ビール用大麦の不耕起栽培を通じて、耕作放棄地の課題解決、そして地域コミュニティの活性化へ:北海道農政事務所
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ビール用大麦の不耕起栽培を通じて、耕作放棄地の課題解決、そして地域コミュニティの活性化へ

   RIKKA合同会社は、浦幌町内でビール用大麦の不耕起栽培(※1)に取り組んでいます。
   同社代表の鈴木將之さんは、地球温暖化などの環境問題に取り組もうと考え、現在、福島県内の大学院で温室効果ガスの排出を低減させる環境再生型有機農業(リジェネラティブオーガニック農業)(※2)について研究を行いながら、副代表の菅野小織さんと共に、同町のほ場でビール用大麦の不耕起栽培を実践されています。
   4月22日、ビール用大麦のは種作業を行うために、SNSで作業体験の募集を行い、生産者や消費者計10名程が集まりました。作業を行いながら、参加者から、「不耕起栽培とは何か」、「不耕起栽培を行うことによる環境への影響」、「畑を起こさないことによる労働力削減」などについて質問がありました。
   鈴木さんからは、「いきなり不耕起栽培に取り組むことは難しいかもしれないが、各地の耕作放棄地を環境再生型有機農業で回復させ、有効活用していきたい。我々の取組に興味を持ってくれる方々で輪を広げ、この十勝で不耕起栽培の取組が広がることを望んでいる。そして、大麦栽培、ビール醸造を軸にたくさんの人と関わることで、地域コミュニティの活性化を図りたい。」と話がありました。
   同社は、原料栽培、製麦、醸造のすべてを自分たちで行うことを目指しており、今年、同町にビールの醸造所が完成予定です。

※1 不耕起栽培:ほ場を耕さずに種を播いて栽培する技術で、土壌有機物の分解の抑制、土壌侵食の防止等を通じ、炭素の貯留に効果があるとされている。このほか、ほ場における生物多様性の保全や、生産の省力化、燃料の節減等を通じた生産コストの低減等にも一定の効果を有しているのが特徴。

※2 環境再生型有機農業:RIKKA合同会社では、農地の土壌の健康を守るだけでなく、土壌の改善・再生を目指すために、土壌の有機物を再構築し、劣化した土壌の生物多様性を回復させることで多くの炭素を吸収し、気候変動を逆転させ、結果として大気中への炭素の排出と水循環の改善をもたらす農法と定義している。


撮影データ

◯撮影年月日:令和6年4月22日(曜日)
◯撮影場所:浦幌町


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RIKKA合同会社   鈴木將之さん

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参加者も不耕起栽培を体験

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手押し式は種機の中で種が移動している様子

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不耕起地には種した様子

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耕起栽培と不耕起栽培の研究用ほ場

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ビール用大麦の種

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昨年収穫された大麦

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