EUの新たな動物用医薬品規則への対応
EUの動物用医薬品規則の概要
感染症治療薬である抗菌性物質の不適切な使用等により、抗菌性物質への耐性を獲得した細菌(薬剤耐性菌)が、近年、感染症対策上の重大な問題であるとして国際的に関心が高まっています。
2022年1月、EUは薬剤耐性菌対策を強化するため、EU域内へ輸入される畜水産物に対し、生産時の抗菌性物質使用を制限する規則を制定されました。第三国に適用されるのは2026年9月3日になります。
本規則において、以下が規定されています。
(ア)人医療に使用が限定される抗菌剤リスト(※EUが制定しているリスト)に掲載されている動物用医薬品が使用されていないこと
(イ)成長促進目的での抗菌剤の投与を行っていないことが証明された畜水産物のみがEUへの輸入が認められること
事業者等向けオンライン説明会
牛肉輸出に係るEUの新たな動物用医薬品規則の発効に伴うEU等向け輸出牛肉の取扱いに係る説明会(2024年4月16日、17日、19日開催)
説明資料(PDF : 3,539KB)
(分割版:説明資料1(PDF : 2,071KB)、説明資料2(PDF : 1,377KB))
説明会当日の質疑応答(PDF : 239KB)
EUにおける新たな動物用医薬品規則及びアニマルウェルフェア規則に関する説明(2023年2月22日開催)
EUの新たな動物用医薬品規則に関する情報提供(2021年11月2日開催)
説明資料(PDF : 571KB)
説明会当日の質疑応答(PDF : 161KB)
事業者等向けパンフレット等
・(別添)ホスホマイシンの使用に係る申告書(様式例)(WORD : 26KB)
(参考)ホスホマイシンに変わるワクチンや抗菌剤の一覧(PDF : 332KB)
過去の経緯
公的証明書に関する実施規則((EU)2024/399)の制定(2024年1月29日制定)
EUは、「第三国からEUに輸入される動物又は動物由来製品に対し特定の抗菌剤の使用を禁止する規則」((EU)2023/905)の第6条に規定されている「公的証明書に関する実施規則」((EU)2024/399)を2024年1月29日に制定し、同年2月12日に官報にて公表しました。本規則は同年9月3日から適用されます。
(参考)
EUの官報
https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=OJ:L_202400399(外部リンク)
公的証明書に関する規則案のSPS通報(2023年7月18日から同年9月16日まで)
EUは、「第三国からEUに輸入される動物又は動物由来製品に対し特定の抗菌剤の使用を禁止する規則」の第6条に規定されている公的証明書に関する実施規則案について、2023年7月18日付けでSPS通報を行い、同年9月16日まで実施しました。
本SPS通報によれば、本実施規則案の採択(adoption)は2023年10月頃、官報掲載(publication)は2024年1月頃と見込まれています。また、本実施規則案では、官報掲載日から20日後に発効(entry into force)され、その日から6か月後に適用(application)されることになっています。
第三国からEUに輸入される動物又は動物由来製品に対し特定の抗菌剤の使用を禁止する規則の適用は、公的証明書に関する規則の適用日から24か月後です。
(参考)
EUにおけるSPS通報
G/SPS/N/EU656(PDF : 1,032KB)
Draft implementing regulation(PDF : 492KB)、Draft ANNEX(PDF : 447KB)
第三国からEUに輸入される動物又は動物由来製品に対し特定の抗菌剤の使用を禁止する規則((EU)2023/905)の制定(2023年2月27日制定)
EUは、「第三国からEUに輸入される動物又は動物由来製品に対し特定の抗菌剤の使用を禁止する規則」((EU)2023/905)を2023年2月27日に制定し、同年5月4日付けで官報にて公表しました。本規則の適用は、本規則第6条に規定されている公的証明書に関する実施規則の適用日から24か月後に始まります。
EUの官報
https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=OJ:L:2023時11分6:FULL(PDF:848KB、外部リンク)
PDFの3-6ページ目(全33ページ)に同規則が掲載
第三国からEUに輸入される動物又は動物由来製品に対し特定の抗菌剤の使用禁止に関する規則案のSPS通報(2022年12月8日から2023年2月6日まで)
EUは、第三国からの輸入に関する規則案について、2022年12月8日付けでSPS通報を行い、2023年2月6日まで実施しました。
(参考)
EUにおけるSPS通報
G/SPS/N/EU/605(PDF : 88KB)
Draft delegated regulation(PDF : 456KB)
また、欧州委員会は、EUの新しい政策や現行法律に対して意見交換することができる「Have your say」においても、同様の規則案のパブリックコメントを2022年12月6日から2023年1月3日まで実施しました。
(参考)
欧州委員会におけるパブリックコメント(Have your say)のウェブページ
https://ec.europa.eu/info/law/better-regulation/have-your-say/initiatives/13667-Fight-against-antimicrobial-resistance-ban-on-certain-antimicrobials-in-animals-animal-products-imported-into-the-EU_en(外部リンク)
