第28回食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会及び第26回中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会第26回合同会合 議事録:農林水産省
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第28回食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会及び第26回中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会第26回合同会合 議事録

日時及び場所

日時:令和6年6月28日(金曜日)15時00分~17時00分
場所:農林水産省本館7階第3特別会議室・オンライン

議事次第

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議事録

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午後3時03分開会

〇熊田室長
お待たせしました。定刻をちょっと過ぎてしまいましたけれども、ただいまから食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会及び中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会の第26回合同会合を開催させていただきます。
本日、司会を務めます、農林水産省大臣官房新事業・食品産業部外食・食文化課の熊田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
委員の皆様におかれましてはお忙しい中、また、雨の中、会場への御参加、また、オンラインでの御参加を頂きまして、ありがとうございます。
それでは、会合の開催に当たりまして、農林水産省大臣官房新事業・食品産業部外食・食文化課、五十嵐課長から御挨拶を申し上げます。

〇五十嵐課長
皆さん、こんにちは。ただいま御紹介にあずかりました、農林水産省外食・食文化課の五十嵐です。本日は、足元が悪い中、また、御多忙の中、御参集いただいてどうもありがとうございます。本合同会議開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
現行の食品リサイクル法の基本方針は5年前の2019年7月に定められ、2024年度までの方針となっております。この基本方針はおおむね5年ごとに定めることとされており、本合同会議におきましては、2025年度から2029年度までの今後5年間の方針を御審議いただくこととしております。
農林水産省の方で所管しております事業系食品ロスは、食品リサイクル法の基本方針に基づき、2030年度までに2000年度比で半減することを目標に食品関連事業者様と共に削減に取り組んでまいりました。皆様御案内のとおり、その結果、2022年度の推計値をもって目標を達成することができました。
今般の目標達成は、新型コロナの影響による市場の縮小などの影響はあるものの、商慣習の見直しや手前取りの促進など、これまで食品関連事業者様が取り組んでいただいた御努力によるところが大きいと承知をしておりまして、関係者の不断の努力に対しまして改めて敬意と感謝を表したいと思います。
更なる食品ロス削減を図るため、発生抑制の強化も必要ですし、また、発生した食品循環資源については、その有効な利用の確保の観点から食品循環資源の再生利用などの推進は重要であると考えております。
このため、本合同会議においては、発生抑制に係る項目、それと再生利用などに係る項目、両方について御議論いただければと存じます。
今回は、今後の取組の指針となる事業系食品ロスの削減目標を始め重要な項目が多くございますが、是非、御活発な御議論を頂ければと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。

〇熊田室長
続きまして、環境省環境再生・資源循環局廃棄物適正処理推進課、松﨑課長より御挨拶を頂きます。

〇松﨑課長
ただいま御紹介いただきました、環境省の松﨑と申します。本日、よろしくお願いいたします。
今般、ここで開催させていただく合同会合は、先ほど五十嵐課長の方から御説明ございましたとおり、食品リサイクル法に基づく基本方針の見直しの検討をお願いするものでございます。
この御議論に当たりまして、私の方から関連する周辺状況、取組状況の御報告をさせていただきます。
先ほど、五十嵐課長の方から食品ロスの目標の達成という御説明ございましたが、家庭系の食品ロスの発生量につきましても2012年度から減少傾向が続いておりまして、2022年度の発生量はこれまでで最小の数値と推定しております。着実に進んでおりますが、2030年度の削減目標に向けて、今後、関係機関、関係各所の皆様と連携して、更に一層削減に取り組んでまいります。
また、昨年の春から中央環境審議会循環型社会部会におきまして、環境基本法に基づきます第五次循環型社会形成推進基本計画の議論を行っていただいております。答申案の取りまとめに向けて、現在、御議論いただくとともに調整を進めているところでございます。
今回の基本計画案におきましては、循環経済への移行ということを中核に据えまして、環境面のみならず、経済安全保障、産業競争力の強化、地方創生、質の高い暮らしの実現というキーワードを盛り込ませていただいております。
また、この基本計画案におきまして、食品ロス対策とともに食品廃棄物等の循環利用の促進についても現在の案の中で明記させていただいております。
この基本計画とともに、今回、御議論いただく食品リサイクル法に基づく基本方針につきまして、皆様の忌憚ない御議論を頂ければと思います。本日はよろしくお願いいたします。

〇熊田室長
ありがとうございました。
本合同会合の事務局及び議事進行は、農林水産省と環境省で持ち回りとさせていただいております。今回は、農林水産省が事務局を務めさせていただきます。従いまして、今回の座長につきましては、食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会の渡辺先生にお願いしたいと思います。
ここで、今回初めての出席となる委員3名を御紹介させていただきます。お名前を呼ばれた方は簡単に自己紹介をお願いします。
まずは、日本チェーンストア協会環境委員会委員の小山委員でございます。

〇小山委員
皆様、こんにちは。日本チェーンストア協会から参りました小山と申します。
日本チェーンストア協会は、今、通常会員47社、賛助会員も含めると440社を抱える協会でございます。環境問題の取組は1997年から行動計画を含めて実施しているんですけれども、より一層、お客様に御理解いただきながら産業界、行政の方々と一緒に連携を深めてまいりたいと思いますので、今回、こちらに参画で、是非、貢献したいと思ってまいりましたので、よろしくお願いいたします。

〇熊田室長
ありがとうございました。
一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会環境委員会委員長、鈴木委員でございます。お願いします。

〇鈴木委員
日本フランチャイズチェーン協会から参りました鈴木と申します。
フランチャイズチェーン協会は、賛助会員も含めますと500社以上が加盟しておって、その中でも環境に関する課題については環境委員会に属する19社(コンビニ6社の他、カフェチェーンや外食チェーンなどのフランチャイズさんを抱えている企業)が集って、一つでも二つでも問題を解決しようということで活動しているものとなっております。フランチャイズチェーンの視点をしっかり組み込めればいいなと思って参加させていただいております。よろしくお願いいたします。

〇熊田室長
鈴木委員、ありがとうございました。続きまして、一般社団法人全国食品リサイクル連合会専務理事・事務局長、松岡委員です。

松岡委員
会長の濱田から替わりまして、私、専務理事・事務局長の松岡がこの度、就任させていただきました。
私自体は、リサイクル業自体を行っておらず、事務局業務ということで、この団体の運営管理とか、それから、会員の皆様の意見を取りまとめて政策提言を作成するとか、そういった業務を行っております。
当団体は、任意団体から数えて今年で創立15周年となりました。それで、正会員が、これは登録再生利用事業者が24社、それから、賛助会員が52社、この賛助会員の中に7社ほど登録再生の方がいらっしゃるんですが、実は、この会員制度が、正会員24社というのは、優良認定制度という業界自主基準をスタートさせまして、その業界自主基準を取得することを宣言した企業が、今24社ということでございます。賛助会員の方は、プラントメーカーさんとか、それから、これから登録再生を目指したい方とか、いわゆる食品リサイクル業者の国内唯一の全国組織でございます。現在、計76社となっております。よろしくお願いいたします。

〇熊田室長
松岡委員、ありがとうございました。
冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
本日の委員の出席状況でございますが、両審議会の委員数は合わせて20名であり、うち17名の委員の御出席を頂く予定にしております。食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会では委員数10名のうち7名の御出席を頂いております。
続きまして、中央環境審議会につきまして、環境省の方からお願いいたします。

〇金井室長補佐
環境省です。中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会では、委員数15名全員の御出席を頂く予定でございます。なお、一部遅れて参加予定の委員がいらっしゃることを申し添えます。

〇熊田室長
ありがとうございました。
それでは、以降の議事進行を渡辺座長にお願いいたしたいと思います。

〇渡辺座長
専修大学、渡辺です。よろしくお願いいたします。
いよいよ基本方針見直しの議事が始まったということでいろいろお考えがあるかと思いますけれども、是非、忌憚のない御意見を頂きながら見直しを進められればと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、議事に入る前に、事務局より配布資料の確認をお願いいたします。

〇熊田室長
資料の確認をさせていただきます。
本日は、議事次第、委員名簿、座席表、「食品リサイクル法に基づく基本方針等の見直し」と題した資料、参考資料の5点をタブレット端末にお配りしております。不足等ございましたら事務局まで御連絡を頂ければと思います。大丈夫でしょうか。
資料は会議の進行に合わせて画面に投影させていただきます。なお、参考資料以外の4点につきましてはホームページに掲載しておりますが、参考資料について、こちらは環境省が実施したアンケートの結果となっておりますけれども、こちらは現時点で速報版となっておりますので、現時点では非公開とさせていただきます。なお、この参考資料につきましては、確定版ができ次第、委員の皆様に送付した上でホームページへの掲載を予定しております。また、合同会合終了後には発言者名を示した議事録を作成し、各委員に配布し、御確認を頂いた上で公開とさせていただきます。
以上です。

〇渡辺座長
ありがとうございます。
本日は、食品リサイクル法に基づく基本方針等の見直しについての御議論を頂くことになっております。
早速、事務局から説明をお願いいたします。

