宮城フォトレポート(令和4年度)
令和4年度
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新着情報
- 宮城県古川農業試験場と「モミタス」について意見交換を行いました。(令和5年3月13日)
- 県内関係機関(JA宮城中央会、JA全農みやぎ、水土里ネット)と意見交換を行いました。(令和5年2月~3月)
- 食品残渣活用による肥料化に取り組むアミタサーキュラー(株)を訪問しました。(令和5年3月1日)
- 子実用とうもろこしの2年目の大規模実証試験に向けて(JA古川)(令和5年2月28日)
- みやぎ生協(本部)と「みどりの食料システム戦略」に関する意見交換を行いました。(令和5年2月16日)
- 「葉物野菜をLED照明で栽培」株式会社東松島ファームを訪問しました。(令和5年2月13日)
- 「次年度に向けホップステップ!」子実用とうもろこしの成績検討会が開催されました。(令和5年1月16日)
宮城県古川農業試験場と「モミタス」について意見交換を行いました。(令和5年3月13日)
宮城県拠点は、大崎市にある宮城県古川農業試験場を訪問し、暗渠もみ殻の簡易開削充填機「モミタス」等の取組について意見交換を行いました。
平成16年に古川農業試験場が開発したモミタスは、排水機能が低下したほ場の機能回復のため、トラクターに装着し本暗渠の疎水材であるもみ殻を充填することができる装置です。
古川農業試験場では、モミタスを広く利用してもらえるように特許等は取得せず、装置の設計図等を公表し、要請があればもみ殻を充填する実演ほ場に出向き、実際にモミタスを装着したトラクターの作業状況を見ていただいています。
また、みどりの食料システム戦略に即したメタン発酵消化液の作物栽培への利用や環境保全米の肥料等の取組について意見を交わしました。
宮城県拠点では、地域の課題解決に役立つ情報として、関係機関等の取組を引き続き情報発信していきます。
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古川農業試験場の浅野部長(左) | 宮城県拠点の山田地方参事官(左奥) | モミタス(左)を装着したトラクター |
県内関係機関(JA宮城中央会、JA全農みやぎ、水土里ネット)と意見交換を行いました。(令和5年2月~3月)
宮城県拠点は2月から3月にかけて、JA宮城中央会、JA全農みやぎ、水土里ネットみやぎを訪問し、令和4年度補正予算及び令和5年度予算の主要事業を説明するとともに、農政に関する意見交換を行いました。
各関係機関との主な意見交換のテーマは以下のとおりです。
畑地化促進や国産粗飼料の広域流通のほか、主食用米と飼料用米(多収品種)のコンタミ防止(J A宮城中央会)
米粉用米の消費減少による影響やスマート農業の普及のほか、資材価格高騰に直面する経営実態(JA全農みやぎ)
畑作の事業メニューの拡充による地域の農地利用(畑地化or水稲作)の検討(水土里ネットみやぎ)
宮城県拠点は、現場の声を汲み上げ、地域の実情を踏まえた課題解決に向けて引き続き取り組んでいきます。
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J A宮城中央会の佐々木会長(手前) | J A宮城中央会との意見交換の様子 | JA全農みやぎとの意見交換の様子 (米穀部、園芸・生産振興部、生産資材部) |
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JA全農みやぎとの意見交換の様子 (畜産部) |
水土里ネットみやぎの浅野専務理事(右) | 水土里ネットみやぎとの意見交換の様子 宮城県拠点山田地方参事官(左) |
食品残渣活用による肥料化に取り組むアミタサーキュラー(株)を訪問しました。(令和5年3月1日)
宮城県拠点では、国内資源を活用した肥料化やバイオマス発電に取り組む県内の事業者と意見交換を進めています。今回は、南三陸町志津川にあるアミタサーキュラー(株)のバイオガス施設「南三陸BIO(ビオ)」を訪問し、施設見学と意見交換を行いました。
南三陸BIOは、震災後に南三陸町が定めた「南三陸町バイオマス産業都市構想」の中核を担うリサイクル施設です。町内の住宅や店舗・宿泊施設等から出る生ゴミ、合併浄化槽の余剰汚泥など有機系の廃棄物を発酵処理し、バイオガスと液肥を製造しています。バイオガスは、ボイラーと発電に用いて施設の加温と電力供給に活用し、余剰分は売電しています。液肥はJAを通じて販売、液肥散布車で町内の田畑に供給されます。また、町内34か所に液肥タンクを設置して無料で提供し、家庭菜園等での利用など生ゴミを出した町民への液肥の普及に努めています。
