もなく、高速列車が到着した直後は降りてきた乗客で少し賑わいますが、それぞれがお迎えの車やソンテウと呼ばれる乗り合いバスで行ってしまうと、たちまち閑散とした雰囲気になります。
(駅に隣接する大きな建物はホテルかと思ったら、どうやら国鉄職員の宿舎とのこと。職員は家賃も食事も無料で、高速鉄道も乗り放題だとか)
そんな静まり返ったロータリーにぽつんと取り残された私たち2人。
そうです、お迎えの車の姿が見当たらないのです。
タイ友がスマホを確認すると、事前にやり取りしていたラオス人運転手からのWhatsAppメッセージが。
「急用ができたので、友人が代わりに迎えに行きます」
どうやらそのメッセージは我々がバンビエンに到着する数分前に届いていたようですが、下車準備のさなかで友人はそのメッセージに気づかなかったもよう。
タイ友が返信メッセージを送ります。
「その友人はどこに来てます?」
しかし、既読にならず。
アプリで通話を試みますが、応答せず。
この時点で、私は「あー、やられたな」と思いました。
振り込んだ500バーツはもう返ってこないんだろうなと。
とりあえず、タイ友がリゾートに電話して「紹介してもらった送迎車が来ないんですけど」と告げると、宿の人が「確認するのでお待ちください」と言うので、一旦電話を切って待機しました。
しばらくすると、元々コンタクトを取っていたラオス人運転手からメッセージが届きました。
「電波の届かないところにいました。ごめんなさい」
と同時に、別のラオス人からタイ友に電話がかかってきました。
「あと3分で着きます!」
途方に暮れかかっていたのですが、とりあえず迎えには来てもらえることがわかったので一安心です。
その車がやって来たのは、それから10分後でしたけど。笑
山間のリゾートへ
ロータリーの向こう側に止まった1台の車。
中からずんぐりとした青年が降りてきて、手を振りながらこちらに向かってきます。
私たちも荷物を持って車の方へと歩きます。
そのドライバーの彼曰く、このロータリーへ入ってこられるのは許可された公共交通機関(ソンテウとミニバス?)だけらしく、タクシーは150mほど手前の空き地で乗降する必要があるようです。
数分前、町からタクシーに乗ってきた欧米人旅行者があんな場所で降りてわざわざ歩いて駅に向かってくるのが謎でしたが、そういう理由だったんですね。
荷物を車に積み込んだらリゾートに向けて出発です。
このドライバーJ君、見た目は少しいかつい感じながらも、なかなか気さくな青年でした。
ナムソン川(Nam Song River)にかかる橋を渡って、対岸の集落を進みます。
バンビエンと言えばこのナムソン川でのチュービング(タイヤのチューブに乗って流れていくもの)やカヤックなどが有名です。
ただ、この時期はさすがに水が冷たいのか、雨季で流れが早いからなのか、チュービングをしている人はいませんでした。
ちなみにこのナムソン川、ナムは川(メーナーム)の意味なので、「ソン川」あるいは「ソーン川」と書くべきか迷いましたが(タイ語では『メーナーム・ソーン』)、日本語でも英語でもナムソン川(Nam Song River)が一般的なようなのでそれに従います。
バンビエンはまだ未舗装の道も多くあり、車がガタガタ揺れたり砂埃がすごかったりします。
それでも、石灰岩の浸食によってできた独特な山々の景観は美しく、見ていて飽きません。
そんな田舎の景色を楽しみながら30分ほど山の方へ入って行くと、宿に到着しました。
Angsavanh Resortという、山と田畑に囲まれた緑豊かなリゾートで、背面には小さな川も流れています。
とにかく景色が最高で、自然大好きな人には非常におすすめの宿です。
グーグルマップで酷評しているレビュー(クチコミ)もありましたが、部屋によって違うのでしょうかね?