〇速見補佐
それでは、資料の方を説明をさせていただきます。
本体資料、1ページをおめくりいただきまして、食品リサイクル法基本方針等の見直しに係る考え方ということで、本日御説明させていただくラインナップの方と基本的な考え方について御説明をいたします。
今回、5年ごとの見直しということで、見直しに係る時期、目標年度、2025年度から2029年度までとなっております。
画面の方を進めてください。
この5年間、2030年度の半減目標に向けて更なる食品ロス削減を図るため、発生抑制の強化にも力点を置くとともに、それでもなお、発生してしまう食品循環資源ございますので、その食品循環資源の再生利用等を促進する見直しとするという考え方で今回議題の方をお示しさせていただいております。
具体的に御審議いただきたいと思っております項目案でございます。
まず、1番、発生抑制の方で3点、それから、2番の再生利用等に関することで3点と示しておりまして、合計6点でございます。それぞれの項目について、この後説明をさせていただきます。
それでは、次のページ、御覧いただきまして、2ページ目でございます。
まず、発生抑制の1番目の事業系食品ロスの削減に係る目標について、現状と目標の方でございます。グラフにも表現されておりますけれども、2030年度までに2000年度と比べまして、家庭系食品ロス量、それから、事業系食品ロス量、いずれも半減という目標が設定をされております。
一番右側に2030年度の目標値、示されておりますけれども、事業系、薄い緑の方で273万トン、家庭系で、濃い緑の方で216万トン、合わせて489万トンとなっておりまして、先週公表いたしました2022年度の実績の方では、事業系236万トンということで、先ほども申し上げましたとおり、目標達成の数値となってございます。
次のページ、御覧ください。
こちらのページ、先ほどのグラフの事業系のみを抜き出したグラフとなっております。申し上げましたとおり、273万トンの目標値に対しまして236万トンが最新の推計値でございまして、目標を達成しておるところでございます。
こちらの273万トンという目標が、今回皆様に御審議いただきます食品リサイクル基本方針の中に記載をされておりますので、今回の目標達成を踏まえまして、新たな目標値の設定の是非について御審議いただきたいと思っております。
次のページ、御覧ください。
食品関連事業者の取組の見える化について、ということでございます。
基本方針の中で、食品廃棄物等の発生に係る目標としまして、基準発生原単位というものを設定しております。この基準発生原単位といいますのは、食品関連事業者からの食品廃棄物の発生がその原単位以下となるように努めることとするという形で、7割の事業者が満たせるような目安として設定をしておるものでございます。それと併せまして、基本方針の中では、後ほど説明に出てきますけれども、再生利用等実施率の目標というものも定められております。
こうした発生原単位、それから、再生利用等実施率につきましては、100トン以上の食品廃棄物等を発生させている事業者の皆さんから定期報告で毎年御報告を頂いておりまして、同意を頂いた事業者の皆様の発生原単位、それから、再生利用等実施率については一覧にして公表しているんですけれども、これは本当に一覧という形になっております。参考資料の16ページに、今、公表しているような様式というのも示しておりますけれども、今の形式ですと、なかなか事業者の皆様の取組、成果というのを比較することが困難な形式となっておりますので、これを来年度以降、弊省の方で見直しを検討していきたいということで御提案をさせていただいております。
まず、見直しの方向の1点目でございまして、この真ん中の四角囲みの丸の上の方でございます。食品廃棄物等の発生抑制強化に向けまして、省エネ法の方を参考にさせていただいてクラス分け制度というものを行っていますので、そちらの仕組みを参考にして検討したいと思っております。
業種共通の指標というのを用いて省エネ法の方では評価をしておりまして、S、A、B、Cの4クラスに分けるという形の仕組みを取っております。S、一番いいクラスにつきましては、経産省のホームページに公表するなどして広く知れ渡るような措置を講ずるとともに、一番取組が遅れているCクラスにつきましては指導の対象とするということで、クラスに応じためり張りのある対応というのを行っております。
そういった形で食品関連事業者の取組に対する努力を適切に評価、公表する、それから、業種で統一された指標に基づいて客観的な比較が可能となるような、そういった目的の下で仕組みというのを検討できないかと考えております。
次に、丸の二つ目でございます。事業者の皆様に定期報告で頂いている情報というのを、食品ロス削減の取組の開示を一層推進するためということで、こちらも省エネ法を参考にしまして、定期報告で頂いている情報を、あくまで任意ではあるんですけれども、任意開示の際に統一フォーマットでお示しするような仕組みが検討できないかという方向性で考えていきたいと思っております。
今、申し上げましたのは現時点の考えということでございますけれども、この項目、冒頭に申し上げましたように、来年度以降に具体的な検討というのは開始をしたいと思っておりまして、今回、この食品リサイクル小委員会合同委員会におきましては、基本方針にこうした事業者の発生抑制等の取組を適正に評価する仕組み、それから、食品関連事業者による食品ロス削減の取組の開示を一層推進する方策について検討をする必要性を基本方針に明記するという御提案をさせていただきますので、それについて御審議いただきたいと思っております。
次のページでございます。
発生抑制の3点目ですけれども、事業者の食品ロス削減の取組促進に係る話でございまして、具体的には、判断基準省令等の改正についての御提案でございます。
昨年、政府の方針、下の方に抜粋で掲載させていただいておりますけれども、政府方針におきまして、3分の1ルールを始めとする商慣習の見直しの促進ですとか、企業における排出抑制等の具体的な取組内容が公表される環境整備の促進ということで定められております。
次のページを御覧ください。
こうした政府方針に定められました商慣習の見直しの促進、それから、企業における具体的な取組内容が公表される環境整備の促進につきまして、判断基準省令の方には当然ながらまだ反映をされていない状況となっておりますので、今回、皆様に御審議を頂きまして、判断基準省令の方に盛り込んでいきたいと思ってございます。
具体的にまだ反映されていない事項ということで、中段の四角囲みのところを御覧いただきたいと思いますけれども、繰り返しになりますが、3分の1ルールを始めとする商慣習の見直しということで、納品期限の緩和ですとか、賞味期限表示の大括り化、それから延長、更には、発注から納品までの期間の延長等について省令の方に位置付けてまいりたいと考えてございます。
それから、大きな項目、二つ目でございます。食品ロス削減の取組、具体的にはフードバンク等への寄附等などですね、そういった事業者の皆様の取組の開示の促進について省令の方に位置付けたいと思っておりまして、これらの内容を追加することについて、まずは御審議を頂きたいと思います。
次のページは、商慣習の見直しの現在の状況についての補足説明資料となります。
割愛をさせていただきながら、長くならないように説明させていただきますけれども、業界団体等におきまして、商慣習の見直しに係る取組、着実に進展をしております。左側のグラフを御覧いただきたいと思いますけれども、1030日、全国一斉商慣習見直しの日ということで、呼びかけの方も行っておりまして、上の方の積み上げグラフは納品期限緩和に取り組む事業者の推移で、年々きちっと増加をしてきている。それから、下のグラフにつきましても、賞味期限表示の大括り化に取り組む事業者の推移ということで、どちらも年々取り組んでいただいている事業者の数というのは増加をしてきているという傾向でございます。
また、右側の方を御覧いただきますと、食品スーパーマーケットの自主行動計画という形で、物流の適正化、生産性向上という、こういった観点からも商慣習の見直しが役立つと、非常に重要だということでございまして、そうした自主行動計画を団体、食品スーパーマーケットの協会の方で作成をする際に、3分の1ルールの緩和を盛り込む動きというのがございます。
こちら、お示しさせていただいているのは食品の小売に係る3団体、それから、食品の卸に係る団体の方で、どちらも昨年11月、12月に実施の計画を策定する中で盛り込んでいただいたという御紹介をしております。下段は、団体ではなくて個別の企業、複数企業の皆様がこうした宣言をされているという御紹介でございます。
次のページを御覧ください。
次は、食品ロス削減の取組の開示促進についてということで、こちらも現状の御説明になります。各事業者におきまして、フードバンク等への食品寄附量ですとか、それから再生利用等の食品ロス削減の取組に関する情報について、有価証券報告書ですとか統合報告書で既に開示を行っている企業がございます。また、前半の方でも申し上げましたけれども、定期報告で頂いている内容につきまして、合意、同意を得られましたら政府の方で一覧という形で公表しているという状況でございます。
食品ロスの削減を更に推進していくために、こうした事業者の皆様の取組というのを見える化していくことが必要ではないかということで問題提起をさせていただいております。下の方は定期報告の公開の状況ですとか、あと、個別企業の有価証券報告等における具体的な開示例ということで御覧いただければと思います。
次のページを御覧ください。9ページでございます。
こちらから再生利用等の促進に係る事項に移ってまいります。
まず、一つ目でございます。再生利用等の実施率に係る目標について。現行の基本方針におきましては、2019年度から24年度までの再生利用等の実施率目標というのを定めてございます。4業種ごとに定めておりまして、こちらの目標につきまして、新たに2025年度から29年度までの目標というのを設定するために見直していただく必要がございます。9ページの方は、前回の見直しの際の考え方について御説明をしております。非常に簡略ではございますけれども、この(1)、(2)、(3)と付いた枠囲みの中で段階的に考えの方を整理しております。
まず(1)ですけれども、当時の現行の目標ということで、2019年度までの目標が書いてございます。それに対しまして、(2)のところでは、個別企業の再生利用等実施率というのを年間にどれぐらい向上させるか、上げていくかというポイントがございますので、そちらの考え方を業種全体にも適用した場合ということで5年分加算した数字というのを(2)のところで記載をしております。具体的には、卸売業、小売業、外食の方で(1)の値から年に1%、5年分を加算しまして5ポイント加算した数値というのを設定しております。
(3)のところでは、その値に対しまして直近の実績の値を入れておりまして、具体的には、当時、2017年度の実績が最新の数値でしたので、2017年度の実績を見ております。この(2)と(3)のところを見比べながら直近の実績と設定しようとする目標値について、乖離が大きいかどうかなどを見た上で2024年度までの目標を設定したところでございます。具体的には、外食産業につきましては実績との乖離が大きいということで、2019年度の目標を据え置くという判断が前回なされております。
次のページを御覧ください。
前置きが長くなりましたけれども、今回も目標設定の考え方につきましては、政策の継続性のために同じ考え方で進めていった場合ということでこちらの資料を作成しております。
目標の定め方につきまして、(1)のところに現在の2024年度目標がございまして、(2)につきましては、5年分の加算をしたものが記載をしてございます。直近の実績を見ますと、食品製造業は目標を上回る値、それから、食品小売業の方は65%の仮試算目標に対して61%の取組状況ということで、実績との乖離が少ないんですけれども、食品卸売業、それから外食産業につきまして目標と実績の乖離があるという状況でございます。
下の枠囲み、乖離の要因ということで事業者様からのヒアリングで頂いたお声を記載しておりますけれども、どちらの業種につきましても、再生利用などなかなか意識しておらず、手近な焼却・埋立てを行う業者に依頼していますという話ですとか、再生利用事業者への依頼については、処分料が高い、それから、再生利用事業者が近隣にないといった理由を聞いております。このほかに、外食産業につきましては、分別が困難という、これ、業種の特殊性ということかと思いますけれども、そういった回答も上げられております。
こうしたお声を踏まえますと、引き続き100トン以上の事業者への働きかけを行いつつ、100トン未満の事業者に対しても再生利用への取組ということの意識付けを行いまして、併せて、次にまたお示しします登録再生利用事業者の確保に努めていく必要というのがあると考えております。
こちらの右側には4業種ごとの100トン以上と100トン未満、それから、全体の再生利用等実施率の方をお示ししております。卸、小売、外食となかなか100トン以上、100トン未満の値の乖離が非常に大きいところもありまして、外食につきましては特に100トン未満の占める割合も、構成比の関係で占める割合も多いということで全体の数値も低く引っ張られているというところでございます。
こうした現状を踏まえまして、新たな目標値の設定について御審議いただきたいと思います。
次のページ、御覧ください。
11ページでございまして、登録再生利用事業者制度の活用促進についてでございます。こちらのページでは、登録再生利用事業者制度の現状について改めて整理をさせていただきました。昨年の委員会でも御意見を頂戴しておりましたので整理をしたところでございます。
まず、左上のグラフからですけれども、登録件数自体が平成25年度の177件から令和5年度153件ということで、横ばいないし近年微減の傾向にございます。
左下のところで、この登録を頂いている事業者の皆様が具体的にどういった種類の事業を行っているかということを拝見しますと、優先順位の高い飼料化のところで25%、それから、肥料化のところで50%、更には、油脂化ですとかメタン化についても取り組まれているという状況でございます。
グラフの右側を御覧いただきたいと思います。飼料化と肥料化に取り組んでいるという回答をされた事業者の皆様が食品関連事業者の区分ごとにどういった業種と取引があるかということを整理したものでございます。どちらにつきましても製造業が最も多いというのは変わらないんですけれども、先ほどの再生利用等実施率のところでなかなか伸び悩んでいると言っていたような外食とか、あと、小売についても目標値よりも高いような割合で取引をされているということがこちらのグラフから分かっていただけるかと思います。
こうした、言わば優良事業者と言えるような登録再生利用事業者制度の認知度を高めるとともに、再生利用等に着実に取り組む事業者の増加につなげる観点から、優良事例の見える化、それから、優良事例の横展開等、制度の更なる活用方策について御審議を頂きたいと思います。
長くなっておりますが、次のページで中身の話は最後でございます。
12ページ、再生利用事業計画認定制度の拡大についてでございます。こちら、括弧書きで報告とさせていただいておりますけれども、法律に基づく諮問対象ではない省令にはなるんですけれども、再生利用等を進める上でとても重要な話ということで今回御報告をして、御審議、御意見を頂きたいと思っております。
まず、いわゆるリサイクルループ制度でございます。現行の制度は左側にイメージをお示ししておりますけれども、食品関連事業者、リサイクル事業者、農林漁業者等の三者による3ステップの循環計画となってございます。
こちらに現行でも取り組んでいる事業者から要望の方が出てまいりまして、どんな要望かといいますと、右側の方にお示しをしております。現行では三者でのお取引ということだったんですけれども、1段階加わって四つの段階でのお取引という形もリサイクルループとして認めてほしいといった要望が寄せられております。
具体例、(1)の方で申し上げますと、リサイクル事業者が餌を作った後に、その餌を牛ですとか豚とかが食べて、そこからふん尿が出ますので、それを堆肥に転換し、その堆肥を今度は畑にまいて野菜等の農産物を生産すると。それで生産された野菜等を食品関連事業者が利用するということで1段階増やした形でございます。
例の(2)につきましても同様でございまして、一番最初は、堆肥の場合も堆肥を畑にまいて餌を作りまして、その餌を食べた家畜から出てくる生産物を食品関連事業者が利用するという内容でございます。
こうした取組につきましては、現行の省令では認定をすることはできないんですけれども、関係者が連携した計画的な食品循環資源の再生利用を確保するという制度の目的を満たしていると事務局の方で考えておりまして、このような場合についても認定制度の対象とするために再生利用事業計画の認定に関する省令を改正してはいかがかということで考えてございます。
説明が長くなりましたが、以上でございます。

