食料・農業・農村政策審議会食糧部会 議事録(令和5年7月31日開催)
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開会
午後3時30分 開会
- 島本企画課課長補佐
定刻となりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会食糧部会を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
開会に先立ちまして、本日の委員の皆様の御出席状況でございますけれども、大橋部会長、稲垣委員、岩村委員、馬場委員、藤尾委員、宮島委員、山﨑委員におかれましては、会場にて御出席いただいております。
また、長部委員、金戸委員、二村委員、山波委員におかれましては、スクリーンにございますけれども、ウェブでの御出席となってございます。
なお、平田委員におかれましては、電車の都合で遅れて参加されるとの御連絡を頂いておりますので、御報告申し上げます。
結果、全体の3分の1以上の委員に御出席を頂いておりますので、食料・農業・農村政策審議会令第8条第1項及び第3項の規定により、本部会は成立しております。
それでは、開会に際しまして、⻆田農林水産大臣政務官からごあいさつをお願いいたします。 - ⻆田農林水産大臣政務官
どうも皆様こんにちは。農林水産大臣政務官の⻆田秀穂でございます。
食料・農業・農村政策審議会食糧部会の開会に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げさせていただきたいと思います。
本日は皆様、大変お忙しい中、この会場への御列席、さらに、ウェブでの御出席を頂きまして、大変にありがとうございます。まずは日本各地を襲いました大雨被害によって被災された方々に、心からお見舞いを申し上げたいと思います。今後、天候が穏やかに推移して、全国の産地が笑顔で秋の収穫を迎えられるよう、祈念をしているところでございます。
本日の食糧部会では、この1年の米の需給動向等に基づいて策定をいたします米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針について、委員の皆様に御審議の上、答申を頂きたいと、このように考えております。農林水産省としましては、引き続き生産者、消費者を始め、関係者の皆様方の御意見もお伺いをしながら、政策を後戻りさせることなく、需要に応じた生産、販売に必要な取組を推進し、生産者の皆様が消費者の皆様のニーズに応えることを通じて、食料の安定供給の実現を図ってまいります。
委員の皆様から忌憚のない御意見、活発な御議論をお願いをいたしまして、私のごあいさつとさせていただきます。本日はどうかよろしくお願いを申し上げます。 - 島本企画課課長補佐
ありがとうございました。
⻆田農林水産大臣政務官におかれましては、次の御予定がございますため、ここで退席となります。
議事に入ります前に、本日の資料の確認をお願いいたします。資料は、会場で御出席の皆様におかれましては、机の上にございますタブレット及び紙媒体でお配りさせていただいております。紙媒体で参考資料1と2、残りの資料はタブレットの方で御用意させていただいてございます。
また、オンラインで御参加される委員の皆様におかれましては、電子メールでファイルをお送りさせていただいておりまして、そちらを順番どおりに全てのファイルをお開きいただきますよう、お願いさせていただいてございます。よろしくお願いいたします。
資料一覧に記載してあります資料がお揃いであるかどうか、御確認をお願いいたします。資料の不足などがございましたら、事務局までお申出下さいますようお願いいたします。
会場に御出席の皆様におかれましては、御発言の際には、事務局からマイクをお持ちいたしますので、合図などをしていただけますと幸いでございます。
また、オンラインで参加の委員の皆様におかれましては、こちらの音声が聞こえる状態にしていただきまして、御発言の際にマイクをオンにしていただきまして、御発言が終わりましたら、マイクをオフにしていただきますよう、お願いしたいと存じます。もし、動作の不具合等が発生した場合には、事務方に何か合図をしていただければと存じます。
それでは、この後の議事進行につきましては、大橋部会長にお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。野中副大臣におかれましては、次の予定がございますので、ここで退席をさせていただきます。
続きまして、本日の会議でございますが、コロナ対策といたしまして会場内のマスクの着用、よろしくお願いいたします。また、マイクのアルコール消毒や換気につきましても適宜実施させていただきますので、よろしくお願いいたします。
それから、資料の確認でございますが、資料一覧という1枚がございますけれども、議事次第、委員名簿、資料が1から4、参考資料が1から9とございます。会場の委員の皆様におかれましては、この資料一覧にあるもののうち議事次第と資料1と2、それから、参考資料4から6までを紙で机上に置かせていただいております。それ以外の資料につきましては、お手元のタブレットの方に入れさせていただいております。ウェブで御参加される委員の皆様におかれましては電子メールでお送りしておりまして、既に開いていただくようにお願いをしているところでございます。もし不足等がございましたら、事務局の方に御連絡いただければと思います。
それから、ウェブ参加の委員の皆様方におかれましては、御発言の際にマイクをオンにしていただきまして、終わりましたらオフの状態にしていただきますようお願いいたします。
それでは、この後の議事進行につきましては、大橋部会長によろしくお願いいたします。 - 大橋部会長
皆さん、こんにちは。大変お暑いところ、会場へ御参集して下さった皆さん方、本当にありがとうございます。また、オンラインの皆様方も本日、御参加ありがとうございます。
早速ですけれども、本日のこの部会を始めたいと思います。まず、取り扱い及び議事の進め方ということで、御案内申し上げます。本部会ですけれども、審議会議事規則第3条第2項の規定により、会議は公開ということでございまして、傍聴する方は公募で、ウェブで傍聴するということとされているということであります。
本日は米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の策定ということで、農林水産省大臣から食料・農業・農村政策審議会に諮問がありました。事務局から御説明を頂いた後、委員の皆様から御意見、御質問等を頂戴をした上で、基本指針の案が適当かどうかということの議決をするということでございます。
例年こんな感じで進めているんですけれども、この進め方で良いかどうか確認をするということで、いかがでしょうか。
ありがとうございます。では、そのように進めさせていただきます。
それでは、米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の策定について、御審議をいただくということで、まず、事務局から諮問文書を読み上げていただいて、続けて資料の御説明をいただければと思います。よろしくお願いいたします。 - 武田企画課長
企画課長の武田でございます。
それでは、私から、米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針につきまして、諮問文の読み上げと御説明をさせていただきたいと思います。
まず、諮問文でございます。
5農産第1699号、令和5年7月31日付けでございます。
食料・農業・農村政策審議会会長殿。
農林水産大臣、野村哲郎。
諮問。
米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の策定について、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成6年法律第113号)第4条第4項の規定に基づき、貴審議会の意見を求める。
以上、諮問をさせていただきます。
それでは、引き続きまして、今日お諮りする指針の内容について、参考資料1をお開きいただきまして、私の方からポイントについて御説明いたします。
まず、基本指針のポイントの1枚目の上を御覧下さい。民間流通における6月末在庫の推移については、平成16年から直近、この令和5年6月までを並べておりますが、前年から21万トン減少して、197万トンが速報値となっております。
また、令和4/5年の需要動向については、6月末の民間在庫が197万トンになりましたことを御報告いたします。令和4/5年の需要実績については、前年の702万トンから約10万トン減少となりました。これは昨年の令和4から5年の主食用の供給量888万トンから、令和5年6月末民間在庫量197万トンを引いて、691万トンとなります。
