国が勧める「NISA」の真実。非課税にしてまで政府が手に入れたいもの=俣野成敏 | マネーボイス

国が勧める「NISA」の真実。非課税にしてまで政府が手に入れたいもの=俣野成敏

国が勧める「NISA」は本当にお得なのでしょうか?“国のお墨付き”があるからと飛びつかず、自分の目的に合ったものがどうかをしっかりと見極める必要があります。NISAのメリットとデメリットを知らずに、金融機関の言葉を鵜呑みにするのは危険です。(俣野成敏の『サラリーマンを「副業」にしよう』実践編

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※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『サラリーマンを「副業」にしよう』実践編』2021年7月15日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:俣野成敏(またのなるとし)
ビジネス書著者、投資家、ビジネスオーナー。リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳で東証一部上場グループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。2012年に独立。フランチャイズ複数店舗のビジネスオーナーや投資家として活動。投資にはマネーリテラシーの向上が不可欠と感じ、その啓蒙活動にも尽力している。自著『プロフェッショナルサラリーマン』が12万部、共著『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』のシリーズが13万部を超えるベストセラーとなる。近著では『トップ1%の人だけが知っている』のシリーズが11万部に。著作累計は48万部。ビジネス誌やwebメディア掲載実績多数。『まぐまぐ大賞』を5年連続受賞。

本当にお得か?政府が勧める「NISA(少額投資非課税制度)」の真実

今回は「この夏、知っていただきたいNISAの真実」特集をお送りします。特集にあたり、投資に詳しい金融の専門家・織田耕平さんをゲストにお迎えいたしました。「NISAは本当に得なのかどうか?」といったことなどについて、お聞きしたいと思います。

プロフィール:織田耕平(おりた こうへい)
国内の大手精密機械メーカー海外営業部に配属され、東南アジア・オセアニア地区のセールスマネジャーとして国際ビジネスの現場で経験を積んだ後、国内証券会社に転職。超富裕層を相手に、プライベートバンカーとして個人・法人の資産形成から事業承継に至るまでを一手に引き受ける。そこで航空機を用いた資産運用法と、それによる高い節税効果に気づき、航空機専門商社・リース会社に転職する。各業界を比較検討した結果、「これまでの経験すべてを活かせる場として、海外金融業界で生きていく」決意を胸に、2015年4月に起業。シンガポールにてJIFPA(S)PTE LTDを立ち上げる。現在は、JIFPASのCEOにて海外不動産コーディネーター、シンガポール富裕層へのコンサルティング、金融機関向けに金融商品の開発等を手がけている。

※本記事は、織田さんへの取材をもとに、筆者(俣野)が適宜内容を補って執筆しています。

「NISA」は口座の名称、商品ではない

金融の専門家である織田さんのところには、日々、多くの相談者がやってきます。織田さんが最近、気になっているのは、相談者からしばしば「NISAは国のお墨付きを得ている商品だから安心だ」と言われることだと言います。

NISAは、本当に国のお墨付きを得た商品なのでしょうか。

NISAは、日本語で「少額投資非課税制度」と言います。実は、NISAとは口座の名前であって、商品名ではありません。

現在、株式や投資信託等の金融商品を購入すると、得られた利益や配当に対して20.315%の税金がかかります。しかしNISA口座を使った取引であれば、決められた金額まで購入した金融商品の利益に税金がかからない、というのがNISAの概要です。

通常、株や投資信託の取引には、取引口座の開設が必要です。金融商品の売買をする際、取引口座を使って行います。先ほど、「NISAは口座名に過ぎない」とお伝えしましたが、取引のためのお金を入れておく口座がNISAです。もともと、NISAでしか購入できない金融商品というのはありませんから、「NISAは国のお墨付きだ」というのは、勘違いであることがわかると思います。

要は、NISAは単なる“非課税枠”に過ぎないということです。

2種類のNISAと特徴

現在、NISAには、普通の「NISA」と「つみたてNISA」の2種類があります。

NISA内で購入できるのは、上場株式・投資信託・ETFなど。
つみたてNISA内で購入できるのは、投資信託・ETFです。

もう1つ、ジュニアNISAというのもありますが、こちらは2023年で終了予定になっています。

非課税枠であるNISAには、当然、限度が定められています。NISAは年間120万円以内(最大600万円)で最長5年までですが、ロールオーバーと呼ばれる延長手続きをすれば、翌年の非課税投資枠に移管することが可能です。つみたてNISAは年間40万円まで(最大800万円)で、最長20年までです。

2つのNISAは併用ができず、口座の変更も年に1回しかできません。

「基本的には、大きい金融機関のほうが取扱商品も多くなりますし、ネット証券であれば、株式売買手数料が無料のところもあります」(織田さん談)

Next: なぜ非課税?税収を減らしてまで国が手に入れたいものとは

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