〇渡辺座長
ありがとうございました。
それでは、御意見、御質問等ある方からの御意見、御質問をお受けしたいと思います。対面会場にいらっしゃる皆さんは名札を立てていただく、意思表示していただくようお願いいたします。事務局がマイクをお渡ししますので、マイクを通して発言をお願いいたします。ウェブ参加の方はミュートを解除して御発言いただくか、画面上で挙手のサイン、あるいはチャットへの御一報をお願いいたします。
松岡委員、お願いいたします。

〇松岡委員
1発目で失礼いたします。
私の方から、意見書の方を団体から出させていただいたもの、そちらの方をちょっと読み上げさせていただきたいと思います。
食品リサイクル法基本方針の見直しに対する意見書。全食リ連専務理事、松岡力雄。
総論。
事務局より事前説明を受けた基本方針の見直し案について、理事会、総会に諮ったところ、全般的に賛成である。特に、国、地方自治体、食品関連事業者、登録再生利用事業者、農林漁業者全体の情報公開を進めていくことは食品ロス削減に取り組む一般消費者の知る権利に応える意味でも大切なことであり、食品リサイクル法の施行状況の点検を正しく把握する上で極めて重要な政策である。当団体も業界自主基準、食品リサイクル優良事業者認定制度において、過去5年間の再生利用量や製品製造量、販売量等処理フロー図、法令遵守チェック内容など団体のHPにて情報公開をスタートした。今後も積極的に情報公開を推進し、国の施策に協力していきたい。
ということで、今回の案につきましては、業界の受け止めとしても全体的に賛成論でありました。前向きに捉えているということでございます。
続きまして、再生利用における個別具体的な課題というのが、今、現場の中にありまして、こちらをお伝えしたいと思います。
まず、問題提起1、発生抑制の定義解釈について。
例えば、排出事業所内の廃棄物保管場所に設置された生ごみ処理機(消滅型、減量し排水溝に流す)を使って食品関連事業者が自ら処理した食品廃棄物や、そのまま有価で買い取らせた食品廃棄物、例えば賞味期限切れのパン、廃食用油などについては、それらの量を発生抑制量としてカウントしている食品関連事業者もあると聞きます。こうしたケースは、発生量としてカウントしてよいものなのかと、発生抑制の定義、解釈について環境省の見解をお聞かせ願いたい。
問題提起2、再生利用等の優先順位について。
優先順位の実効性を高めるために、先の再生可能エネルギー規制改革における審議会の答申では、食品リサイクル法は立法趣旨に立ち返り、飼肥料の国内循環を最優先とすることが審議会の中で合意され、現状の食品リサイクル法に定める優先順位を堅持することとなった。
しかし、再生利用の現場では、一部の食品関連事業者において優先順位に従わず、飼料化や肥料化できる有用な食品廃棄物であっても、再生可能エネルギー推進を理由にメタン化施設に切り替えるなど優先順位に従わない委託処理が行われている実態もあります。優先順位の実効性を高めるために、例えば優先順位に従わなければ国からの行政指導や再生利用実施率にカウントしないなど、その実効性を高めるための施策が必要ではないか。
問題提起3、油脂化について。
ここは前回の再生可能エネルギーのときでもお話ししましたので、簡単に説明すると、いわゆる廃食用油というのは、今、メタンと同等の扱いがされているんですね、優先順位。ただ、油脂化の中の6割が、実は、鳥餌としての飼料として使われているんですね。したがって、そこの部分については飼料化の方の定義に変えていただきたい。そうしないと、SAFといって航空燃料の方に使われてしまっていると。これは、先ほど言いました国内循環資源の飼肥料自給率を優先する考えでも是非とも御検討いただきたいということです。
続きまして、問題提起4、ここが極めて重要だなと思っておりまして、市町村担当者に対する食品リサイクル法の周知徹底についてです。
各市町村の廃棄物行政担当者において、食品リサイクル法に対する認知度に大きな隔たりがあり、一般廃棄物処理計画の策定に関し、食品リサイクル法における市町村の責務が不明確のまま単純焼却が行われている自治体も多くあります。
また、5年前の基本方針の見直しの答申において、市町村の事業系一般廃棄物の安価焼却を是正するため、市町村による事業系一般廃棄物処理に関わる原価相当の料金徴収の推進についても国がガイドラインを策定し、地方自治体職員に対し更なる教育徹底を行うことが必要ではないか。
問題提起5、食品関連事業者における排出事業者責任の強化についてです。
多量排出事業者の規模の見直し、これも前回お話ししていますんで、簡単に言えば、今、100トン以上じゃないですか、それを段階的に、例えば50トンとか30トンとか、将来的に裾野を広げて参加を拡大していただくという、これは段階的に現状を見ながら、そうしていくことによって川下のリサイクル率も上がってくるのではないかということでございます。
問題提起6、食品関連事業者の定義や範囲について。
現在、民間事業者は食品関連事業者に該当すれば全て食品リサイクル法の対象となりますが、行政施設はその対象から外れています。例えば学校給食センター、刑務所の食堂、自衛隊食堂等、直営ですね、この国が定めた法律である以上、率先して行政の直営施設も食品関連事業者の対象とすべきであると、仮にこの定義が、多省庁にわたりますので見直しができないということであれば、食品関連事業者に該当していなくても出す側の行政施設と受け入れる側の登録再生利用事業者の双方が合意されていれば、越境移動して受け入れられるよう新たな登録再生利用事業者の特例制度を設けることを望みたいという意見があります。
問題提起7、災害備蓄食料品。
これも行政の廃棄物になってくるんですけれども、例えば、乾パン、アルファ米です。自然災害に備え、今、各自治体を中心に災害備蓄食料品を大量に保管しています。それが、賞味期限が切れた場合、大量に排出・焼却されることから、災害備蓄食料品についても食品リサイクル法の対象とすべきである。
問題提起8、廃棄物管理業の問題についてです。
最近、廃棄物管理業という業務が多く散見されるようになり、排出事業者と再生利用事業者の間に入ってピンはね行為が行われている。委託先の選定についても廃棄物管理業者が間に入って再生利用事業者は直接排出事業者と面談や話合いができないなど、廃棄物処理法上の二者契約の原則が正しく履行できない状態にある。
平成29年3月21日に環境省より発出された廃棄物処理に関する排出事業者責任の徹底通知――地方公共団体の規制権限が及ばない第三者に委託の根幹的内容、委託する廃棄物の種類・数量、委託者に払う料金、有効期間の決定を委ねるべきではない、俗に言うブローカー通知ですね、これを忘れている。これの更なる徹底をお願いしたいと思います。
問題提起9、登録再生利用事業者制度の更なる認知向上と行政手続の標準化・透明化・効率化についてです。
食品リサイクル法制定から24年目を迎えるが、この間、登録再生利用事業者制度に対する登録基準が厳しくなる一方で、特例措置については市町村の越境移動や肥料取締法・飼料安全法の特例のみとなっています。また、市町村による事前協議制がしかれており、越境移動の手続に大きな時間と労力を費やしています。登録再生利用事業者だからといって制度が優位に働いて委託されている実感に乏しく、登録再生利用事業者を更新しない事業者も増えてきました。国が作った登録制度をもっと広く社会に周知していただきたい。
また、更新手続については、農林水産省、環境省の出先機関が行っているが、担当者によっては既に都道府県知事から得ている産廃処分業許可や市町村から得ている一般廃棄物処分業許可等の内容についてまでも審査対象となっている。国の出先機関から許可権者である地方自治体に確認すれば事足りるのに、それを登録再生利用事業者側に説明させ、一つ回答すると、またその回答に対し継ぎはぎ的に質問を繰り返すなど永遠に出口が見えない状況があります。出先機関の職員の方も勉強する意味で行っていると理解しているんですけれども、一体どこまでの書類を提出すれば更新手続が完了するのか、実際1年近くもかかり、その間に更新期限が過ぎてしまい、委託されている食品関連事業者側から苦情が相次いでいます。新規・更新申請については、法令様式のひな形は定められているんですけれども、それに付ける添付書類についても明確に定め、今までの実績があるわけですから、記入例を例示するなど出先機関の全国一律の手続が標準化・透明化・効率化されるよう、本省が法令手続を改善する必要があるんではないでしょうか。
長くなりましたが、以上でございます。

