17の目標と食品産業とのつながり:目標7に対する取組
17の目標と食品産業とのつながり
この目標は、国際協力の強化や、クリーンエネルギーに関するインフラと技術の拡大などを通じ、エネルギーへのアクセス拡大と、再生可能エネルギーの使用増大を推進しようとするものです。
- 上記の目標の訳は、どなたにでもわかりやすいよう、公益財団法人 日本ユニセフ協会の広報資料から引用しています。
- 各企業の取組の多くは、SDGsの複数の目標に関連しています。
この目標をめぐる状況
【日本では】
国民生活や経済活動に必要な一次エネルギーのうち、自国内で確保できる比率をエネルギー自給率といいますが、日本の2017年度のエネルギー自給率は、原子力発電を含めて9.5%です。2017年度は企業・事業所他部門が最終エネルギー消費全体の62.0%を占めました。企業・事業所他部門の中では製造業が70%のシェアを占めています。(エネルギー白書2019より)
日本には、太陽光、風力、水、地熱など豊富な再生可能エネルギーが、特に地方部に多く存在しています。これまで地域外に支払ってきたエネルギー代金を地域内の再生可能エネルギーの導入や投資に回すことで、エネルギー収支を改善し、足腰の強い地域経済の構築、新たな雇用創出や災害時の強靭さ(レジリエンス)の向上にもつながる効果が期待されます。(令和元年版環境白書)
【世界では】
10人に9人が電力にアクセスできるようになり、エネルギー消費の17.5%が再生可能エネルギーとなっています。また、エネルギー効率の改善により、1ドルの経済価値を生み出すのに必要なエネルギー量は毎年2.3%低減しています。しかし、今も電気なしで暮らす人は8億4千万人おり、その87%が地方に住んでいます。30億人が、クリーンな調理用燃料・技術を欠いた状態です。SDGsの目標 7、目標13および関連する目標を達成するためには、輸送や暖房なども含めて、再生可能エネルギーに対するより高いレベルの野心が求められています。(国連SDGsレポート2019より)
この目標と食品産業
今後の人口増加と世界的経済成長の下で、エネルギーの大幅な需要増加が見込まれ、石油需給のひっ迫は避けられないことから、食品産業を含む全産業が、さらなる省エネルギーの推進と、再生可能エネルギーへの転換を迫られています。(省エネ法の努力目標:エネルギー消費原単位を年平均1%以上低減)
各社の取組
株式会社アレフ
アレフでは、この目標に関連する2018~2020年度の環境行動目標として「自社から出る食品廃棄物を原料に再生可能エネルギー電力を自ら発電する」「再生可能エネルギー由来電力の利用割合目標を設定する」ことを掲げ、再生可能エネルギーを利用した事業運営を推進しています。https://www.aleph-inc.co.jp/csr/[外部リンク]
北海道恵庭市にある農業・環境をテーマとしたエコロジーテーマガーデン「えこりん村」内で、循環型メタン発酵施設「バイオガスプラント」を稼動。「小樽ビール醸造所」で発生するビール粕や、店舗の生ごみ処理機でつくられた生ごみ資材などを原料としてメタン発酵させ、バイオガスを取り出しています。このバイオガスと、店舗やお客様から回収した廃食用油から製造したバイオディーゼル燃料(BDF)を使って発電し、自家利用しています。2017年度の発電量は154,155kWh、事務所で使用する電力の68.5%をクリーンなエネルギーで賄うことができました。バイオガスを取り出した残さは、約0.3%の窒素分を含んだ液体肥料としてえこりん村の牧草地に散布し、採れた草は冬期間の羊の飼料に使われています。
株式会社ファミリーマート
ファミリーマートでは、店舗への太陽光パネル、LED照明の導入など、店舗におけるCO2削減を積極的に推進しています。また、最先端技術を活用した省エネ型店舗の開発と実証実験に取り組んでいます。https://www.family.co.jp/company/csr/famima_csr.html[外部リンク]
- 太陽光発電の取り組み
- 店内LED照明
- LED看板
- 駐車場照明の省エネ化
日清食品ホールディングス株式会社
日清食品ホールディングス株式会社 は、CO2排出量を削減した「バイオマスECOカップ」 (※)の採用や、即席麺容器や食品残渣を含むごみの再資源化に向けた取り組みを行っています。https://www.nissin.com/jp/news/8260[外部リンク]
(※)バイオマスECOカップ
従来の「ECOカップ」が持つ断熱性や保香性を維持しながら、容器に使用している石化由来のプラスチックを植物由来のバイオマスプラスチックに一部置き換えることで、バイオマス度を81%に引き上げた容器です。また、従来の「ECOカップ」に比べて1カップあたりの石化由来プラスチック使用量をほぼ半減、原料の調達からカップの製造、輸送および廃棄(焼却)に至るライフサイクルで排出されるCO2量を約16%削減しています。
- 「ごみ発電電力」の使用
そのため、日清食品は「カップヌードル」の容器に使用しているプラスチックをカーボンニュートラルな特性を持つバイオマス資源 (植物由来) を使ったプラスチックに一部置き換えることで、化石燃料由来のプラスチック使用量削減 (=CO2排出量削減) に取り組んでおり、さらに、「ごみ発電電力」を利用し、焼却に伴うエネルギーを活用することで、即席麺容器や、食品残渣を含むごみの再資源化に向け、東京本社で使用する電力を「ごみ発電電力」に切り替える活動を行っています。(東京本社電力使用量の50%を賄う予定)
国分グループ本社株式会社
国分グループは、主要な大型物流拠点の冷蔵・冷凍設備に自然冷媒の導入や人感センサー付きLED照明を採用すること等により、省エネルギー化に取り組んでいます。(貢献するターゲット7.3)https://www.kokubu.co.jp/sustainability/[外部リンク]
また、三温地帯(常温・チルド・冷凍)倉庫を1カ所に集約させることにより、入荷・配送時の輸送エネルギー削減を図っています。
その他、デマンドコントロール機能(受電電力を常時監視し、設定された値を超えないよう警告や自動制御を行う機能)の活用や、人感センサー付きLED照明を採用するなど、多方面から省エネルギー化を図っています。また、2016年以前に稼働した物流拠点についても、人感センサー付きLED照明へと変更を進めています。
株式会社日本アクセス
日本アクセスでは、物流施設における自家消費型太陽光発電システムを導入、稼働し、脱炭素化を推進しています。https://www.nippon-access.co.jp/[外部リンク]
本取り組みは、2021年3月より、当社、春日井物流センターおよび佐野定温・冷凍センターの2拠点で稼働を開始しており、今後は当社の全国拠点約330箇所のうち、太陽光発電システムが設置可能な物流施設へ順次導入を進めてまいります。
https://www.nippon-access.co.jp/files/topics/381_ext_01_0.pdf[外部リンク]
お問合せ先
大臣官房 新事業・食品産業部 企画グループ
代表:03-3502-8111(内線4139)
ダイヤルイン:03-6744-2065