LINEヤフーグループは、多くのユーザーに活用いただいている自社のサービスを通して、気候変動課題や自然資本、資源循環に関する課題に取り組んでまいります。気候変動については、より温室効果ガスを排出しない社会構造に向けた変革への取り組み(緩和)と、気候変動にともなって激甚化・頻発化していく自然災害に対する取り組み(適応)を進めます。特に近年被害が甚大化する災害対応においては、自治体や関係団体と連携をしながら防災・減災に努め、災害後の復興支援にも力を入れて取り組みます。また、持続可能な社会の実現に向け、循環型サービスの拡充や自然資本の保全に向けた取り組みを実施しています。
LINEヤフーグループでは、環境に配慮した選択肢を取る方がお得で便利になるようなサービス設計を推し進めていくことで、ユーザーの生活と社会全体がより豊かになるよう支援していきます。これからもより多くのサービスを通じて脱炭素社会に向けた取り組みを進めてまいります。
「Yahoo!ショッピング」は、「いつものお買い物で地球のあしたをいつまでも~きょうからできるYahoo!ショッピングのエコ活~」をコンセプトに、いつものお買い物が、どのくらい環境への負荷を軽減できたかわかる、ミニゲーム「ECOチャレンジ」を提供しています。
本機能により、ストアには環境に配慮する企業が選ばれる場を提供し、ユーザーには環境について理解いただき、いつもの身近なお買い物で環境貢献を実感できるようになります。
また、利用したことのないユーザーや未出店の企業にも、ネット通販で手軽、身近にできるエコ活動を知っていただき、ユーザーとストアをつなぐ新しいタッチポイントを提供しています。
また、ユーザーが注文時に「お届け日指定」をしやすいよう、カートの同一画面上で日時を選択できるなど、UIUXの改善を行い、指定日配送を推進しています。
今後も、「お届け日指定」利用の拡大、「置き配」「店頭受取」についてもミッション対象への追加ならびに推進、拡充など、再配達削減と環境貢献への取り組みを進めます。
Earth hacksが運営する、環境に良い商品が買える「Earth hacksモール」を出店しています。Earth hacksは、生活者一人ひとりのアクションで脱炭素社会を推進する共創型プラットフォームで、サイト*1内ではCO2e*2を従来の製品と比較し、削減率(%)を表示する「デカボスコア」*3と共に環境価値の高い商品を紹介、販売するなどして、生活者が楽しみながら脱炭素に貢献できる仕組みを提供しています。
*1 Earth hacks(外部サイト)
*2 CO2 相当量に換算した値
*3 脱炭素化の意味のDecarbonizationを使った名称
「Yahoo!マップ」(iOS版、Android版)とカーナビアプリ「Yahoo!カーナビ」(iOS版、Android版)、乗換検索アプリ「Yahoo!乗換案内」(iOS版、Android版)にて、検索したルートのCO2排出量を確認し、環境に優しいルートが選択できる機能を提供開始しています。
「Yahoo!マップ」「Yahoo!カーナビ」で自動車での移動ルートを検索し表示される「おすすめ」「高速優先」「一般優先」*1などそれぞれのタブで、ルートの距離や勾配などの情報をもとに計算されたCO2排出量を確認できます。日ごろからCO2排出量を意識できるとともに、「今日は急いでいないから環境に優しいルートで移動する」など、実際にCO2排出量が少ないルートで移動できます。
「Yahoo!マップ」や「Yahoo!乗換案内」では、最もCO2の排出量が少ないルートに「ECOマーク」が掲出されるため、ユーザーは環境に優しい経路をひと目で確認でき、日ごろからCO2排出量を意識することが可能です。
*1「Yahoo!マップ」の表示例です。「Yahoo!カーナビ」では、「高速」「一般」などと表示されます。
LINEヤフーグループでは、気候変動にともない激甚化・頻発化する自然災害などに対して、自治体や支援に取り組む各種団体と連携し、発災時に迅速に対応することで被害を最小化できるよう努めてまいります。