少なくとも、私たちが泊まった部屋は明るく清潔で、田んぼとマウンテンビューが最高の部屋でした。
(場所がら、蟻や小さな虫などが入ってくることはあります。そのあたりの耐性がまったくない方は厳しいかも)
また、バンビエンの町なかからは遠いので、飲み歩きや食べ歩きをしたい人には不向きですが、のんびり自然を満喫したい方はぜひ!
でもくれぐれも高級リゾートの設備やサービスを過剰に期待しないでくださいね。
agodaでAngsavanh Resortを検索する
ブルーラグーンへ
バンビエンの名所のひとつに「ブルーラグーン」(Blue Lagoon)と呼ばれるエメラルドグリーンの色をした池があります。
そしてこのブルーラグーン、何ヶ所かに点在してるのです。
アンサワンリゾートの近くにも「ブルーラグーン3」と呼ばれる池があり、日は傾きかけていましたが、せっかくなのでブラブラ歩いて行ってみることにしました。
ニワトリや牛さんが放し飼いにされているのどかな集落を通っていくと、ブルーラグーンの入口があります。
ここでおじさんに1人20,000キープ支払います。(タイバーツだと40バーツ徴収されました)
ここから田んぼ道をさらに300mほど進むと、天然プールのようなブルーラグーンに到着です。
山の影になっていたので、写真ではあまりエメラルドグリーン感はありませんが、日中はもっときれいなんだろうと想像します。
池の周りには売店や椅子などがあり、飲食も可能です。
時間があれば、ここでのんびり過ごすのもよさそうです。
透明な水には魚の姿もたくさん。筏やジップラインなどもありました。
私も少し水に浸かって泳いだりしてみましたが、日も陰ってきたため少し肌寒くなり、雰囲気は味わえたので早めに帰ることにしました。
リゾートへの帰り道、水牛の親子に遭遇。
仕事帰りでしょうか、バイクのおじさんに後ろからせかされながら、マイペースにお家へ帰って行きました。
晩ごはん
宿の周りには何もないので、夕飯はリゾートのレストランで食べました。
価格は町なかのレストランとそれほど変わりなく、リゾートにしてはリーズナブルでした。
ちなみに、ビヤラオ(Beer Lao)は1缶20,000キープ(約135円)でした。
瓶が品切れだったのはちょっと残念。
料理はどれも美味しかったですよ。
星空タイム
実は、日が沈む前から部屋の前のデッキでスタンバイして、西の空を観察していました。
話題の紫金山・アトラス彗星が見えないかなと密かに期待していたのです。
ただ、この日の紫金山・アトラス彗星は日の入直後の地平線近くの場所に現れるのですが、リゾートの西側にはこんもりとした山が連なっていたのと低空には雲が漂っていたこともあって、やはり見ることはできませんでした。
また、この日は全体的に空が霞んでいたのと、わりと月明かりのある夜だったため、あまり星を見るコンディションは良くありませんでした。
光害レベル「クラス1」という、せっかく暗い場所にやってきましたが、こればかりは仕方ありません。
たぶん、月明かりをうまく利用して撮影することも可能なのでしょうが、私には少しハードルが高かったです。
(あと、リゾートの部屋から漏れる明かりもけっこうありました)
夜半過ぎ。月が西の空に沈んだので、東側の空を撮ってみようと部屋を出てリゾートの入口の方へと向かいました。
本当は民家の明かりのない場所まで行きたかったのですが、さすがに勝手知らない他国の地なのでリゾート前の道路での撮影に留めました。
10月半ば。既に冬の星座が夜空を彩り、この夜はさらに木星と金星が冬のダイヤモンドや冬の大三角付近に輝いていたこともあり、とても華やかな星空でした。
薄雲がかかってかすみがちな空でしたが、これだけ星がきれいに写ったのも、やはり暗い夜空のおかげでしょうね。(薄っすらと冬の天の川も写っています)
夜明け
翌朝、朝もやの中の日の出をぼんやり眺めてみました。
緑の田んぼと山がしだいに明るくなっていく様子はとても幻想的で美しかったです。
部屋からこんな景色がみられるなんて、これだけでも十分このリゾートに泊った価値がありました。
朝ごはんは一般的なビュッフェ形式でした。
まあ、朝食は可もなく不可もなくといった平凡なものでしたが、贅沢は言いますまい。
チェックアウトまで、リゾートの庭で写真を撮ったり、ベンチに座って景色を眺めたりしながら、のんびり過ごしました。
(右のはバリ島の割れ門…?)
