構造システムは、建築構造計算および各種構造計算用ソフトウェア(一貫構造計算、耐震診断計算、耐震補強、応力解析、振動解析など)のプログラム開発と販売を行っています。
HOUSE-WLは、住宅など小規模壁式鉄筋コンクリート造建物や木造との混合建物の壁式鉄筋コンクリート造部分の構造計算を行うソフトウェアで、(一財)日本建築センター他編集「壁式鉄筋コンクリート造設計施工指針(平成15年2月)」、(一社)日本建築学会「壁式構造関係設計規準集・同解説(壁式鉄筋コンクリート造編2003年度版)」に準拠しています。
平成19年に改正された建築基準法に対応した許容応力度等計算を行い、構造計算書の出力のほか、構造計算概要書や構造計算適合性判定提出に必要な図やデータを出力することができます。
適用範囲
地上3階建て以下で、かつ軒の高さが20m以下の壁式鉄筋コンクリート構造を扱います。地下階、塔屋階はそれぞれ1階まで取り扱います。グリッド上の平面形を基本としますが、フレーム軸の傾斜や中折れのある建物も取り扱うことが可能です。不整形な建物の場合でも、グリッドとは別にグリッドを斜めに結ぶ任意の通り軸を設けることができますので、無理なモデル化をせずに入力できます。
コンクリートは普通コンクリート、軽量1種、軽量2種でFc18~36N/mm²、鉄筋はSD235、SD295、SD345、SD390、SR235、SR295を扱います。
入力・モデル化
画面上でマウスを使って部材を配置しますので、簡単にデータの入力や確認が行えます。
初期値の編集ができます。通常使用する仕上を登録した仕上材リストを作成しておくと仕上荷重はこのリストを呼び出すだけで入力できます。また、構造計算概要書に必要な情報やよく使う文章を登録し、再利用することができます。
セットバックの入力が可能です。開口位置ごとにはりせい、配筋、はりのレベルを自由に設定できます。また、開口の左右の壁ごとに壁配筋や壁端部筋を設定できます。
画面には建物形状に忠実な伏図・軸組図が表示されますので、初めて使用される方でも誤りなく迅速に入力することができます。
軸組図表示例
モデル化図(軸組図)表示例
主な計算機能
地震荷重時応力図出力例
壁式構造の許容応力度等計算(ルート1までの計算)を取り扱います。そのほか、剛性率、偏心率の計算を行い、判定を満たさない場合は「壁式構造関係設計規準集・同解説(壁式鉄筋コンクリート造編)」による特別な配慮を要する設計(終局せん断耐力の確認と総曲げ抵抗モーメントの確認)を行うこともできます。
壁と壁ばりを線材と剛域でモデル化します。鉛直荷重時は立体解析を行います。水平荷重時は立体解析、擬似立体解析、平均せん断応力度法による平面解析のいずれかを選ぶことができ、架構形状に適した解析方法を指定できます。また、立体解析では支点の浮き上がりを考慮することができ、建物の実情に応じた応力を求めることができます。各階の床は剛床としています。
地震力、風圧力および積雪荷重を法規に従い計算します。風圧力が地震力を下回る場合、出力を省略できます。
べた基礎や布基礎の場合、地盤反力により生じる基礎ばりのCMQを計算し、応力計算に考慮できます。
許容応力度等計算として、壁量の確認や層間変形角など法規で要求される一連の計算が含まれています。
断面計算は、応力計算で求めた応力による長期、短期応力度が部材の許容応力度以下であることを確認する検定計算のほか、存在応力に対して必要な鉄筋量を求める算定計算も行えます。
入力により指定された位置について、はりのたわみの検証を行います。
わかりやすい図的出力
計算結果出力例
図や表を交えた、わかりやすい出力が可能です。
計算で求められた部材応力、各種耐震性能数値は、伏図や軸組図の形式で出力しますので、計算結果の確認や耐震性能を容易に把握できます。
一連の構造計算書の出力のほか、構造計算概要書が出力できます。構造計算概要書に必要な構造計算書の参照ページ番号を自動的に割り当てます。
計算結果のプレビュー上で、表はCSVファイルに、図はメタファイルに変換でき、文書や表計算ソフトなどに転送して活用可能です。
図は縦または横に出力できるため、空白の少ない密度の高い出力が可能です。
壁量や壁率の判定表や断面検定比図などではNG箇所を赤色で表示して出力します。計算結果の中で問題がある箇所をひと目で確認できます。
伏図、軸組図は自動的に出力スケールを計算します。また、出力する図面のタイプごとに出力スケールを直接指定することもできます。
断面検定比図出力例
出力条件入力画面
関連プログラムとの連携
① 計算結果から、固定荷重、ラーメン用積載荷重、地震用積載荷重、積雪荷重を任意点追加重量として取り込むことが可能です。
② スラブは自重、積載荷重を、小ばりは自重のほか、小ばりが負担する床荷重、積載荷重、特殊荷重による荷重項を自動計算して転送します。
③ 入力データから断面計算や保有水平耐力計算などの確認を行うことができます。
④ 入力データから耐震診断計算を行うことができます。
準拠基準等
建築構造に関する法令や、下記の基準類に基づいています。
建築物の構造関係技術基準解説書編集委員会編集
一般財団法人 日本建築センター他編集
一般社団法人 日本建築学会
公益財団法人 日本住宅・木材技術センター
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