災害時にタイムリーな災害情報を、住民の方に伝えることを目指し、各自治体との協定締結を進めています。締結自治体には、運営するウェブサイトのキャッシュサイトを用意し、LINEヤフーのサーバー上に表示させることで、自治体のサーバーにアクセスが集中することを回避でき、災害情報の継続的発信に貢献しています。注意喚起や、災害時の避難所の開設情報など、自治体が伝えたい緊急情報を、「Yahoo! JAPAN」「Yahoo!防災速報」アプリを通して直接配信する機能も提供しています。また、避難場所などを地図に掲載することで、通常時の防災意識の高まりにも寄与しています。
2023年には、47都道府県全てと「災害に係る情報発信等に関する協定(災害協定)」を締結しました。
激甚化する災害に際して、被災者を一人でも減らすために、「Yahoo! JAPANトップページ」とスマートフォン向けの「Yahoo! JAPAN」「Yahoo!防災速報」「Yahoo!天気」の各アプリでは、地震や津波、大雨に関する情報を表示しています。とくに「Yahoo!防災速報」アプリでは、国や自治体と連携し、緊急地震速報や津波情報、大雨危険度、豪雨予報、土砂災害、河川洪水、熱中症情報、火山情報、国民保護情報などあらゆる災害の情報をプッシュ通知でいち早くお届けしています。また、ユーザー同士で現在地における災害やライフラインの状況を共有することで、迅速な避難行動につなげられる機能「災害マップ」も提供しています。
「Yahoo!天気」では、河川の「注意」「警戒」などの情報や、10分ごとの観測所の水位の変化を地図上に分かりやすく表示することで、自主避難を早期に判断できる「河川水位情報」を提供しています。また、ゲリラ豪雨などに役立つ機能として、リアルタイムに雨雲の動きを知らせる「雨雲レーダー」なども提供しています。「雨雲レーダー」には線状降水帯の有無や推移などの発生状況が視覚的にわかる機能も追加しており、線状降水帯がもたらす豪雨への警戒を高め、ユーザーに対して早めの防災行動を促すことを目的に提供しています。
「Yahoo!ネット募金」は、2004年の新潟県中越地震をきっかけにスタートしたオンライン寄付プラットフォームです。国内外の大規模災害の被災地支援、難民支援、子どもの貧困問題、海や森、希少生物の保全活動などさまざまな社会課題に取り組んでいる団体に対して継続的な支援を促すプラットフォームの提供を行っています。
緊急災害対応アライアンス「SEMA」は、民間企業と市民団体(CSO)が連携し、日本国内において災害支援を行うための仕組みです。SEMAは、平時から加盟各社が持つ物資・サービスなどをリストとして集約し、大規模な自然災害の発生時には、このリストをもとに必要な物資・サービスを迅速に提供します。LINEヤフーはその1企業として参加し事務局を担当しています。
また、ソフトバンク株式会社やLINEヤフーグループのアスクル株式会社、株式会社ZOZOもSEMAに加盟しています。
アスクルは、2017 年の物流センター火災の後、物流センターの万全な防災体制の整備に加え、地域における物流センターの在り方を再検討し、"地元の皆様に、安全・安心な物流センターとして信頼いただき、地域に対して貢献していきたい"という想いを新たにし、各物流拠点における自治体との災害時協定を順次、締結しています。アスクルの物流センターは、日用品や食糧などの生活必需品を潤沢に在庫し、また、大量の商品を迅速かつ効率的に提供することができる物流機能も有しています。災害発生時においては行政の要請に応じ、飲料水、トイレットペーパー等の日用品や避難所等向け事務用品等の支援物資をすみやかに提供し、地域の皆様のライフラインの役割を果たしていきます。アスクルは、これからも物流センターの地域貢献に努め、地域との共生を積極的に図ってまいります。
LINEヤフーグループでは、防災・減災サービスを拡充し、自然災害の被害を最小化できるよう努めてまいります。