これを表に整理したものが参考資料1の下になります。今回7月31日の令和4/5年の需給実績は、Eは令和5年6月末民間在庫であり197万トンとなります。先ほど御説明したとおり、Cは令和4/5年主食用米等供給量で888万トンとなりますので、差引きするとDの令和4/5年主食用米等需要量691万トンとなります。
続いて、前回食糧部会で3月1日にお示しした表に移ります。まず令和4/5年主食用米等需要量は691から697万トン、令和5年6月末民間在庫量は191から197万トンという見通しでございました。それに対して、今回7月31日は、需要量691万トン、供給量197万トンという速報値が確定したというものでございます。
この先の見通しについては、今回7月31日のEの令和5年6月末民間在庫量197万トン、Fの令和5年産主食用米等生産量は、昨年並みの作付面積、そして平年並みと見通して669万トンと置いております。
この二つの数字を足したGが令和5/6年主食用米等供給量合計866万トンとなります。これに対して、需要量については、Hの令和5/6年主食用米等需要量681万トンと見通しております。
基本指針のポイントの2枚目の左の主食用米等の需要見通しについて御説明します。これは例年と同じように、全体の需要の実績を人口で割って、1人当たりの消費量を出し、1人当たりの消費量の回帰分析を行い、1年先を推計しております。そして、この値に、人口の新しい推計値を掛けて、全体の需要見通しを算出しております。その結果、5/6年の1人当たり消費量の推計値は、54.8キロとなりました。これに対して5年の人口の推計が1億2437万7000人であり、掛け算して、5/6年の主食用米の需要見通しが681万2000トンという推計になっております。これが、基本指針のポイントの1枚目の今回のHの令和5/6年主食用米等需要量681万トンになるということでございます。前回3月1日時点のHは680万トンでしたが、人口減少が少しマイルドになったことによる影響と考えております。
また、今回のIの来年の6月末民間在庫量について御説明します。先ほど御説明したように、Fの令和5年産主食用米等生産量を昨年並みの作付面積、平年並みの生産量として669万トンと置き、供給量866万トンから、需要量681万トンを引くことで、令和6年6月末民間在庫量184万トンになると見通しております。
前回の令和6年6月末民間在庫量は、180から186万トンという見通しでしたので、今年の需要量や在庫量が、見通しの範囲に収まっており、令和6年6月末民間在庫量も見通しの範囲内で推移しているということになります。
繰り返しになりますが、Fの生産量については、これからの作柄次第であり、現時点で見通している数値となります。
次に、基本指針のポイント2枚目の備蓄運営に関して御説明します。5/6年の備蓄運営については、皆様方に再々御説明しているとおりですが、棚上げ備蓄方式で20万トン買って、5年経過後に、20万トンを非主食用に販売していくという運営をしております。
この備蓄運営に関して、我々は、CPTPPの関係で、豪州から国別枠の設定をして輸入している部分があり、この分を上乗せして買入れしてきたところでございます。
今回7月31日にあるとおり、この豪州の国別枠の輸入量に相当する量の政府備蓄米の買入れについては、その前年の1月から12月までに、豪州から実際に輸入した数量に相当する量の当年産に係る事前契約により行うものとすることをお諮りさせていただきます。なぜそうするかというと、参考のとおり、平成30年12月からこの協定を発効しておりますが、平成30年は2000実トンの枠に対して輸入数量が1120実トン、令和元年は6000実トンの枠に対して3459実トンと推移しておりますけれども、令和2年度からは、6000実トンの枠に対して595実トン、3年度は6240実トンに対して
620実トンとなっております。これは豪州の干ばつ等々の影響もあって、枠に対して輸入の数量が非常に小さな1割程度の数字になっているためでございます。
これまで我々は、枠に対して買入れを行っているところですが、先ほど御説明したとおり、まさに輸入の実績に対して買入れをしていくというような方式に改めるということです。
以上が基本指針のポイントでございます。
もう一つ、参考資料2から、この指針に関係するところを簡単に御説明させていただきます。
まず、2ページは、3月にお諮りした指針のフレームであるため、説明は割愛いたします。
3ページは、お米の販売数量及び民間在庫の推移となります。主食用の販売の実績は、直近1年間、令和4年1月から12月までの対前年で、小売事業者向けでマイナス2%、中食・外食事業者向けでプラス4%とであり、合計の販売数量の計では、プラス1%となっております。
また、令和5年1月から直近6月までの小売事業者向け、中食・外食事業者向けの数値を整理しておりますが、若干対前年を下回っている月もありますが、基本的には堅調に推移しております。
また、民間在庫量の推移については、先ほど全体の在庫については御説明しましたが、6月末の内訳として出荷・販売段階の合計は、前年同月比で18万玄米トン少ない153万玄米トンという形になっているところです。
5ページは、相対の取引価格の推移です。このグラフは過年次のものも含めて整理しておりますが、令和4年産の価格は、真ん中より下ぐらいのところの赤い線のグラフのとおり推移しております。
直近6月については、60キロ当たり1万3865円となっております。全年産と比較すると、左側の年産平均価格として整理しておりますが、プラス1055円と、1000円強高くなっており、在庫は堅調に、あるいは販売が堅調に推移していることを受けた結果が価格にも出ているというところです。
また、6ページ、7ページは契約数量の推移や銘柄別の価格であり、8ページは、参考としてスポット価格の推移を整理しております。
9ページは、昨年から始めているふるさと納税の返礼品やインターネットによる販売の状況について整理したものです。いずれも私どもが事業者の皆様の御協力を得て整理しているものとなります。
令和4年度のふるさと納税の返礼品については、大体2.7万玄米トン、3万玄米トン弱となっております。
この絶対値は、我々に御協力いただいている報告の中で、お聴きしているものであるので、絶対値よりは、昨年からどれぐらい伸びているのかというところに着目していただきたいと思います。前年比12%増となっています。
また、インターネットによる販売については、絶対値は8万8000玄米トンとなっております。前年比はマイナス2%、ほぼ横ばいとなっております。これらを合わせると、11万玄米トン強ですが、このようなふるさと納税なりインターネットによる販売が、それなりに伸びているということと、一定のシェアを持っているということを、皆様に御報告しておきたいと思っております。
次に、10ページの令和5年産の作付意向についてです。先ほど指針のポイントのところで、今年の令和5年産の供給については、昨年並みの作付面積、そして平年並みということで御説明しました。それに関係するところとして、令和5年産米の作付意向について、6月末の時点の数字を取りまとめまたので、御報告いたします。
まず、主食用米の作付意向については、前年より減少とするところが24県でございました。4月時点では17県だったため、24県に増えたということになります。
次に前年並みというところが21県、前年より増加傾向というところが2県ほどあります。次のページの県別にあるとおり、福島県と栃木県が増やす意向となっております。
総じて、前年より減少傾向なり、前年並みというところが多いので、私どもがいろいろ発信しているものについて、各産地で受け止めていただいて、主食用米について作付判断していただいたと思っています。
では、作付転換の状況ですが、まず、戦略作物のうち輸出用米を中心とした新市場開拓用米について、前年より増やすというところが、30県に及ばんとする29県となっておりまです。
また、米粉用米に関しては、少し前年より増やすというところが18県、前年より減らすというところは26県となっていおります。これはそれぞれお取引のある米粉の製粉の事業者の在庫等々とも影響しているのではと思われいます。
また、飼料用米については、前年より減少するところが28県となっております。
代わりに増えているものは、ホールクロップサイレージ、WCS用稲となっており、前年より増加傾向というところが44県、この4月の時点では33県であったため、11県ほど増やすとなっております。
また、麦、大豆に関しても、前年より増やすという県が、それぞれ25県、20県となっており、先ほど申し上げたとおり、私どもがいろいろな情報を発信している中で、需要に応じた生産、販売といったところが、各産地の中で定着しているということが、数字からも見て取れることと思います。
11ページ、12ページは、各県別の状況となりますので、説明は割愛いたします。
次に、13ページです。輸出については、まず、お米なり、お米加工品、様々ですが、1から5月までの実績については非常に好調で、対前年比プラス8%ということで推移しております。
