プレスリリース
坂本農林水産大臣の海外出張概要について(イタリア)
坂本農林水産大臣は、令和6年9月25日(水曜日)から9月30日(月曜日)まで、G7農業大臣会合出席のためイタリアへ出張しました。また、農業大臣会合に出席した要人との二国間会談を行いました。
1.G7農業大臣会合
(1)概要
令和6年9月27日(金曜日)から28日(土曜日)にかけて、イタリアのシラク―ザで、G7農業大臣会合が開催され、強靭で持続可能な食料システムや持続可能な漁業と養殖業、科学イノベーションと気候変動等について議論が行われました。我が国からは坂本農林水産大臣が出席し、昨年のG7宮崎農業大臣会合での議論を踏まえつつ、農業の生産性向上と持続可能性の両立を実現すべきことを各国に呼び掛けました。また、会合では、G7各国から選抜された学生との対話や、アフリカ諸国からの大臣との対話のセッションも開催されました。
会合の成果として、G7農業大臣声明が採択されました。なお、本会合に先立ち、G7各国の農業団体の代表による会合も開催され、G7に対する提言がまとめられました。
<G7農業大臣会合>
(2)開催日時
令和6年9月27日(金曜日)から28日(土曜日)まで
(3)出席国・国際機関
G7:日本、イタリア(議長国)、カナダ、フランス、米国、ドイツ、英国、欧州連合(EU)
招待国:アフリカ連合(AU)、アルジェリア、アンゴラ、コートジボワール、エジプト、
エチオピア、ケニア、モーリタニア、セネガル、南アフリカ、チュニジア、ウガンダ
国際機関:国際農業研究協議グループ(CGIAR)、国連食糧農業機関(FAO)、
国際農業開発基金(IFAD)、経済協力開発機構(OECD)、国連世界食糧計画(WFP)
(4)坂本農林水産大臣の発言のポイント
- 新型コロナウイルス感染症やロシアによる不当なウクライナ侵略による食料や資材価格への影響が深刻な中、生産性向上と持続可能な生産を両立するためには多角的観点が必要。
- 我が国では、本年改正された食料・農業・農村基本法において、国内農業生産を増大しつつ、国内生産で国内需要を満たせない品目については、輸入の安定確保に努め安定した食料供給を目指す。
- 持続可能な農業の達成に向けて、イノベーションの成果を土地に合った手法で実践する必要があり、我が国では、2021年にとりまとめた「みどりの食料システム戦略」をもとに、昨年「日ASEANみどり協力プラン」を立ち上げており、アジア以外の地域にも協力の輪を広げる。
- 世界的な農産物の流通に際しては、環境や人権への配慮を行いつつ、サプライチェーン全体の持続可能性を高める必要。
- ロシアのウクライナ侵略の停止を求めるとともに、一日も早いウクライナの復興を支える。
- 水産資源を持続的に利用するためには、科学的知見に基づく資源評価と資源管理が重要であり、我が国では、漁獲データのデジタル収集を進め、資源管理の基礎となるデータの蓄積と正確性向上に努める。
(5)G7農業大臣声明のポイント
- 世界の食料不安をひどく悪化させたロシアのウクライナに対する違法な侵略戦争を引き続き最も強い言葉で非難する。
- サプライチェーンを多様化し、すべての人々にとっての食料安全保障を促進するために、国際的、地域的な貿易と国内生産を両立する必要性を強調する。
- 農業生産によって森林減少や森林及び土地の劣化が起こらない信頼性の高い持続可能なサプライチェーンの促進にコミットする。
- 農業・食料システムの変革に向けた地域コミュニティの取組への民間セクターの関与を引き続き促進する。
- 輸出に関するいかなる不当な制限措置も執らないようにし、WTOでの農業に関する改革プロセスに建設的に取り組むことを約束する。
- 科学とあらゆる形態のイノベーションへのアクセスの拡大にコミットする。
- 農業、漁業、養殖業及び食料システムにおける若者の参画や雇用促進の重要性を強調する。
- 地域と沿岸コミュニティの文化的アイデンティティの根幹部分として、持続可能な漁業・養殖業を支援する。