防災知識をわかりやすく伝え、一人でも多くのユーザーが命を守る知識を身につけられることを目的として、気象庁と連携してインフォグラフィック※による防災情報などの普及啓発の取り組みを行っています。気象庁の監修のもと作成した防災情報のインフォグラフィックを「Yahoo!ニュース」で掲載し、より適切な情報を、よりタイムリーに届けることを目指します。
※データや情報などを図やイラストを用いてわかりやすく表現すること
「Yahoo!防災速報」(iOS版、Android版)および「Yahoo!天気・災害」(ブラウザー版)では、事前にかんたんな情報入力でユーザーに合った防災行動を確認できる「防災タイムライン」で、地震・津波に備える機能を全国で提供開始しました。「防災タイムライン」は、"災害からの逃げ遅れ"を防ぐことを目的に、災害警戒時における防災行動開始のタイミングとともにプッシュ通知が届く機能です。
コミュニケーションアプリ「LINE」は、東日本大震災の際に多くの人が、家族や知人に電話がつながらずメールも届かない経験をしたことから、「大切な人と連絡を取ることができる手段が必要だ」という想いのもと2011年6月に誕生しました。災害などの緊急時にユーザーの皆様に活用いただけるさまざまな機能を備えているほか、自治体などにおいても災害対応時のツールとして活用いただいています。
「エールマーケット」は、東日本大震災後の2011年12月に「復興デパートメント」としてスタートしました。「大切な人を災害から守りたい」「被災地の復興を応援したい」というエールを届けられる「お買い物メディア」として展開しています。
LINEヤフーグループでは、持続可能な社会の実現に向けて、省資源型でより廃棄物を少なくした循環型社会の構築を目指し、サービスの特性を活かしながら課題解決への取り組みを進めてまいります。
低炭素商品、サービスへの取り組みとしてLINEヤフーはリサイクル消費による循環型社会の実現に向けeコマースのリユース事業において「Yahoo!オークション」「Yahoo!フリマ」を提供しています。物品が再利用されることによって、新たな資源が消費されることを抑制し、物品の製造に関わるCO2排出をなくし、また、廃棄物の排出も抑制されます。それぞれのプラットフォームでは、チャリティ企画、社会貢献にも力を入れています。
また、2023年には、一般社団法人 日本リユース業協会に加盟しました。これにより、LINEヤフーが運営する「Yahoo!オークション」「Yahoo!フリマ」にて、これまで以上に環境への負荷の低減された社会を目指す循環型社会の構築に向けた取り組みを強化していきます。
インターネット上で個人間のモノの売買を可能にした「Yahoo!オークション」は、1999年9月にサービスを開始した日本最大級のネットオークション・フリマアプリです。使わなくなったものを必要としている人に譲り再利用する「リユース」の推進を通じて、循環型社会形成の一助となるよう取り組んでいます。
個人が固定価格で手軽に取引できる「Yahoo!フリマ」は、2019年10月にサービスを開始したフリマに特化したアプリです。オークション取引ができる「Yahoo!オークション」とも連携し、サステナブルな二次流通事業をさらに成長させるよう取り組んでいます。
アスクルでは、商品を選択する際に役に立つ、環境に配慮した環境視点でオリジナル商品の環境対応を行っています。また、サプライチェーンを資源循環型プラットフォームとして進化させ、廃棄物の削減、限りある資源の有効活用に努めます。
アスクルでは、持続可能な社会の実現に向けた活動指針として「サステナビリティ基本方針」および「マテリアリティ(重点課題)」を策定するとともに、「商品とサービスを通じた新たな価値の創出」の取り組みとして「オリジナル商品の環境対応」を掲げています。提供するオリジナル商品が環境にどのくらい配慮しているかを可視化することで、お客様が商品を選ぶ際の参考にしていただきたいと考え、2022年10月、独自の「アスクル商品環境基準」を策定しました。
