日本の「食料」を学ぶ Z世代と食の未来を考える
![日本の「食料」を学ぶ Z世代と食の未来を考える](/j/pr/aff/2302/img/spe_3/ttl.jpg)
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![「NIPPON FOOD SHIFT FES.東京2022」に潜入](/j/pr/aff/2302/img/spe_3/cts1_ttl.jpg)
ニッポンフードシフトとは?
近年、食の外部化・簡便化が進み、食とその背景にある農業や農村との繋がりを意識する機会がかつてより減っているのではないでしょうか。
将来にわたり日本の、自分たちの食を確かなものにするために、消費者、生産者、食品関連事業者、日本の「食」を支えるあらゆる人々と行政が一体となって、考え、議論し、行動する国民運動として、農林水産省は2021年から「食から日本を考える。ニッポンフードシフト」をスタートしました。
ニッポンフードシフトでは、日本の食を取り巻く課題を身近なものとして考えてもらうため、例えば、公式WEBサイトで取組事例の紹介や、公式noteにおける発信、吉本興業や無印良品、テレビ東京などと連携した情報発信など、官民協働による取組を進めています。
また、消費者と生産者や事業者とが出会い、交わることで、食への新たな気づきや発見を促し、意識や行動を変えていくためのきっかけ作りを目指すイベントとして、「NIPPON FOOD SHIFT FES.(以下 NFS FES.)」を2021年10月から全国各地で開催しています。
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多くの人が訪れ、
関心を持って参加
「NIPPON FOOD SHIFT FES.東京2022」の会場を訪ねました。
2022年10月29日、30日の両日は天候にも恵まれ、会場となった東京都港区の六本木ヒルズアリーナにはたくさんの人。会場では2日間にわたって、終日多彩な発表やトークセッションが行われ、多くの展示・体験ブースやマルシェが並びました。
これまでほとんどの会場で中心的な役割を担い、トークセッションや展示・体験ブースなどで活躍しているのが、食の未来を担う1990年代後半から2000年代生まれのZ世代の若者たち。今回も参加したZ世代はそれぞれ、農業の生産現場などを体験し、全国の生産者たちと交流した経験を活かしてNFS FES.東京2022を盛り上げました。
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龍谷大学経営学部藤岡ゼミは、ぶどう山椒の一大産地である和歌山県有田川町において、学生がフィールドワークを行い、産地を未来につなげるために取り組んだ4年間についてトークセッションで発表しました。また、有田川町の農産物や加工品等、「ぶどう山椒をかけて食べるカレー」などオリジナル開発商品を販売するブース展示も行いました。
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立正大学法学部の社会学・教育学の西谷ゼミでは、「Z世代が考える!『未来の食と農』教育プロジェクト」として、学生のフィールドワークや農業体験の様子、小学生との協働授業でグループ活動を行った様子を、ブース展示とトークセッションで発表しました。
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多様な大学生のマーケティングチームとスイーツの専門学校生がコラボした「100日後にできるZ世代プロデュースカフェ」ではレシピカードを配布し、スイーツも販売。
![未来を担うZ世代のアクションに注目](/j/pr/aff/2302/img/spe_3/cts2_ttl.jpg)
「NIPPON FOOD SHIFT FES.東京2022」で、ひときわ目を引いたのは、京都芸術大学芸術学部情報デザイン学科の学生たちが手がけた「シ展。2022-2023」。選択科目の「情報デザインプロジェクト」(担当教員 服部滋樹教授/村川晃一郎講師)という講義の中で、学生たちは食料安全保障と価格転嫁について学びました。学びを深化させるために、さまざまなリサーチを、3人から4人1チームで行いました。10チームそれぞれに異なるテーマでプロジェクトを進め、その成果をまとめたものが今回のグループ展です。
タイトルの「シ展」とは、より良い未来に向ける“始点”であり、未来を支える“支点”でもあるといいます。さらに、思考を止めてしまえば、取り返しのつかない“死点”へと向かうことになるから、どんな“視点”をもって未来を創造するのか、自分たちの手に委ねられているというZ世代の思いを込めているのだそうです。