内訳を見ると、例えばお米に関しては、プラス32%ということで、好調ですが、日本酒に関しては、マイナス10%となっており、インフレ等の影響で買い控えも起きていると聞いております。また、パック御飯がプラス22%ということで、非常に堅調に推移しております。したがいまして、比較的価格の高い日本酒が減ったため、金額ベースでマイナスになっております。
14ページ、15ページは、輸出の内訳や補足資料となります。16ページは、令和4年、5年の米穀周年供給・需要拡大支援事業の実施状況となります。令和5年度の状
況については、計36の産地の事業体から応募があり、令和4年産の通常支援が25万トン、令和3年の後倒しの部分が約8万トン申請があったところです。
次の17ページは、備蓄運営に関しての資料となります。先ほどポイントで御説明した備蓄の基本形に関して整理しております。
18ページは、令和5年産の備蓄米の政府買入れ入札の結果となります。先ほど申し上げたとおり、基本形で20万トン強買入れを行っております。令和5年産の備蓄米の政府買入れ入札の結果については、買入れ予定数量20万8000トンに対して、20万1725トンの落札、買入れを行っているところです。
19ページ、20ページは、先ほど御説明したCPTPPに係る豪州枠に関しての買入れに関しての資料となります。説明が重複しますので、割愛いたします。
21ページは、MA米の輸入状況となります。過年度で数字を整理しておりますが、直近の令和3年や令和4年度において、76万7000玄米トンの輸入を行っているところです。一般輸入が直近の令和4年度で75万1000玄米トン、SBSが1万4000玄米トンとなります。
22ページは、今申し上げたSBSの輸入の入札状況となり、23ページはTPP11、CPTPPにおける豪州枠の話となりますので、これも先ほど御説明したとおりのため、割愛いたします。
最後24ページになります。先ほど今年産の作付の意向について御説明しましたが、私どもは、この需要に応じた生産、販売を推進しておりまして、全国レベルでの会議を計6回、あるいは主産地に赴きまして、私ども本省から、あるいは農政局、支局から産地に赴きまして、意見交換、キャラバンという形で、まさに政
策の説明とか、現場の課題等々について意見交換を進めております。
こうしたことを通じて、先ほど御説明した需要に応じた生産、販売が定着してきたのではないかと考えているところです。引き続き産地に赴きまして、政策の中身について、あるいは産地における現場課題について意見交換、あるいは悩みの共有、あるいは打ち手を一緒に考えていくことで、更に需要に応じた生産、販
売を推進していきたいと考えております。
25ページ、26ページは、私どもの課で展開している予算のPR版となりますので、説明の方は省略いたします。
以上、少し長くなりましたが、私からの説明といたします。 - 大橋部会長
ありがとうございました。
事務局からは参考資料1を用いて、基本指針のポイントをまず御説明いただいて、その後、もう少し広がりがある議論ということで、参考資料2について、かいつまんで御紹介いただいたということになります。
本日はこの基本指針についての決を採るわけですが、質疑応答はそれにかかわらず、様々な御意見、ふだんお考えのことも含めて、是非共有していただきながら、議論させていただければなと思っています。
どなた様からでも結構ですので、御発言の意思がある方、会場の方は手を挙げてもらって、オンラインの方は何かお知らせいただければ、指名させていただきたいと思います。
それでは、馬場委員、よろしくお願いします。 - 馬場委員
令和5年産の生産量見通しを669万トンとのことですが、我々としてもJAグループ組織を挙げて作付転換に取り組んでおり、結果として見れば、5年産の生産量は見通しの範囲内に収まりそうだとい
うことか、これによって需給は更に改善すると受け止めて良いのか、確認させて下さい。
一方で、主食用の需要は毎年10万トンずつ減っておりますが、今後も需要が漸減するということを踏まえると、6年産以降もJAグループとしては引き続き、消費拡大と併せて需要に応じた生産に取り組み、需給と価格の安定を図りたいと考えています。
ただ、現時点では、各産地の作柄は好調だと聞いています。今後、豊作等によって、予期せぬ需給緩和となった場合には、先ほどご説明にありましたが、政府として米穀周年供給事業等の需給改善に係る支援のご検討をよろしくお願い申し上げたいと思います。
予算についてですが、このように令和5年でも作付転換にはJAグループも取り組んできましたが、需要に応じた生産の努力が報われますよう、確実な予算の確保をお願いいたします。また、令和6年産以降も、地域実態に応じて主食用米以外に作付転換していくことが必要と考えておりますが、コメ新市場開拓等促進事業や畑作物産地形成促進事業などの旧水田リノベ事業、その措置も含めて、作付転換の裏付けとなる戦略作物助成並びに産地交付金など、水田活用に係る直接支払交付金の万全な予算確保をお願いいたしたいと思います。
そして、日本国民の食を守る食料安全保障の観点から、令和5年産以降も堅実かつ安定的な備蓄米の制度の運営をお願いしたいと思います。
最後になりますが、小麦、大豆、飼料作物などの輸入に依存している穀物の国産への切替えについて、JAグループとしても積極的に取り組んでいくこととしております。畑地化の拡大を含めた抜本的な方針と、それに伴う万全な政策、支援をお願いいたしたいと思います。
お願いばかりで恐縮ですが、以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
簡単な御確認の事項もあったので、若干、事務局からお願いします。 - 武田企画課長
ありがとうございます。まず、今年の生産の見通しについては、先ほど御説明したとおり、昨年並みの作付面積で、平年並みの作柄ということで、669万トンと見通しております。
また、天候の推移等々については、しっかりと今後も注視していきたいと思っておりますし、また、作柄の意向については、面積なり量として現れてくるのも、これからとなりますので、その辺りをしっかり注視をしたい考えております。
また、周年事業の運用等々も御指摘を頂きましたが、いろいろな状況を勘案しながら、周年事業の採択等々を行っているので、その中で対応していきたいと考えております。
また、予算の確保といった御要請を頂きました。これから概算要求をしていく中で、しっかりこの現場の課題を踏まえながら、予算の獲得、確保に努めていきたい考えております。
これは一番最後に仰っていた麦、大豆なり飼料作物のところも含めてやっていきたいと思います。
あと、備蓄運営は、先ほど御説明したとおり、お諮りしている備蓄運営の方針に従って、しっかり備蓄の運営をしてまいります。
以上となります。 - 大橋部会長
ありがとうございます。統計の面の御質問もありましたけれども、ちょっと幾つか御質問をまとめさせていただいて、それで事務局から御回答いただければと思います。
よろしければ、ほかの方もお願いできればと思いますが。
それでは、稲垣委員、お願いします。 - 稲垣委員
すみません、ちょっと細かな話なんですけれども、質問が大きく2点と、それから若干のコメントというか、思っていることを述べさせていただきたいと思います。
まず、1点目が、豪州米の枠の取扱いで、これは令和4年度、520トンということなので、恐らく5年度の政府買入れに、その分が観念的に乗っかっているということだと思うんですけれども、そういう理解で良いのか。この20万トンに多分乗っかっているということで整理しているんだと思うんですけれど、これは端数だから、丸めた数字には出ないけど、そういう観念上の整理の仕方だけ教えていただきたいということ。
こちらの方の厚い方の資料で、23ページ目ですけれども、今の520トンの続きで、2023年に入って、7月末で既に倍ぐらい、これは実際に輸入されているということなんでしょうか。であるとすると、これはちょっと何か変動要因で見るべきものがあったら、教えていただきたいというのが、大まかな1点目の質問です。
2点目の質問も、これもちょっと細かくて申し訳ないんですけれども、若干目に付いたので、10ページの作付転換の話で、ホールクロップサイレージ用稲が前年より増加傾向、44ということで、非常に顕著なんですけれども、多分需要の動向に応じたということかと思うんですが、これは恐らくいろいろ配合飼料が上がっているとか、そういったことの影響かとも思うんですけれども、ちょっとこれについてもコメントを頂ければというように思います。
それで、あとは質問というより、私自身の意見というか、コメントなんですけれども、まず、需給の話ですけれども、これは今までもお話がありましたけれども、4年産米に関わる需給については、非常にぴったり賞というか、ニアピン賞ということで、おかげさまで在庫の量なんかも非常に良い感じになって、全体として良い方向に向かっている、これは本当におめでとうございますというか、ありがとうございましたということかと思います。
