自民党・萩生田幹事長代行は、18日のインターネット番組で、日銀の6月の短観(企業短期経済観測調査)で景況観次第では10月に予定している10%の消費増税の延期もあり得るとの考えを示した。また、増税が延期された場合「国民に信を問うことになる」と語った。
自民党・萩生田光一幹事長代行とは?
萩生田 光一(はぎうだ こういち 1963年8月31日 - )は、日本の政治家。自由民主党所属の衆議院議員(5期)、自由民主党幹事長代行(第5代)、千葉科学大学名誉客員教授。
増税延期は萩生田幹事長代行の個人的な見解?
後日、萩生田幹事長代行は「消費増税の先送りもあり得る」という発言は個人的な見解であると述べた。
「消費増税の先送りもあり得る」と発言した自民党の萩生田幹事長代行が、19日になって「私個人の見解だ」と釈明した。萩生田氏は「消費税については今年10月に10%を国民の皆さんにお願いする、この基本方針に私の考えは変わりはない。たまたま日銀の短観を例に出したので、ちょっと話が先鋭的になったかもしれない」と述べた。
増税延期発言に対し、自民党議員からはこんな声が上がった。
加藤総務会長
加藤総務会長は記者会見で「経済の動向を注視していく必要はあるが、リーマンショック級のことがなければ、消費税率を引き上げる基本方針に全く変わりはない」と強調しました。
逢沢一郎代表世話人
自民党谷垣グループの逢沢一郎代表世話人は24日のグループ会合で、消費税増税延期の可能性に触れた萩生田光一幹事長代行に苦言を呈した。「国民に動揺や混乱を与えている。深く考えてから発言しなければならない」と述べた。
二階幹事長
二階氏は会見で萩生田氏の発言について問われ、「彼の個人的な見解だ。幹事長代行だからといって、私に相談や了解があったわけではない」と強調した。
菅官房長官
菅義偉官房長官は18日の記者会見で、消費税増税に関し「リーマン・ショック級の出来事が起こらない限り、10月に10%へ引き上げる予定だ。国会答弁の通り全く変わらない。安倍晋三首相や私が責任を持って答えている」と述べた。
麻生財務大臣は
麻生財務大臣は、萩生田幹事長代行の増税延期発言に対し「迷惑している」と述べた。また、萩生田幹事長代行が「6月の短観次第で・・・」と発言したことに対し、麻生財務大臣は「短観という言葉を知っていたか」と皮肉を述べた。
麻生氏は萩生田氏の発言について「どういうつもりで言ったんだろうね」と述べ、「萩生田(議員)から初めて日銀短観という言葉を聞いた気がする」と不快感をあらわにした。
短観とは
全国企業短期経済観測調査(ぜんこくきぎょうたんきけいざいかんそくちょうさ)は、日本銀行が四半期ごとに公表している統計調査のこと。一般に日銀短観(にちぎんたんかん)、短観(たんかん)の名で知られ、海外においても"Tankan"で通じる。その発表は、日本の経済状態を測る手がかりとして国内外の市場関係者から注目を集めるため、株価や為替レートなどに大きな影響を及ぼす。内閣府の月例経済報告とともに、経済の現況と動向をみる上ではもとより、中期的な構造把握の指標としても、重要な経済統計の1つとして注目されている。
野党の反応は?
野党は、萩生田幹事長代行の発言に対し、以下のように反応した。
国民民主党・玉木雄一郎代表
3月の短観で既にかなりの落ち込み。このトレンドが続くと次の6月の短観では少なくとも中小企業の製造業の業況判断はマイナスになる。消費税増税先送りを口実にした衆参同日選の可能性が高まったと言える。政権はバラバラな野党の現状を見透かしているのだ。速やかに現状を打破しないと野党は大敗する。 pic.twitter.com/lXE0u2HVre
— 玉木雄一郎 (@tamakiyuichiro) April 18, 2019
立憲民主党・福山哲郎幹事長
増税延期は私たちがかねてから主張しており、当然だ。
— 福山哲郎 (@fuku_tetsu) April 18, 2019
信を問うことまで言及した。これは、解散・総選挙のことであると考える。アベノミクスの破綻、失敗を問うということだ。われわれとしては、解散を堂々と受けて立つ用意がある。野党で協力して、安倍政権を倒す絶好の機会を得たと考えている。
共産党・志位和夫委員長
自民萩生田氏「景気がこの先危ないと見えてきたら、崖に向かってみんなを連れていくわけにはいかない」と増税見送りに言及。政権・与党の動揺を吐露した。「この先危ないと見えてきたら」というが、消費も賃金もマイナス、景気が悪いことはすでに誰の目にも明らかだ。共産党勝利で増税中止の決定打を!
— 志位和夫 (@shiikazuo) April 19, 2019