EUにおける人医療に使用が限定される抗菌剤を指定する規則((EU)2022/1255)の制定(2022年7月19日制定)
EUは、「人医療に使用が限定される抗菌剤を指定する規則」((EU)2022/1255)を2022年7月19日に制定し、同年7月20日付けで官報にて公表しました。本規則は2023年2月9日からEU加盟国で適用が開始されます。
この規則で指定された抗菌剤の中で、日本で動物用医薬品として承認されているのは「ホスホマイシン」です。
(参考)
EUの官報
https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=OJ:L:2022時19分1:FULL&from=EN(PDF:1,273KB 外部リンク)
PDFの60-62ページ目(全86ページ)に同規則が掲載
EUにおける人医療に使用が限定される抗菌剤を指定する規則案のSPS通報(2022年4月21日から同年6月20日まで)
EUは、人医療に使用が限定される抗菌剤を指定する規則案のSPS通報を2022年4月21日から同年6月20日まで実施しました。
(参考)
EUにおけるSPS通報
G/SPS/N/EU/557(PDF : 88KB)
Draft implementing regulation(PDF : 243KB)
Draft Annex(PDF : 144KB)
また、欧州委員会は、EUの新しい政策や現行法律に対して意見交換することができる「Have your say」においても、同様の規則案のパブリックコメントを2022年4月19日から同年5月17日まで実施しました。
(参考)
欧州委員会におけるパブリックコメント(Have your say)のウェブページ
https://ec.europa.eu/info/law/better-regulation/have-your-say/initiatives/11653-Drug-resistance-list-of-antimicrobial-medicines-reserved-for-treating-humans_en(外部リンク)
EUの新たな動物用医薬品規則の検討状況(2022年3月17日時点)
2022年3月時点の情報を取りまとめた資料です。
(参考)
欧州医薬品庁(EMA)の提言案(2022年5月25日更新版)
https://food.ec.europa.eu/system/files/2022-06/ah_vet-med_imp-reg-2019-06_amended-ema-advice_art-37-5.pdf(PDF:2,957KB 外部リンク)
EMA動物用医薬品 Info Day 2021(part2)の概要(2022年1月21日)
2021年11月30日に欧州医薬品庁(EMA)が開催したウェビナーの概要です。
「人医療に使用が限定される抗菌剤を指定する規則」や「第三国からの輸入に関する規制」の現状や今後の見通しに関する情報も含まれています。
EUの新たな動物用医薬品規則の概要(2021年11月1日時点)
フランスにおける成長促進目的の抗生物質使用食肉の輸入規制
フランスは、成長促進を目的に抗生物質を使用した食肉及び食肉製品の輸入等を禁止する法令を2022年2月21日に公布し、翌日22日に施行しました。
この法令により、フランスに食肉及び食肉製品を輸出する場合、輸出者は、成長促進を目的とした抗生物質の使用がない食肉及びそれに由来する食肉製品であることを証明する必要があります。
本規則は、輸入業者や販売業者に対して、施行から2か月間の猶予措置が設けられています。
証明方法として、2022年4月22日以降、フランスの事業者は、以下の様式の証明書をフランス当局に提示する必要があるとのことです(フランス輸入時の通関で求められるものではありません)。
なお、本法令は、EUの新たな動物用医薬品規則が日本を含めた第三国に適用される日(2026年9月3日)をもって廃止されます。
(参考1)証明書記入例(PDF : 254KB)
本証明に関して、国内の事業者は成長促進を目的とした抗生物質(注:イオノフォアを除く)の使用がない食肉及びそれに由来する食肉製品であることを証明する必要があり、フランスの事業者はフランス当局から証明書を求められた場合に提示する必要があります。
ついては、証明書を求められた場合に速やかに対応できるよう、関係する事業者間で事前の準備、対応を必要に応じて実施してください。
国内では、成長促進を目的とした抗菌性飼料添加物(抗生物質)は流通していませんので、証明書様式の記入や署名に際して、追加で確認することはありません。
(参考)
フランスlegifranceのウェブサイト
https://www.legifrance.gouv.fr/jorf/id/JORFTEXT000045198272(外部リンク)
廃止時期に関する規則
https://www.legifrance.gouv.fr/jorf/id/JORFTEXT000047753636?init=true&page=1&query=AGRG2309426A+&searchField=ALL&tab_selection=all (外部リンク)
お問合せ先
輸出・国際局国際地域課規制対策グループ/国際地域課
畜産局食肉鶏卵課
代表:03-3502-8111(内線4310(規制対策グループ)/3471(国際地域課)/4943(食肉鶏卵課))
ダイヤルイン:03-3501-4079(規制対策グループ)
03-6744-2130(食肉鶏卵課)