今後も「令和のコメ騒動」は繰り返す?周回遅れになった日本の農業政策=原彰宏 | マネーボイス

今後も「令和のコメ騒動」は繰り返す?周回遅れになった日本の農業政策=原彰宏

全国で「コメ不足」が話題になっています。少なくとも新米が本格的に出回る9月まで、需給はひっ迫した状況が続くということです。なぜこんな状況が起こるのか。いまこそ農業政策を見直すべきときが来ています。(『 らぽーる・マガジン らぽーる・マガジン 』原彰宏)

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※本記事は、『らぽーる・マガジン』 2024年8月12日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

令和のコメ騒動?

最近、スーパーに買物に行って「お米コーナー」が品薄状態になっていることに気づきませんか?いま「令和のコメ騒動」というのが話題になっています。

「令和のコメ騒動」には元ネタがあります。今から30年前の「平成のコメ騒動」です。当時は、深刻な冷害(冷夏)で、コメが大凶作となり、お米は並ばないと買えなかったのです。

令和の今年は、昨夏の猛暑の影響で品質の高いコメの流通量が減ったというのです。
※参考:お米、店頭で購入制限も 1994年「平成の米騒動」以来の高値 – 日本経済新聞(2024年7月29日配信)

「平成」では、冷夏による大凶作。
「令和」では、猛暑による品質低下。

卸会社は手元在庫が不足していて、スーパーなどではコメの仕入れが難しくなり、店頭で購入制限を始めたということです。

少なくとも新米が本格的に出回る9月まで、需給はひっ迫した状況が続くということです。

「生産調整」で価格を維持するのは限界…

農林水産省が毎月公表しているコメの民間在庫の水準では、昨年産のコメで今年6月末の民間在庫が156万トンとなり、前年同月に比べて41万トンも減少しています。

統計開始の1999年以来で最低水準という状況だそうです。

異常な気象がコメの生育に影響したこともさることながら、インフレの影響で食料品価格が軒並み高騰する中で、相対的に値上がりが緩やかなコメに消費者がシフトしていることがコメ不足の背景にあるともみられているようです。

「相対(あいたい)取引価格が11%上がっており、店頭でも1割くらい上がっている(農林水産省農産局農産制作部担当)」

コロナ禍の外出自粛で飲食店が苦境となる中、2020~2021年の民間在庫は「かなり積み上がっていた」というのですが、コメの産地では、生産を増やすと価格が下がるとみて対応したため2022~2023年は「需給が締まっていた」とのことです。

いつまで「生産調整」で価格を維持しようとしているのでしょうかね。

銘柄によっては調達が難しくなったり、値段が予想以上に高くなって調達が難しくなった可能性もあるようです。

インフレの影響ですね。

Next: 今後もコメ騒動は起こる?いまこそ農業政策を見直すべき

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