J-クレジットにおいて農業分野の方法論(水稲栽培における中干し期間の延長・バイオ炭の農地施用)に基づく取組が新たに4件承認されました!:農林水産省
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J-クレジットにおいて農業分野の方法論(水稲栽培における中干し期間の延長・バイオ炭の農地施用)に基づく取組が新たに4件承認されました!

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令和5年6月28日
農林水産省

農林水産省は、J-クレジット制度を活用した温室効果ガス削減の取組を推進しています。

本日、第55回J-クレジット制度認証委員会において、「水稲栽培における中干し期間の延長」の方法論(※1)に取り組んだ初めての案件として、「クボタ 大地のいぶき」、「Green Carbon株式会社」、「三菱商事株式会社」による3つのプロジェクトが承認されました。
併せて、「バイオ炭の農地施用」の方法論に基づき「株式会社TOWING」のプロジェクトが承認されました。同社は、みどりの食料システム法に基づく基盤確立事業者として認定されています。
いずれも、今後所定の手続きを経てプロジェクト登録されます。

今回承認されたプロジェクト(※2)

【水稲栽培における中干し期間の延長】
(ア)プロジェクト名:水稲栽培における中干し期間の延長によるCH4削減プロジェクト
プロジェクト登録者:クボタ 大地のいぶき
対象地域:全国

(イ)プロジェクト名:水田の中干し期間の延長によるメタンガスの削減プロジェクト
プロジェクト登録者:Green Carbon株式会社
対象地域:全国

(ウ)プロジェクト名:水稲栽培における中干し期間の延長によるCH4削減事業
プロジェクト登録者:三菱商事株式会社
対象地域:全国

【バイオ炭の農地施用】
(エ)プロジェクト名:バイオ炭の農地施用によるCO₂削減事業
プロジェクト登録者:株式会社TOWING
対象地域:全国

今回の登録により、J-クレジット制度の登録件数のうち、農業分野は12件から16件に、農業分野の方法論に基づく取組は3件から7件に増加しました。
各プロジェクトの概要は、別添のとおりです。

各プロジェクト概要(PDF : 270KB)

参考

1.J-クレジットにおける「水稲栽培における中干し期間の延長」について

水田から発生するメタン(※3)は、土壌に含まれる有機物や、肥料として与えられた有機物から、嫌気性菌であるメタン生成菌の働きにより生成されます。水田からのメタンの発生を減らすには、落水期間を長くすることが重要で、水稲栽培において通常行われる中干し(※4)期間を7日間延長することにより、メタン発生量を3割削減できることが確認されています。
水田からのメタン排出は、我が国全体のメタン排出量の約4割を占めており、その排出削減は、みどりの食料システム戦略や政府の地球温暖化対策計画にも位置付けられています。
中干し期間を、その水田における直近2か年以上の実施日数の平均より7日間以上延長し、所定の審査を受けると、削減量分の「クレジット」の認証を受けることができます。

2.J-クレジットにおける「バイオ炭の農地施用」について

バイオ炭は、「燃焼しない水準に管理された酸素濃度の下、350℃超の温度でバイオマスを加熱して作られる固形物」であり、土壌への炭素貯留効果とともに土壌の透水性を改善する効果が認められている土壌改良資材です。
バイオ炭の原料となる木材や竹等に含まれる炭素は、そのままにしておくと微生物の活動等により分解され、二酸化炭素として大気中に放出されてしまいます。しかし、木材や竹などを炭化し、バイオ炭として農地土壌に施用することで、その炭素を土壌に閉じ込め(いわゆる「炭素貯留」)、大気中への放出を減らすことが可能になります。

(※1)方法論:クレジット認証の対象となる取組について、温室効果ガスの排出削減・吸収に資する技術ごとに、適用条件や排出削減・吸収量を算定する方法、モニタリング方法等を定めたもの。
(※2)今回承認されたプロジェクト4件はいずれも、小規模な削減活動をまとめて一つのプロジェクトとするプログラム型の取組。なお、一般的に、プログラム型ではプロジェクト登録後も随時取組者の追加が可能。

(※3)メタン:CO2の25倍の温室効果をもつ温室効果ガス。
(※4)中干し:水稲の栽培期間中、出穂前に一度水田の水を抜いて田面を乾かすことで、過剰な分げつ(根元付近からの枝分かれ)を防止し、成長を制御する作業。

参考資料

農林水産分野のJ-クレジット制度

水稲栽培における中干し期間の延長について

バイオ炭の農地施用について

(参考動画)Jクレやってみた!(外部リンク)
Jクレやってみた!

お問合せ先

(J-クレジット制度に関すること)
大臣官房みどりの食料システム戦略グループ地球環境対策室
担当者:宮田、但田
代表:03-3502-8111(内線3289)
ダイヤルイン:03-6744-2473

方法論の内容に関すること
農産局農産政策部農業環境対策課
担当者:奥村、野村
代表:03-3502-8111(内線4760)
ダイヤルイン:03-3593-6495

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