VOL.120

笑う旅には福来たる

2021.01.15

遅ればせながら、あけましておめでとうございます！　昨年はなにかと我慢の年でしたが、2021年こそは、おもいっきりEnjoy Outing! できるように、勝手にみなさんを代表して神頼みをしてまいりました！　そして、お正月らしくLOGOS LANDでおせちづくりも。そんな京都旅の様子を、どうぞ！

撮影 / 関暁　取材・文 / 竹内順平（BambooCut）

01七福神を巡ってみた Seven Happy God

お正月の神様と言えば、みなさんご存知の、福よ来い来い「七福神」！　今回、京都にある日本最古の「都七福神めぐり」へ行ってきました！　せっかくなので一緒にめぐっている気分になっていただけたらと思います。ちなみに、あなたは七福神すべての神様の名前、言えますか？？？？？？？

さぁ、これから丸一日かけてぶらり七福神めぐりです。午前８時、京都市内のホテルを出発し、電車で「萬福寺」へと向かいます。

約30分で黄檗駅に到着。駅から歩くこと5分で萬福寺の入り口へ。全景図を見ておもわず「広すぎでしょ！」と叫びました。

萬福寺の贅沢な広さと美しい建築物、空気。どれをとっても「有り難さ」を感じます。早速、布袋尊様が鎮座されている奥へ進みます。

いらっしゃいました！　布袋尊様は七福神のなかで唯一、実在の人物と言われていて、夫婦円満、子宝の神として信仰があついです。

「福」と大きく書かれた絵馬。布袋尊様の持っている袋の中身は宝物で、布袋尊様が信仰する人々に与えます。堪忍袋であるとも言われています。

レトロで可愛らしい写真の電車は叡山電鉄、通称「えいでん」。次は電車を乗り継ぎ一番北にある赤山禅院に向かいます。

カラフルな幟（のぼり）が都七福神の目印です。七箇所にあるので、歩いているとき不安になったら、この幟を探してください。

とても自然が豊かで気持ちのよい道のりを歩き、２箇所目の「赤山禅院」に到着。ここには福禄寿様がいらっしゃいます。

おでこが長い福禄寿様は年齢が千歳といわれていて、長寿、招徳人望の神様とされています。それにしてもおでこ長すぎです！

まるでマトリョーシカのような福禄寿様は「お姿みくじ」。僕も購入し、なんと「大吉」でした！　こりゃ今年はいいことあるぞ！

それぞれの神様に「ナーマク　サーマンダー…」というような言葉があります。これは御真言といい、３回唱えると願いが叶います。

さぁ、次は「妙円寺」へ。徒歩移動が可能な距離ですが、４回もタクシーが横を通り、誘惑と戦いながらも、20分ほど歩いて到着。

三箇所目は大黒天様です！　打ち出の小槌を持つ、財宝、福徳開運の神様です。ちなみに元はインドの神様だったともいわれています。

撫でて祈願すると災難病魔を排ってくれる、賽銭箱の前に座った「撫牛」という置物があり、妙にかわいくて、ずっと撫でていたくなります。

各所でぜひ御朱印をしてもらってください。都七福神の色紙は通常よりも大きいサイズで迫力があります。さらに毎年柄が変わるそうです。

