滝上町 チーズ工房経営
40歳
東京都出身
月村 良崇さん
家族で滝上町に移住してから11年、チーズ工房「月のチーズ」で日々チーズづくりに励む月村さん。添加物を一切入使わないこだわりのフレッシュチーズは、全国女性誌の「おとりよせ大賞」で準グランプリに輝いた逸品です。
インタビュー動画
Q1移住前の仕事は?
農協勤めを経て、専門商社でチーズづくりを学びました。
もともと畜産や酪農をやりたいと思っていて、まずは現場を知ろうとオホーツクはまなす農協で働き始めました。その後、チーズ製造にシフトチェンジし、東京のチーズ商社で働きながら、流通や店舗マネジメントなどを総合的に学びました。
Q2移住のきっかけは?
移住するなら、小学生の頃から来ていた滝上しかないと。
滝上町に、全国から子供たちが集まる「子どもの村」という施設があるんですが、僕も小学生の頃から参加していました。小学生の頃から酪農家になりたいと思っていたので、長い休みにはほとんど滝上に来て、農家のお手伝いをさせてもらっていました。
Q3移住の経緯は?
移住前につくるチーズや販路も決めていました。
チーズ商社に4年勤めたところで、滝上にいい物件があると紹介されて、退社してチーズ工場を立ち上げることにしました。移住前につくるチーズも販路も決めてきました。もともと知り合いが多いところだったので移住もスムーズでした。
Q4支援制度は利用しましたか?
工場を造るための資金を道から補助してもらいました。
工場を造るための資金が不足していたので、北海道の「地域起業家育成制度」に応募して満額の200万円を補助してもらいました。今はなくなってしまった制度ですが、助かりましたね。
Q5仕事の内容を教えてください。
まちの牛乳でこだわりのフレッシュチーズを製造。
滝上産の牛乳を使って、クリームチーズとフロマージュブランをつくっています。僕と妻にパートさん、計6人で作業しています。うちは完全受注生産なので、クリームで600個、フロマージュで800個くらいを毎日製造します。あとは、新商品としてモッツアレラチーズに取り組んでいるところです。
Q6仕事の楽しさややりがいは?
商品の良さを評価してくれる人の輪が増えること。
うちのチーズはとても扱いが難しいんです。賞味期限も短いし、温度がちょっとでも高くなるとカビが生えてしまうし。それでも、味と品質をきちんと評価してくれる仲卸やバイヤーさんがだんだん増えてくれるのがうれしいですね。
Q71日のスケジュールは?
本物のクリームチーズづくりに、時間がかかります。
早いときには夜中の11時半から仕込みを始めます。クリームチーズの場合、一般的な工場では半日くらいでつくるのが普通ですが、うちは安定剤を一切使わずに、発酵時間を長くしてチーズの力だけで固めていくので、製造にどうしても2日かかってしまうんです。朝8時からは、前の日に仕込んだものをパッキングして製品化するという作業をして出荷して、また仕込みということの繰り返しです。月曜日から金曜日まで、週5回つくるのがマックスですね。
Q8休日はありますか?
日曜日は家族と過ごせるようになってきました。
基本的に日曜日は休みです。以前は日曜日も仕事していたんですが、今はある程度こちらで製造量やスケジュールを決められるようになったので。やっと家族と休日を過ごせるようになりましたが、やっぱり仕事が多いときは休日返上です。
Q9子育ての環境としては?
自然の中でのびのびと育てられる環境がいいですね。
子どもを育てる環境としてはすごくいいと思います。勉強も、今はインターネットで学ぶこともできますし、現に長男はそれでずいぶんレベルアップしました。医療面では多少の不便は感じますが、旭川まで行けばなんとかなりますから。
Q10お子さんの進学については?
町内に高校がないことが、外の世界を見るチャンスに。
僕自身、神奈川から茨城の農業高校へ進学しましたし、妻も陶芸の勉強をするために親元を離れた経験があって。町内の高校も廃校になりますが、外の世界を見るという意味では、旭川と言わず外国へ行ってもいいくらいだと思います。
Q11将来の展望を教えてください。
自慢のチーズでつくるピザの店を展開したい!
クリームチーズとフロマージュブランに加えて、モッツアレラを売り上げの柱にしていきたいですね。それが軌道に乗ったら、次はピザの店を展開することを考えています。フロマージュブランでつくる、フランスの「タルトフランベ」というピザがあるんですが、これが美味しいんです。50代になったら、うちのチーズでつくるフランスピザとイタリアピザの店を出したいんですよ。
Q12移住の先輩として一言!
移住は家族にとって大きな決断ですから、
風土や雰囲気を肌で感じてから決めましょう。
まずは休みを取っていろんな季節に来てみて、そのまちの雰囲気を体験しておくことをおすすめします。僕は小学生の頃から滝上に入り浸っていて、まちのことについてよく理解した上で移住してきたので。移住は大きな決断ですから、その土地の風土や雰囲気を肌で感じた上で決めればいいと思います。こっちへ来たらもう、あとは頑張るしかありませんから。
北海道暮らしのこぼれ話
チーズのパッケージ
美術をやっていた妻がデザインしてくれました。
妻はもともと美術や陶芸をやっていたので、パッケージのデザインをお願いしました。海外のチーズを参考にして僕が出した注文を、彼女のセンスで仕上げてもらって。月のマークも、僕と結婚する前からイラストで描いていたものだったり、そういう縁は面白いなと思いますね。
月村さんに学ぶ!移住のポイント
point01
幼少時から移住先に
馴染みがあった
point02
移住の前に必要な準備を整えていた
point03
将来のビジョンを
しっかり描いている
移住のお役立ち情報
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