〇渡辺座長
ありがとうございます。
なお、委員が意見書を提出する場合について、簡単にコメントをさせていただきます。
意見書を提出するには、両座長の了承をあらかじめ得ることが必要だということで、環境省側の石川座長と農水省側の私、事前に見せていただいて、私からは日本語表表現でちょっとどうかなというような質問をしたんですけれども、そういうやり取りを経て了承したという経緯がありますことを申し添えさせていただきます。
ほか、いかがでしょうか。
﨑田委員、お願いします。

〇﨑田委員
ありがとうございます。今、いろいろと意見書の表明がありましたけれども、これに関しては、また後ほど皆さんで意見交換の時間があるという考えでよろしいですか。
取りあえず、今、私の意見表明というか、私の意見ということで上げさせていただきました。
今回、資料1で出していただいた、食品リサイクル法に基づく基本方針の見直しの中で、いろいろ議論をしたいということが明確に示されておりますが、その中で私は3点意見を申し上げたいと思います。
1点目が、全体の食品ロス削減目標での今後です。2点目は、食品ロス削減の取組の見える化に関しての新しい仕組みの検討ということで、3点目が、再生利用の実施率に関する今後の目標設定という、この三つに関して意見を申し上げたいというふうに思います。
まず、やはり発生抑制が大事だということで、今回もその食品ロスに関してかなり明確に資料が提示されているというふうに感じておりますが、先ほど来のお話があったように、コロナの影響などで事業者の方からの食品ロスが非常に急激に減っている。これは、経営的には残念な状況ですが、食品ロスとしては減っている、非常に難しいところですが、今後、経営が回復すればまた食品ロスが増えてくるという、そういう状況にならないように、より、食品ロスを皆さんで、本当にこれまでの取組自体はしっかりやっていただきましたけれども、今後に向けてもしっかりと、温暖化対策の面、そして、食料の安全、自給の安全、供給の安全という、そういうようなこと等を考えて、やはり食品ロスの削減というのは、本当にゼロに向けて皆さんで取り組んでいただくということが大事だというふうに考えています。
それで、頂いた資料の3ページのところの表などを見ると、やはり家庭系もこれからしっかりやらなければいけないという共通の課題ですけれども、取りあえず、今までも家庭系、事業系ときましたので、私、これまでのいろいろ議論の中で、2030年に家庭系と事業系合わせて400万トン以下を目指すというような大きな流れがこれまでのいろいろなデータからあるというふうに感じてきました。
ですから、詳細に関しての検討はまたいろいろと意見交換が必要かと思いますが、私は、今後に向けては、2030年までに家庭系、事業系合わせて400万トン以下を目指すという、こういう考え方でやっていけたらいいのではないかというふうに考えています。
ですから、本当は事業系だけではない、家庭系も一緒にどうやって減らすのかということと重要な関係は出てきますけれども、方向性としてこういうような流れの中で、食品リサイクル法の2029年をどうするかという議論が進むことを願っております。
2番目は、この頂いた資料の、ページから言うと4に振られていますが、4ページですかね、食品関連事業者の取組の見える化についてということで、省エネ法のベンチマーク制度なども活用しながらしっかり取り組んでおられるかどうか、その取組によって、S、A、B、Cなどを設定して、そして、どんな取組をしているのかをみんなで見える化する、私は、これに関しては賛成をしたいというふうに思います。
やはり事業者の皆さんも発生抑制の取組を具体的に見える化していくということは、それぞれの事業の、言ってみれば、経営改善にもしっかりつながってくることだというふうに思っています。ですから、やはり、それぞれの取組の経営改善につながることを目指して、食品ロス削減の取組を明確に、具体的に見える化していくという、こういう方向には賛成をしたいというふうに思います。
経営改善、いわゆるコスト削減だけではなく、見える化することでESG投資とか、これからの社会の関心を高めていく、そこが大事ではないかなというふうに思っています。
最後に3点目ですが、資料の10ページと書いてあるところで、9ページ、10ページ辺りのところに出ています。10ページですね。再生利用等の実施率に係る目標についてということです。
やはり発生抑制をしっかりした上でのリサイクルというのが大変重要なわけですけれども、特に食品卸と外食がなかなか進んでいない。特に外食に関しては、食事をする消費者の食べ残しとか、あるいは食品以外の物が交ざっているとか、やはり消費者が関連していることも多くてパーセンテージが伸びないというふうに言われておりますので、消費者にも関係してくるのですけれども、やはり、あえて厳しく申し上げると、リサイクル率がアップしないから抑えていくというのではなく、もう少し厳しい視点で将来の数字を見ていただいてもいいのではないかなというような思いがしています。
その厳しい視点で見るとどの数字になるのかというのをずっと考えてきたんですが、具体的に数字を提案するのは難しいなと思いながらおりますけれども。なお私は今、ジャーナリスト・環境カウンセラーとして暮らしや地域の視点での環境の取組を進めるだけではなくて、全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会という全国の自治体が参加をする、47都道府県すべてと市区町村、合わせて446自治体が参加する食品ロス削減の自治体ネットワークの会長を務めておりますが、やはり地域の食品ロス削減には非常に関心が高まっているというところですので、例えば「食品ロス削減協力店登録制度」を自治体が作り、関心を持って登録した外食店にポスターを配布して来店客の食べきりを呼びかけるなど、特に地域の外食店と行政が連携をしながら、いかに食品ロスを減らすかということなどに非常に関心が高まっています。やはり、そういうような動きを評価して、発生抑制から資源化の推進にもつながる社会にしていくというのが大事なんではないかなというふうに、私は思っています。
よろしくお願いします。

〇渡辺座長
ありがとうございました。
3点御指摘を頂きました。
事務局から、特段すぐに返事が必要なものというのはないかと思いますので、一問一答ではなく、続けて御意見を伺っていきたいと思います。
ちょっと順番分からないんですけれども、ここの順番、鈴木委員、髙取委員という順番で、鈴木委員からお願いいたします。よろしいですか。

〇鈴木委員
鈴木です。よろしくお願いいたします。
私からも3点ほどお願いできればなと、意見を述べさせていただければなと思います。
最初の1点目が、目標ですね、食品ロス削減の目標のところで、2022年まで事業系も含めて実績が下がっているというところです。家庭系も含めて、フランチャイズチェーン協会の参加企業の中でも、例えば、フードドライブであるとか、家庭系のところの努力をされている企業もあります。事業系のものをなるべく販売し、お客様のもとに届ける努力をしていたりだとか、それをAIの技術によってやっていますが、この2022年、実績が下がっているのは、まだまだコロナが影響を及ぼしているのかなというところがございますので、2023年の実績を見た上での2030年の目標設定を考えられてもいいのかなと感じています。
それから、クラス分けのところですけれども、クラス分けについては、省エネ法を参考にされているということだったので、分かりやすいなとは思いつつも、例えば、クラス分けするよりも、こういう努力をしているんだという、国、行政の方々が見て、この企業、このやり方、すごくいいねというのをほかの企業も見て水平展開できるような方法を我々も知りたいと思っています。良き事例を褒めるだとか、勉強会をするだとか、そういうところの情報、いいことを、サクセスを広めるような方法を各社聞いて、この方法なら取り入れられるなとかいうところが分かるような、クラス分けするよりもいいところを褒めて、それを水平展開できるようなところを推し進めていただくというのが、我々として、チェーンとしては分かりやすいなと。また、オーナーさんたちをどうしても動かしていかなければいけないため、その辺の分かりやすいやり方というのを少しでも知りたいなと、そこの点をお願いしたいなと思っております。
それから、リサイクルの目標ですね、こちら、先ほどの委員と同じで、外食が低いからというところで、低いから目標も低くしていいのか?という疑問はちょっと感じます。小売業も外食業もおるJFAですので、そちらの方から申し上げますと、やはり我々としても努力をしていないわけではないということと、リサイクル率を高めるためには、結構いろんな業界的に難しいところがあるかもしれませんので、行政と一緒に、若しくは地方自治体と一緒に何か取り組めることができないか、それは個社ではなかなかできないことかもしれません。
なので、エリアごとに何か、特区なのかちょっと分かりませんけれども、一つエリアを決めて、一緒に町を挙げてやっていく、みたいなことができるといいなというふうに思って聞いておりました。そういうことを積み重ねていっての目標設定と思っていますので、その辺の知見を一緒に考えさせていただければなと感じた次第でございます。
以上、3点です。

