知識があればこわくない!天然毒素:農林水産省
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知識があればこわくない!天然毒素

更新日:令和2年12月8日更新


天然毒素を持つ食品を食べて食中毒をおこすことがあります。中には毒性の強いものもありますが、正しい知識をもっていれば、食中毒を避けたり、その影響を小さくしたりすることができます。例えば、どのような食品の、どの部分に天然毒素が含まれるのかを知っていれば、天然毒素を持っている食品を食べないようにしたり、天然毒素が多く含まれる部分を取り除いたりして食中毒を防ぐことができます。
このページでは、身近なジャガイモをはじめとする動植物の天然毒素による食中毒の予防方法について解説します。

ジャガイモ野菜・山菜ビワの種アジサイの葉アルカロイドキンシバイその他

ジャガイモ(ソラニン・チャコニン)

ジャガイモの芽(芽とその芽の根元)や、皮(特に光が当たって緑色になった部分)には、天然毒素であるソラニンやチャコニンが多く含まれているので、これらの部分を十分取り除くことが大切です。
また、家庭菜園などで作られた未熟なジャガイモも、ソラニンやチャコニンを多く含んでいることがあるので、注意が必要です。

芽が出たジャガイモ、緑色に変わったジャガイモ(左)と色の変わったジャガイモ(右)


ジャガイモによる食中毒を予防するためのより詳しい情報はこちらをご覧ください。

学校や家庭等の菜園で栽培したジャガイモを食べることによる食中毒の発生を防ぐために、栽培から食べるまでの間の注意点をまとめたリーフレットを作成しましたので、ぜひご活用ください。

野菜・山菜とそれに似た有毒植物

有毒な植物を野菜や山菜と誤って採って食べたり、有毒な植物が混じった野菜や山菜を買ったり、譲ってもらったりして食べたことによる食中毒が数多く報告されています。このような食中毒が起きるのを防ぐには、野菜や山菜を出荷する生産者や消費者の皆様が、野菜や山菜とそれに似た有毒な植物の特徴を知り、野菜や山菜と有毒植物を見分ける力を養うことも必要になります。

こちらから、野菜・山菜とそれに似た有毒植物の特徴をまとめたリーフレットをダウンロードすることができます。

ビワの種子の粉末(青酸化合物)

ビワなどの種子(たね)や未熟な果実には、天然の有害物質が含まれています。平成29年、ビワの種子を粉末にした食品から、天然の有害物質(シアン化合物)が高い濃度で検出され、製品が回収される事案が複数ありました。ビワの種子が健康に良いという噂(うわさ)を信用して、シアン化合物を高濃度に含む食品を多量に摂取すると、健康を害する場合があります。個別の食品のシアン化合物濃度については、製造元にお問い合わせください。
熟した果肉は、安全に食べることができます。

熟したビワの果実と種子
熟したビワの果実と種子
ビワの種子
ビワの種子

写真提供:外部機関

より詳しい情報はこちらをご覧ください。

アジサイの葉

アジサイの葉を食べて、おう吐やめまいなどの中毒症状を引き起こした例があります。アジサイの葉が飾りとして皿に盛りつけられていても、食べてはいけません。

食経験が無かったり、中毒症状を引き起こしたりする植物の部位については、見た目の美しさから、食材として使用したり、飾りに使ったりしないようにしましょう。

アジサイの葉とシソの葉

[左]アジサイの葉:食べられません[右]大葉〔青シソ〕:食べられます

食品中のピロリジジンアルカロイド類

キク科、ムラサキ科などの一部の植物には、ピロリジジンアルカロイド類という天然毒素を含むものがあります。ピロリジジンアルカロイド類には多くの種類があり、植物によってその種類は様々ですが、中には肝臓への悪影響があるものもあることが報告されています。
国内ではピロリジジンアルカロイド類によるヒトの健康被害の報告はありませんが、国内でもピロリジジンアルカロイド類を含む植物が生えていたり、栽培されていたりすること等から、消費者の健康被害の発生を未然に防ぐための対応がとられています。

より詳しい情報はこちらをご覧ください。

キンシバイ(巻貝)(テトロドトキシン)

キンシバイは、フグの毒と同じ毒をもっている場合があり、それを食べると舌や手足がしびれ、症状が重い場合は死ぬこともあります。通常キンシバイは食用として流通していませんが、もし売られているのを見かけても食べないようにしてください。海に行った時には、採ったり食べたりしないでください。

キンシバイ(巻貝)の写真

写真提供:市立しものせき水族館海響館

その他

この他にも、フグ、キノコ、クワズイモなど、いろいろな動植物などが天然毒素をもっています。

身の回りにある動植物などをとって食べる場合は、間違って食べないように天然毒素をもつ動植物でないかどうかをよく確認することが重要です。

どのような動植物かがわからない場合は、食べないようにしてください。

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課

担当者:情報発信企画・評価班
代表:03-3502-8111(内線4474)
ダイヤルイン:03-3502-5719