先の推計ですけれども、これもお話がありましたけれども、現時点においては中立的なというか、あらゆる要素を入れて、こういった推計だろうということで、私もこれは了としたいと思っているんですが、もちろんこれは、釈迦に説法だと思うんですけれども、特に私が気に掛かっているのは、この猛暑で、先ほど馬場委員から、お話がありましたけれども、生産がちょっと増加ぎみだということ、生産というか、収量が良いと、反収が良いというようなお話がございましたけれども、心配しているのは、そもそも反収、恐らく日照が良いので、増える方向に動くだろうと思っているんです。
ただ、一方で、暑いと、質が悪くなる、品質が悪くなるというおそれがあって、あんまりよくないものがたくさんできるという、実によろしくない結果があるかもしれないということは、やっぱり念頭に置いておく必要がありますし、それが、ひいてはやっぱり需要サイドに影響があるかもしれない。
それから、やっぱり猛暑ですので、私自身は別に猛暑でも、御飯を食べていた方がうれしいんですけれども、世の中の人は何か麺類に走るとか、そういうことを言っていますので、需要の方もこの猛暑の影響を受けるかもしれないということだと思います。
ということで、たまたま猛暑を気にしているもんですから、そういったコメントになってしまうんですけれども、先行きの動向については、きめ細かく、また見ていただければというふうに思います。
それにつけても、これは数年単位の目先の需給の話ではないんですけれども、やっぱりこの猛暑は気候変動の影響は否定できないと思うんですね。特に日本も日本ですけれども、海外も聞いていると、豪州なんかも、先ほどありました干ばつの影響があるそうですし、アメリカも去年あたりですか、干ばつの影響があって、価格に影響が出ていると。主力のタイなんかも、片や雨がザーザー降って洪水状態で、片や何か干ばつになっている地域があるとかで、相当ひどいことになっていて、長い目で見た米の、米に限らず、いろんな農作物の生産動向、これに注意していかなければいけません。それから、これは猛暑の問題ですけれども、ウクライナであのようなことが起きていまして、これも結構長く続くかもしれないということですし、平和になってもすぐ戻らない可能性は高いということを考えると、あまり考えたくないんですけれども、少し全体として生産は抑制ぎみになる可能性があるということは、やっぱり頭に置いておく必要があるのかなと。
ただ、もちろんだからといって、すぐ生産を増やせとか、それから、備蓄を増やせとか、そういうことを申し上げているわけじゃないんですけれども、リスクの判定はよく、これはすぐという話じゃないと思いますけれども気にしておいていただきたいと思います。
さらに、温暖化の話で、突拍子もない話なんですけれども、最近読んだ記事があったもんですから。どうも水田というのは、結構なメタンの排出源だということで、メタンは確かにCO2の20倍ぐらいの温室効果があるそうです。これを防ぐために、実は代かきをしないと、随分メタンの発生が抑えられるんだということで、不耕起、さらに直播までやればよいのでしょうけれども、というような話を書いてあるものを見ましたが、これも一つの考え方かなと。
ただ、そうなってくると、当然反収は落ちますから、その分、作付転換のやり方なんかも考えていかなければいけないだろうと思いますし、更に言うと、農家経営のことを考えると、これはもうちょっと夢物語のような気もするんですけれども、その分クレジットの形で取れるとすれば、水田を使って、米のほかにクレジットも生産でき、農家経営の安定に資するということはあるかと思いまして、こういったちょっと新奇な考え方であると同時に、珍奇な考え方かもしれませんが、少し目配せというか、頭の中に置いておいていただければというように思います。
以上です。 - 大橋部会長
後ほど事務局から、取組も含めてお話しいただこうと思います。
ほかは、オンラインも含めていただければと思いますけれども、どうでしょうか。
それでは、二村委員、お願いします。 - 二村委員
ありがとうございます。私からも幾つか質問とコメントをさせていただきます。
質問の方は、需要量の見通しが分析した結果ということで出ているのですけれども、これは人口は減っていくだけではなくて、高齢化をする中で、需要量はどうしても減りがちだと思います。高齢化の影響というのは、回帰式に含まれているのかとも思いますが、一応確認として、高齢化の影響による需要量の減少が見込まれていると考えてよいのでしょうか。これが一つ目の質問です。
二つ目が、先ほど作柄のお話があって、好調ということでしたが、暑いとお米がよく取れると聴きます。
今後この作柄というのをどういうタイミングで見ていくのか、それで大きく外れるような時に、どこかでほかの部分を調整するタイミングがあるのかとか。今後の進め方についてお話しいただければと思いました。
三つ目に、戦略作物に転換していくことが重要だと思うのですけれども、この中で特に今、転換が進んでいる部分は良いのですが、進まない部分で課題になっていること、特にこういう点が大きな課題だというようなことがあれば、教えていただきたいなと思いました。
最後に、今ほどありました温暖化対策とクレジットの件は、私は全然珍奇とは思わなくて、そういうことも考えていく必要があると思っています。当然いろんな補助金ですとか、価格で支えるということもあるかと思いますが、クレジットのような形で補塡をしていくなど、ほかからお金を回していくようなことも必要だと思います。こういう環境対策の部分での検討が他にされているようであれば、言及いただけると良いと思いました。
以上です。 - 大橋部会長
相当御質問も積み上がったので、事務局から御回答を含めてお願いできればと思います。 - 武田企画課長
まず、藤尾委員から御質問を頂きました3ページのところの販売数量、民間在庫の推移のところと、また、私どもがやっている需要の見通しに関してお答えいたします。
確かにこの販売動向を見ると、堅調に推移しております。令和4/5年の主食用米等需要量は、3月にお示しした時は、幅を持って691から697万トンとしており、行動制限の問題、あるいはお米の価格の問題があり、それぞれ上に下に動くということを加味しておりました。見通しどおりいくと691万トンとなりますが、そういったところの影響も踏まえて、幅を持って697万トンまでという形で整理しておりました。在庫が確定してみると、見通しどおりの691万トンとなりました。参考資料2の3ページで示したデータの範囲と、全体を見た時の在庫のずれはあるのかなと思います。
堅調な要因が何かは、短期の見通しとは別に私どもとしても、もう少し検証を深めていかなければいけないともともと課題として持っていましたので、引き続き、検討していきたいと考えているところです。
また、作付面積については、669万トンは、前年産並みの作付面積、平年作ということで置いております。
作付の意向は、主食用の作付を減らすというところが多いと御報告しました。
先ほど二村委員からも、今後どうなっていくのかという御質問をいただきましたが、これから作柄も分かってきますし、あるいは面積のところも分かってくるというところでございます。
また次回、順当にいくと、10月にこの基本指針をお諮りしますので、そういった中で明らかになった数字を基に、また見通しのところを御審議いただきたいとに思っております。
また、稲垣委員からの質問については、参考資料2の19ページと20ページをご覧ください。19ページは、これまでの豪州枠及び豪州産米の輸入実績と、私ども上乗せして買った備蓄米の買入れについて整理しております。令和5年度の7月末の時点で、まず枠が6720実トンであり、これに対して実際に輸入したのが1120実トンというところです。
これに対して、備蓄米の買入れは、実トンをこの玄米ベースに直しおりますが、令和5年1月に8000玄米トンの買入れをしておりますので、このような形で、枠の部分に対して今までは買入れをしていたということであります。
では、これをどうするのかというと、20ページにあるとおり、令和5年産までは、もう買入れをしておりますので、令和6年産米からは令和5年1月から順に、まさに今オンゴーイングで進んでおりますが、12月までの輸入の実績に対して政府買入れをしていくという方式に改めるということになります。
また、令和4年の520トンが令和5年、今の時点で1120トンになったのは、まさにSBS方式のところですので、引き合いによって輸入しているということになります。また豪州側の供給の状況も改善したようなので、7月末の時点で今年度は1120実トンで買入れを行っているというところです。
WCSに関して、なぜ伸びているかというような御質問がありました。稲垣委員から濃厚飼料の方の御指摘もありましたが、飼料価格が上がっているため、各産地でそういったニーズを踏まえて、WCS用稲の作付を増やしていると聞いております。