〇渡辺座長
ありがとうございます。
食品ロス削減目標とベンチマーク制度について、リサイクルの、再生利用実施率関連ですね、同じところで論点が微妙に違ったりしていますので、また、後ほどまとめて事務局からは御対応について御意見いただければと思います。
続きまして、では、髙取委員からお願いします。

〇髙取委員
御説明ありがとうございました。
私からは3点ございます。1点目は、発生抑制のところの(1)事業系食品ロスの削減に係る目標について、2点目は、発生抑制の(3)の食品関連事業者の食品ロス削減の取組促進について、3点目が、再生利用等の(4)再生利用等の実施率に係る目標の設定についてです。
まず1点目、(1)事業系食品ロスの削減に係る目標についてでございます。
新たな目標の設定については、その検討が必要と思います。ですが、その際に、食品産業合計の数値にて判断することではなく、事業系の各業種内での構造の変化や、構成要素ごとの削減進捗度を分析していただいた上で、今後の削減可能性を合理的な根拠に基づき検討していただきますようお願いしたいと思います。
また、食品ロスということを正しく認識いただくために、食品のロス量を示すだけではなく、フードサプライチェーンの各段階での発生の要因や、食料への活用を含めたリサイクルの状況を併せて示すことによる食品ロス等の認識もより深めていただくということも必要ではないかと考えます。
続きまして、2点目が(3)の食品関連事業の食品ロス削減の取組推進についてでございます。
事業者が取り組むべき内容を省令に明記していただくこと、大変望ましいと考えます。納品期限の緩和を始めとする商習慣の見直しの実現に向けては、フードサプライチェーンを通じた連携が非常に不可欠であり、行政の方からもより強い御支援・御指導をお願いしたいと思います。
最後に、再生利用等におけます(4)再生利用等の実施率に係る目標の設定についてでございます。
こちら、増加ポイントでの目標設定で御説明いただきました。こちらにつきましては、私も﨑田委員、鈴木委員と同じような意見でございまして、見直しに際しましては、各業種、業態、品目ごとに発生の状況や削減の実態、これらを分析していただいた上で、今後の削減可能性を検討して定めるべきと考えます。
また、再生利用等の優先順位は原則として維持されつつも、エネルギー利用の推進の観点からも、個別のケースに対して、その対象物の特性や処理工程を加味した評価による熱回収等の判断基準の明確化が必要と考えます。
以上でございます。

〇渡辺座長
ありがとうございます。
3点についての御指摘です。
それで、ウェブから早い段階で挙手を頂いています小林先生、小林委員、発言できますか。

〇小林委員
聞こえていますでしょうか。

〇渡辺座長
ちょっと音は小さいですけれども、もう一度御発言いただけますか。

〇小林委員
小林です。聞こえておりますでしょうか。

〇渡辺座長
聞こえてはいます。

〇小林委員
大丈夫ですかね。
(音声調整中)

〇渡辺座長
はい、お願いします。

〇小林委員
では、ちょっと私から端的にお話ししたいと思います。こちらもちょっと音声が聞こえなかったりして、若干重複とかするかもしれませんが御容赦いただければと思います。
まず、食品ロスの目標値について、このスライドに係るところなんですけれども、若干、松岡委員に便乗するところがあるんですけれども、この新たな目標値の設定というの、ある意味、やむを得ないかなと思うんですが、特に個人的に意見はないんですが、やはり、そこに備蓄食が入っていないというのはいろいろ、よくよく検討していただきたいなと、それを放置しながら今のスコープのままで削減するというのはちょっと問題があるんじゃないかなということがあります。
加えて、これはなかなか難しいかなと思いますけれども、農業部門の産地廃棄の部分についても検討していただきたいと、新たな目標値を設定する場合には、是非、そこまでの全体、国内の全体図を見ながら設定していただきたいというのがあります。
次に、6ページの方の開示促進のところで、2番目です。フードバンク等への寄附の開示促進とあるんですけれども、これ、非常によいことだと思っておりますけれども、これはちょっと食品ロスの方での議論になるかもしれませんが、やはりレピュテーションリスクについての懸念がまだまだ大きくて、その中で、やはり免責であるとか、保険加入であるとか、そういう、今、議論をしているところです。
したがいまして、開示するに当たっては、このレピュテーションリスクを国としてどういうふうに加えるのかということをしっかり意識しながら、促進するかしないか、あるいは促進の開示の方法みたいなところを検討していただきたいというのが2点目です。
三つ目なんですが、外食の目標値についてなんですけれども、今は50%の目標ということで、これを今後どうするのかということで、なかなか難しい問題かなと思うんですが、この点に関しては、是非、目標値についてはさておき、目標に達するまでの道筋というのをほかの業種以上にしっかり道筋立ててガイドしてあげないといけないのかなというふうに思っています。
具体的には、これも食ロスの方での議論になりますけれども、持ち帰りとか、あるいはオーダーミスについても検討していますが、やはりリサイクルのところで、メタン化とか、その辺のところが現実的かなという意見が非常に多いですね。
ただ、一方で、相模原の高橋さんのところで設備を稼働しましたけれども、まだまだメタン化の施設というのは、国内では偏在しつつ、かつ、絶対量が足りないというところで、そこら辺を両輪にして目標値の設定と実際の国内のファシリティーの充実というところで進めていただきたい。
以上、3点になります。お願いします。

〇渡辺座長
ありがとうございます。
ここで環境省側の課長が抜けざるを得ないということなので、コメントを幾つかしていただければと思います。

〇松﨑課長
環境省でございます。それでは、環境省の方からお答えさせていただく点、順次回答したいと思います。
松岡委員からの御指摘の点、幾つかありました。そのうち、私の方から2点お答えさせていただきたいと思います。
まず、問題提起4ですけれども、市町村担当者に対する食品リサイクル法の周知徹底ということで、この点については御指摘のとおり、食品リサイクル法の趣旨、若しくは具体的それぞれの事項の内容に関しましては、市町村の方々も人事異動もございますので、それを踏まえて対応をしていく必要があると考えております。
環境省では、毎年この時期に全国の都道府県及び政令市の主管課担当課長に対して説明をさせていただいております。新しい事項はもちろんですけれども、継続的に非常に重要な事項については、私、担当課室長から御説明させていただいているところです。
こちらの点で、一般廃棄物の処理要件の件に関しても、これまでも御紹介、御説明させていただいておりますけれども、実は、昨日ちょうどその会議があったところでございます。この際に、廃棄物処理法の中で一般廃棄物の処理を委託する場合というのは、その業務遂行に足りる委託料とすることが求められておりますし、許可を受けた処理業者においては、条例で定める手数料の額に相当する額を超える料金の上限が定められているところです。処理事業を確実に実施するためには、昨今の物価の上昇等も踏まえまして、状況も踏まえた適切な委託料が支払われることが重要となります。
これらの点に関しては、事情が地域によって異なるところでございますけれども、統括的な処理責任を有する市町村による適切な額の設定が重要であるということで、昨日の場でも改めて周知徹底の方を図ったところでございます。
また、問題提起8、廃棄物管理業の問題についてでございます。
こちらにつきましては、平成28年、審議会の答申の中でも当時の不適正処理事案を踏まえまして、排出事業者責任の重要性がその際に指摘いただいたということともに、その責任の徹底について周知すべきということで、先ほど委員からも御紹介いただきました、平成29年3月の通知を出させていただいております。その詳細については、通知の内容をホームページにも公表しておりますのでここでは割愛させていただきますが、第三者にその決定、処理に関しての根幹的内容の決定を委ねるべきではないということなど記載をさせていただいておりまして、排出事業者の責任は極めて重いということを十分認識した上で、その適正な処理が必要であるということを通知しております。
この点に関しては、環境省のウェブサイトページを設けておりまして、継続的にこの周知徹底を図っているところでございます。今後もしっかりと周知徹底、適切な指導を行うよう、都道府県、市町村の方に周知してまいりたいと思います。
以上です。
続きまして、ほかの環境省の点については、金井の方から御回答させていただきます。

〇金井室長補佐
では、続けて環境省より御回答申し上げます。
松岡委員からの問題提起1、発生抑制の定義・解釈についてでございます。
食品リサイクル法において、発生の抑制というのは原材料の使用の合理化や無駄の防止、食品廃棄物などの発生自体を未然に抑制をする行為であるということでございます。この考え方に照らし合わせて個別に検討・判断されていくというものと考えております。
また、同じく松岡委員からの問題提起9番、登録再生利用事業者制度の更なる認知度向上と行政手続の標準化・透明化・効率化というところでございます。
こちらも考え方としては、登録再生利用事業者制度、リサイクルループの制度、いずれも食品リサイクル法は促進型の制度ですので、促進するための具体的な措置ということで、より多くの方に御活用いただきたいという側面が一つあります。
また、あわせて、当然食品リサイクルというのは、この食品循環資源を適正にリサイクルするということが大前提となっておりますので、そこの部分はしっかりできる形なのかどうかというのも、当然ながら慎重に、丁寧に見させていただいております。そこのバランスの中でいかに合理的な審査をしていくかというところがとても大事になってきます。
書面で頂いたような現状のところと、また、それぞれ農水さんと環境省も地方の支分部局ございますので、そこでどういう運用を行っているかですとか、どんなところがバランスよく合理的にやるところで悩んでいるのかというところも含めて、よく現状をまずしっかり分析をして、何ができるか考えていくというふうに考えております。
以上でございます。

