国内種苗の検査について:植物防疫所
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植物防疫所

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国内種苗の検査について

  農業生産の安定を図るため、種苗の健全性が収穫に大きく影響を及ぼす作物については、国が指定種苗として指定し検疫を行っています。

  指定種苗は、植物防疫官が毎年栽培中に病害虫の検査を行い、この検査に合格しないと種苗として移動することができません。

 

指定種苗の検査

  現在、指定種苗には馬鈴しょ(ジャガイモ)が指定されています。馬鈴しょの検査は、北海道、青森県、岩手県、福島県、群馬県、山梨県、長野県、岡山県、広島県、長崎県及び熊本県において、ジャガイモガ、ジャガイモシストセンチュウ及びジャガイモシロシストセンチュウの3種類の害虫と馬鈴しょウイルス、輪腐病菌、青枯病菌、そうか病菌、粉状そうか病菌、黒あざ病菌及び疫病菌の7種類の病気を対象にして行っています。

  検査する時期は、植付け前のほ場及び馬鈴しょの種いも、栽培期間中及び収穫後の生産された馬鈴しょと3段階の検査を実施しています。これらの検査すべてに合格した馬鈴しょの種いもに種馬鈴しょ合格証票が発給されます。

 

指定種苗(馬鈴しょ)のほ場検査
馬鈴しょ(ジャガイモ)の栽培期間中の検査風景

種馬鈴しょ検査合格証票の見本
検査合格証票サンプル

 

果樹母樹ウイルス病検定

  果樹は通常、種子から育成することはなく、目的とする品種の穂木を接ぎ木又は挿し木して育成・増殖します。穂木を採取する樹のことを母樹といい、母樹がウイルスやウイロイドに感染していた場合、この母樹から採取された穂木はすべて同じウイルスやウイロイドに感染しています。果樹を育成・増殖する場合、ウイルスやウイロイドに感染していない母樹から採取することが非常に重要になります。

  果樹類は指定種苗に指定されてはいませんが、その重要性を考慮し、植物防疫所は母樹がウイルスやウイロイドに感染しているかどうかを検査しています。検査は園地で病徴を確認する一次検査と一次検査に合格した母樹から採取した穂木を、接木接種、酵素結合抗体法などで検定する二次検査を行っています。

 

接種検定により現れた病徴

ブドウフレックウイルスの検定植物セントジョージにおける葉脈間透過症状 検定植物上に現われたカンキツウイロイドの病徴

(左)

ブドウフレックウイルスの検定植物セントジョージにおける葉脈間透過症状

 

(右)

検定植物上に現われたカンキツウイロイドの病徴

 

酵素結合抗体法(エライザ法)の反応例

酵素結合抗体法(エライザ法)の反応例

目標とするウイルスがサンプル内に存在する場合は黄色に発色します。