今後は、この液肥を用いて栽培されたお米は「めぐりん米」と名付け、南三陸のブランド米として市場へ展開される予定です。
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白い建屋で生ゴミの不純物除去等を行う 後ろの円柱状がメタン発酵槽です |
南三陸BIOに置かれていた液肥散布車 春先は「出動」で大忙しとなります |
南三陸BIO岡田所長(左)から 液肥の説明を受ける山田地方参事官(右) |
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南三陸町バイオマス産業都市構想の全体イメージ(出典_南三陸町) | 液肥散布車のタンクに描かれたマスコット キャラクターの「めぐりんちゃん」(右)と「メタンくん」(左) |
子実用とうもろこしの2年目の大規模実証試験に向けて(JA古川)(令和5年2月28日)
令和4年度に子実用とうもろこしの大規模実証試験を始めたJA古川は、2月28日に関係機関や生産者を参集し、令和5年度に向けて「JA古川子実とうもろこし検討会」を開催しました。
検討会では、農研機構東北農業研究センターから大崎地域における大豆の現状と課題、子実用とうもろこしの安定生産、持続的な水田輪作と耕畜連携について講演がありました。
また、全農耕種総合対策部からは、実証試験による10a当たりの収量や作業時間当たりの収支等の発表があり、子実用とうもろこしのポテンシャルの高さが確認できたとの報告がありました。
大規模実証試験の2年目となる令和5年度は、収量アップに向けた湿害対策、虫・鳥害対策等の実証のほか、水田輪作による大豆の増収効果の検証が行われる予定です。
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挨拶をする東北農政局宮城県拠点の 山田地方参事官 |
農研機構東北農業研究センター 篠遠研究員による講演の様子 |
令和4年度の実証結果を報告する全農 耕種総合対策部つくば営農企画室の 阿部室長 |
みやぎ生協(本部)と「みどりの食料システム戦略」に関する意見交換を行いました。(令和5年2月16日)
宮城県拠点は生産部とともに、みやぎ生活協同組合(本部)を訪問し、みどりの食料システム戦略の取組等について意見交換を行いました。
みやぎ生協の取組として、全職員向けにみどりの食料システム戦略に関する勉強会を開催し理事長が自ら講義したことや、慣行栽培の半分を目標に農薬の使用総量をできるだけ減らして生産された農産物等の産直「めぐみ野」を中心とした事業の展開の話がありました。
また、鳥インフルエンザの影響による卵の仕入れ価格の上昇と卵製品の原料不足、輸入飼料の価格高騰により取引先の畜産農家の廃業が懸念され、今後の展開が見通せないといった現状についての発言がありました。
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みやぎ生活協同組合の 今野本部長 |
意見交換の様子 今野本部長(左)・東北農政局(右) |
意見交換の会場に展示されていた みやぎ生協の商品 |
「葉物野菜をLED照明で栽培」株式会社東松島ファームを訪問しました。(令和5年2月13日)
株式会社東松島ファーム(東松島市)は、東日本大震災の津波で被災し廃校となった東松島市の旧浜市小学校を活用し、令和4年6月からレタスやベビーリーフ、水菜などの葉物野菜を通年で生産・出荷しています。
旧体育館内に作られた無人の植物工場で、生育に必要な赤色と青色のLED照明で野菜を栽培するのが特徴です。
水耕栽培で無農薬のため、洗う必要がなく、そのまま食べることができ、日持ちもするメリットがあるとのことです。
植物工場内で生育された野菜は、取引先からのオーダーに合わせたパッケージに包装し、関東や東北のスーパーや飲食店等へ出荷されます。
阿部代表からは、「将来的には一連の栽培システムを海外にも輸出していきたい」との熱い想いを聞くことができました。
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旧体育館内に設置された無人の植物工場 | 代表取締役阿部基教氏(右)と 取締役阿部恒夫氏 |
東松島ファーム(旧浜市小学校) 外観 |
「次年度に向けホップステップ!」子実用とうもろこしの成績検討会が開催されました。(令和5年1月16日)
1月16日、涌谷地域農業再生協議会主催の「子実用とうもろこしの生産拡大に向けた成績検討会」が開催されました。
