動物に使用する抗菌性物質について
最終更新日:令和6年10月8日
担当:消費・安全局畜水産安全管理課
はじめに
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☆獣医療関係者及び獣医学生・生産者・ペットオーナー向けページのご案内☆
それぞれの立場の方々に知っておいてほしい薬剤耐性に係る事項をリーフレットやポスター、動画等を通して発信しています。
クリックして確認してみましょう!
☆薬剤耐性問題の解決に向けた取組☆
薬剤耐性における農水省の取組などについてアクションプランの6つの目標別に説明しています。
また、動物医薬品検査所の取組、人医療分野でのAMR対策、海外でのAMR対策に関連する情報等も掲載しています。
興味がある内容をクリックしてみてください!!
A..薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(以下、アクションプラン)とは
アクションプランとは、薬剤耐性(AMR)の発生をできる限り抑えるとともに、薬剤耐性菌による感染症のまん延を防止するための対策をまとめたものです。人、動物、農業分野などが分野の垣根を越えて取り組む、ワンヘルスアプローチ[外部リンク]
の手法によりすすめる課題を「6つの目標」に分けて示しています。
本ページに掲載しております薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023-2027)について、一部誤りがございましたので、以下のとおり訂正いたします。
誤:Clostridium difficile(クロストリジウム・ディフィシル)
正:Clostridioides difficile(クロストリジオイデス・ディフィシル)
(該当箇所:6ページ目、35ページ目、74ページ目、75ページ目、94ページ目)
誤:pts 欠損
正:pstS 欠損
(該当箇所:54ページ目)
1 普及啓発
1-1 通知等
農林水産省では、アクションプランに沿った取り組みを推進するため、抗菌剤の慎重な使用のさらなる周知・徹底等を目的とした以下の通知を発出するとともに、リーフレットの作成や薬剤耐性対策に係る認知度調査等を実施しています。
通知
- 【関連通知】薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023-2027)の策定に基づく薬剤耐性対策の推進について(令和5年5月31日)(PDF : 346KB)(別記様式(別記様式)動物用医薬品の使用記録表(EXCEL : 21KB)
- 【関連通知】動物用抗菌性物質製剤の慎重使用の徹底及び薬剤耐性対策における取組事例の収集について(平成29年10月24日)(PDF : 269KB)
- 【関連通知】薬剤耐性対策行動計画の周知と動物用抗菌性物質の慎重使用の徹底について(平成28年10月19日)(PDF : 80KB)
- 【関連通知】愛玩動物医療分野における薬剤耐性対策について(平成28年10月19日)(PDF : 81KB)
薬剤耐性(AMR)対策推進月間についてのリーフレット
日本では、薬剤耐性(AMR)に関する全国的な普及啓発活動を推進するため、
毎月11月を薬剤耐性(AMR)対策推進月間に設定し、国民一人ひとりの主体的な取組を促していくこととしています。
獣医師向け 愛玩動物医療関係者向け
2 動向調査・監視
農林水産省では、抗菌剤の慎重使用・抗菌剤に頼らない畜水産物の生産実現及び人医療等と連携したワンヘルスの取組推進に向けて、動物分野の薬剤耐性に係る動向調査・監視を実施しています。
2-1 薬剤耐性菌モニタリング
2-2 動物用抗菌剤の販売高
2-3 人用抗菌剤の販売量調査
2-4 薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書
近年のAMR対策を進める機運の高まりのなかで、ヒト、動物、食品、環境といった垣根を超えた「ワンヘルス」としての薬剤耐性に関わる統合的な動向調査検討会(主催:厚生労働省)を実施しています。
検討会の報告書はこちら→(2017年版(PDF:2,182KB、外部リンク) / 2018年版(PDF:4,325KB、外部リンク) / 2019年版(PDF:3,255KB、外部リンク) / 2020年版(PDF:4,934KB、外部リンク) / 2021年版(PDF:5,550KB、外部リンク) / 2022年版(PDF:5,068KB、外部リンク))
(参考)AMR(薬剤耐性)とワンヘルスの理解を深める統計情報サイト[外部リンク]
3 感染予防
家畜の飼養衛生管理基準を向上させ、健康状態を良好に維持することは、動物の感染症を予防し、安全な畜水産物の生産を確保するとともに、抗菌剤の使用機会を低減することにつながり、薬剤耐性菌の発生及び選択を抑制する上で非常に重要です。農林水産省では、感染予防を推進する取組を実施しています。
- 飼養衛生管理基準について
- 抗菌剤に頼らない畜水産物の生産体制の推進について(PDF:670KB)