〇渡辺座長
ありがとうございます。
農水省側もこの後、課長が出なければいけないこともあるということですので、課長からの御発言を先に受けたいと思います。

〇五十嵐課長
まず、私の方から、今時点で委員の皆様から御指摘があったものについてお答えさせていただきます。
まず、事業系食品ロスに関する新たな削減目標について御意見を様々頂きました。総じて、発生抑制がまず大事なので、検討はやむを得ない、あるいは検討するべきではないかといった意見が多かったと思います。
ただ、その上で、実際の目標設定にあたってはそれぞれの業種別に、実際何がどうなっていたかということをデータを見ながら慎重に検討するようにといった御意見がありました。一方で、鈴木委員の方から、コロナの影響もあるので2023年も見た上で目標設定としてはどうかといった御意見もありました。いずれにしても、これまでの進捗などについて、データをお示しした上で、また御議論を次回以降していただければと思っております。
次に、見える化についても、今般では、クラス分けまで検討を行うかどうかについては様々なご意見がありましたが、総じて検討を行うことは、よいのではないかという御意見を頂いていると思っています。一方で、鈴木委員の方から、いきなりクラス分けということでもなく、例えば、優良事例を水平展開する等の方法についても提案がありました。この点については、一方で、現在の公表方法だとわかりにくく、各社の取り組みをわかりやすく、きちんと比較ができるようにすべきといった要望もございますので、それを踏まえて、また引き続き御議論いただければなと思います。
それから、小林委員から新たな目標を立てるのであれば、そもそも備蓄食を入れたりとか、農業分野、一次産業で出た食ロスも含めて、新たな目標を設定したらどうかといった御意見もありました。一方で、皆さん御案内のとおり、国連のSDGs目標に係る、食品ロスの考え方においては、一次産業の分野が入っていないといったこともありますので、その考え方との整合性も見ながらまた引き続き検討、御議論いただければと思います。
最後に、再生利用の実施率目標の部分でございます。一番難しいのが外食といったところで、先ほど髙取委員、小林委員の方から御意見を頂きました。目標値は設定するが、そこに達する道筋を見据えて設定していく必要があるといった御指摘を頂きました。
今まで定めてきた目標設定の方法も踏まえつつ、実際に現実的なところはどこかといったことを委員の皆様の意見をよく聞きながら検討をさせていただければと思います。

〇渡辺座長
ありがとうございます。
それでは、また委員の皆さんからの御意見に入ります。
では、犬伏委員、お願いいたします。

〇犬伏委員
ありがとうございます。冒頭、到着が遅れました。東京農業大学の犬伏です。よろしくお願いいたします。
スライド12枚目の最後の6番、再生利用事業計画認定制度の拡大についてということで簡単に意見を述べさせていただきます。
この考え方は、やはり、リサイクルループを完成させる上で非常に重要だと思っております。それで、例えば、農水省さんのやっておられるほかの事業で、JAぐるなびと連携されたりとか、あるいはJ-クレジットの活用とか、そういうような流れにもつながるものであると思いますので、これを是非推進していただきたい。これは報告で頂いているのでこのまま聞いていればよかったんですけれども、つまり、やはりリサイクル事業者と、例えば堆肥を作るところと、それから、野菜を作るところ、どうしても別の業者、なりわいが関わってくると思いますので、そこら辺のところをうまく連携してループができればということが重要かと思います。
ただ、1点気になりますのは、各プロセスでやっぱりロスが出てくると。言わばリサイクルロスみたいなものがあると思いますので、できたところは、100あったものが途中で7060、だんだん減っていって、最終的にどれぐらいが本当にループとして完成されているのかということ、これをどういうふうに考えればよいかという、ちょっと提言というか意見を申し上げたいと思いますので、また御検討いただければと思います。
以上です。ありがとうございました。

〇渡辺座長
ありがとうございます。
席の順がちょっと飛んでしまうんですけれども、酒井委員、お願いします。

〇酒井委員
これまでのところで食ロス目標についての御意見と、それから、既に農水の課長さんの方からお答えもあったところをお聞きして、この目標設定の基本的な考え方を今回しっかり整理しておく意義は大きいということで発言をさせていただきます。
この食ロス目標は、そもそも国連のSDGsで食ロス半減という目標が国際的に認知され始めたんで、日本もそれにならってという経緯であったかと思います。そういった意味では極めて分かりやすい目標、これを早く日本は達成したということですので、この先の考え方、ここは今回しっかり整理をしておくという意味ではいいチャンスだと思います。
先ほどから、小林先生と冒頭の松岡委員から災害備蓄の話がありました。これをエッセンシャルな、必要不可欠な食品ロスと考えるかどうかというところ、そこの是非も含めて、そういう避けることのできない食品ロスというのがありや、なしやというところからスタートした方がいいかなというふうには思いました。
農業の食料備蓄や農業の備蓄というところもどういう考え方で、どのように取り扱えるのか、これを本当にロスと考えないといけないのかというところも含めて、ここのエッセンシャルな発生はあるかということだと思います。
﨑田委員の方から、2030400万トン、極めてもっともな数字の御提案がなされているんですが、恐らくはそういった提案も含めて徐々に下げていくという意味での目標達成可能性を含めて、合意ベースで決めていくという手順になるのではないかと思っています。科学的にここだというような、そういう目標の立て方は、これは簡単ではないと考えての発言です。
それから、もう一つは、見える化のところで、令和7年度以降に検討ということで、4ページで提案いただいているんですが、ベンチマーク制度の検討は一定の準備が要ると思うんですけれども、この統一フォーマットというのは、これは来年から始めて、その後何年かかけて出てくるという、そういう代物ではないように思います。見える化はどんどん、どんどん皆さんでやっていくことはできますから、やっぱりここは急いだ方がいいんじゃないかということで、この令和7年度以降というところは少しめり張りを付けていただいたらどうかと思うということで申し上げておきます。
それと、最後に、リサイクルループなんですけれども、今のリサイクルループの食リ法の19条、ここの決め方がやっぱり相当限定的になっているように思っておりまして、再生利用の方法として、油脂化とかメタン化とか、あるいは炭化に加えて、産業間を超えた化学原料とか、あるいは脱炭素化利用という方向での方向性もあり得るところです。どのタイミングでどう扱うかということを含めて、今回のリサイクルループ追加の2例が悪いと申し上げているわけでは毛頭なくて、こういう例を入れていただいていったら当然いいとして、少し拡大的に物を考えるときのループの定義の仕方ということは準備を始めた方がいいんじゃないかということで意見を申し上げております。
以上でございます。

〇渡辺座長
ありがとうございます。
ここで退室前に農水省からということで。

〇松﨑課長
私はここで、退室させていただきますが、今、酒井委員から御指摘いただいた点も踏まえまして、農水省ともよくやり取りしながら対応していきたいと思います。総括的な回答になって大変恐縮です。申し訳ございません。

〇渡辺座長
発言ありますか。

〇五十嵐課長
先ほどお話をしたことに加えて、今、酒井委員から御発言いただいた点については、災害備蓄のところをどうするのか、農業で出る廃棄物をどうするのか等について、次回以降引き続き議論いただければと思います。
また、統一フォーマットの点についても重要性というのは理解をして、前倒しできるかというのは事務局の方でいったん検討して、またこの場で案をお示して御議論いただければと思っております。
さらに、今回、御報告をしているリサイクルループの件はよいという話ですが、今後の話として、このループを広げることに向けて、そろそろ考えないといけないといった御意見があったことを認識を致しました。

〇渡辺座長
ありがとうございます。
先ほど来出ている災害備蓄品については、廃棄になる前に是非使えるといいなと思いますので、そこを、非常に引き合いもありますし、今日もうちの大学で実は配っていましたね。学生に対しても、賞味期限切れが近いのだけれども、こういうのが災害備蓄品だよというのが見本になりますので、そういうこともあって、フードバンクでも喜んでもらっているようですのでと、ちょっと座長として余計な発言ですが、そんなことも御考慮いただきたいと思います。
それでは、小山委員、お願いいたします。

〇小山委員
小山でございます。御説明ありがとうございました。
私の方からも3点御意見を申し上げたいと思います。
発生抑制の部分で2点。
1点目が、今後の目標についてでございますけれども、先ほど来出ておりますけれども、事業系というところと、あと、家庭系というところも我々小売業は御家庭と、お客様との接点がございますので、一緒に食品ロス削減に努めましょうということでやっております。お客様が御参加、協力いただけなければ、我々の事業系の食品ロスも削減できないといったところもございますので、一緒に目標設定していただきたいなというふうに思っております。
それと、先ほど鈴木委員からもございましたけれども、22年度、確かにコロナの影響があろうかと思いますので、この削減した実態、どうして削減になったのかというところをもうちょっと踏み込んでいただきつつ、23年度も確認して設定をしていただきたいというふうに思います。
2点目でございますけれども、発生抑制の三つ目の部分ですね。商慣習の見直しの促進という部分でございます。お示しいただいたとおり、納品期限緩和に取り組む事業者の推移という部分で、食品スーパーも増えておりまして、我々企業の中でも積極的に取り組んでおります。ただ、まだまだ実施率が低い小売業がありましたり、最近、ドラッグストアであったり、ホームセンターが食品の取扱比率を上げているといったところが、まだちょっとなかなか実施率が進んでいないところもございます。
参考資料の方に平成28年度の実績、数値実績といった部分も示していただいていますが、これらの未着手の小売業にも積極的に取り組んでいただくためには、やはり食品ロスの削減効果と売上利益への影響、消費者への影響などについて実証的なデータというのを示していただければ、ますます積極的に取り組めるのではないかというふうに思います。令和5年までにかなり増えているという実態も示していただいていますので、それらの検証について進めて、御提示いただきたいというふうに思います。
3点目ですけれども、リサイクル率の今後の計画見直しについてでございますけれども、先ほど来皆様御意見ありましたけれども、外食産業の部分ですね、こちらの乖離の要因という、事業者からのヒアリングというところの部分が、我々小売業でもなかなか、同じような課題感を持っていながら進めてきた実態がございますので、それらの課題についてもう少しクリアにしていくというところを共有しながら外食の皆様にも進めていただける、伸び代があるんじゃないかというふうに考えましたので、こちらはそういったことも含めて進んでいない実態も踏み込んでいただきながら設定をしていただければいいのかなというふうに思いました。
最後に、今、リサイクルの考え方なんですけれども、なるべくカロリーが高い物からというところでずっと取り組まれてきたと思うんですけれども、今、国全体が抱えている温暖化というところで、我々再生エネルギーも拡大していかなければならないと、プラスチック対策というところも進めていかなければならないというところで、それら含めて、弁当がらだったり、そういうものを含めてリサイクル、再生エネルギーにするという選択肢も出てきていることは出てきていますので、そういったことも含めて、前段階を踏まえて、これからのリサイクルの在り方というのをもう一度これからの議題として考えていただければというふうに思います。
以上でございます。