農研機構東北農業研究センターからは、産地化を目指す枠組みとして行政、JA及び研究機関が一体となって生産者をサポートしていく必要性が提起されました。宮城県畜産試験場からの令和4年度の実証成績の発表では、10a当たりの平均作業時間が2.5時間となり、1時間当たりの平均所得は5,000円と試算され、主食用米の平均所得(500円/時間)を大幅に上回る結果となりました。また、子実用とうもろこしの付加価値生産の可能性についても説明が行われ、真剣に聞き入る約50名の参加者の様子から、子実用とうもろこしへの期待の高さが伺えました。
2年目となる次年度は、(1)収量増収のための圃場選定と湿害対策、(2)後作大豆の生産、(3)連作地の土壌条件、などを中心とした実証が進められます。
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東北地域の取組事例を講演する 農研機構東北農業研究センターの篠遠氏 |
付加価値生産が期待される 高アントシアニン系統のとうもろこし |
当日配布された資料を活用し 令和5年度に向け「ホップステップ」です |
宮城県農業大学校の学生へ「水田農業ビジネス」の講義を行いました。(令和4年12月9日)
宮城県拠点では、毎年、宮城県農業大学校の依頼を受け、若手職員が農政に関する講義を行っています。
令和4年度は、水田経営学部学生6名に対して「水田農業ビジネス」をメインテーマに、水田農業をめぐる状況、農産物・食品の輸出及びみどりの食料システム戦略について説明をしたほか、動画を活用し、農山漁村発イノベーション、あふの環プロジェクト及びニッポンフードシフトについて紹介しました。
学生からは、「農業・農村の有する多面的機能を知ることができた」「気候変動が農業にも大きな影響があることを改めて知った」「SDGsの大切さが分かった」などの声がありました。
卒業後に農業法人等へ就職する皆さんには、農業に携わる様々な場面において活躍されることを期待しています。
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講義をする宮城県拠点職員 | 真剣に講義に耳を傾ける学生たち | 宮城県農業大学校(外観) |
食品残渣活用による肥料化に取り組む(株)ジェイネックスを訪問しました。(令和4年11月30日)
宮城県拠点では、国内資源を活用した肥料化やバイオマス発電に取り組む県内の事業者と意見交換を進めています。今回は、仙台市泉区にある(株)ジェイネックスを訪問し、工場見学と意見交換を行いました。
同社が通年販売している有機堆肥は、仙台市内や近隣市町村から受入れた食品廃棄物やメタン発酵後の消化液を原料として製造しており、農業者に安心して使ってもらえるようデータを活用した品質管理が行われています。
また、県北の大衡村から県南の岩沼市まで自社トラックで配送するなど、地域内の資源循環を進めています。
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宮城県拠点 山田地方参事官(左) | 各施設の機能を説明する尾形社長(右) | オリジナル有機堆肥(有太郎) |
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工場外観 |
食品残渣活用による肥料化に取り組む(株)東北バイオフードリサイクルを訪問しました。(令和4年11月11日)
宮城県拠点では、国内資源を活用した肥料化に取り組む県内の事業者と意見交換を進めています。今回は、津波被災地域の地力回復に取り組む農村振興部と一緒に、新たに肥料化の取組を開始した(株)東北バイオフードリサイクル(仙台市)を訪問し、工場見学と意見交換を行いました。
同社では、令和4年2月から仙台市を中心とする事業者から食品廃棄物を受入れ、再生可能エネルギーを創出するとともに、9月には処理過程で生じた発酵残渣の肥料を登録(固形肥料:伊達のみのり、液体肥料:伊達のしずく)しました。
宇田川代表取締役社長からは「宮城県の復興に貢献したいと思いこの地を選んだ。当社の肥料を被災地域の地力回復に役立てていただきたい」と復興への熱い思いを聞くことができました。
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宮城県拠点地方参事官室の山田参事官(右) | 事業概要を説明する宇田川社長 | 工場見学の様子 |
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工場外観 | 取組イメージ(Wリサイクルループ) |