12時になりました。すこしお腹がへり、近くの洋食屋さんに入るか悩みつつも、バスに乗って四箇所目の「行願寺」に行くことにしました。

バスで約30分。たくさんのお店が並ぶ街中に行願寺はあります。あまり大きな寺ではないので、15分ほどで参拝できます。

ここには寿老人様がいらっしゃいます。寿老「神」ではなく、寿老「人」と書きますが、おじさんではありません。長寿の神様です！！！

行願寺の近所には300年以上の歴史がある老舗「一保堂茶舗」の本店があります。店内には喫茶もあるので、贅沢なお茶が味わえます。

さらに散歩しながら南へと下り、京都河原町駅の手前にある、レトロな昼酒場「京極スタンド」へ。ここでディープなランチを味わいました。

14時45分。30分ほどゆっくりと散歩をしながら「恵美須神社」へ。みなさんお馴染みの、笑顔が絶えない商売繁盛の恵比寿様です！

高さ５mほどでしょうか。鳥居のてっぺんに恵比寿さまの顔と熊手があり、そこへまるで運動会のように、無邪気に銭を投げ入れます！

ちなみに、恵比寿さんはお酒が大好きだとされています。だからビールのイメージキャラクターにもなっているんですね！

あっという間に５つを参拝しました。あと二箇所です。お次は徒歩10分で行くことのできる「六波羅蜜寺」です。

ここには七福神で唯一の女神、弁財天様がいらっしゃいます。弁財天様は知恵財宝、愛嬌縁結びの徳があるといわれています。

「銭洗い」は有名ですよね。全国でも様々な神社で行われています。洗ったお金は使わずに財布にしまい続けることでご利益が。

鴨川です。日本では「八百万の神」と言いますが、具体的な数ではなく、数が多いことを表す「八」にちなんで「たくさんの神」を意味します。

いよいよ最後の神様のもとへバスで向かいます。ここまでくると寂しくなってきました。残すは毘沙門天様のいる「東寺」です。

東寺は創建からおよそ1200年といわれ、1994年に世界遺産として登録されました。修学旅行で行った人も多いのではないでしょうか？

毘沙門天様は、四天王の一仏で、七福神の中で唯一武将の姿をしています。勝負の神や、融通招福の神として信仰されています。

七福神めぐり制覇です！　現代でいうスタンプラリーですが、江戸時代から流行り続けているんです！　これで運気UP間違いなし！

京都旅初日。しっかりと堪能しました。丸一日かけて巡るのもいいですし、二日間かけてじっくりゆっくりめぐるのもおすすめです！

七福神すべて言えるようになりましたか？　大黒天・恵比寿・毘沙門天・弁財天・福禄寿・寿老人・布袋尊です。覚えてくださいね！

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02錦市場で Enjoy Shopping!

京都旅２日目。せっかくのお正月号ですから、LOGOS流のおせちを作っちゃおうと思います！　まずは食材の調達。京都といえば「錦市場」。こんなご時世でも、人の温かさと、熱を感じることができました。やっぱり買い物って、楽しい！