- SDG14を達成するため、また、海洋資源の存続に対する深刻な脅威となっている過剰漁獲や違法・無報告・無規制(IUU)漁業を終結させるための強力なコミットメントを再確認する。
- 気候変動に対する強靭性を強化するために協働し、アフリカ諸国や機関とのさらなる連携強化にコミットする。
【添付資料】
「G7農業大臣声明」(英文:PDF(PDF : 233KB)、仮訳:PDF(PDF : 332KB))
2.二国間会談等
(1)イタリア農業・食料主権・森林大臣と坂本農林水産大臣のバイ会談
坂本農林水産大臣は、ロッロブリージダ・イタリア農業・食料主権・森林大臣と会談し、二国間の農業及び食料分野における協力覚書に署名するとともに、持続可能な農業・農村の実現等に向け、協力を強化していくことを確認しました。また、EUの包装及び包装廃棄物規則案について働きかけを行いました。
【添付資料】
「日本国農林水産省とイタリア共和国農業・食料主権・森林省との農業及び食料分野における協力覚書」(英文:PDF(PDF : 146KB)、仮訳:PDF(PDF : 286KB))
<イタリア農業・食料主権・森林大臣とのバイ会談>
(2) 米国農務長官と坂本農林水産大臣のバイ会談
坂本農林水産大臣は、ビルサック農務長官と会談し、今後の農林水産分野における関係強化に向けて意見交換を行うとともに、牛肉の低関税枠の運用改善や2027横浜国際園芸博覧会への参加に関して働きかけを行いました。
<米国農務長官とのバイ会談>
(3) ドイツ食料・農業大臣と坂本農林水産大臣のバイ会談
坂本農林水産大臣は、エズデミル・ドイツ食料・農業大臣と会談し、二国間の協力覚書「ファーミング・フューチャー・トゥギャザー」に署名するとともに、強靭で持続可能な食料システムの構築等に向けて協力を強化していくことを確認しました。また、EUの包装及び包装廃棄物規則案について働きかけを行いました。
【添付資料】
「日本国農林水産省とドイツ連邦共和国連邦食糧・農業省との協力覚書~ファーミング・フューチャー・トゥギャザー~」(英文:PDF(PDF : 55KB)、仮訳:PDF(PDF : 197KB))
<ドイツ食料・農業大臣とのバイ会談>
(4)WFP事務局長と坂本農林水産大臣のバイ会談
坂本農林水産大臣はマケインWFP事務局長と会談し、我が国民間企業との連携や、西アフリカにおける当省の拠出金事業の今後について意見交換を行いました。
<WFP事務局長とのバイ会談>
(5)FAO事務局長と坂本農林水産大臣のバイ会談
坂本農林水産大臣は屈FAO事務局長と会談し、持続可能な農業・食料システムの構築に向けた取組、FAOにおける邦人職員増強に向けた取組等、FAOとの連携強化について意見交換を行いました。
<FAO事務局長とのバイ会談>
(6)IFAD総裁と坂本農林水産大臣の立ち話
坂本農林水産大臣はラリオIFAD総裁と会談し、「民間セクター・小規模生産者連携強化(ELPS)」イニシアティブ推進のための連携や、今後の協力関係強化について意見交換を行いました。
お問合せ先
(G7農業大臣会合について)
輸出・国際局国際戦略グループ
担当者: 米田、小野寺
代表:03‐3502‐8111(内線3505)
ダイヤルイン:03-3502-8497、
03-6744-1501
(二国間会談等(イタリア及びドイツ)について)
輸出・国際局国際地域課
担当者:稲葉、藤井
代表:03-3502-8111(内線3471)
ダイヤルイン:03-3502-5929
(二国間会談等(米国)について)
輸出・国際局国際経済課
担当者:坂本、蓑毛
代表:03‐3502‐8111(内線3461)
ダイヤルイン:03-3502-8496
(二国間会談等(国際機関)について)
輸出・国際局国際戦略グループ
担当者: 中川、番浦
代表:03‐3502‐8111(内線3503)
ダイヤルイン:03-3502-8498