「日本一のプロダクトづくりや新しい体験の創出を」ID連携担当者の思い|LINEヤフー株式会社

「日本一のプロダクトづくりや新しい体験の創出を」ID連携担当者の思い

インタビュー

LINEヤフーでは、さまざまな社員が働いています。「WHY? LINEヤフー」シリーズでは、社員が現在取り組んでいることや働く上で大切にしていることなどを聞き、その仕事内容や思いを通じて、LINEヤフーで働く魅力をお伝えしていきます。
3人目として登場するのは、新卒でヤフー入社以来、一貫してYahoo! JAPAN IDに関わり続けてきた伊藤です。LINEとのID連携の実現には大変な道のりがあったそうです。
なぜID連携が必要で、どうやって壁を乗りこえたのか。働く上で大切にしていることや今後の展望など、さまざまな話を聞きました。

伊藤 雄哉(いとう ゆうや)
LY会員サービス統括本部 ID本部 本部長
2009年に新卒でヤフーに入社、システム統括本部にてエンジニアとして従事。その後、ID部門に異動しエンジニアからプロジェクトマネージャーに。新卒から十数年間「Yahoo! JAPAN ID」に関するプロダクトに携わっている。

ID連携が必要だった理由と、実現までの道のり

――ID連携が必要だった理由、ユーザーのメリットについて教えてください

LINEとヤフーは、2019年11月に経営統合の発表を行い、2021 年3月には経営統合を果たし、2023年10月には合併して一つの会社になりました。両社のシナジーを拡大するため、わたしたちは、プロダクトファーストの組織体制に移行してきましたが、ID連携はユーザーの利便性を追求するうえでとても重要な施策です。
ID連携によって、たとえば、Yahoo!カレンダーに登録した予定をLINEの友だちに共有できるほか、Yahoo!ショッピングのお買い物時にPayPayで支払うと毎日5%のPayPayポイントが貯まったり、LINEで通知を受け取れるようになりました。
さらに昨年12月には、LYPプレミアムという会員サービスもリリースし、1,200万種類以上のLINEスタンプが使い放題になったり、LINEでアルバムに動画や写真をオリジナル画質のまま保存・共有できるといった特典をスタートし、かなり好評いただいています。今後も、LINEヤフーの各サービスをより便利に、よりお得に楽しんでいただける施策を提供していきます。

LYPプレミアム

――ID連携開始はどのような過程を経てリリースされたのでしょうか

経営統合の発表後、プロジェクトを進めていたのですが、何度も解決すべき課題が出てきて難航しました。二転三転どころではない困難な道のりがあったのです。
リクワイアメント(必要条件)がどんどん変わっていくなかで、2022年5月、やっとリリースが見えてきたところで、今度は両社が合併することになり、今まで考えていた法的な整理をすべて変えることになりました。ここからさらに大きく仕組みが変わり、新しい仕組みを開発して、ようやく2023年10月のリリースにたどり着いたのがざっくりとした全体の流れです。

※LINEヤフーが設置する「ユーザー目線を踏まえたプライバシーに関する有識者会議」で、ID連携に関する説明や方法について、さまざまな分野の有識者の意見を取り入れ、公正性、客観性を確保しながら検討を重ねて実現した。

LINEヤフー プライバシーポリシー

アカウント連携のヘルプページ

――連携施策を進めていく中で一番大変だったことはなんですか

一番は延期して状況が変わることで、つくるものを変える大変さがありました。
しかし、「LINEアカウント」と「Yahoo! JAPAN ID」のチームには、これまでもいろいろな会社の事情に左右されながらも臨機応変に対応してきたメンバーが多かったので、チーム一丸となって粘り強く取り組むことでリリースできたと感じています。

チームの目線を合わせるための工夫

――チームで粘り強く続けていくために取り組んでいたことはありますか

都度そのタイミングで、「なぜそうなったのか」をちゃんと理解し、納得して腹落ちすることが重要だと考えています。あとは「続けていくんだ」というモチベーションと、ID連携の価値を再確認することだと思います。どんな経緯でこういう状況になったのか、きちんと説明して理解することと、ID連携が実現したらお互いの武器を使い合うことができて、さらにより良いものが提供でき、より良いビジネス的成功が生まれる可能性がある。「だからがんばりましょう」という再確認を都度やっていました。