〇渡辺座長
ありがとうございます。
それでは、ウェブで挙手を早い段階からされていて、石川委員、石川座長、発言できますでしょうか。

〇石川委員
ありがとうございます。
途中、電源が切れたのでフォローし切れてないかもしれませんが意見を述べさせていただきます。
まず、食品ロスの削減目標を達成したのはすばらしいと思います。多くの事業者の方や消費者の協力でできたのだと思います。これを見てみますと、酒井先生おっしゃったように、一方で半減ということで設定して、半減のところは決まっていたんですけれども、目標を具体的にどうするかというときにちょっと議論に加わったんですが、基準年をいつにするかとか、そういうのが選ぶ余地があったんですね。しかも、ここに示している左の方のデータというのは確かなデータが余りないという状況で、結局、統計分析をして、トレンドを見て、このぐらいならいけるんじゃないかというふうなことで決めました。決めたはずです。
そのモデルの中では、削減が進めば進むほど困難になるから、毎年、例えば、10万トンずつ減らすとかいうふうな話ではなくて、毎年一定の比率で下げるというふうなモデルになっていたんじゃないかなと思います。
今回見ていると、マクロを見ると、やっぱり、削減、コロナの影響はともかくとして、それ、コロナよりはるか前から、201516年辺りからは減少傾向ははっきりしているわけですから、これを分析してどのぐらいになるのかというのを踏まえて再設定、より高い目標を再設定すればいいんじゃないかなというふうに思います。
それから、再生利用等実施率についてですが、これはまた少し状況が違っていて、これも食リ法をつくってから、目標を作って削減を始めてからの実績を見ると、相当進んでいるんですね。特に製造業だとか、それから、ロングタームで見ると小売業も進んでいます。卸売業というのは、これは量的にも圧倒的に少なくて、かつ、ばらつきが大きいので、余り数字として精度が高くないので、直近ちょっと増えているように見えるみたいですけれども、これもちょっと当てにならない。そうすると、外食産業は何で上がらないんだというのが問題になるんだろうと思います。
この目標の設定の仕方については、業種・業態での目標というのは、飽くまでこれは管理目標、国レベルの管理目標であって、これそのものが具体的なそれぞれの企業に義務として課されているわけではないんですよね。個別の企業に課されているのは、その前年の実施率等に関して、50%以下だったら毎年2%、それ以上だったら1%だったかな、2%若しくは1%毎年向上をさせて、一定以上になったら維持、向上してください、そういう構造になっています。
そういうことからいくと、ここの目標というのは、もし全ての企業が個別企業に課されている義務を果たしたとするとどのぐらいになるかということで設定している目標なので、これ自身は、全ての企業が実施していれば問題なく達成されるはずの目標です。
法制度ができてから長い実績がありますけれども、これで一貫して外食産業がなかなか苦戦しているんですね。ということは、そもそも最初に設定した、毎年1%とか2%向上させるということは、これはそれぞれの個別の事情とかは具体的には考慮していない、このぐらいならできるんじゃないかという数字だったはずですので、それが外食産業に関しては、非常に、特に困難な事情があるんだろうということになると思います。
実際、管理目標としてそうなっているということは、具体的にこれを上げるのは、努力するのは個別の企業なので、個別の企業に努力してもらうような施策が必要だということになって、今回、実績の可視化というふうな、大くくりで言うと、そういう方向性、ベンチマークして、クラス分けしようとか、省エネ法を参考にした手法とかが提案されているんだと私は理解しています。
この方向性だとか、取るべき施策として御提案があるようなら、私は賛成です。個別の企業がやっているところとやっていないところの差が出てくるということは公平性を欠くわけですから、全体としてある程度改善して、政策の目標に近づいてきているわけですから、より構造的で、かつ、公平性を担保したようなより高度な政策にするべきだと思います。そういう意味では、個別の企業の努力が分かるような可視化、それから、主にそういう方向で進めていくのはよいことだろうと思います。
ただ、後で、委員のコメントの中で、優良事例の横展開を重視すべきだという御意見がありましたけれども、その方策と、それから、ベンチマークするというような話とは全く矛盾するわけではなくて、私は両方やればいいと思います。それに加えて、外食産業なんかの場合は、できない理由を分析するべきだと思うんですね。その中に、恐らく構造的な問題がいろいろあるんだと思います。そのうちの一つは、恐らく自治体による事業系一般ごみの受入れ料金が、原価を取るべきなんですけれども取っていない自治体、地域が結構あるということが一つの構造要因だろうと思います。そういうことも対策の中に入るべきだろうなと、自治体に対してというのはちょっと入れにくいかもしれませんが。
それから、もう一つ、災害リスク食品の話がたくさん出ていました。これについては、酒井委員から、やむを得ない食品ロスであるかどうか議論するべきだという御意見があって、私は、それ、重要なことだと思います。プラクティカルにどうするべきかということを考えると、イチゼロでないところがあって、ローリングストックにして、まだ期限が残っている、何か月にするかっていろいろあると思いますけれども、そういうような形で、期限があるうちに何とか利用先を探すような手段を取れば減らすことはできる。備蓄はしつつ減らすことはできる。ただし、期限いっぱいまで持っていられないので余分に買う必要があって、予算もその分使うことになるかもしれません。ただ、私はこの点は、市町村に備蓄している食品の量と期限と、それから処分した方法を開示するような施策があるといいかなというふうに思いました。
これの理由は、私は、ある食品リサイクラーのサイトを見学したときに、そこに入ってきている食品廃棄物ですね、これは対象物としては、ある自治体の災害備蓄食品だったんです、ラベルに書いてありますから。それが、期限が2年以上残っているような、何でこれを捨てるんだという、びっくりするようなものがパレットにたくさんあったんです、パレットが幾つも。不思議だったんで、いろいろ聞いたんですけれども、そのリサイクラーは、期限が残っていてもったいないからこれは寄附か何かした方がいいんじゃないかと申し上げたけれども、どうしても処分してくれと言われたのでやむを得ずやっているというお話でした。
その後で、ちょっと気が付いたのは、隣のパレットに同じ自治体から同じ食品で、ただし、期限が、逆に今度ははるかに、何年も過ぎている、3年とか5年過ぎているのがやっぱり同じようにパレットにたくさん積んであったんですね。それで、ここから先は私のただの推量ですけれども、これは、自治体の災害備蓄食品のマネジメントを失敗しているんじゃないかというふうに思ったわけです。そういう意味では、自治体の災害備蓄食品に対する施策として、押していくべき場所はマネジメントレベルじゃないかなと思うんですね。
細かい食品もああせい、こうせいという話ではなくて、マネジメントとしてちゃんとやらなければいけないと思ってもらうことが必要だと思います。そのために一番有効なのは、各自治体がどういう災害備蓄食品をどのくらい備蓄していて、期限がいつであって、過去に期限が切れたものはどういうふうに再資源化、若しくは再利用、若しくは焼却処分したのか、それを公開する制度にすれば、これはすぐに解決するんじゃないかなというふうに思いました。
ちょっと長くなりましたが、以上です。

〇渡辺座長
ありがとうございます。
続きまして、ウェブで御参加の堀尾委員、お願いします。堀尾委員、御発言できますか。

〇堀尾委員
堀尾でございます。ありがとうございます。
ところどころ、今、石川さんがおっしゃっていたんですけれども、途切れたので十分フォローできていないところがございますが、いずれにしても基本的な今日の議論の内容、大変いい方向で進んでいると思いますので、特に私の方から目標値等についての特別な議論はございません。
ただ、先ほどの小林委員の方から出ていました、外食産業についての道筋の件、これは今、石川先生の方からもかなり細かくベンチマークの導入の意義だとか、それからやはり、それを見える化するということが取りあえずの重要なステップだろうということで納得いたしましたが、経産省の方の省エネ法のベンチマークもなかなか実際には優良事例が横展開はしていないのが現状でございますので、やはり外食産業については、将来どこかで具体的な課題についての議論をする場所を作っていただくのがいいのかなというふうに思いました。
それからもう一点、松岡委員の方から出された問題提起の3なんでございますけれども、やはり、これは意外にこれから重要になってくる可能性があると思います。いわゆる航空燃料、SAFのものへの調達が進みますと、畜産系の飼料が逼迫する可能性が出てくるという御懸念は、もしかすると非常に重要なのかなというふうに思います。一旦、これが動き出しますと非常に強い力で進みかねませんので、やはり畜産業の皆さんが苦労されないように、これは食料自給の問題とも絡むと思いますので、守っていくような施策が必要なのではないか、そのためには、場合によっては、このリサイクルのいわゆる優先順位のようなものを作ったり、価格の差がかなりついてくるようなことがあった場合どうするかという検討が必要なんじゃないかと思います。
量的には42万トンということになりますと、現在の航空燃料、日本全体で大体420万キロリットル、燃料の比重は1ではございませんので420万トンにはならないんですけれども、それでもかなり、小さいとはいえ、それなりの重みを持つ、航空燃料の6分の1ぐらいの量になりかねない量でございますね。
それから、経産省の方の資料、資源エネルギー庁の資料でも、政府の導入の方法の、いわゆる代替燃料の第一候補の表なんかには第一候補として一番上にこの廃食油が載っております。ただし、同じ資源エネルギー庁の資料では、世界的には、いわゆる食用系の油脂を使うということは避ける方向にあるということも書かれておりますので、今後、エネルギー基本計画等の議論の中でその辺は考慮されますように、やはりこの辺は今日の一番のメインテーマじゃないと思いますけれども対応が必要なんじゃないかというふうに思います。
以上です。