あと、猛暑の関係ですが、これは先ほど作柄はこれからしっかり見ていくとお答えしました。これから様々なデータが上がってきますし、業界紙でも8月になると、いろいろな作柄の情報が載ってきます。私どもも統計部の数字も含めて、しっかりと注視していきたいと思っております。
また、気候変動の対応ということで、これは二村委員から御質問を受けました。後ほど生産振興の担当からお答えをしたいと思っております。
また、二村委員から需要の見通しについて、高齢化の影響を含んでいるのかとの御質問を頂きました。概念的には含んでおりますが、高齢化の進行を分析の中でドライブを掛けて何か見通しを出しているかというと、そういうことではありません。あくまでマクロの需要に対して、人口で割って1人当たりの需要量を出しており、観念的に高齢化の要素も含まれているということになります。。
戦略作物に関して、今の課題は何かという点については、例えば我々は、新市場開拓用米といった形で、29県が増やそうとしている、あるいは米粉用米に関しては、18県が増やす、26県が減少傾向というようなところであり、やはりこれは基本計画に書いてありますが、しっかり低コストで生産していくことが課題と考えております。このような低コスト生産が定着していく取組、合わせて、それを後押しもしておりますので、そういうところが課題になっていると認識しております。
私の方からは以上でございます。 - 佐藤穀物課長
稲垣委員から、猛暑で反収が増加する一方、品質が低下するのではないかということで、御質問がありましたけれども、農水省としても温暖化の適応策ということで、これまでも白未熟だとか、お
米の品質が低下しないような品種の開発だとか、あと栽培管理、深水で管理をすることによって、品質の劣化を防ぐとか、そういうような取組を各県とも一緒にやっていますので、今回もいろいろ対策を取りながら、なるべく品質が低下しないような形での生産を、まず進めているところです。そうはいっても、そもそも気候変動を抑えていかないといけないというのは、農業界も産業界と同じような形で取り組まないといけないと思っています。
特に御指摘のありました水田からのメタンというのは、農業分野から排出される温室効果ガスの4分の1ぐらいが、水田からのメタンによって発生している状況もございますので、我々としてはまさにクレジットだとか、そういうものを使いながら、農家の方の経営もある程度所得を確保しながら対策できるような仕組というのに今、取り組んでいるところです。
具体的には、代かきをしないで不耕起の栽培をしたら、メタンの発生が抑えられるんじゃないかという御意見がございましたけれども、それも実際メタンの発生を抑えることになるんですが、それだとやっぱり不耕起だと、どうしても先ほど言った反収が下がったりとか、あと防除とかが非常に大変になって、雑草が生えやすくなって、それによって農薬をいっぱいまかないといけないとか、そういう問題も出てきます。そこで、我々が今進めているのが、中干しの延長です。稲の分げつを、成育をある程度調整するために、今時期というか、もう7月の終わりから8月ぐらいにかけて、大体各地域、中干しというのをやるんですけれども、その期間を少し長い間すると、地域によっていろいろ条件が異なるので、メタンの削減量は違うんですけれども、約3割ぐらいメタンの排出が抑えられるんじゃないかという、そういう栽培管理方法がございます。
それを先般Jクレジット化して、クレジット制度の対象にして今、まさに各現場、各地域でそういうクレジットを踏まえた温暖化の対策、メタン発生の防止、そういった取組を事業者の方と一緒に、農水省としても取組を進めているというような状況でございます。
私の方からは以上でございます。 - 大橋部会長
よろしいですか。
ありがとうございます。
それでは、おおむね御回答も頂いたと思いますので、委員の御意見を引き続き承りたいと思います。
それでは、平田委員、お願いします。 - 平田委員
平田でございます。遅刻して大変失礼しました。
今、本来ここの会議で御質問することではないのかもしれませんが、ホールクロップの件で言及があったので、現場でちょっと思っていることなんですけれども、エサ米が減って、ホールクロップサイレージにみんな向かったと。ここで一つ問題になるのは、ホールクロップサイレージの収穫は、多くはコントラクターのような引受団体がその作業を引き受けていると思うんですけれども、これは急増するのが難しくないかなというふうに思っています。
これは作期を分散できると良いのではないかと現場にいて思うのですが、要するに、前に作期を持っていけると良いですね。ホールクロップは、穂が出て、穂の部分ががちがちになると、その消化が悪くなって、エサとしてスペックが下がってしまうものですから、後ろに行きたくないんですよね。前に行ければ良いんですけれども、ホールクロップサイレージの制度上、穂が出ないと作業がスタートできないわけです。
これは現場で実は関係者の人にお聴きしたんですけれども、これは青刈りの、要するに飼料作物の段階、穂が出る段階前のものをエサとして比べた時に、どっちが優れているんでしょうかねという話をお聴きしたところ、関係者の方の多くは、タンパクは恐らく前の方が高い、それからビタミンももちろん多い、それから硝子質については少ないというか、ほぼないわけなので、そこもプラスであろうと。水分が高いという問題はありますけれども、つまり飼料作物を乾燥のように使うと、大変良いエサになるのではないかというお話を聴きました。
しかし、制度上、ホールクロップだと支援が8万円で、それが飼料作物になると3万5,000円ということなので、当然皆さんはそっちの方にいかないという現場だと思います。
先ほどのホールクロップへの転換が大幅に進んでいるということだとすると、少し検討すべきじゃないのかなというふうに今思ったものですから、付けさせていただきました。
本題の方の指針の件については、2年と3年ですかね、大変厳しい生産調整がありましたけれども、結果として需給が180万トン在庫のところが見えてきて、随分久しぶりに見たような気がするなというふうに思っておりまして、安心しておりました。
確かにここまで御発言が皆さんからあったように、ちょっと豊作になれば、10万トン、15万トンというふうに増えてしまうということがありますので、農家としては誠に残念な話なんですけれども、豊作を喜べないということについては、皆さんの御指摘どおりだなというふうに思います。しかし、今現状でここの水準に着地と良いますか、予想ができるというところになったことについては、感謝申し上げます。
ただし、これまでのこの参考資料1の方の最初のやつを見ても思うんですが、価格の上昇局面で大きく消費が少し大きめに下がっていって、価格の下落局面になってもそれが、要するに横ばいにはなるんだけれども、回復はしてこないというような形で、階段のように費用が下がっているというふうに思います。今、原材料のコスト高に産地はあえいでいますので、価格が一定程度持ち直していただけるというのは、大変大変有り難い話なんですけれども、しかしながら、ここで消費の減少を食い止めるような努力を、産地としてもしなくちゃいけないし、是非、農政の方からも御支援を頂きたいなというふうに思います。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
続いて、まず山波委員、その後、宮島委員という順番でお願いします。 - 山波委員
山波です。本日もよろしくお願いします。
今ほどは丁寧な御説明ありがとうございました。皆様の方からもお話があったとおりで、基本指針の方について、需給見通しについては、私たち生産者という立場からすれば、令和6年6月末の在庫が184という見通しが立ったという、こういう数字が立てられたというのは、本当に有り難い話で感謝申し上げます。これも関係者の皆さんの御努力、特に事務局でおられる農林水産省の皆さんが、本当に各県を回られて、意見交換を行っていただいたことというのが、また大きくこういうところに出ているのではないかなというふう
に考えております。
そして、参考資料2の10ページなんですけれども、飼料用米について前年より減少というものがある、これは28県ということで出てきているというのは、今後のことを考えると、飼料用米という単に補助金に頼る、そういった米を作るということから、また皆さんの需要のある戦略作物への転換というものを考えて進めてきているという結果が現れているんじゃないかなということで、大変喜ばしく思っております。
それで、1点、参考資料2の方で、先ほど藤尾委員の方からもお話がありましたけれども、3ページのところで、今、販売数量の方で昨年度の、今年に入ってもですけれども、令和元年の時と比較しても、聞いていると、販売数量は推移しているという中で、4ページ、私は新潟県の生産者なので、気になるのかもしれませんけれども、新潟県だけ6月末の在庫が前年対比でプラスになっていますね。