――LINEとヤフーの混成チームで進行するにあたり、工夫したことや意識していたことを教えてください

まず個人的に意識していたことは「お互いを尊重して納得してから進めていく」ということです。そのためには例えばお互いが開発プロダクトに対してどういったポリシー持っているかとか、どういった用語を扱っているのかとか、言葉の擦り合わせを明示的に確認していました。両社にある略語や、一般的な用語であっても全く違う扱いをしていたりするので、そのあたりを擦り合わせたり。あとは普段の仕事をどう進めているのかを聞いたりもしました。その上でぶつかる点はあるので、そこは話し合いをして折り合いをつけていました。

――両社の擦り合わせは具体的にどのように行っていましたか

合宿を行うこともあれば、普段の業務の中で擦り合わせることもありました。用語の擦り合わせの話で言うと、プロジェクト進行の上で「このタイミングで擦り合わせるとお互いにいいはずだから一緒にやりましょう」という機会をつくったりしていました。
合宿ではプロジェクトメンバーが集まり、対面で集中して深いディスカッションをするというのが第一の目的です。また業務上関わりが深い人たちは対面で会うとそれ以降のコミュニケーションが取りやすくなるので、そのきっかけにすることを第二の目的として行っていました。
合併前から合宿などもやっていたので、そういう意味だと合併はあまり意識していないです。それまでも経営統合しているので、一緒に仕事をしている仲間に変わりはなく、変わったのはビジネス上と組織上のスキームくらいで。実は合併で大きな変化は個人的にはなかったと感じています。

――合併してよかったなと思う瞬間はどんな時でしたか

合併してお互いができることやビジネスの可能性が広がったというのは、さまざまな検討をする中でも実感しています。あとは個人的な話ですが、合併に至ったことで転職せずに転職した気分でいられるのがおもしろいなと思いますね。既存の業務はありつつも、模索しながら何か新しいことをやっていこうとしているのがすごくおもしろいです。

仕事を進める上で大切にしていること

――仕事をする上で大切にしていることはありますか

仕事で成果を出していくという観点では「責任を持つこと」と「徹底すること」は、今までの経験の中で重要だなと思っていることです。
たとえば、「だいたいうまくいくだろう」で進めてしまったことが、あとでとんでもないことになってしまった経験があります。「大変かもしれないけれど、もっと考えてもう少し手を打っていれば防げたのに」ということがこれまでに何回もありました。そういったところの反省として、「やりきっておけばそんなことにならなかっただろうな」と。

合併してからは「全員が一緒のチームであると意識すること」を大切に取り組んでいます。お互いの違いはありますが、「合併したので別の会社では絶対にないよ」というのはメンバーにも伝えています。プロジェクトを進行するにあたり、折り合わないポイントもありますが、そこを話すときにもどちらかに立ち過ぎないで話すことは意識していますし、進行する中で「LINEが~」とか「ヤフーが~」という表現を使わない。言葉の影響はすごく大きいと思っていますので、そこは今も意識してやっていますね。

お互い異なることがあったとしても、「LINEヤフーの視点に立ったら何が一番いいの?」ということだけだと思います。結局、「旧ヤフーのプロダクトを伸ばすことがLINEヤフーのためなのか、旧LINEのプロダクトを伸ばすことがLINEヤフーのためなのか、それとも新しいものをつくったほうがいいのか」と。そこは両者の視点に立って話す、意識することが大切だと思っています。
やりきれているかというと、旧LINEのことを把握しきれているわけではなく、まだ勉強しないといけないなと思うことも多いのですが、そこは知ろうとして、できる範囲で聞きつつ判断する努力をしているつもりです。

――最後に今後の意気込みをお願いします

ID連携が始まってまだ数カ月ですが、現在のID連携数2,300万をベースに、これからさまざまな施策をやって新しい価値を生み出すための努力をしていきたいなと思います。

多くのユーザーを抱える2つの会社のID連携を実現できたので、そのアセットは大きな強みだと思っています。
個人的には、今後、両IDプロダクトを連携させていき、コンシューマ向けのIDとして日本一のプロダクト、日本一の組織を目指し、そして、新しいユーザー体験を創出していきたいです。

取材日:2024年2月7日
※本記事の内容は取材日時点のものです。LINEヤフー株式会社の社内広報に掲載した記事を一部修正し再掲載しています。

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