美里町の農事組合法人から「FOEAS(フォアス)」の魅力をお聞きしました。(令和4年11月8日)
地下水位制御システム「FOEAS(フォアス)」は、ほ場の地下かんがいと暗渠(あんきょ)排水の両方を兼ね備えた装置であり、作物の種類や生育に応じてほ場を好適水位に設定することができます。
農事組合法人みらいす青生では、経営面積の約9割でフォアスが導入されており、水稲・大豆・大麦・とうもろこし・にんじん・ネギなどをブロックローテーションにより生産しています。また、フォアスは暗渠よりも埋設が浅いため排水路も浅くなり、畦畔法面の傾斜が緩くなることから、草刈り作業の危険性も少なく作業効率も良いとのことです。
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宮城県拠点の山田地方参事官(左)と フォアスについて説明する農事組合法人 みらいす青生の宍戸代表(右) |
フォアスの給水栓桝、地下かんがいと 暗渠排水の装置により、干ばつと湿害を 回避できます |
1ヘクタール区画のほ場は、乾田直播で 1日8ヘクタールの播種が可能です |
JA全農みやぎ県本部長と意見交換を行いました。(令和4年10月27日)
10月27日、宮城県拠点はJA全農みやぎを訪問し、令和5年度予算概算要求の主要事業を説明するとともに、水田活用直接支払交付金等による需要に応じた生産の推進や、みどりの食料システム戦略による環境負荷低減の取組等について意見交換を行いました。
JA全農みやぎの大友県本部長からは、飼料用米の多収性専用品種や、子実用とうもろこしを取り入れた大規模輪作体系に関する意見がありました。
宮城県拠点は、現場からの意見等を汲み上げ、地域の実情を踏まえた課題解決に引き続き取り組んでいきます。
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予算説明と意見交換の様子 宮城県拠点(左)、JA全農みやぎ(右) |
JA全農みやぎの 大友県本部長(中央) |
宮城県拠点地方参事官室の 山田地方参事官(中央) |
JA宮城中央会会長と意見交換を行いました。(令和4年10月13日)
10月13日、宮城県拠点はJA宮城中央会を訪問し、令和5年度予算概算要求の主要事業を説明するとともに、水田活用直接支払交付金等による需要に応じた生産の推進や、みどりの食料システム戦略による環境負荷低減の取組等について意見交換を行いました。
JA宮城中央会の佐々木会長からは、「良質な牧草生産に対する支援や子実用とうもろこしの収量向上施策、環境保全米の学校給食への通年供給を図る支援策」について要望が出されました。
宮城県拠点は、現場からの意見等を汲み上げ、地域の実情を踏まえた課題解決に引き続き取り組んでいきます。
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予算説明と意見交換の様子 宮城県拠点(左)、JA宮城中央会(右) |
JA宮城中央会の 佐々木会長(左奥) |
宮城県拠点地方参事官室の 山田地方参事官(右奥) |
「わかめ羊」を肥育する南三陸町の法人と意見交換をしてきました。(令和4年10月6日)
代表の金藤さんは、東日本大震災後、ボランティアとして被災地に入り、ボランティア活動の中から「新しい牧畜漁村をデザインする」をテーマに2012年6月「NPO法人さとうみファーム」を設立しました。オーストラリアの塩大地で育つ草を食べる羊の肉「ソルトブッシュラム」をヒントに、三陸産のわかめを飼料に混ぜた「わかめ羊(羊肉)」の生産・販売やひつじ食堂(バーベキュー)の経営をしています。
飼料は地元の飼料会社から購入した国産の稲わらや飼料用米等に、わかめの芯のほか同町ワイナリーから出るぶどうの搾りかす(期間限定)をブレンドしています。現在、飼料の90%以上が国産ですが、100%国産飼料を目指しています。
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羊舎で意見交換(左が金藤代表) | わかめの芯を稲わら等と混ぜて 乳酸発酵させた餌(中央がわかめの芯) |
餌は朝夕の2回。食いつきが良く あっという間に無くなりました。 |
「大雨ニモマケズ、風ニモマケズ!」子実用とうもろこしが収穫されました。 (令和4年9月8日、13日)
秋雨前線の合間を縫って「子実用とうもろこし」の収穫実演会が9月8日に涌谷町、9月13日に大崎市(古川)で開催されました。両地区とも、コーンヘッダーというアタッチメントを装着した汎用コンバインを使用し、子実と茎葉を刈取部のローリングカッターで分離させ、子実のみを脱穀部に送ります。収穫後は穀物乾燥機で水分量を15%以下に乾燥させた後、飼料工場に運ばれます。
