事業費補正について
事業費補正とは、土地改良事業のような公共事業が特定の地域において一定の期間に集中的に実施されることにより多額の地方負担額が必要となる場合に、基準財政需要額と現実の財政負担との間に大きな格差を生じさせないために適用される補正です。 この補正は、都道府県及び市町村分の
1)「土地改良事業に係る地方公共団体の負担額」を算入するためのもの
2)「土地改良事業に係る地方債の元利償還金」を算入するためのもの注)
等の目的をもって算定されます。
注)正確には、財源対策債分、かんまん災害対策、過疎債等の元利償還金は「事業費補正(農業行政費)」ではなく「公債費方式」で算入されますが、ここでは両者を合わせて広義の事業費補正として説明します。
1 事業費補正の対象となる工種の範囲
事業費補正の対象となる工種の範囲は以下のとおりであり、このうち区画整理が平成7年度から、鳥獣害防止施設が平成20年度から対象工種に追加されました。
なお、事業費補正の対象工種は、土地改良事業計画書の主要工事計画に記載する必要があります。
例えば、道路では主要工事計画(支線農道以上)に記載されない耕作道等は対象となりません。
工種区分 | 備考 | |
大区分 | 小区分 | |
事業費補正 対象工種 |
ダム | |
干拓堤防 | ||
頭首工 | ||
排水機場 | ||
排水樋門 | ||
排水路 | ||
用水施設 | ||
道路 | ||
区画整理 | ||
鳥獣害防止施設 | ||
事業費補正 対象外工種 |
農用地造成 | |
上記以外の工種 | 暗渠排水(注)、客土 |
2 事業費補正の対象となる負担割合
農業農村整備事業に係る地方公共団体の事業費負担については、事業の円滑な実施を図るため、標準的な地方公共団体の受ける便益や当該事業の公共性を考慮し、標準的な負担割合をガイドラインとして示しています。
事業費補正の対象となる負担割合は、防災事業を除き、事業別、地帯区分別に示すガイドラインの数値または実際の負担割合の数値の小さい方が上限 注)とされています。
即ち、実際の負担割合が、ガイドラインよりも大きければガイドラインの数値まで、逆に小さければ実際の負担割合までしか事業費補正の対象になりません。
注)毎年度総務省より発出される地方債同意等基準運用要綱において、公共事業等債、防災・減災・国土強靭化緊急対策事業債、一般補助施設整備等事業債、辺地及び過疎対策事業債は「土地改良事業における地方公共団体の負担割合の指針(ガイドライン)」において、「地方公共団体が負担すべき額を対象とする」と定められており、ガイドラインにおける地方負担割合を超過した負担分については一般単独事業債(充当率75%、算入率0%)が適用可能となっています。
なお、防災事業・農道事業及び生活環境整備事業についてはガイドラインにおいて「標準的な費用負担の水準にかかわらず地方公共団体が設定する負担割合を地方公共団体が負担すべきものとする」等とされています。
3 事業費補正B類型の対象となる農業用ダムの定義
農業用ダム | 定義 |
国営及び水資源機構営事業 | 土地改良法に基づく土地改良事業により新設又は変更される堤高15m以上のダム及びため池(堤高15m未満であっても貯水量1,000万トン以上を有する施設を含む)並びに地下ダム(変更に係るものは事業計画におけるダム、ため池及び地下ダムに係る事業費が10億円以上のものに限る)とこれらの機能を維持する上で必要不可欠な関連施設。 |
都道府県営事業 | 土地改良法に基づく土地改良事業により新設又は変更される堤高15m以上のダム及びため池並びに地下ダム(変更に係るものは事業計画におけるダム、ため池及び地下ダムに係る事業費が10億円以上のものに限る)。 |
注)国営及び水資源機構営事業の農業用ダムについては、平成22年度の基準財政需要額の算定から上記のとおり定義を見直している。
注)都道府県営事業の農業用ダムについては、平成21年度までに着手している継続事業等に限られる。
(1)ダムの堤高について
土地改良事業計画書第5章主要工事計画第1節用水施設に記載される貯水池に係る堤体・堤高による。
(2)ダム事業費について
総事業費のうちダムに係る事業費は、「土地改良事業計画書第9章事業費の総額及び内訳」に記載される事業費、又は事業費を決定するにあたって作成される全体実施設計書及び事業計画決定基礎資料によるものとする。
(3)地下ダム
地下ダムとは、地下の帯水層中に遮水壁を設け、上流からの地下水流をせき止め、貯留するものをいう。
4 事業費補正B類型の対象(その他)
(2)南海トラフ地震及び日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震における津波避難対策緊急事業
お問合せ先
農村振興局整備部設計課
代表:03-3502-8111(内線5561)
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