京の台所「錦市場」は400年の歴史があり、390mにもなる商店街です。そしてそこには約120ものお店が並んでいます。

気持ちよく声をかけてくれたのは鶏肉屋「鳥豊」の長谷川さん。京都では肉屋も「鶏肉」と「牛豚肉」でお店が分かれてます。

おせち企画を説明すると、本来は蒸した鴨肉を入れるのが一般的ですが、ちょいとお洒落に合鴨のスモークをおすすめしてくれました。

黒豆や小豆にはじまり、魚の干物、煮付け、練り物、わかめ、昆布などなど、塩干物ならお任せあれ！　「三上商店」の三上さんです。

おせちには欠かせない「かまぼこ」と「数の子」をゲット！　しかし我々は、数の子には塩抜きが必要であることを知らなかったのでした…

せっかくなので京都のお雑煮もつくろう！　ということで白味噌を探しに「あづま屋」さんへ。意外とお味噌専門店って見かけませんよね。

お正月の準備をすることを「事始め」といい、12月13日から白味噌を購入すると、お雑煮用としてお正月らしい包装をしてくれます。

京雑煮は「角が立たず円満に過ごせますように」という思いから丸餅を使います。具材もすべて輪切りや丸のままなのが特徴です。

「島本海苔乾物」さんの看板。最近は新しいお店も増えているとのことですが、老舗が多く、看板を見ているだけでも楽しいです。

出汁文化の京都はお雑煮にもひと手間かけます。粗削りの鰹節と利尻昆布で出汁をとり、最後には別の糸削りした鰹節をかけるのが京風。

「津之喜酒舗」の店主に、熱燗におすすめのお酒を聞くと、「飲むのは室内？野外？　人数は？　それによって変わるよ」と、さすがプロ！

アウトドアであることを考慮し「枡源」という小瓶を選んでくれました。ラベルは伊藤若冲の絵がプリントされているこのお店限定品です。

うまそうな出汁の香りを無視できない！出汁巻の「田中鶏卵」さん。昆布と鰹節でとった出汁をたっぷりと使い、ふわっふわに仕上げます。

ワンポイントアドバイスを頂戴しました！　卵と出汁を混ぜたら茶こしなどで「こす」と筋が無くなり、おいしい出汁巻をつくれるそうです。

「鮮魚木村」さんでエビとイクラを調達。「海って赤だっけ？」そうボケたくなるほど、日本海産の海の幸がぎっしりと並んでいました。

「錦　京野菜　川政」さんでお雑煮用の頭芋や祝大根を調達予定でしたが、残念ながら年末にしか仕入れがなく、今回は他のもので代用！

夢中で買い物をしましたが、それぞれの店で、人と会話し、アドバイスをもらいながら食材を集めるって、これも旅の醍醐味のひとつですね！

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03七つ道具でおせちを作ってみた Seven Lucky Item

さぁ、いよいよおせちづくりです！　LOGOSの七福神ならぬ「七つ道具」を持参し、京都にあるLOGOS LANDへ行ってきました！　「BBQとおせち」ってあまり相性よく感じないと思いますが、実際につくってみると、あらビックリ！　予想よりも見事な出来栄えで、ちょっと興奮したのでありました！

まずは気合いを入れて購入したローストビーフ用の肉！　その重さ、なんと900g！　味付けをしてから10分ほどじっくり焼きます。

活躍したのは「くるくるクッキングリル」！　自動で回ってくれるので楽チン！　お肉は焼いた後、ホイルで包んで1時間寝かせれば完成！

焼きます！　普通ならば茹でたエビですが、今回のおせちはLOGOS流。正解なんてありませんから、思い思いのものを焼いちゃいましょ！

ということで、せっかくの京都なのでハモの蒲焼きも。鰻とはまた違って香ばしさがおいしかったです。オススメです。

丸餅もじっくり焼きます。お正月らしくなってきました！　このときすでにお腹がすいていて、今すぐこのまま食べたいと何度思ったことか。

活躍したのは「LOGOS×SENGOKU ALADDIN ポータブルガスカセットコンロヒバリン」。室内使いにもバッチリです！

焼いた餅は、出汁で煮た大根や芋のなかに入れ、白味噌をときます。京都では三が日の朝食としてお雑煮を食べるのが習慣なのだそうです。

熱燗も同時進行で準備していきます。小瓶のままでもOKですが、今回は粋な感じで徳利に入れて、50～55℃まで温めます。

活躍したのは「仕切おでん土鍋 (木葢付)」。おでんでなくても、真ん中で仕切られているので今回のように２つの調理を同時進行できます！

熱燗で活躍したのは「携帯・アウトドア熱燗セット」。携帯しやすいからといって、くれぐれもオフィスに持っていかないように！

一保堂さんで買ったお茶で「茶スプレッソ」を淹れてみました。渋みがあまりなく、甘みの強いお茶にすることができましたよ！

活躍したのは「見える！エスプレッソメーカー」です。コーヒーはもちろん、紅茶や出汁にも使えるかも!? いろいろとトライしてください！

見様見真似でつくった出汁巻です。強火でつくるほうが良いとのこと。ということは、実はBBQにはもってこいなのです！

活躍したのは「アイアンMYグリルPAN・レクタングラー」。ワンプレート料理に適した製品で、ソロキャンパーにもオススメです。

仕上げに食材を敷き詰めました。伝統的な縁起や験担ぎのものまでは用意できませんでしたが、十分おもむきのある「LOGOS流おせち」の完成です！

御重の代わりは「LOGOS メスキット」。直火調理が可能なので、中身次第では、そのまま温めて食べる新しいカタチのおせちも創作できそう！

おせちもお雑煮もつくる人がへっていると錦市場の人が言っていましたが、あらためてつくるたのしさを知ることができた貴重な体験でした！

七福神めぐりにはじまり、錦市場でのお買い物やLOGOS LANDでのおせちBBQ。新年早々てんこ盛りな内容となりました。2021年もみなさんがキャンプや旅でお腹いっぱいになる一年でありますように。今年もよろしくお願いします！