涌谷町では「圃場を分散させ生育実証を行ったが、やはり湿害に弱く圃場の選定にあたっては暗渠の入っている圃場や高田を選ばなければならない」、大崎市では「7月中旬の大雨による浸水や、圃場の一部に虫害等が発生したが、大きな被害もなく収穫できて良かった」との声が関係者から聞かれました。
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(涌谷町)2mを超える草丈の中を 汎用コンバインが進んでいきます |
(涌谷町)刈取った子実を フレキシブルコンテナバックに移します |
(涌谷町)脱穀された子実 茎や葉の残渣は入っていません |
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(大崎市)実入りの良いとうもろこし ※撮影のため皮を剥いています |
(大崎市)マスコミが多数訪れ 関心の高さが伺えました |
(大崎市)刈取った後はフレールモアで 残った茎葉を細かく切り刻みます |
「棚田を核に地域振興!」登米市の津山町沢田地区の棚田を現地調査しました。(令和4年9月12日)
宮城県拠点は農村振興部とともに、棚田地域振興法に基づき8月29日に指定棚田地域に指定された登米市の「津山町沢田地区の棚田」の現地調査を行いました。
棚田には、とうもろこし約1万本のほか、かぼちゃ、さつまいも等が作付けされており、石巻専修大学と連携した農作業体験の取組が行われています。また、耕作していない棚田には、除草効果を検証するため4頭の羊が放牧されています。
棚田を管理する沢田管理組合の方に今後の構想を聞いたところ、「棚田を核としたより一層の地域振興を図るため、グリーン・ツーリズムを視野に入れて、農作業体験の受入拡大や棚田周辺にキャンプできる環境を整備し、棚田地域をもっと魅力的なところにしていきたい。」と話していました。
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棚田に広がるとうもろこし畑 (令和3年7月 写真提供 登米市役所) |
お話を伺った沢田管理組合の 阿部代表(右)と片山幹事 |
除草効果検証のため放牧されている羊 モグモグと「お仕事」をしています |
色麻町の若手農家と畜産経営の現状について意見交換を行いました。(令和4年7月20日)
宮城県拠点と生産部畜産課は、色麻町役場を訪問し、色麻町で畜産を営む若手農家へ「畜産をめぐる状況」について情報提供するとともに、現場の取組に関して意見交換を行いました。
出席者からは「荒廃農地を草地に転換し、自給飼料の確保に努めている」、「加工業者と連携し、エコフィードに取り組んでいる」等の自給飼料確保の取組や「畜産物の品質維持のため、飼料形態は変えられないことから、一定程度の輸入粗飼料は給餌しなければならない」等の輸入飼料給餌の現状について発言があり、現場の実態を把握することができました。
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意見交換の趣旨を説明する 宮城県拠点山田地方参事官(中央) |
意見交換の様子(5名の若手畜産農家 に参加いただきました) |
畜産の情勢について説明する生産部 山路畜産課長(左から二人目) |
「生育量は100点満点」子実用とうもろこしの生育状況を確認しました。(令和4年6月27日)
子実用とうもろこし生産拡大に向けた栽培講習会(涌谷地域農業再生協議会主催)が開催され、栽培に係る情報・播種時の注意事項の講演と気象データを用いた熟期の推定等に関する講習が行われました。
講習会の後には、4月20日に播種した圃場に出向き、生育状況を確認しました。種苗会社からは「6月上旬の低温等によりやや生育が遅れているものの、初年度の栽培でこの生育量であれば100点満点」との話があり、このまま順調に推移すれば9月上旬頃の刈取りになりそうです。
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播種時の注意事項等について講演する 農研機構東北農業研究センターの篠遠氏 (会場:JA新みやぎ涌谷営農センター) |
順調に生育している子実用とうもろこし 収穫時には250cmを超えるそうです (涌谷町内の圃場) |
葉先で計測します 現在の草丈は180cm |
「ぶどうの花が咲きました」南三陸ワイナリーの施設と農園を訪問しました。(令和4年6月22日)
南三陸ワイナリーは、遊休農地等でぶどうを栽培し、魚の加工場だった施設を活用したワインの醸造・販売、レストランの経営といった6次産業化の取組を行っています。
