やきいもブギウギ│月刊LOGOS│ロゴス:LOGOS
やきいもブギウギ

VOL.159

やきいもブギウギ

さぁ、2024年。そのはじまりはごきげんでしょうか? YESな人もそうでない方も、月刊LOGOS読書中のひと時だけでも、ブギウギしちゃってください。某国民的朝の連続ドラマの登場人物のひとりは、「芸は身を助けるし、人生楽しなる!」と関西弁で語っておりましたが、今月の表紙的1枚を飾ってくれたのは元ダンス部所属の18歳。まさに「芸は人生楽しなる!」をふたりで表現してくれました。注目は彼女たちが手にしているもの。やきいもです。新年1発目の月刊LOGOSは、冬の王様・やきいもを3ステップでブギウギします!

撮影/関暁
取材・文/唐澤和也(Punch Line Production)
アートディレクション/ナカムラグラフ
Webデザイン/BONITO(Rhino inc.)

やきいもブギウギ

『やきいもブギウギ』企画を思いついたまさにそのタイミングで、このイベントの存在を知りました。ずばり『やきいもフェス』。

やきいも&フェスだなんて、これはもう、Enjoy好きな月刊LOGOSとしては行くしかないないでしょう! 昨年11月21日の水曜日、東京の中野四季の森公園イベント広場へ。

さすがは第4次やきいもブームとも言われる令和のいま、平日なのにこの大人気です。集まった人のお目当てはといえば……。

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各種やきいも! みかさん(写真中央)とお友達は、なんと3個目に挑戦中。やきいもフェスは、東京、大阪、福岡の3都市で開催される人気イベントで、東京会場には関東地区だけでなく、全国から〝やきいもにこだわり有〟なお店が大集合していました。

まずは、みかさんおすすめの「壺焼きいもブリュレスムージー」。飲むやきいもという発想が新しい。トッピングはとろとろに焼き上げられた蜜芋というぜいたくさ。1200円。

続いて「超熟成! カリホクさつまいもスティック」。カリカリではなくカリホクのネーミングが絶妙でした。カリっとしてるけどやわらかい。800円。

牛乳をたっぷり使用してコンソメで味付けした「やきいものチャウダー」。甘さひかえ目なのが、編集部的には◎でした。600円。

「おとなの大学芋3種食べ比べ」。スタンダードなクラシック、香ばしい黒ごまきなこ、独特な食感のキャラメルナッツの3つの味が楽しめます。1200円。

シンプルなやきいも「産地直送! 熟成紅はるか&シルクスイーツ」。各種の品評会で上位入賞をはたしている「干し芋農園 川上」から直送のさつまいもを丁寧に焼きあげている逸品。800円。

いやはや、やきいもの奥深さを堪能できたイベントでした。東京と大阪の開催は、すでに終了してしまったので次回の開催を心待ちにしていただくとして、福岡&お近くの方に朗報です。「やきいもフェスFUKUOKA」が、1月24日〜28日に開催決定。今回紹介した5つのやきいもも出店予定(「壺焼きいもブリュレスムージー」はブリュレのみ)ですよ。

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こちらのやきいもオブジェが気になる専門店は東京・豪徳寺にあります。

でもなぜ、ブギウギ2のタイトルが「専門店の〝師匠〟を訪ねて」なのか。6年前のことでした。

やきいもがとっても大切なある撮影で月刊LOGOSがお世話になっていたからなのです。

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その大切な一枚が、こちらの〝やきいもで乾杯〟写真です。2018年の「ストーブ列車と津軽の旅。」でのこと。地吹雪体験をさせてもらいつつ、やきいもを作ってみたかったのですが、ツアーの進行を考えると時間がなく東京からやきいもを持参。極寒のなかであたため直して乾杯したのでした。その時のあまりのおいしさが忘れられず、6年ぶりに師匠を訪ねたというわけなのです。昨年末の11月上旬のことでした。

お店の名は、「焼き芋専門店 ふじ」。店長、いや、師匠の上原さんは、月刊LOGOSのことを覚えていてくれていました(感動!)。

さっそく、師匠に相談です。
アウトドアで、やきいもを焼いてみたい。
やきいもが大好きな18歳にも
喜んでもらえるよう、おいしく焼きたい。
どうすればいいんでしょう?

