更新日:令和6年1月25日
有害微生物による食中毒を減らすための農林水産省の取組(リスク管理)
微生物と食品の関係
微生物は、農畜水産物(食品)中で増殖すると品質(香り、味、色等)を劣化させることが多いので、農畜水産物(食品)の品質を保つため、農場や食品工場などにおいて、設備・器具や運搬車両の洗浄、殺菌・消毒、微生物検査、低温保存が行われています。家庭においても、冷蔵庫の使用は食品の品質を保つのに有効です。微生物の特徴としては、次のようなものがあります。
(微生物の特徴)
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さらに、食中毒の原因となる微生物(食中毒菌)は、品質が劣化しているかどうか分からない程度しか増殖していない場合でも食中毒を起こすことがあります。 そこで、食中毒菌の侵入を防止するため、食品を作ったり、取り扱う場所では、部外者の立入制限、従業員の糞便検査が行われたり、設備・器具や運搬車両の洗浄・消毒が行われています。また、食中毒菌の特徴や農畜水産物(食品)の性質を考えて、高圧による殺菌、消費者への注意喚起なども行われています。家庭における適切な加熱調理も食中毒菌を減らすのに有効です。
(食中毒の原因となる微生物の特徴)
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*:芽胞とも呼ばれ、環境条件が増殖に適さない場合に微生物が自らの細胞内に形成します。環境条件が良くなると発芽し、再び増殖を始めます。
食中毒を減らすためにすべきこと
我が国における食中毒の発生を減らすために、農林水産省は、以下のことを行っています。
【1】農畜水産物の生産から消費までの情報の収集
食中毒発生に関係する情報を継続的に収集し、農畜水産物(食品)の生産(製造)から消費にわたる食中毒菌の汚染状況や農畜水産物(食品)の生産(製造)方法等の実態を知る必要があります。その際、既存の情報がない場合には調査・研究を行うことにより、科学データや関連情報を入手します。
(情報の例)
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収集した情報を基に、詳細な実態を知るべき食中毒菌と農畜水産物(食品)の組み合わせを決定し、その食中毒菌が、どこで、どの程度、その農畜水産物(食品)を汚染するのか、また、人が、その汚染食品を食べたとしたら、どの程度の人が食中毒になるのか等、さらに詳しい情報を入手します。
【3】対策の必要性を科学的に検討
すべての情報を基に、どこで、どんな対策を行ったら、どの程度食中毒が減るのかを、科学的に検討し、最も良い対策を決定し、実施します。例えば、農林水産省として衛生管理ガイドラインを作成し、対策の導入を促したり、生産者の自主的取組を推進します。なお、対策を決定する際には、次のような点も考慮します。
(対策を考える上で考慮する点)
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【4】対策の効果の検討と見直し
対策を実施したら、その対策が実際に効果があったのかどうかを知る必要があります。もし、十分な効果が得られなかったら、対策を見直します。
透明性の確保・リスクコミュニケーション
食中毒を減らすための取組のすべての段階において、関係者(生産者、流通・加工業者、消費者等)との情報交換等を行い、相互理解を深めるとともに透明性を高めます。このため、農林水産省では、「リスク管理検討会」を開催し、適時適切に「関係者」との意見交換を行うとともに、取組状況についてプレスリリースやホームページを活用して、公表しています。
農場、農畜水産物等の汚染実態調査
農林水産省は、平成19年4月に優先的に取り組むべき有害微生物を決定するとともに、サーベイランス・モニタリング中期計画を作成し、農場、農畜水産物等の汚染実態調査を実施しています。
関連のホームページへのリンク
- 農林水産省「食中毒から身を守るには」
- 厚生労働省「食中毒に関する情報」〔外部リンク〕
- 内閣府食品安全委員会「食中毒予防について」〔外部リンク〕
- 農林水産省が優先的にリスク管理を行うべき有害微生物のリストについて
- 食品の安全性に関する有害微生物のサーベイランス・モニタリング中期計画
- 食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス・モニタリング年次計画
- 食品媒介有害微生物リスク管理セミナー(平成19年4月23日開催)
お問合せ先
消費・安全局食品安全政策課代表:03-3502-8111(内線4457)
ダイヤルイン:03-6744-0490