7月上旬には、昨年に海中へ沈めて熟成させたワインの引き上げのイベントが開催される予定です。
ぶどうを栽培している入谷地区の農園0.3haでは、約500本のシャルドネが順調に生育し、レインカットの下では今年も「ぶどうの花」が咲いていました。このまま順調に進めば10月上旬頃に収穫期を迎えそうです。
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カビや病気を防止するため設置されている レインカット(雨よけビニール) |
今年もシャルドネの花が咲きました | 海中熟成されたワインにはフジツボほか 海のおまけがついています |
「30歳で6次化に挑戦!」仙台市の若手生産者で組織するレタスジャパンを紹介します。(令和4年6月14日)
仙台市六郷地区で若手生産者が組織した「レタスジャパン」を訪問し、農業経営についてお話を聞いてきました。
レタスジャパンでは、主にレタス等の露地栽培に取り組んでいますが、昨年は「(株)KAI」という加工・販売を行う別組織を立ち上げ、レタスジャパンで生産された野菜等を使ったサンドウィッチやスムージー等を各店舗で販売。経営の多角化を図っています。
組織の代表であるお二人は、「農業には無限の可能性があると信じ、周囲の反対を押し切って就農した。農業経営は不安定で難しい面もあるが、こんなに楽しい仕事はない。」と話していました。
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テイクアウト専門店「Sapeur Café」 にて意見交換 山田参事官(左)、三浦来喜氏(中央)、 大友裕貴氏(右) |
代表の三浦来喜氏(左)と大友裕貴氏(右) 「30歳で6次化に挑戦」との目標を実現 |
令和3年に「Sapeur Café」、令和4年に バブルワッフル専門キッチンカー、スムージーと サラダの店「olu olu」をオープン (写真は、レタスジャパンHPより) |
「営農支援フェア2022」に東北農政局ブースを出展しました(令和4年6月8日~9日)
令和4年6月8日から9日に夢メッセ宮城で開催された「営農支援フェア2022」(JAグループ宮城主催)では、スマート農機等の農業機械の展示や営農情報等の展示・発信が行われ、多数の来場者で賑わいました。
東北農政局も、「みどりの食料システム戦略」をはじめとした各種施策のパネル展示やスマート農業の動画をループ再生するブースを出展し、来場者に施策のチラシやパンフレットを宮城県拠点の職員が配布しました。
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東北農政局が出展したブースの様子 | 展示された農業用機械 | 会場内の様子 |
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東北農政局が出展したブースの様子 | 展示された農業用機械 | 会場内の様子 |
「レタスも社員も生き活きです」 美里グリーンベースを訪問しました。(令和4年6月3日)
美里町にある「美里グリーンベース」(敷地面積7.6ha、建屋面積5.1ha)は、リーフレタスを生産する次世代型植物工場(オランダ式グリーンハウス)です。
植物工場を経営する(株)舞台ファームは、育苗から栽培までの工程を自動管理するシステムを独自に開発し、令和3年10月から1日に3~4万株の生産を開始しました。
現在は、令和4年3月の福島県沖地震による被害のため、3割程度の生産しかできない状況ですが、施設内は3か月後の本格稼働を目指して働く社員や作業員の活気にあふれていました。
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まだ地震の影響が残る広大な施設内、 遠くに緑が見えました |
土を滅菌し、ソイルブロックを 作る特殊な機械 |
12mの樋状のガターで栽培された リーフレタスは、息の合った作業で あっという間に収穫されます |
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収穫したてのリーフレタス (左から)伊藤常務、美里町長、山田参事官 |
根元を切らず土をつけたまま出荷する ので、家庭でも摘みたてが食べられます |
自然栽培や有機栽培に近い ソイルブロック栽培は根張りが良く、 葉は肉厚になるとのことです |
「シーサイドファーム波路上」と意見交換を行いました。(令和4年6月2日)