師匠は、ひとことで答えてくれました。

「簡単です」

なんと心強いお言葉。以下、読者のみなさまにも参考になるよう、おいしくやきいもを焼くコツは大きな文字でお届けします。

①秋より冬のさつまいものほうが甘い!

いきなり意外でした。でも、その理由には納得です。秋に収穫されたばかりのさつまいもよりも収穫後に貯蔵・熟成されたもののほうが甘みが増すとのこと。編集部が焼いてみる予定は12月中旬。冬です。18歳は甘いほうが好きなはず。朗報です。

もちろん、甘いほうが好きか否かは好みの問題。秋のやきいもには秋ならではの魅力があって、師匠のお店を訪れる人でも「ホクホクした秋のやきいもが好き」という方も多いとのこと。

そして、師匠のお店では生芋の販売もOK。12月中旬の撮影時のさつまいもをお願いすることに決定です。

ではでは、12月中旬設定で、18歳たちが喜びそうな品種はどんなものがありそうでしょう?

②ホクホク系かねっとり系か。それが問題だ。

師匠いわく、2023年はあたたかい日が続いたので、12月中旬にどのような品種が食べ頃かはまだわからないとのこと。ふむふむ。ならば、品種は未定でホクホク系とねっとり系をそれぞれ用意することだけ決定です。

ちなみに、撮影のために再度訪れた11月中旬のラインアップは、こんな感じでした。

ホクホク系。白と灰色が混ざったかのような不思議な色をしたさつまいも。2023年の新作にして希少種。

ホクホク系。石川県金沢市の五郎島地区で古くから作られている加賀野菜の名品。ホクホク&しっとりしていてとても甘い。

ねっとり系。とても甘い。撮影時の一番人気。カロチンが一般的なさつまいもの約1000倍含まれており、美肌効果も。

ねっとり系。強い甘さの紫芋。同系統の「パープルスイートロード」よりも紫色が濃く、食味も◎。糖度は「紅はるか」並。

ねっとり系。安納芋に比べて白っぽく、高い甘みがある。テレビ番組で紹介されて人気となり、幻の安納芋と呼ばれることも。

品種に続いて気になるのは、やっぱり焼き方。師匠が簡単明瞭に教えてくれました。大きい文字を連発して紹介します。

③160〜200℃で45分〜1時間、焼くべし。

ふむふむ。でも、焼き上がりはどうすればわかるのでしょう?

④竹串を刺してス〜ッと入れば焼き上がり。

なるほど、簡単です。最後に、そのほかの注意事項はありますか?

⑤やきいもに失敗なし。

最後まで心強いお言葉。師匠いわく、もしアルミホイル的なもので包んで中身が見えない状態で焼いたとしても、アルミホイルを開いて確認したって味は落ちないと。ごはんを炊く時の通説のように「赤子泣いても蓋とるな」ではないと。だから、「とにかく自由に楽しんでくださいね」と編集部を応援してくれたのでした。

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というわけで、昨年末の12月10日日曜日。都内某所にてやきいもを焼いてみました。

ブギウギ02の師匠から学んだ5つの教えをベースとしながらも「とにかく自由に」が合言葉です。

ブギウギ01の「やきいもフェス」で学んだエッセンスも取り入れちゃったりなんかして。いざ、焼いちゃいます。

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選手宣誓的にさつまいもで「本日焼きまくりまーす」「そして食べまくりまーす」と誓ってくれた18歳は、春陽ちゃん(写真左)となみこちゃん(同右)。同じ高校のダンス部で知り合ったんだって。

師匠を訪ねてから約1ヶ月。撮影の前日にさつまいも5種を相談してセレクトしてきました。写真左上のぽっこりしたものから時計回りに「安納芋」「?」「ふくむらさき」「五郎島金時」「?」。ん? 「?」が2つってどういうことなのでしょう。ミステリアスな展開ですが、乞うご期待!