これはもしかするとなんですけれども、令和4年産が価格が盛り返したことによって、国民の皆さんから高いお米を敬遠される、そういったもしかしたら要因というか、結果がここにもしかして出ているのかなというのを、私一個人としてはちょっと思ってしまったんですけれども、また、若しくは可能であれば、事務局の皆さんの御意見、御感想も聞かせていただければと思います。
もう一点は、お願いになるんですけれども、私たち生産者はやっぱりお米、土地利用型農業の中で事業を行って経営をしております。こういう税金というのは、皆さんに御尽力いただいて、各担当でお金を付けていただくよう努力していただいているので、単年度なんですけれども、私どもは常に5年後、10年後、20年後を見据えながら経営を行っていく上でいうと、この今、戦略作物等に付けていただいているお金というものを、引き続き予算獲得を努めていただきながら、何とかしっかりと進んでいる転換を恒久的なものにしていただくようお願い申し上げて、私の御意見とさせていただきます。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
それでは、宮島委員、お願いします。 - 宮島委員
どうもありがとうございます。日本テレビの宮島と申します。
まず、今回のテーマの指針に関しましては、本当に皆さんが仰ったように、非常に良い形で収まっていると思って拝見しておりまして、これは全く異論はございません。
さらに、政府が進めている方向性に従って、それぞれの現地の方も動いていらっしゃるということで、これは相当コミュニケーションがうまく回っているのかなということで、まずその点に関しては、非常に良い方向性と思っております。
一方で、需要に応じた生産というのは、ほかの産業では、ほぼ当然というか、需要があってのところにしか物が作れないというのがほぼ、ほかの産業はそうですので、様々な意味で全く同じようには考えられないにしても、まずそこがあるんだということを、引き続き現場とのコミュニケーションの中でお伝えしていただければと思います。
短期的なことと中長期的なことをそれぞれ申し上げたいんですけれども、短期的なことは質問も含まれます。どの産業もコロナの影響を非常に受けておりまして、例えば、ある目標がこういうふうな目標だった時に、一回ガンと下がって戻っているというようなものが、いろんな局面でありまして、この戻っているというところだけを見れば、すごいよくなったねと、景気もそうですよね、よくなったねと見えるんですけれども、例えばお米でいえば、一旦家庭で食べる分が多くなって、産業で食べる分が外食などが減ったので、全体量が消費が減った。だけれども、今コロナからの回復の中で、そこが上がっているということで、もしかしたら需要の回復が堅調に見え過ぎているものがあるのではないかと思っております。
そこはちゃんとこなしていただいて、トータルで見ても、ちゃんとカーブがうまくいっているものなのか、コロナの影響をうけた結果を過大評価し過ぎず、それをならしても順調かどうかということを、しっかりカウントされているかを伺いたいと思います。
逆に言いますと、このコロナの影響というのは結構大きいので、そこで目が曇ってしまうと、まずいなという感じは持っております。
この需要の減り方に、さらにコロナは大きく影響をしていると思いまして、今計算している人口は、そんなに減っていないかもしれないんですけれども、今から計算するところ、この後計算されるところの人口減は、多分予測をどんどん超えてくると思います。もともと人口動態がちょっと期待が高過ぎると、かねがね思っているところもあって、更に人口はカーブとしては減っていく可能性がありす。それも含めて生産に中長期的な視点を入れるということが、非常に重要なのではないかと思います。
もちろん皆さん、方向性は一致させていらっしゃると思うので、全体としての方向性は良いと思うんです
けれども、それが今この少子化や、コロナ後に起こった様々な変化にちゃんと対応できているのかということに関しては、改めて確認していただきたいと思います。
さらに、現実に合っているかというところで、例えば例を挙げると備蓄なんですけれども、生産の方にも非常にセンシティブな数字だと思うので、そこはすぐに動かして良いというものでもないのは分かるんです
が、一体この備蓄というのが、今の生産や需要に対して、ずっと同じ数字で良いのかという問題があると思います。
もともと備蓄は、今の状況との見合いだと思います。私はエネルギーの議論にも参加しているんですけれども、エネルギー分野も状況を見て、備蓄を数年前にかなり変えたというのもあります。米に関しても、備蓄そのものが固定値なのではなくて、トータルで見ると、この先どうなるかとかを考えないと、やっぱり、以前の方はどうか分かりませんけれども、今の現代人は、お米があればそれで満足だと、お米があればそれで食料安全保障は足りるというわけにはなかなかいかないと思うんですね。
カロリーとは別に、ほかにも必要な要素があるのであれば、考え方としては備蓄、やっぱりお金が掛かっていると思うし、もったいないお金だと思うんです。良いものを溜めて、そして5年ほっておいて、安く出すので、すごく税金の使い方としては、やっぱり必要だけれどももったいない部分があり、新しく必要な食料安保の別の要素に対して一部のお金を使うとか、そういう使い方の必要もあるのではないかと思います。
やっぱり単年度で見ると、本当に今回とてもうまくいっているなと思うんですけれども、中長期的にはいろいろな課題があるとともに、皆さん、予算の確保と仰いますけれども、この予算の確保そのものが、人口減で極めて厳しくなっています。若い人も含めた納得感を得るというところでしか予算の確保や財政もスタートしないので、それは時代の変化、あるいは中長期的な予測に基づいて、一方激変にならないような形で進めていただくのが良いのではないかと思います。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
よろしいですか。
それでは、山﨑委員、お願いします。 - 山﨑委員
山﨑です。今日は詳細な説明をありがとうございました。
この度のお示しされた数字は、妥当な数字ではないかと思います。ただ、猛暑での影響で、品質低下の可能性も考えられますので、その点は注視する必要があるのではないかと思います。
米の輸出量が増え、新市場開拓用米が増えてきている中で、輸出に関して一つ確認したいことがあります。
先日、3年半ぶりにニューヨークに営業に行った際に、日系スーパーに様々な種類の日本産米が並んでいました。種類の多さにただただ驚きました。表示には記載されていないんですけれども、古米と新米を混ぜて、物すごく安価な価格で売っているものもありました。こうした状況で、日本産米が価格競争になりつつある
状況なのではないかと思いました。日本産米の価格競争が起こりつつある中で、今後の国の方針などをお聞かせいただけましたら、幸いです。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
よろしければ、一旦ここで区切らせてもらって、幾つか御指摘もありましたので、事務局の受け止めを含めて頂ければと思います。 - 武田企画課長
まず、平田委員からホールクロップサイレージの関係について御質問がありました。私どもとしても、現場の実態など丁寧にお伺いしたり、飼料としての品質やTDNの問題もしっかり確認をした
いと思います。先ほどの分散というのは一つ、作業現場においては非常に大きな課題と思いますので、しっかり受け止めて、現場の実情を勉強しながら考えていきたいというふうに思っております。
また、価格とその需給の関係に関しては、これは山波委員の新潟の在庫のところとも少し関係してくるかもしれませんが、これからの価格の動向や需給の動向は、また作柄も含めてしっかり注視をして、まずしっかりモニタリングするところからやっていきたいと思っております。
山波委員から、新潟の6月末在庫のところが増えているという御指摘がありました。私どもとしても、もう少し現場の状況も分析しなければいけませんが、新潟がということではなくて、総じての今の傾向となってございます。先ほど申し上げたように、一般小売向けが、令和4年に関しては98%、令和5年からは3月だけは少し減っておりますけれども、昨年よりも良いような状況できております。
一方で、中食・外食向けは令和4年はプラス4%というようなことで、好調となっております。全体の環境はこのような形であり、新潟はどちらかといえば、一般小売向けが中心となっているため、そういうことも影響しているのではないかと見ているところです。またこの辺り、詳細を検証して、必要があれば、次回お示しできればと思っております。
予算についても御意見がありましたので、しっかり受け止めて、概算要求を進めていきたいと考えております。
また、宮島委員から、需要に応じた生産が現場でしっかり定着するようにという御意見がございました。
先ほど御説明したように、私どもはコミュニケーションをしながら、現場と課題とか、あるいは政策の意図を共有していくことが非常に大事と思っております。課長も室長も7月で替わりましたけれども、引き続きやっていきたいとに思っているところです。