気仙沼市で長ねぎといちごの栽培を手掛ける「シーサイドファーム波路上」では、平成29年に長ねぎの栽培を開始し、平成30年からは養液や環境をコンピューター制御できる大型ハウス2棟で、いちごの高設養液栽培を行っており、地元住民を雇用するなど、地域の所得向上に貢献しています。
佐藤代表から「「とちおとめ」と「もういっこ」を栽培しており、6月末まで収穫作業が続く」とのお話がありました。
環境の整ったいちごハウスの中では、受粉を助ける「クロマルハナバチ」が気持ち良さそうに飛んでいました。
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高設養液栽培のハウス内 温度に合わせ天窓が自動開閉します |
農業経営に関して意見交換 佐藤代表(左)と山田参事官(右) |
収穫された「もういっこ」 併設された作業室でパック詰めされます |
宮城県学校給食会と「みどりの食料システム戦略」について意見交換を行いました。(令和4年6月1日)
宮城県拠点は生産部とともに、宮城県学校給食会を訪問し、みどりの食料システム戦略の推進について意見交換を行いました。
学校給食会からは、「宮城の給食は宮城のお米を子供達に食べさせたいとの思いから、県、市町村、JA及び学校給食会が連携し、みやぎの環境保全米を生産地の31市町村に提供している。」との話がありました。
みやぎの環境保全米は、化学農薬成分量と化学肥料使用量を慣行栽培比で、それぞれ50%以上削減して栽培されており、みどりの食料システム戦略で掲げているKPIの環境保全の目指す姿をすでに実践しています。
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みどりの食料システム戦略を説明 (中央:山田地方参事官) |
意見交換の様子 | 宮城県学校給食会の取組を説明 (中央:大沼理事長) |
「とみやはちみつプロジェクト」採蜜式に参加してきました。(令和4年5月20日)
富谷市の「とみやはちみつプロジェクト」は、今年で6年目を迎えます。
本プロジェクトは、市民サポーターらとともに市役所屋上に設置した蜜箱で養蜂活動を行い、はちみつを使って、農商工連携をみすえた新たな特産品の開発等を行い地域産業の活性化につなげるというものです。
今年の採蜜式は、国連が制定した世界ミツバチの日(5月20日)に開催され、市長や市民サポーターら約20名により、今年初の採蜜作業が行われました。
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蜜蓋を取る若生富谷市長 | 蜜箱を遠心分離機にかける市民サポーター | 流れ出る黄金色のはちみつ |
筑波大学附属駒場中学校の皆さんが東北農政局を訪れました。(令和4年5月19日)
筑波大学附属駒場中学校の総合的な学習の時間における「東北地域研究」の取材で、生徒5名の皆さんが東北農政局を訪れました。
当日は、研究テーマの「農業や第六次産業の現状と震災、コロナによる影響」に関する事前質問への見解とともに、テーマとは別に説明した「みどりの食料システム戦略」に大変興味を示され、予定していた取材時間を過ぎるまで質問を受けるなど、生徒の皆さんの真剣さが伝わりました。
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「東北地域研究」の取材の様子 | 説明内容について真剣に メモを取る生徒の皆さん |
みどりの食料システム戦略や農業の 現状等を積極的に質問する生徒の皆さん |
藍の「食用」としての可能性について、意見交換を行いました。(令和4年5月11日)
南三陸町で藍の栽培を手掛ける「でんでんむしカンパニー」を訪問し、藍の食用への展開について伺いました。
でんでんむしカンパニーでは平成26年から耕作放棄地を活用した藍栽培を行っており、3月に播種し、4月中旬から5月中旬に圃場へ定植した苗は、7月下旬に一番刈りの収穫を予定しています。
収穫し乾燥させた藍は、染料としての活用するほか「あい茶」を製品化しオンラインショップ等で販売しています。
藍には食物繊維やポリフェノールが豊富に含まれていることからコレステロールの低減効果があることが分かってきており、でんでんむしカンパニーでは今後地元のレストランと藍を使用した新メニューの開発を行っていきます。
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藍栽培のほか藍染体験や古民家を再生 した民泊を行う中村代表 |
定植された藍。7月下旬には 成人の腰の高さまで成長します |
販売されている「あい茶」 (写真:でんでんむしカンパニー提供) |