〇渡辺座長
ありがとうございます。
続きまして、ウェブで御参加の稲吉委員、お願いします。

〇稲吉委員
聞こえますでしょうか。

〇渡辺座長
はい、聞こえます。

〇稲吉委員
ありがとうございます。よろしくお願いします。
私の方からは、最後の再生利用事業計画認定制度の拡大についてとリサイクルループのところなんですけれども、この例1で、牛ふん、畜産堆肥が入ったのは非常にいいことだな、有り難いなというふうに思っています。
しかしながらですけれども、まだリサイクルループを利用した食品の認定制度というのが、現場レベルではまだ認知度が低いかなというふうに思ったので、畜産堆肥と食品リサイクルで発生してくる肥料ですが、それのバッティングが起こらないような仕組みと、あと、畜産堆肥と耕種農家とのマッチング、そういうのが今、自治体レベルではやっているところもあるみたいですけれども、まだまだ堆肥が出なくて困っているとか、ある地域では足りないぐらいということもあると聞いていますので、ちょっとアンバランス感があるというふうに認識しています。
ですので、この辺のリサイクルループの認知と堆肥利用のマッチング、この辺も是非検討していただきたいなというふうに思います。
以上です。

〇渡辺座長
ありがとうございます。
それでは、会場の田村委員、お願いします。

〇田村委員
フードサービス協会、田村でございます。
先ほど来の新たな再生利用等実施率の目標について、外食産業も例外でないといったような御意見もございましたけれども、我々としては、この50%というのは十分高い数値だと思います。
と申しますのは、外食産業を一つにくくられていますけれども、実際に外食産業の中を中分類、小分類していけば、洋風のファストフードから始まって、ファミリーレストラン、ディナーレストラン、そして喫茶と、様々な業態・業種を抱えている雑多な業界です。それが、大企業から小規模事業、零細企業まで非常に裾野が広いのがこの業界の特徴だというふうに思っています。
その中で、当然、50%をクリアしている業態・業種もございます。恐らくそうじゃないところもあるだろうと思いますので、まず、50%ということについては据え置いていただいて、その中で、先ほど来見える化という話がございましたけれども、どういう業種・業態ができていないのかというところについては、それぞれ、やはり皆さんの御指導を頂きながら、どういうふうにやれば食品リサイクルが進んでいくのかといったような啓発が十分この5年ぐらいの間にしていって、その上で、外食産業の中のこういう業種・業態が足りないよねといった議論があってしかるべきだろうと思います。
ようやく昨年の5月にコロナの分類が2類から5類になりまして、外食産業も約8兆円マーケットを失う中で今立ち直ろうとしている段階ですし、その中では、SDGsに沿った取組も進んできています。当然、食品ロスの問題についても、食べ切り、食べ残し、その上での発生抑制といったことも取り組んでいます。お手元の資料の10ページにある、外食産業の再生利用等実施率が仮に55%となった場合には、次回の目標値は60%となり、これでは現状を踏まえた目標値にならないというふうに思います。
以上でございます。

〇渡辺座長
ありがとうございます。
外食についていろんな御意見が出ていますけれども、提供前の、調理して提供する前の段階の問題と提供後の問題というのはかなり性格が違うというのはありますし、規模の異なるものが存在して、併存しているという問題ももちろんですし、製造、卸、小売の中でサプライチェーンごとにというような御指摘もありましたけれども、外食も同じように、どこで、どういうふうに発生しているのか、規模はどうなのか、みたいなそういう分析が必要なのかなというふうに聞いていて思いました。
ほかに、会場の委員の皆さん、よろしいですか。ウェブが、Webexが40分ごとに切れるようなんですけれども。
先ほど確認したところ発言希望はいらっしゃらなかったということ、全員御発言いただいたということですので、もう発言ないというふうに判断いたします。ほか、よろしいですか。
では、今の段階で事務局側から御回答いただけるもの、農水省さんからでよろしいですか。

〇熊田室長
ありがとうございます。たくさん御意見を頂きましてありがとうございます。
まず、犬伏委員からご意見のありましたリサイクル・ループにおける各段階でのロスについて、再生利用事業計画の中でしっかり注視してまいりたいと思います。

〇犬伏委員
ロスというのは、もしかすると環境汚染につながっちゃう可能性もある。地下水汚染とか、温室効果ガスとか、そこら辺も留意していただきたいということ、ちょっとさっき言い忘れましたので補足させていただきます。

〇熊田室長
ありがとうございます。小山委員から出ました、2023年度はコロナの影響が少なくなりロス量が戻るのではないかとのご指摘でございましたが、当省としてもそのあたりは危惧しているところであり、引き続き、事業者の皆様にはロス削減の取組を実践していただくとともに、要因分析もしっかり行ってまいりたいと考えております。また、商慣習の見直しの中で最近、ドラッグストアからの返品が多く出ているとのご指摘でしたが、今年度の予算事業で商慣習に係るワーキングチームというものを設置しております。その中の課題の一つとしてドラッグストアについても取り上げることとしておりますので、課題を抽出し今後の対応についても検討したいと考えております。
石川座長のご意見ですが、まさに可視化やベンチマークの話など、当省が実施したいと思っていることを分かりやすく説明していただいたと思っております。
災害備蓄につきましては、今も食品ロス削減法の中で、まだ食べることのできる食品については廃棄することなく、貧困、災害等により必要な食べ物を十分に入手できない人々に提供することを含め、できるだけ食品として活用するようにすることが重要と明記されております。農林水産省の職員の備蓄についても、賞味期限が近くなるとフードバンクに寄附をするなど行っております。各自治体の備蓄食品については、把握はしておりませんが、無駄に廃棄されていないのではないかと思いますが、対応については、環境省とも相談してまいりたいと思います
堀尾委員からご意見のあったSAFについて、また、松岡委員の要望書3について飼料用油脂を飼料化に位置付けてほしいという要望ですが、現時点で飼料用油脂は、油脂及び油脂製品に位置付けておりますので、飼料化に位置付けるのは困難です。ただ、SAFについては今後も大事な観点だと思いますので、何が出来るのかはわかりませんが省内担当部局とも相談してまいりたいと思います。
稲吉委員からありました、リサイクル・ループの認知度、周知が足りないというお話は、松岡委員の問題提起の9にも関連してくると思いますが、周知不足いうのはまさにそのとおりだと思いますので、登録再生利用事業者制度ついては形骸化していると言われないように認知度の向上については、対応を環境省と相談してまいりたいと思います。
田村委員からございました、再生利用等目標のところで外食産業も頑張っているとのお話ですが、まさにそのとおりで、資料の10ページにも記載させていただいておりますが、食品関連事業者で100トン以上の排出事業者は50%の目標を達成しており、100トン未満の事業者がまだまだ取組が足りていない状況となっております。このため、資料に記載したとおり、100トン未満の事業者に対しても引き続き再生利用の意識付けを行っていかなければならないと考えております。

〇渡辺座長
環境省側はよろしいですか。

〇金井室長補佐
環境省でございます。
環境省から特に個別に追加するところはございませんが、今回、5年に1度の見直しのキックオフということで多く御意見頂いておりますので、農水省とよく相談をしながら対応を検討してまいりたいと、このように思っております。
以上でございます。

〇渡辺座長
ありがとうございます。
いろいろ本日御意見頂いて、私自身も、例えば、商慣習の問題にはかなり長年関わってきているので、いろいろかなりこの間進んできていることは事実なんですけれども、更に一層進めて商慣習の見直しで食品ロスを削減できるということが事実として実証的に示していかないとなかなか行き詰まりに来ているというのか、これ以上広げていくのは難しいなというふうに思っていたところですので、是非、納品期限緩和によってサプライチェーンのどこかにつけが回るとか、消費者に賞味期限の短い物が行ってしまうからどうだというような、そういう議論もあるので、消費者の段階ではどうなんだという、そういう丁寧な議論、実証が必要かなというふうに改めて思いました。
災害備蓄品につきましては、東京都のローリングストックに協力をしたりしているので、どこもやっているのかなと私は思っていたんですけれども、先ほど石川座長がお話しされたような事実があるという御指摘いただいてちょっと衝撃を受けています。是非、それぞれの、企業さんも多く抱えていらっしゃると思いますので、企業さんが抱えている部分であるとか、自治体が抱えている部分が見える化されて、しっかり食べられる物はしっかり食べるような形で使われていくということが望ましいんではないかと思います
今、フードバンクに食材が非常に集まらなくて困っているという話をよく聞きますので、是非、そういったところに使えるような制度につながればなというふうに思います。ちょっと私に関係する部分で発言させていただきました。
ほかによろしいでしょうか。
それでは、審議事項、本日、この基本方針の見直しについての御意見を伺うということで、以上となります。本日は、いつものことながら熱心な御議論を頂きましてありがとうございました。
それでは、進行を事務局にお戻しいたします。

〇熊田室長
委員の皆様、御審議いただきありがとうございました。事務局から今後の進め方について御説明いたします。
本日御審議いただいた基本方針等の見直しにつきましては、頂いた御意見等を踏まえまして精査の上、次回、合同会合で改訂の方向性として議論させていただきたいと考えております。
次回の開催につきましては、現時点で8月下旬を予定しております。詳細については、また追って御連絡をさせていただければと思っております。
何か御質問等ございますでしょうか。
なければ、本日の合同会議はこれで終了させていただきます。少し予定時間をオーバーしてしまいましたが、ありがとうございました。

午後5時07分閉会

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新事業・食品産業部外食・食文化課食品ロス・リサイクル対策室

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