また、コロナの影響ですが、山波委員の御質問や、先ほどの藤尾委員の御質問の答えとも重複しますが、今回の見通しとしては、3月の指針では、691から697万トンとしておりましたが、コロナによる行動制限が緩和されるということも含めて、少し幅を持った見通しとしておりました。結果として今回、速報として確定した在庫量から算出した需要の実績は、推計どおりだったというところです。この見通しは、コロナの影響を受けた、受けないというふうに出しておらず、中立的に算出したものとなります。
また、今後に関しては、この指針の見ているところは、翌年とか、当年とか、短期となります。人口の推計については、私どもも注意深く見ていきながら、中期なり、長期を議論する時には、御指摘の点を踏まえながらやっていきたいと思っております。
また、備蓄に関しては、この食糧部会でもこれまでも御意見を賜っているというふうに思っております。
水準だけではなくて、私どもが運営しているこの運営方法等々についても、今日的な需要の状況なり、あるいはほかの穀物にも、御指摘いただいたとおり、お米だけで生活しているわけでもございませんので、こういったところのありようも含めて、またいろいろ様々な視点で検討していきたいと思っております。
山﨑委員から、猛暑に関しての御指摘もございました。私ども、作柄に関して、引き続き注視しながら、今日も本当に大変お暑い中お集まりいただいておりますので、消費者の皆さんの消費の方にも影響してくると思っておりますので、品質も、需要も含めて注視していきたいと思っております。
また、輸出に関して、私どもは産地間での価格競争を煽っていくというようなことはありません。一方で、輸出先国での価格競争力というのは、一つポイントと思っております。そのような観点から、低コストでしっかり現地で戦えるような水準にしていく取組を後押ししていきたいと思っています。
ただ、そのことで、各産地の価格競争を煽るということではなく、しっかりと輸出国でのニーズをつかまえられるような、そういうプライシングにできるような、そういうコストで、そういった経営となるように、後押ししていきたいと考えているところでございます。
私からは以上でございます。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
残りの委員の方から御発言を是非頂きたいと思いますが、よろしいですか。
それでは、岩村委員、お願いします。 - 岩村委員
今回お示しされた数字でありますけれども、非常に良いのではないかなということでございまして、特段異論があるということではありません。
細かい点で恐縮ですが、1点目は日本酒の輸出が落ちたこと。先ほどインフレというような御説明もあったんですけれども、何か特徴的なことがあれば教えていただきたい。あとはコメントですけれども、マクロ経済の好転。物価も上がったということがあるんでしょうけれども、以前、GDP600兆円の実現ということが言われていて、ようやくそういう世界が見えてきたということで、日本経済はよくなっていると。
他方で、供給側の制限というのもあって、人手不足や物流の2024年問題というか、こうしたものが出てくるので、それが農業の現場に与える影響というのが、何か今お考えになっているようなことがあれば、教えていただきたいということ、これが2点目です。
3点目は備蓄の在り方の問題で、先ほどの宮島委員の御指摘、非常に重要だと思いますので、これは長期的な課題として是非しっかりと受け止めていただきたいというふうに思っております。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
続いて、長部委員、お願いします。 - 長部委員
長部です。今日はありがとうございます。
ちょうど先ほど日本酒の輸出が非常に落ちている理由は何かという御質問がありましたので、その点もお
話をしようかなと思っていましたので、私がお答えするような形になってしまいますが、よろしいでしょう
か。 - 武田企画課長
是非お願いします。 - 長部委員
2020年のコロナの年は別としまして、カレンダーイヤーで昨年2022年1月から12月までは、毎年輸出が非常に順調に伸びていましたが、今年に入り伸長が続いていたところが、急にブレーキが掛かった流れになり、私たちも非常に心配をしていました。弊社の事情もありますが、それまではどんどん輸出されていた状態で、特にアメリカの方で在庫が滞留していたため、輸出が止まってしまったという事情があります。1月から6月で、金額ベースではアメリカの方は約33%減になりました。中国の方は相変わらず、飲食店でコロナの影響をまだ引きずっていて、順調ではなかったというようなこともありまして、非常に影響が出たということだと思います。
昨年は、中国の方はプレミアムな金額の高い、付加価値の高い日本酒がよく売れていまして、去年はアメリカを抜いて金額ベースで1位になりました。アメリカの方は景気後退で、今少し停滞しているとはいえ、楽観的な見方かもしれませんけれども、日本酒の需要は、まだまだこれから伸びると思っていますし、特に韓国の伸びは32~33%の増ということで、非常に好調にもなっていますので、1年単位で見れば、必ず日本酒の輸出の勢いは戻ってくるのではないかと思っています。むしろこの気候変動による天候不順で、東高西低というのですか、よいお米の収穫が北の方で取れるということになってきて、酒造好適米への影響も心配です。山田錦は、コロナの影響もあり、反動で非常に需要が伸びた今、欲しくても手に入らず、九州の方では山田錦の米不足が部分的に起こったりしています。今年は猛暑で雨が少なくても飯米は豊作だということですが、酒造米でいうと、米粒がちょっと小さくなったり、山田錦の最高ランクである特Aのような米が減
るのではないかなと少し心配をしております。
そういうこともありまして、一般的な加工用米も日本酒造りに使っていますので、輸出の日本酒の原料になるお米については、作付転換とか、戦略的な農作物への転換ということで、農家さんにとっては売れる物を作っていくということで、若い方も参入してきて前向きな政策で良いとは思いますが、どこまで、それを転換していくのか、高齢化が進んで、稲作を作る人も少なくなっていく中で、どのあたりをベストとして考えていらっしゃるのかなというのは、お伺いしたいなと思った点です。非常に難しいことを質問していると
思うのですが。
それから、先ほど宮島委員が仰った備蓄米についての考え方は、本当に重要だと思いました。一方で、有事のための備蓄米という考え方があると思いますけれども、この有事という捉え方が気候変動なのか、それから政治的な、例えば戦争が起こるとか、そういう有事も含んでいるのかということを考えると、今100万トンですか、それを基本に備蓄米を考えていらっしゃるということですが、あまり減らすのも、憂慮されるような時代が来ているのかなというふうに思っていますので、丁寧な状況に応じた都度の計算をしていただ
いて、対策を練っていただければと思っております。
基本指針に関しては、先ほどの需要見通しということで、非常に丁寧なきっちりした計算が出されているかなと思いましたので、問題ないと思います。よろしくお願いいたします。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
続いて、金戸委員、お願いします。 - 金戸委員
御説明いただいた見通し、数量については、私も良いと思います。
ほかの委員の方からもご意見の中にありましたが、資料2の10ページ、11ページ、12ページの主食用米の作付意向を少なくする人の割合が増え、生産量見込みは減少する方向ですとのご説明と、一番初めの生産量の見通しが669万トンで、昨年に比べて1万トンしかあまり変わらないというところがどのようにつながるのか、私も少し疑問に感じましたが、いずれにしても、10月以降の作況を見て、実際のこの7月、8月もおそらく猛暑が続くとの天気予報の中、高温障害の心配がありそうという点では、新米の出来上がりの品質、
味にどの程度の影響が出るだろうかというのが、気になるところです。
それと、新米で、この令和5年産も4年産の価格に比べて、値段が少し上がるとの見通しですので、そのことが品質と価格のバランスの点で、消費者心理にどんな影響があるだろうかと思います。
コンビニなどの場合は、お弁当でもおにぎりでも、ご飯単品で売る商品もありますが、ほとんどがご飯とおかず、具材との組み合せで商品となっていますから、その商品を見て、お客さんが価値観を感じていただけるかどうかが購買のポイントになります。一方、家庭で炊くお米は、例えばスーパーへ買いに行った時に、陳列棚にいろいろな産地、銘柄がある中、米以外の食品の価格が相当に上がっている状況で、今日はいつも買っているこちらの銘柄ではなくて、隣の少し安い銘柄に変えて、買い物の合計額を抑えようという心理は働くと思います。消費者が欲しい物と、生産者が作る物の価格や品位のマッチングがうまい具合にできると良いと思います。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