海洋プラスチック問題に配慮した米生産の田植作業を見学してきました。(令和4年5月11日)
JA新みやぎ南三陸統括営農センターは、プラスチック被膜殻による海洋汚染の問題を解決するための実証試験として、肥料メーカーと生産法人の協力のもと、海に程近い気仙沼市波路上地区の水田において、マイクロプラスチックを使用しないペースト肥料の2段施肥による田植えを行いました。この実証試験では、水田ごとにペースト肥料の施肥量を変えながら、3枚の水田に田植えを行い、生育状況、収穫量及び品質等の確認も行うこととしています。
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粒状のプラスチック被膜殻が 海洋へ流出し問題となっている |
2段施肥機能アタッチメントを付けた 田植機にペースト肥料を注入 |
マスコミや近隣農家も多数集まり 関心の高さがうかがえた |
生活協同組合あいコープみやぎと「みどりの食料システム戦略」について意見交換を行いました。(令和4年4月27日)
山田地方参事官は、生活協同組合あいコープみやぎを訪問し、みどりの食料システム戦略について説明、意見交換を行いました。
あいコープみやぎからは、「約40年前から小規模ながらも、環境負荷軽減を意識した有機農産物の販売を始めていた。近年、有機・農薬不使用の農産物の注文点数の割合は増加傾向であり、消費者の有機に対する意識が高まっている。みどりの食料システム戦略は、2050年と先の目標にはなるが、有機栽培をはじめとする環境に配慮した取組を掲げてくれたことを嬉しく思っている。」との話がありました。
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あいコープみやぎの職員(左)と 山田地方参事官(右) |
みどりの食料システム戦略について説明 | あいコープみやぎの取組を 説明する吉武常務(中央) |
水土里ネットみやぎと「みどりの食料システム戦略」について意見交換を行いました。(令和4年4月25日)
山田地方参事官は、水土里ネットみやぎ(宮城県土地改良事業団体連合会)を訪問し、農山漁村における再生可能エネルギーの導入をはじめ、みどりの食料システム戦略について意見交換を行いました。
水土里ネットみやぎの浅野専務理事からは、「みどりの食料システム戦略によって、地産地消型エネルギーが地域で円滑に活用できるようになれば、土地改良区の役割も広がり、農業者のメリットにも繋がる。土地改良区を通じて地域に推進していきたい。」との話がありました。
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水土里ネットみやぎの浅野専務理事 (中央)と畑調整役(左) |
みどりの食料システム戦略について説明 | 再生可能エネルギーについて 意見交換を行う山田地方参事官 |
宮城県北部地域(大崎市古川・涌谷町) 「子実用とうもろこし」播種作業実演会が行われました。(令和4年4月20日)
新たな転換作物として注目されている「子実用とうもろこし」の播種実演会が4月20日に大崎市内、4月21日に涌谷町内で開催されました。
両地区とも、最新の真空播種機を装着したトラクター等による実演を行い、農研機構担当者から「生育期間中の作業で最も大切なのは播種作業であり、間隔・深度をしっかり調整すること」等の説明がありました。大崎市の生産者からは、「大崎地域は本州一の大豆の産地であり、子実用とうもろこしとの輪作により大豆の収量アップにも繋げていきたい」との声が聞かれました。また、涌谷町の生産者からは、「初めての取組みのため国を始めとする関係機関の支援をお願いしたい」との話がありました。
宮城県内の令和4年産子実用とうもろこしの作付面積は、160haを超える見込となっています。
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(大崎市)目皿式播種機による播種作業 | (大崎市)播種間隔は幅約20cm、植え付け深度は約5cmが適正とされている | (大崎市)真空播種機による播種作業 |
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(涌谷町)播種には真空播種機を 装着した大型トラクターを使用 |
(涌谷町)農研機構担当者と情報交換する 山田地方参事官(右から2人目) |
(涌谷町)ドローンで撮影した作業の 映像は涌谷町のホームページで公開予定 |
過去の宮城フォトレポート
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