国土交通省航空局は、民間航空の監督者として、民間航空の安全のために自らが講ずべき対策などを網羅的に規定する規程として、平成25年10月に「航空安全プログラム」を策定した。従来行ってきた規則遵守の安全対策に加えて、規制当局（レギュレーター）と業務提供者（プロバイダ）のそれぞれが、事前予防的な取り組みなどを実施し、安全性の向上を図ることが目的だ。具体的には、業務提供者に対し、個々の安全指標および安全目標値の設定を求め、安全達成度の監視を行う。また、安全情報の収集範囲を拡大し、安全情報の共有を図ることで事前予防策を充実させている。航空安全プログラムに対応した体制を確立するため、各分野において、「レギュレーター」と「プロバイダ」を明確に分離し、国の運用機関と規制当局の間の権限や責任を明確に示した。安全情報収集手段として、自発報告制度を確立し、義務報告と合わせて、事前予防策を充実させている。