以上で本日御参加の委員からは、一とおり御意見を頂いたと思いますので、よろしければ、事務局の方からレスポンスをお願いします。 - 武田企画課長
ありがとうございます。まず、岩村委員、あるいは長部委員から備蓄の御指摘がありました。先ほど宮島委員にもお答えしましたが、様々これまでも議論があったことを踏まえながら、また今、
我々は省を挙げて、食料・農業・農村基本法の見通し、検証という中で、ありようも考えていくということでございます。そのような中で、しっかり皆様方の御意見も踏まえながら検討していきたいと思います。
また、日本酒に関しては、長部委員から実態をお話しいただいたので、それに勝る情報はありませんが、私どもがいろいろな輸出業者等々から聞いているところも、先ほど申し上げたインフレ等との買い控えみたいなことが消費の場面で起きており、在庫が少しかさんでいるといういうことでございました。
一方で、資料の中にありましたが、足元はそういうことですが、15ページにあるとおり、パック御飯、米菓、日本酒という3カテゴリーで伸びているというような、5年で約2.5倍に増加しているような、そういう実力もあるわけです。中期的な部分については、長部委員のコメントの中にもありましたが、私どももそのような実績が出せるように、いろいろな意味で、プロモーションも含めて、後押しをしていければと考えているところです。
また、長部委員から、今後、米あるいは水田をどうしていくのかという、御趣旨の御意見を頂きました。
このあたりも、先ほど備蓄のところで触れましたが、食料・農業・農村基本法の見直しの議論の中で、また、しっかりこの部会での御意見も受け止めながら、検証、検討していきたいと考えております。
また、人手不足の関係ですが、農業生産の場面は、また穀物課長から補足いただければと思っておりますが、物流に関しては、私は前職で食品流通を担当しておりましたが、今、まさに国土交通省、経済産業省、あと当省の3省が中心となって、この物流の問題解決をやっております。中でもとりわけ、やはり2024年問題の影響を受けるというのが、農産品、食品の部分でして、2019年より3割の輸送量が不足するというようなこともあります。この辺りについては、例えば中継拠点を設けるとか、あるいはお米に関しては、モーダルシフトの取組を強化するということで、JR貨物を使った鉄道の長距離輸送などもさらに取組を、JAグループさんが取り組まれているといったところです。
私どもはこうした形で、例えば共同輸送ですとか、あるいは中継輸送ですとか、あるいはモーダルシフトですとか、そういった事業者の皆様が取り組むことを、まずは今、国交省、経産省、当省の3省が中心となって、業界の皆様方が自主的に行動計画を作っていく、あるいは来年の常会には制度も作っていくというところですので、これらの対応をしっかりフォローしていきたいと考えております。
以上でございます。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
一当たり委員から御意見は頂いたんですけれども、もし追加でとか、言い残したとかがあれば頂ければと思いますが、いかがですか。
よろしいでしょうか。
ありがとうございます。今回は基本指針の策定についてということで、これが諮問事項なわけですが、委員の中にこの基本指針に対して異議があるというふうな御意見はなかったものというふうに受け止めています。そういう意味では、この指針の策定については適当とお認めいただいて良いのかなというふうに思っていますが、オンラインの方も含めてよろしいでしょうか。
(異議なし)
ありがとうございます。
他方で、様々御意見を頂いたところであります。私の意見も併せて申し上げますが、今回数字も良い頃合いだというふうな感じで頂きましたけれども、毎回これができるわけじゃなくて、そもそも計画経済じゃなくて、誰かに指示して作らせているわけじゃないので、生産者は生産の自由があるし、消費者も選択の自由があるし、そんな中でこの数字を作っているところがあるという行政の苦しさは是非、御理解いただいて、次回以降、外れる可能性というのはあるわけで、そこはあんまり厳しく当たらないようにということかなと思います。
あと、御意見を様々頂いた中で、この数字は数量と、あと、その裏には価格というのもあるんですけれども、他方で、品種とかブランディングもすごく重要じゃないかと。一つ頂いたのは環境のお話、今回クレジットの御紹介もありましたけれども、そうしたものも実は消費者に訴求することによって、総体として需要
を促していくということも、とても重要じゃないかと。
今回、この資料には環境の話は一切ないんですよね。また、ブランディングとかという用語もなくて、それはもしかすると別の部局かもしれませんが、他方で、この場でいろいろ米穀の議論をしていることを思えば、そうしたこともしっかり全体、横串を刺して議論していくという重要性はあるのかなと思います。
また、備蓄のお話もありまして、やはり需要というものに併せて備蓄というものを考えるべき、他方で、供給インフラというのは中長期的にしっかり支えていかなければいけないので、そうした観点での中長期的な目線も当然重要だというところは、これはある意味、しっかり分析を一回していただいて、国民にもこういう形で備蓄を考えているんですということが発信できると良いという感じのことは思いました。
今後、人手不足もありますし、様々不安要因もありますので、ある意味、行政も重要ですが、事業者の方々も、また流通の方々も、また消費者も含めて、しっかり理解を浸透させていくというのは重要だなと感じた次第であります。
様々御議論いただきまして、本当にありがとうございました。
それでは、先ほどの基本指針については、異議がないということでございましたので、食料・農業・農村政策審議会令第8条第2項の規定によって、議事の決定に必要とされる出席委員の過半数は超えているということですので、本件に関しては適当と認める旨の議決をさせていただきたいと思います。
本食糧部会の議決については、審議会の議決とするということですので、後ほど食料・農業・農村政策審議会として農林水産大臣に適当と認める旨の答申をいたしたいということでございます。
なお、農林水産大臣への答申につきましては書面で行うこととなっておりますが、その文面については、例年どおり、差し支えなければ、私に御一任をお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし) - 大橋部会長
ありがとうございます。
それでは、そのように進めてまいりたいと思いますので、事務局の方もよろしくお願いいたします。
議事の二つ目はその他なんですが、これは事務局から何かございますれば、お願いいたします。 - 武田企画課長
特にございません。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
それでは、本日は大変活発な御議論、また暑い中御参集いただきまして、ありがとうございました。
私の方は以上とさせていただきます。後ほど議事録とか事務的なことは、また御連絡が行くということで、
よろしくお願いいたします。
それでは、事務局へお返しいたします。 - 島本企画課課長補佐
大橋部会長、どうもありがとうございました。
それでは、閉会に当たりまして、平形農産局長から一言ごあいさつ申し上げます。 - 平形農産局長
先生方、本当に長い時間ありがとうございました。本日、米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の策定ということで諮問をさせていただきましたが、異議をとどめないということでお答えを
頂きまして、本当にありがとうございます。
また、この基本指針にかかわらず、環境との問題ですとか、お米だけではない備蓄の在り方についてということにも意見を頂きました。また、労働の問題ですとか、お米に関するいろいろ幅広い御意見も頂けたかというふうに思っております。また、大橋先生の方からは、いろいろ分析をしてみるようにという宿題も頂きましたので、我々の方でもできるだけいろいろなものを分析しながら、さらに、今年、多分10月になるかと思いますが、今年の作付面積の方が24県減少にはなっていますが、少し増やすという県が主産県であるので、差引きちょっとどうなるかという点と、さらに、それぞれ毎の作柄によって、数字がかなり変わってくるかと思いますので、それも含めて、10月にはまた委員の方々に見ていただいて、意見を頂くようなことをやっていきたいと思いますし、長い分析等の宿題についても、できるものからこの場で議論を出させていただきたいというふうに思っております。
本日は本当に長時間ありがとうございました。 - 島本企画課課長補佐
それでは、以上をもちまして本日の食糧部会を終了させていただきます。
委員の皆様におかれましては、長時間にわたり、ありがとうございました。
午後5時22分 閉会