オリジナル商品ごとの環境配慮度合いを「環境基準」に基づき「環境スコア」として点数化しています。お客様は、商品を購入の際、この「環境スコア」を参考情報として、環境に配慮した商品の選定や類似商品同士の環境視点での比較が可能となります。
アスクルは、2018年8月7日、環境省が推進する「エコ・ファースト制度」において、「エコ・ファースト企業」としての認定を取得しました。環境大臣に提出した4つの約束を実現するために環境への取り組みを推進していきます。
アスクルは、創業以来、毎年カタログを制作してお客様にお届けしています。役目を終えた古いカタログも回収し、古紙回収業者に買い取ってもらい、廃棄するのではなく資源として活用してもらっていました。しかし、「その先」についても責任を持とう、原材料に戻し再び商品にできないかと考えました。そこで国外に持ち出さず、国内で資源として循環させ、商品としてまたお客様に選んでいただけるよう挑戦してみようと思い、できた商品がCome bag(カムバッグ)です。
2023年2月には、アスクルオリジナル紙袋の端材を使って生まれたCome bag(カムバッグ)第三弾も発売し、異素材バージョンのラインナップが加わることにより取組みの輪も広がっています。
「植えて、育てて、収穫する」
アスクルのインドネシア製コピー用紙A4 5,000枚には原材料となるアカシヤやユーカリの木が1本必要です。そこで、インドネシア生産のアスクルオリジナルコピー用紙を1箱ご購入の場合、お客様の購入代金の一部が消費された原材料以上である、2本の産業植林につながり、それらが持続可能な原材料になりえることを確認する取り組みを2010年8月から行っています。
アスクルでは、コピー用紙、封筒やノート、家具など、森林資源から作られたさまざまな製品を取り扱っています。原材料となる森林の劣化や森林面積の減少を防ぎ、持続可能な森林の利用を推進するための仕組みの一つ※「森林認証制度」があります。ラベリングした木材・木材製品の流通のために、流通に関わる者は消費者の手元に届くまでの各段階において、認証された森林からの木材・木材製品をそれ以外のものとは区別して取り扱う体制になっていることを認証されること(Chain of Custody認証:CoC認証)が必要です。お客様は、このラベルのついた木材関連製品をご購入することによって、持続可能な森林の利用を支援することができる仕組みになっています。
※森林認証制度は、独立した第三者機関が環境・経済・社会の3つの側面から一定の基準をもとに適切な森林経営が行われている森林または経営組織などを認証し、その森林から生産された木材・木材製品にラベルを付けて流通させる仕組みです。
アスクルでは、カタログ、ダンボール、使用済みトナーカートリッジ、使用済みラベルライターテープカートリッジを無料にて回収させていただき、リサイクル資源として有効に活用します。
2016年11月のサービス開始時より、不要になった洋服を簡単に発送できるように、オリジナルの買取キット「リユースバッグ」を使用しています。ダンボールやガムテープなどの梱包資材を使用せずに発送ができるように不織布製ファスナー付きバッグになっています。クリーニングすることで再利用が可能のため、現在ではリユースバッグの約94%を再利用できています。お客様の利便性向上とともに、限られた資源利用効率を高めることで資源消費を抑えられています。
ZOZOTOWNでは、二次流通で衣料品を循環させることや配送資材の軽量化など、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいます。
ユーザーが過去にZOZOTOWNで購入したアイテムを下取りして、注文時に割引価格で購入できる「買い替え割」サービスを展開しています。昨今、ファッション業界における大量廃棄が課題となっていますが、このサービスでは、下取りしたアイテムをZOZOTOWNのブランド古着ゾーン「ZOZOUSED」内で販売することによって、衣料品が循環する仕組みになっています。