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04 伊藤若冲との出会い

今回の企画を考えているとき、実はもうひとつ企画案がありました。それは「伊藤若冲を追いかけて（仮）」という書いて字のごとく、伊藤若冲をおいかけながら旅をしていく内容でした。
　なんでそんな企画を思いついたかというと、僕が大好きな画家のひとりに田中一村という人がいまして、あれはたしか高倉健さんが書かれた「南極ペンギン」という本で知ったのがきっかけでした。どうしてもその絵が見たくなり、奄美大島にある「田中一村記念美術館」を目指して旅をしたほどです。
　ぜひ、みなさんに田中一村を見てもらいたいという想いと、そんな「アートが目的の旅」も紹介していきたいと思ったのです。
　そんなとき、伊藤若冲が錦市場の出身で、錦市場の各店のガレージを閉めると若冲の絵が現れ、まるでナイトミュージアムのようになるという話を耳にして興味津々でした。

しかし、やっぱり今回はお正月らしいものにしようと、会議で決まり、「伊藤若冲を追いかけて」は次の機会へとなりました。

　ここまで書いている僕ですが、「伊藤若冲ブーム」が数年前にあったのは知っていながらも、実際に伊藤若冲の絵を見たことがなく、今回の取材で錦市場の商店街のガレージを見ましたが、それだけでは若冲の魅力のすべては理解できなかったというのが正直なところでした。あたりまえですよね。このとき、未熟な企画を出してしまった恥ずかしさと同時に、若冲をもっと知りたいなと純粋に思いました。

この京都旅の取材の後日、2020年はなかなか深呼吸をさせてもらえない慌ただしい年だったので、温泉にでも行こう！とプライベートで箱根に行きました。そして、バス停から宿に向かって歩いている途中、岡田美術館の前で「没後220年　画遊人・若冲」という企画展のポスターが目に飛び込んできたのです。

　さすがに驚きました。ちょっとだけ「（運命かよ）」なんて思ったりなんかしちゃったりして、急遽予定を変更して鑑賞しました。

　一言、お見事でした。

　僕はそんなに絵に詳しくはありません。そんな技術や背景に関しての知識がまるでない僕でも、若冲の絵の迫力と繊細さ、そしてユーモアに触れて、感性を刺激され、見ることができて本当によかったです。

　さらに、奇跡が起きます。年が明けた2021年1月2日の夜。なんと、NHKで「正月時代劇　ライジング伊藤若冲　～天才かく覚醒せり～」というドラマが放送されたのをご存知でしょうか？　

　放送直前に知った僕は「（絶対運命じゃん！　若冲に呼ばれてるんじゃない？）」と、勝手にちょっとどころではない運命を感じてしまったのです。

　そして、のめりこんで番組を見て、もう今一度若冲の絵を見たくなっております。

　前置きが長くなりましたが、結局何が言いたいかというと、「京都旅」は昨年で終わっているのですが、そこで感じたり知ったことが、こうやって他の旅や生活でつながるって、とてもうれしいことだと。これこそ旅の醍醐味だと。次の旅の意欲になるんだと。そんな喜びを身を以て感じたのでありました。

　みなさんもべつにアートでなくとも、一年中、いや、人生そのものが「旅」だと思えるほど、あなたにとって幸せな、刺激的な旅ができる2021年になることを願っております。

　ちなみにこれだけ伊藤若冲をおすすめしていますが、伊藤若冲とおなじく京都出身の円山応挙という画家のかわいい犬が描かれた作品を知ってしまったせいで、僕は今、犬を飼いたくてしかたがない日々を送っています。これもすべては旅のおかげですね。

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