さぁて、焼いちゃいましょうか。気合十分のふたりが着用しているのは「サーモアヘビーフーディ(Family)」。寒い季節があたたかい、軽量性と保温性を兼ね備えたダウンです。

リメンバー師匠の教えです。

③160〜200℃で45分〜1時間、焼くべし。

でもですね、読者の皆様のなかには「どうすれば200℃とかの温度がわかるのよ?」と疑問だった人もいたはず。ふふふ。こちらのアイテムなら大丈夫。「LOGOS THE KAMADO EMiwa コンプリート」は温度計付き。今回はあえてのロースタイルで200℃にあたためます。

ふたりに焼いてもらったのは、「五郎島金時」(なみこ担当)と「鳴門金時」(春陽担当)。「五郎島金時」は02で紹介済ですが、「鳴門金時」はしっかりとした食感と上品な甘さで、とくに関西では定番の品種なのだそう。ともにホクホク系代表の品種。

KAMADOの部は、45分後にタイマーセット。
同時進行で、「とにかく自由に」焼いちゃおうと思ったのが……。

やきいもといえばこれでしょう! 屋台のやきいも屋さんに憧れて、ダッチオーブンに、石をしいてみました。

グリルは「LOGOS the ピラミッドTAKIBI L コンプリート」をチョイス。重たいダッチオーブンでも余裕で直置き可能なゴトクを標準装備。アウトドア石やきいものベストコンビです。

チョイスしたのは、「ふくむらさき」(写真上)と「安納芋」(同下)。ねっとり系の2品種ですが、「安納芋」は甘くてしっとりした食感が人気。

ダッチオーブンの部も45分後にタイマーをセット。KAMADOの部と同時進行です。KAMADOの部は、遮温カバーをして200℃をキープし続けます。

ところで、気づきましたか?

この2つのアイテムでは、アルミホイル的なものでのくるくるなし&濡らした新聞紙で巻くのもなし。濡らした新聞紙を巻くことでやきいもがおいしくなるとの説もあるようですが、今回は不採用。アルミホイル的なものも「高温の熱源が近すぎて焦げるリスクがなければ必要なし」という師匠の教えを守りました。

さてさて、どうなることやら?

おしゃべりしていれば18歳の45分間なんてあっという間。ちなみに、彼女たちが気合十分のダウンを脱いじゃったのは、この日が12月とは思えぬほどにあたたかだったから。代わりに「Tradcanvas ゆらゆらハンモックチェア」がお似合いの日曜日でした。

はい、あっという間の45分後です。焼き上がったのでしょうか? リメンバー、師匠の教えです。

④竹串を刺してス〜ッと入れば焼き上がり。

ス〜ッとは刺さらず、ちょっと引っかかったので15分間の延長です。即、遮温カバーを閉じて高温をキープです。

そして、延長15分後のトータル60分後。

焼けました!!!

KAMADOの部は、「五郎島金時」と「鳴門金時」のホクホク系代表2品種。ふたりの感想です。

「五郎島金時、おいしいです!」(春陽)
「五郎、おいしい!」(なみこ)
「五郎島金時、甘いです。でも甘すぎない。ちょうどいい甘さです」(春陽)
「五郎、皮もおいしい!」(なみこ)

もしも、トーナメントだったのなら、なみこちゃんいわくの五郎こと「五郎島金時」の圧勝でした。

さらに、ふたりは味変で塩を加えたバージョンもEnjoy! まずは、シンプルにやきいもを。そして、自由に味変を。このイズムこそ、多種多様なやきいもと出会えた01の「やきいもフェス」で学んだ楽しみ方でして、撮影前にふたりと一緒にあれこれ買い物してきたのでした。

そして、やきいもGOES ONです。65分後のダッチオーブンの部。蓋をあけた瞬間に甘い香りが! ふたりは竹串を刺すことが楽しくなりすぎて若干刺しすぎの感はありますが、焼けました。

石がゴトクの役割をしてくれたのでしょうか。焦げ付きもなく、ちょうどいい感じの焼き上がり!