バンビエン中心部へ
帰りの列車は午後でしたが、せっかくなので少し早めに宿を出てバンビエンの中心部に立ち寄り、ランチでもすることに決めていました。
それでドライバーのJ君には10時に迎えに来てもらうよう告げてあったのですが、当日ちゃんと9時50分には駐車場で待機してくれていました。
再びガタガタ道を走ってバンビエンの町なかへと向かいます。
バンビエンの目抜き通り的な場所で降ろしてもらい、適当に散策&ランチでもすることにしました。
10数年前と見違えるほど変わったというわけではありませんが、それでも大型のホテルがちらほら建ったのと中国語が目立つなあという印象を受けました。
軽く散策した後は、Tango bakeryというお店でひたすらダラダラ過ごしました。
ラオスと言えばアボカドジュースというのが私の定番になっているので、とりあえずスムージーを1杯。
その後は、ビアラオを飲みつつハンバーガーを食べたり、ソムタムのきゅうり版(タム・テーン)をつまんだり、ラオスなのにパッタイを頼んでみたり。
13時半、再びJ君に店まで迎えに来てもらいました。
ソンテウなんかをつかまえて駅まで行ってもよかったんですが、ダラダラ飲み食いしたら面倒になったのと、J君もいい人だったので、100バーツで駅まで送ってもらうことにしたんです。
ここから駅までどのくらいかと聞くと「すぐだよ、3分!」と答えるJ君。
ま、10分かかりましたけどね。
たぶん、彼の3分は我々の10分なのでしょう。
座席回転事件
13時50分、バンビエンから高速鉄道に乗ってビエンチャンへ戻ります。
席に着こうとすると、そのあたりの人はみんな進行方向と逆を向いて座っているではないですか。
なーぜーにー?
と困惑していると、タイ友も「きっと(座席が回転すること)知らないんだよ」と言います。
そこで、わたくし、ひと肌脱ぐことに。
自分の席だけを回転させると後ろ側に座っている女性ふたりと「ご対面~」みたいになっちゃうので、驚かさないようお二人に一言「席を回してもいいですか?」って声をかけたわけです。
すると「え、できるの?」って驚かれたので、わたくし、お任せくださいと言わんばかりの微笑みを浮かべて頷き、座席をつかみ足元のレバーを踏んでグイっとシートをひねりました。
グイッ。
(あれ、ちょっと難しい...)
もう一度、グイッ!
あれ・・・?
グイッといきそうになったのは私の腰のほうで、シートはうんともすんとも動きません。
軽くパニックになりつつ座席の構造をよく見てみたら・・・
これ、固定されてるやつ!
回転しないやつ!😳
じゃあ、足元のペダルは何なんだよ!
