米国向けに水産食品を輸出する際に必要な手続きを教えてほしい
令和4年3月1日時点にて作成
回答
1.原発関係
これまで米国は、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、県単位での輸入停止措置を講じていましたが、2021年9月22日に撤廃されました。(参考)東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う諸外国・地域の輸入規制への対応
2.衛生関係
米国への水産食品(※1)の輸出にあたっては、日本の加工業者が米国の規則(米国連邦規則集21CFR Part117及びPart123)を遵守するとともに、輸入者がその検証を行う必要があるとされています。「アメリカ合衆国向け輸出水産食品の取扱要綱」では、厚生労働省や登録認定機関が米国規則に適合した施設を認定するための手続を定めております。詳細は、以下の農林水産省HPをご参照ください。(参考)北米|証明書や施設認定の申請 米国(水産物)
一方で、本要綱によらずとも、その他の方法によって当該施設が米国規則に適合していることを輸入者が検証することにより輸出することは可能です。
※1 魚介類(※2)を原料としていることがその食品の特徴である食品
※2 食用に供される淡水性並びに海水性の魚、甲殻類、その他の水棲動物(鳥類とほ乳類を除く。例えば、ワニ、カエル、ウミガメ、クラゲ、なまこ、ウニ及びこれらの動物の卵等)及びすべての軟体動物
なお、食品安全強化法(FSMA)に基づき、米国内でヒトや動物の消費に供するための食品を製造、加工、包装、保管する施設はFDAに施設登録が必要になります。また、輸入者は、輸入する食品をFDAに事前に通告する必要があります。
3.エビ製品の輸出
エビ製品の輸出においては、1996年5月1日付け「エビ底引き網漁業におけるウミガメの保護に関する公法第101-162号」に基づき、ウミガメの保護において問題ないことへの証明書が必要となります。詳しくは、以下の農林水産省HPをご参照ください。(参考)北米|証明書や施設認定の申請 米国(エビ製品)
4.二枚貝の輸出
米国では「全米貝類衛生プログラム(NSSP : National Shellfish Sanitation Program)」を実施しており、生(活・生鮮・生鮮冷凍)の二枚貝(カキ類、ハマグリ類、イガイ類)及びホタテ貝(貝柱のみのものを除く)を輸出するためには、「国家貝類衛生プログラム」を策定する必要がありますが、日本の当該プログラムは策定中のため輸出できません。なお調理済の貝類、低酸性缶詰商品(米国連邦規則集21CFR Part113)、酸性化食品(米国連邦規則集21CFR Part114)、最終消費者が調理を行うことを前提として包装された生の貝類(パン粉をつけたもの、調味液につけたもの等)はNSSPの対象ではないため、水産食品HACCP規則(米国連邦規則集21CFR Part123)の対象となり輸出可能です。
詳しくは以下のホームページをご参照の上、輸出する商品が上記に対応するか等について、輸出事業者等を通じて米国当局にご確認ください。
(参考)2019 年度 米国の食品安全・輸入関連制度の解説 (第三版)(ジェトロ)(外部リンク)
(参考)National Shellfish Sanitation Program (NSSP)(FDA)(外部リンク)
5.漁獲証明関係
特定のまぐろ類等(くろまぐろ、めばち、めかじき、みなみまぐろ)及びめろを輸出する際には、漁獲証明書の添付が必要となります。詳細は農林水産省HP「まぐろ類の輸出証明書の発行に関する手続」をご確認いただき、不明な点は水産庁加工流通課(03-3501-1961)にご相談ください。
(参考)その他 | 証明書や施設認定の申請 まぐろ類の輸出証明書の発行に関する手続
6.その他
以上の情報に加えて、食品包装やラベル表示、重金属規制等の米国の国内規制や、他の手続きや必要書類について、輸入事業者を通じて米国当局に確認した上で、輸出の手続きを進めてください。参考として、JETROのホームページもご確認ください。
(参考)米国 日本からの輸出に関する制度 水産物の輸入規制、輸入手続き―ジェトロ(外部リンク)
お問合せ先
輸出・国際局 輸出支援課
担当者:輸出相談窓口
代表:03-3502-8111(内線4360)
ダイヤルイン:03-6744-7185
FAX番号:03-6738-6475