ダッチオーブンの部は、「ふくむらさき」と「安納芋」のねっとり系2品種。ふたりの感想です。先ほどの暫定王者「五郎島金時」とどちらがお好みがジャッジもお願いします。

「安納芋、きれいでおいしい。蜜を食べているよう。……でも五郎島金時!」(春陽)
「ふくむらさき、甘くておいしい。やきいもというより、もはやスナック菓子みたいです。でも、五郎!」(なみこ)

というわけで、「五郎島金時」が暫定王者の座を守り抜きました。

そして、18歳の底力を見たのが、味変タイム。

甘いもの(安納芋)&甘いもの(アイス)の最強コンボ。でも、ふたりは幸せそうに「おいしぃー!」とハモっておりました。

いやぁ、「18歳と焼いてみた。」のブギウギも絶好調です。師匠が言うように「やきいもに失敗なし」なのでしょうか。

いやいや、まだまだ油断大敵です。なぜなら、最大の挑戦=たき火の部が残っているから。

たき火の部その1は、「LOGOS the ピラミッドTAKIBI L コンプリート」を使って。一般的なアルミホイルだと燃えてしまうリスクがあるようなので「BBQお掃除楽ちんシート(極厚)」をチョイス。アルミホイルよりかなり厚手なので高温でも燃えたり溶けたりしなくて、いい感じ。たき火の部でも、濡れた新聞紙は採用せず(巻かず)にトライです。

たき火の部その2は「コンパクトハイカロリーTAKIBI」を使って。編集長のごり推しでプラスを。たき火オンリーで、やきいもを焼いたことのないアイテムだと思うのですが、いけると思うんですよね。薪ではなくダッチチャコールで実験。

⑥やきいもとは待つこととみつけたり

あ、師匠の教えじゃないのに大きな文字でお届けしてしまいました。たいしてうまいこと言えていない句を読みながら、待つこと再びの60分。

「鳴門金時」が美味なる香りとともに焼きあがりました。個人的には、けっこうな達成感が。みなさーん、「コンパクトハイカロリーTAKIBI」でも、やきいもが焼けちゃいますよ!

でもでも、本番はこちら。濡れた新聞紙は採用せず(巻かず)に、たき火でおいしくやきいもは焼けるのか?

焼けました!

あ、うれしくてまたしても文字を大きくしてしまいましたが、香りと見た目はバッチリです。気になる味のほうはいかがでしょう? 写真一番上から時計回りに「五郎島金時」「?」「?」。

ん? 品種が「?」ってどういうことって思いましたよね。僕(編集長)も思いましたもん。ちょっとパニックでしたもん。なぜなら、冒頭でミステリアスな展開と紹介した「紅はるか」と「鳴門金時」の形状がそっくりで、どっかのタイミングで混ざっちゃったから。

でもですね、「紅はるか」はねっとり系で、「鳴門金時」はホクホク系。しかも、「鳴門金時」はKAMADOの部などで試食済。ということは、ふたりにとってはじめての味が「紅はるか」です。

18歳の味覚よ、ダメダメ編集長を救っておくれ!

ふたりの感想です。

「あ、すぐわかりました! 私が食べているほうが紅はるかですね。おいしい! 五郎島金時と同じぐらいおいしいです」(春陽)
「あ、本当だ、すぐわかりました。私が食べているほうが、鳴門金時ですね。ホクホクしていて、おいしい。塩をかけたくなる。関係ないですけど、あの岩塩もおいしい(笑)」(なみこ)

ありがとう、18歳の味覚。春陽ちゃんがメイプルシロップで味変しているほうが「紅はるか」だったのでした。11月の師匠の店にはなかった品種で、ねっとりとした食感に強烈な甘みが特徴。ほかのさつまいもよりも〝はるかに〟おいしいというのが名前の由来なのだとか。

というわけで、18歳の味覚に本当に感謝しながらも、彼女たちのお好みテイストの品種、トップ2の発表です。はたして、「五郎島金時」は王者の座を守り抜くことができるのでしょうか?

第2位「紅はるか」!

第1位「五郎島金時」!

いかがでしたか、「やきいもブギウギ」。
時にホクホク、時にねっとり、いつだって甘くてあたたかいやきいもは、やっぱり冬の王様だったのでした。ぜひぜひ、お好みの焼き方でブギウギしていただけたら幸いです。

そして、2024年の月刊LOGOS。
創刊以来大切にしてきた「Enjoy Outing!」の名のもとに、さまざまなアクティビティや旅の出会いをお届けしますので、本年もよろしくお願いいたします。

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