ってなったんですが、どうやら、2席(あるいは3席)のリクライニングを一気に元の位置に戻すレバーだったもよう。
わたくし、赤っ恥かきました。
いやはや。
座席は進行方向に向けて回転できるのが当たり前という思い込み。。。
でも、みなさん、なんとも思わないのでしょうか。
ずっと反対側に流れる景色を見続けるなんて。
行きはたまたま進行方向向きの座席だったらしく何とも思わなかったのですが、どうやら車両の真ん中半分で座席の方向がそれぞれ逆になっているようでした。
つまり、半分の人は進行方向、残り半分の人は逆方向を見て座るってことですね。
(でもよく考えたら、4人掛けの固定ボックスシートだって、半分は逆方向か・・・)
もう恥ずかしいったらありゃしない。
その後はひたすら寝たふりしてました。
ビエンチャンから国境越え
14時50分、また予定より少し早くビエンチャン駅に到着しました。
当初の予定では、ラオス中国鉄道のビエンチャン駅からカムサワート駅まで行って、そこからタイラオス国際列車に乗ってバンコクまで帰る予定でしたが、帰りの日付を1日勘違いして買ってしまうという私の致命的ミスの発覚によりチケットを払い戻し(この日の国際列車は既に満席)、結局、陸路で国境を越えてノンカーイの駅から別の寝台列車に乗って帰るというプランへの変更を余儀なくされた私たち。
そんなわけで、ビエンチャンの駅から自力で国境のタイ=ラオス友好橋まで向かうことになったのですが、駅の改札を出てまっすぐ進むと、バスがたくさん停まっている場所に「Thai–Lao Friendship Bridge」と書かれた紙を持ったバスの乗務員がいたので、すぐわかりました。
運賃は、30,000キープ(または50バーツ)で、車内で支払います。
この47番のバスに乗って約30分ほどで、国境に到着。
ここで、ラオスの出国手続きを行います。
前に4、5人ほどいましたが、5分程度並んだだけですんなりと出国完了。
(ちなみに、ここでも20バーツは要求されました)
出国スタンプをもらったらそのまま先に進み、タイ側のイミグレーションまで行くバスのチケットを買います。
20,000キープ、または30バーツでした。
チケット売り場前でしばらく待ってから、順次バスに乗り込みます。
(元京都市バスでした!)
橋を渡るだけなので、あっという間にタイのイミグレに到着。
ここでは15分くらい列に並びました。
無事に入国スタンプをもらったら荷物をX線に通して通過・・・
と思ったら、キャリーケースの中を見せろと言われました。
どうやらカメラ機材がいっぱい入っていたので、何かと思ったらしいです。
もちろん特に問題になるものはなく、カメラグッズだとわかるとすんなり通してもらえました。
16時5分、こうして無事タイに入国完了。
ビエンチャンの駅に到着してからノーンカーイでタイに入国するまで、ざっと1時間15分でした。
メコン川のほとりで
夜行列車の発車まではまだまだ時間があるので、メコン川沿いでまったりすることにしました。
Grabで川沿いにあるベトナム生春巻き風料理「ネームヌアン(แหนมเหนือง)」のお店へ。
Daeng Namnuang という、わりと有名なお店です。
店に入った頃はまだ時間も早かったので空席も目立ちましたが、次第に家族連れや旅行者で賑わいだし、気づいたら満席になっていました。
メコン川の彼方に沈む夕陽がきれいでした。
ノンカーイからバンコクへ
18時40分、ノンカーイ駅に到着。
発車までまだ1時間もあるというのに、特急26号はすでに入線しており、すぐに乗車可能だったのは助かりました。
この2等寝台車は、中央通路式のプルマン式寝台でした。
中国製の比較的新しい車両です。
乗車した時点では座席仕様でしたが、発車してしばらくすると係員がベッドメイクをしてくれました。
なお、行きの国際列車では水も出なかったと書きましたが、この寝台列車ではちゃんとタイ国鉄印の水が配られました。(謎)
寝台車ではあまりよく眠れないという方もいるかもしれませんが、私はけっこう眠れるんですよね。
この日も横になってしばらくすると、知らない間に爆睡していました。
疲れもあったのでしょうが、あの鉄道独特の揺れと音が私の眠気を誘うようです。
目が覚めたのは、アユタヤを過ぎたあたりでした。
月曜日の朝5時50分、無事にクルンテープアピワット駅に到着。
一旦、家に帰ってシャワーを浴びてから、わりと軽やかに会社へと向かったのでした。
以上、週末にラオスのバンビエンまで夜行列車で行ってきた話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ではまた。