エムスリーのグローバル戦略と今回のニューヨークオフィス出張について(まとめ) - エムスリーテックブログ

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エムスリーのグローバル戦略と今回のニューヨークオフィス出張について(まとめ)

エムスリーエンジニアリンググループ(以下、エンジニアリングG)の山崎です。 VPoEとして2018年締めくくりのテックブログを書きたいと思います。

はじめに

2018年はエムスリーエンジニアリンググループにとって多くのチャレンジをした1年でした。 まずはエンジニアリングGの頼もしい仲間達に感謝の気持ちを伝えたいと思います。 本当にお疲れ様でした。

さて、2018年の多数のチャレンジの中から、本日はエムスリーのグローバル戦略と今回のニューヨークオフィス出張についてまとめたいと思います。

その前に告知

2019/01/17(木) 19:00 〜 21:30 に「M3 Tech Meetup #6 〜US出張報告会〜」と題して、今回ニューヨークオフィス出張を行った矢崎、冨岡、笹川よりUS出張での経験を共有する報告会を実施します。 海外での生活事情や仕事、コミュニケーションの限界などライブ感そのままに今回の出張についてご報告いたします。 後日イベントページを公開しますので、ご興味のある方は是非、下記のconnpassよりエンジニアリングGをフォローください。

m3-engineer.connpass.com

エムスリーにとっての海外事業の現状

さて、2000年に創業したエムスリーですが、2019年3月期 第2四半期決算発表資料でも紹介している通り、現在グローバル事業が順調に育っています。

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2019年3月期 第2四半期決算発表資料:海外業績推移

医師会員・調査パネルの数はすでに全世界で450万人以上となっており、世界を変えるイノベーティブなサービスを提供するための基盤として十分なサイズになりつつあると言えそうです

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2019年3月期 第2四半期決算発表資料:医師会員・調査パネルの推移(グローバル)

特に中国会員医師数の推移はすでに240万人を突破し、破竹の勢いです。日本から世界へはもちろん、アメリカ、中国など世界のいたるところから世界の医療を変えるきっかけが生まれてきそうでワクワクします。

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2019年3月期 第2四半期決算発表資料:中国会員医師数の推移

サグラダファミリア計画

エムスリーは現在10ヶ国で事業を展開しています。 また、国内だけでも20以上の事業を展開していますが、海外の事業を含めると実に26の事業タイプをすでに展開しています。 これらを掛け算すると260(=10ヶ国x26事業タイプ)の展開事業ポテンシャルがありますが、現在、この内、41の展開事業を行っています。

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2019年3月期 第2四半期決算発表資料:事業領域の拡大と成長ポテンシャル

ということは、現時点でもポテンシャルに対して展開率はたった16%に過ぎず、これで売上が945億円なので、100%展開した場合、単純計算すると約5,992億円の成長ポテンシャルがありそうというのも納得がいきます。

さらに、国と事業タイプは拡張可能なので、それを考えると「現時点で可能性に対して我々の達成率は1%に満たない」という社内で共通認識もうなずけます。

社内ではこの成長計画を、130年以上経った今でもなお建設を行っている未完成の教会、アントニオ・ガウディの名作、サグラダ・ファミリアになぞらえて、サグラダファミリア計画と呼んでいます。

3つのシナジーレバー

医療のように国や地域で文化や保険制度などの事情が全く異なる場合、グローバルサービスやプロダクトを先に作って世界に展開するのは効率があまり良くありません。 特に現地現認せず、思い込みだけでグローバルプロダクトを作ってしまうのは最もありがちな罠だと思います。 そこで我々は現地有力企業のM&Aと以下の3つのシナジーレバーを使ってグローバル事業に効率的に参入しています。 (これらの施策はグローバル事業に限らず行われます)

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2019年3月期 第1四半期決算発表資料:M&Aを通じた価値創造

シナジーレバー1

まずは短期的な施策として、コスト構造の改善を行います。 例えば、無駄な販管費の削減などを行います。 エムスリーでは社内にマッキンゼー、ゴールドマン、リクルート卒業生といったこの手の改善を多数経験している頼もしい仲間がこれでもかというほどいますので、そのメンバが特に活躍します。

シナジーレバー2

次に中期的な施策として、m3.comを活用したトップラインの改善を行います。 例えば、m3.comを活用した既存製品の拡販などを行います。 認証連携や既存サービスの拡張を行う事になった場合は我々エンジニアが活躍します。

シナジーレバー3

最後に長期的な施策として、事業感のシナジーの最大化、新ビジネスモデルの構築が行われます。 例えば、電子カルテを活用した新治験サービスの展開などが行われます。 ここまで来ると、エンジニアの出番です。 イマジネーションを最大活用して、イノベーティブなサービスやプロダクトを想いのままに創出しましょう。

今回のニューヨークオフィス出張と2018年の取り組み

ここまで、エムスリーのグローバル戦略について現状と仕組みを振り返ってきましたが、グローバル事業については、シナジーレバー1と2の段階のものが多いのが現状です。 そこで、2018年はエンジニアリングGとして、シナジーレバー3を推し進めるべく、いくつかの施策を実施してきました。

取り組み1:Global CTO Brian HooperがUSへ引っ越し、NYオフィス誕生

2018年6月にM3 USAの事業をさらに加速させるために、日本を拠点に活動してきたGlobal CTOのBrian Hooper(以下、Brian)がUSを拠点とするべく引っ越しました。 さらに、ペンシルバニア州フォートワシントンにあった開発拠点に加え、ニューヨーク州マンハッタンのWeWork内にニューヨークオフィスを設立しました。

取り組み2:先発隊出張

それに続き、すぐにエンジニア2名(1名はイギリス出身の英語ネイティブ)をフィジビリとしてUSに派遣し、日本オフィスのスタッフが現地やリモートでどんな支援ができるのかを模索しました。

取り組み3:今回のニューヨークオフィス出張

先発隊の出張により、ある程度勝手がわかってきたので、2018年10月〜12月に3名(1名は11月〜)のエンジニアがニューヨークオフィスに出張して本格的な開発支援を行いました。 それが以下のM3 USA 出張記シリーズです。

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↑ WeWork オフィスで同じ部屋にいる 4 人の写真です (左から順に 冨岡、Global CTO の Brian、M3 USA の Peter、矢崎)

まとめ

いかがでしたでしょうか? 今日は2018年の締めくくりとして、本日はエムスリーのグローバル戦略と今回のニューヨークオフィス出張についてまとめました。 2019年もニューヨークオフィス出張を中心としたグローバル支援を計画しており、エンジニアリング組織として、ますます楽しみな状況になっていると思います。

またM&Aを中心としたグローバル事業の展開によって、海外の医療事情がだんだんわかってきたので2019年は現地現認に即した日本発のグローバルプロダクトの開発にも着手出来たらプロダクトマネージャとして最高ですね^^。

ということで本年もお世話になりました。 皆様も良いお年をお迎えください!

We are hiring!

エムスリーでは大きな裁量をもって自らチャレンジし、医療の課題を解決するエンジニアを募集しています。 この記事(or 他の記事も)を読んで興味を持った方はぜひ下記リンクよりご応募ください! 日本オフィス所属の他に、NYオフィス所属のM3 USA採用もありますのでお気軽にお問い合わせください。