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指導にあたった教員の村川晃一郎さんは次のように話してくれました。
「課題がどこにあるのか、どのようにしたら人に伝わり、また見た人の考え方が変わるのか。そういったことを、デザインを行う際に用いる思考や手法でひも解いていくと、新しいアプローチができるのではないかと思いました。デザインを学ぶ学生たちは、思考したものをアウトプットする能力を持っているので、食の問題に対してもきっと課題解決につなげられると思います」。
そこで、学生たちがどんな課題に取り組み、どのように感じたかを10チームそれぞれの代表者に聞きました。
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京都芸術大学情報デザイン学科 情報デザインプロジェクト「シ展。2022-2023」のチームリーダーたち。後列左は指導にあたった村川さん
自動販売機には生産者の情報のみを提示。その情報から生産者を選び、何が出てくるかわからない野菜との出合いを楽しんでもらうことが狙いです。会場では、協力してもらった8人の生産者の情報をフライヤーにまとめ、来場者に持ち帰ってもらいました。
食をコミュニケーションツールと捉えて、農産物を贈り物として利用しやすくなるSNS型アプリ「わかば」を考案しました。「わかば」を使って生産者から購入した野菜をフォローしている人に送ることができ、また生産者の情報や直伝レシピも共有できます。
「食品添加物」「遺伝子組換え」「慣行農業と有機農業」「国産と輸入」「食料自給率」の5つのテーマについて調べ、是非や可否を述べるのではなく、すべての物事には裏表があることを踏まえ「あなたはどう思いますか」と意識喚起をする展示です。
廃棄される野菜を食べること以外で有効活用しようということから商品化を模索。野菜の色素を利用して自分たちで絵の具や石鹸、入浴剤などを製作。食品廃棄物から新素材を生み出すベンチャー企業の協力を得て、ごぼうなどから作った高強度の建材も展示しました。
大手スーパーマーケットに取材に行き、食品の価値を正しく評価して販売する大切さを知ったことから、適正な価格形成を知ってもらうための展示パネルを作りました。展示を見た方が、適正な価格形成の大切さを広められるように、インスタグラムによる発信も行っています。
賞味期限や消費期限が近いものや、規格外品などの見切り品に着目。見切り品を買ってポイントを貯め、それをこども食堂やフードバンクに寄付できるアプリ「ぴっくる」を考案。見切り品にはシールが貼ってあるので、それを店内で宝探しのように楽しんで探してほしいと考えました。
和食に親しみを持ち、和食を食べる頻度を増やすために、和食の作法や豆知識などをイラストで見せるフリーペーパーや展示を作成しました。和食の消費拡大から、食料自給率の上昇へつながればと考えています。
食品ロスの統計には、出荷前に廃棄される規格外野菜が含まれていないことを知ったことから規格外野菜のブランディングのために、みんなに注目してもらえ、ふっと笑えて親しんでもらえるキャッチコピーを考えてポスターを作りました。
規格外野菜や果物を購入し、それをジュースやスイーツなどにして提供するカフェ店舗の内装やパッケージを展示。メニューもチームで考案しました。店名は「砦(toride)」。自分たちZ世代が食の問題の最後の砦になるという決意を込めたネーミングです。
消費者が農産物の購入費を先払いすることで生産者と消費者が相互に支え合う仕組み「CSA(Community Supported Agriculture)」の新しいバージョンとして、飲食店と契約して、誰もがCSAに参加できる場所づくりを考案。「食について考える、新しい居酒屋」の仕組みのデザインと店舗デザインを展示しました。
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外部リンク
今週のまとめ
農林水産省では、食と農のつながりの
深化に着目した国民運動
「食から日本を考える。ニッポンフードシフト」を
実施しています。
食への発見や気づきのきっかけとして、
生産現場などを体験したZ世代の
リアルな発信が期待されています。
お問合せ先
大臣官房広報評価課広報室
代表:03-3502-8111(内線3074)
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