キャンパスで人工衛星を作る!
遠い宇宙を
誰もが手の届くフィールドに
現在の宇宙開発は、国家事業として莫大なお金と時間がつぎ込まれた結果、「失敗できないプロジェクト」になりました。そのためごく一部の人間しか関われず、新たな発想が生まれにくい状況…。もっと宇宙開発に挑戦しやすい環境・技術が必要です。
研究内容
「超小型衛星」の開発と、その利用について研究しています。現在開発されている超小型衛星は、約10cm立方ととても小型。より安く・早く宇宙へ打ち上げるために、自動車や携帯電話のパーツ(!)も利用して少人数で作ります。私の研究室ではそれらを開発・製作するだけでなく、打ち上げ前の試験のやりかたや、打ち上げ後の活用のしかたなど、衛星に関するさまざまな技術開発を行っています。
課題
超小型衛星はそのコンパクトさが魅力!しかし同時に、搭載できるエネルギーやパーツに制限があるということでもあります。その縛りの中でできることを探るのが課題です。また、衛星開発の費用が安くなっている一方で、打ち上げ費用はほとんど変わっていません。超小型衛星をもっともっと活用するには、打ち上げコストの削減も必要なんです。
この研究で、
暮らしはどうなる?
多くの人や企業が宇宙分野に参入できるようになると、新たなアイデアがどんどん生まれて、技術の進歩がスピードアップします。宇宙へ安く、簡単に人やモノを送れるようになれば、資源の問題なども改善され、月や火星を人類の活動の場にすることも現実的になってきますよ。
今後の展望
今までの大きな衛星では難しかったことが可能になります。例えば、同じ超小型衛星を100~1000機打ち上げ、地球を面で覆うとどうなると思いますか?これまでのように衛星が1機だけだと、地球上のある地点の上空を通るのはせいぜい1日に3~4回。それも30~40分ずつという短時間ですから、活用するにも制限があります。対して、たくさんの小型衛星で空を覆うと、比較にならないほどこまめに通信できます。つまり、地表の変化や生物の活動などのデータをより細かく取れるようになるんです。大量に撮った写真をAI(人工知能)が自動で分析すれば、さらに幅広い活用法が考えられます。
もちろん、大型の衛星にしかできないこともありますから、それぞれの得意なことを分業するという使い方がベストですね。
研究の魅力
世界の技術進歩を日々感じながら研究ができるところです。超小型衛星の分野は、ここ20年ほどで劇的に進化しています。私が学生の頃は、自分で作った衛星を打ち上げて宇宙で実験をするなんて、想像もできませんでした!
「宇宙」。
ものづくりの夢と未来が詰まった研究です。
必須アイテム
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■ ノートパソコン同じ物を持っている人が世界中にいるからか、空港で取り違えられたことがあったので、目印にステッカーでリンゴを増やしてみました。
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■ スマホパソコンと同様に、欠かすことのできないアイテムです。
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■ スーツケース出張のおともです。あちこちをたびたび修理しながら、同じものを使い続けています。
1日のスケジュール
海外とテレコン 海外との共同プロジェクトを抱えているので、時差を考慮した時間にビデオミーティングを。 |
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会議 会議や来客対応なども多いですが、学生と接する時間もしっかり確保。 |
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ダンスの練習 ダンスは、主に週末のリフレッシュに。海外出張のときにも、パーティーやイベントなどに出かけるのが楽しみです。 |
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残った仕事・考え事 日中は忙しいので、じっくり考え事をするのは夜の時間。研究のこと、今後のことなど、ひとりで考えます。 |
ライフスタイル
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■ 趣味ダンスです。20年ほど前、フランスで現地の先生にダンスパーティーへ誘われて感動!レッスンに通って、社交ダンスとアルゼンチンタンゴを踊れるようになりました。
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■ 子供の頃の夢考古学者。歴史が好きだったんです。でも中学生のとき、ロケット開発者のフォン・ブラウンをテレビで知って「かっこいい!」と夢中に。彼の実績というよりは生き様に憧れたので、ミーハーだったのかも?
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■ 尊敬する人物キュリー夫人。子どもの頃に伝記を読んで、困難にもめげず努力を続けたことに感動しました。
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海外出張で集めたマグネット類■ 性格めげない性格です。九工大に採用される前には、さまざまなところへ応募しましたが不採用続き…。それでも諦めなかったおかげで今があると思います。
学生の頃に
「しておいてよかった」
「しておけばよかった」
もし大学教員
ではなかったら
九工大のおすすめポイント
中高生へのメッセージ
この研究に
興味がわいたら…
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