- 動物用医薬品対策事業について(PDF:528KB)
- 飼養衛生管理情報通信整備事業委託費について(PDF:428KB)
4 適正使用・慎重使用
獣医師及び生産者を中心とした、抗菌剤を使用する際の「責任ある慎重使用」の徹底に関する基本的な考え方を公表しています。また、現場の獣医師の適切な抗菌性物質の選択に資するよう、牛及び豚の呼吸器病並びに牛の乳房炎における 治療ガイドブック を作成しています。
4-1 抗菌性物質のリスク管理措置
農林水産省では、リスク管理措置を策定する上で必要となる指針を定め、これに基づいてリスク管理措置を策定、実施しています。
(概要)抗菌性物質のリスク管理措置(PDF : 140KB)(詳細版)農林水産省のリスク管理措置(PDF : 1,549KB)
動物用医薬品(動物用抗菌性物質製剤)
飼料添加物
4-2 食品安全委員会の評価結果等の活用
動物に使用する抗菌性物質は、食品安全委員会において、人への影響についてリスク評価を実施しています。その評価結果を踏まえ、農林水産省はリスク管理措置を講じています。(評価結果の詳細はこちら)
5 研究開発
レギュラトリーサイエンスに属する研究で、薬剤耐性のリスク低減に関する研究を実施しています。
実施中の試験研究課題
環境への抗菌剤・薬剤耐性菌の拡散量低減を目指したワンヘルス推進プロジェクト(実施期間:令和4年度~令和8年度)
(研究概要(PDF:711KB) / 令和4年度実績報告(PDF:166KB))
過去の試験研究課題
抗菌剤に頼らない常在疾病防除技術の開発(実施期間:平成29年度~令和3年度)
(研究成果の概要等(PDF:347KB) / 研究成果報告書(PDF:946KB))
動物用抗菌剤の使用によるリスクを低減するための研究(実施期間:平成29年度~令和3年度)
(研究成果の概要等(PDF:592KB) / 研究成果報告書(PDF:1505KB))
6 国際協力
農林水産省では、薬剤耐性菌に関するWOAHの国際基準、コーデックス委員会の実施規範やガイドライン等の策定過程において、関係会合等に参画し、積極的に意見提出をはじめとした貢献に努めています。
6-1 動物医薬品検査所における取組み
動物医薬品検査所は、WOAHコラボレーティング・センターとして、アジア諸国の薬剤耐性検査担当者に対する技術研修・セミナーを実施しています。
動物医薬品検査所の薬剤耐性に関する取組の詳細についてはこちら
6-2 WOAHにおける取組み
WOAHは、薬剤耐性菌対策に関する陸生及び水生動物衛生規約を策定しています。
6-3 (参考)コーデックスのガイドライン等
Codexは、薬剤耐性菌の問題に対して、リスクアナリシスの考え方に基づいてリスク評価を行った上で、リスクの程度に応じたリスク管理措置を講じることが重要であるとしており、薬剤耐性対策に関する行動規範(Code of Practice)やガイドラインを定めています。
- 薬剤耐性対策に関する行動規範(英文)(PDF : 449KB)
- 薬剤耐性のリスクアナリシスに関するガイドライン (英文)(PDF : 964KB)
- 薬剤耐性のモニタリング及びサーベイランスに関するガイドライン(英文)(PDF : 415KB)
6-4 (参考)WHO国際行動計画
WHOは、2015年5月、薬剤耐性に関する国際行動計画を採択しました。薬剤耐性対策は、世界的に人医療、動物その他の関係分野が連携して対応する課題であるとされています。
WHOは、行動計画を踏まえ、薬剤耐性菌に関する理解を深め、意識向上をはかるため、毎年11月の1週間を、World Antibiotic Awareness Weekとしています。
それに対応して、WOAHにおいても動物分野での取組を行っています。
6-5 (参考)G7 CVOフォーラム
G7 CVOフォーラムにおいても、第1回、第2回、第5回の会合にて薬剤耐性(AMR)問題が世界的な問題として取り上げられ、議論・情報共有が行われました。
B..動物医薬品検査所の取組
動物医薬品検査所は、WOAHコラボレーティング・センターとして、アジア諸国の薬剤耐性検査担当者に対する技術研修・セミナーを実施しています。
動物医薬品検査所の薬剤耐性に関する取組の詳細についてはこちらをご覧ください。
C..人の薬剤耐性対策
人医療分野においても、AMR対策は非常に重要であり、感染症の治療を確保し、医療費を削減し、公衆衛生を向上させるために不可欠です。以下に、人医療分野での薬剤耐性に関する取組をまとめたサイトを紹介します。
D..海外の薬剤耐性対策
薬剤耐性(AMR)対策は、日本だけでなく世界中の国々にとっても大きな課題となっています。各国が協力し課題解決に向けた取組を実施することが重要です。ここでは、海外での薬剤耐性対応についての関連情報を紹介しています。
- EUの新たな動物用医薬品規則への対応
- 海外の残留基準値
- 欧米における適応外使用に関する規則・基本原則(今後掲載予定です)
お問合せ先
消費・安全局畜水産安全管理課
担当者:薬剤耐性対策班、飼料安全基準班
代表:03-3502-8111(内線4532)
ダイヤルイン:03-6744-2103