バクテリアの「会話」を探り
ヒトの社会を次のステージへ
微生物は、医療や環境、食品、農業と私たちの生活に深く関わる生き物です。これまでは、pHや温度などの外的な要因によって微生物に何が起こるのかを調べる研究がほとんどでした。一方私たちは、微生物自身の「会話」ともいえる仕組みに着目しています。
研究内容
微生物の一種であるバクテリアの中にも、ある働きについてアクセル役になるものやブレーキ役になるものなどがいて、互いに関わりあっています。またバクテリアには、自身が出す化学物質がある一定量を超えると、突然スイッチが入り、一気に活動を始める「クォーラムセンシング」―いわばバクテリア同士の会話のような仕組みがあります。 私たちは、バクテリアどうしの関わり合いや、会話の仕組みを解明することによって、バイオ技術を進歩させ、人間の生活に活かす研究をしています。
課題
数年前に画期的な機械を導入したのですが、それでも培養できる微生物の種類は、全体の1%未満です。すなわち、開拓されていない微生物資源がまだまだたくさん。これらの存在を解き明かすことが目標であり、課題です。
この研究で、
暮らしはどうなる?
バイオ技術が発展すれば、今までの化石燃料に頼ってきた社会から脱却でき、温室効果ガスで引き起こされる気候変動などの地球規模の問題を解決できます。そうすれば、経済的な社会成長を長期的に持続させることができるのです。
今後の展望
バイオ技術を活用した社会成長(バイオエコノミー)の分野は、2030年までに180兆円という巨大市場に成長するといわれています。効率的な廃水処理や土壌の浄化、燃料生産といった未来の社会の基盤を、微生物が支えることになるかもしれません。
研究の魅力
明らかになっていないことがたくさんあること。地球上に存在する細菌の数は宇宙の星の数よりもはるかに多いですし、人間の体には、体そのものを構成する細胞の数よりも多くの細菌がいるんですよ。微生物の可能性はまだまだ尽きません。
「微生物機能」。
人間の目に見えない微生物が、人間の社会を大きく変え、支える力を持っています。
必須アイテム
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■ 微生物研究室の主役です。研究室には、面白い機能を持つ微生物がたくさんいます。■ 培養器一定の温度を保ち、さまざまな微生物を培養するのに欠かせません。
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■ 培地微生物の生育環境となるもの。微生物が増殖するかどうかは微妙な環境の違いにかかっています。
1日のスケジュール
出勤 出勤は早め。朝のうちにメールや論文のチェックなどを済ませます。 |
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昼食 お昼はおもにお弁当。たまに外食したり、学生と食べたりもします。 |
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就寝 朝方の生活なので、いつも日付が変わる前には寝ています。 |
ライフスタイル
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■ 趣味スポーツ観戦が趣味。家では録画したドラマを観たり、大好きなB'zを聴いたりします。
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■ 子供の頃の夢小学生の頃は、医者になりたかったなあ。今の研究もヘルスケアに関連しているので、つながりを感じます。
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■ 尊敬する人物野球のイチロー選手。愚直に、ストイックに取り組んで3割以上の打率を何十年も達成し続けた実績は、誰にも真似できません!
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■ 性格一途。まずは目の前のことに懸命に取り組むことを大切にしてきました。
もし大学教員ではなかったら
学生の頃に
「しておいてよかった」
「しておけばよかった」
学生の頃に「しておいてよかった」「しておけばよかった」
もし大学教員
ではなかったら
九工大のおすすめポイント
また、北九州という立地もポイントです。アクセスのよい都市部にあり、同時にのどかさも感じられるこの環境は、いいものですよ。
中高生へのメッセージ
この研究に興味がわいたら…
ここに入学
- ● 工学部
- ● 工学4類
(応用化学)
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- ● 情報工学部
- ● 情工2類
(情報・機械・制御) - ● 情工3類
(情報・電子・応用化学・生命科学・マテリアル)
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生物化学系の学部
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