構造システムは、建築構造計算および各種構造計算用ソフトウェア(一貫構造計算、耐震診断計算、耐震補強、応力解析、振動解析など)のプログラム開発と販売を行っています。
HOUSE-DOCは、木造住宅の耐震診断と補強計画を行うソフトウェアです。
在来軸組構法に加えて枠組壁工法、伝統的構法の木造住宅を一般診断法、精密診断法1で計算することができます。これは、長期優良住宅化リフォーム推進事業の耐震性にも用いられます。
また、木造3階建て以下のほかに、最下階RC/S造となる立面混構造の木造部分の計算が行えます。
直観的な操作で安心・安全の検討を
クイックアクセスツールバー
ツールバーカスタマイズ
常に左上に表示されますので、全体表示や新規作成、保存などをすばやく実行することができます。
また、よく使うコマンドを登録することもできます。
リボンメニュー
コマンドツールチップ
作業に必要なコマンドをすばやく見つけることができます。
アイコンにマウスを近づけるとコマンドのツールチップが表示され、機能を確認することができます。
壁チェックコマンド
壁チェックコマンド
同じ仕様の壁だけを見やすく表示します。
入力データの確認に威力を発揮します。
スパンの設定
スパンの設定
各スパン長は1ミリ単位で設定できます。
補助線を活用して、半端な長さの壁の配置も簡単に行えます。
軸名は1,2,3…、X1,X2,X3…、い,ろ,は…などの指定した記号で簡単に初期化できます。
ファイルプレビュー
ファイルを開く前に3Dモデルで内容を確認できますので、簡単に目的のファイルを探せます。
ファイルがどこに保存されているかわからない場合でも、最近使用したファイル一覧で保存されている場所を確認できます。
サブウィンドウ
属性表示や3D表示は、必要なときだけ表示することができます。
画面から切り離して自由にサイズを変更することや、好きな場所に配置することもできますので、画面を自由に使用できます。
写真管理機能
写真管理機能
現状を示す写真のデータは撮影場所を示す矢印や入力したコメントが図面に配置できます。
配置した写真は入力データに保存されますので、データ管理が簡単です。
現状建物の耐震診断計算後、必要に応じて補強設計を行う場合に便利な機能が用意されています
壁で補強
補強壁位置分析結果(伏図)
補強壁位置分析結果(詳細)
現状配置されている壁を強いものに変える、または今ある壁に追加して新しく壁を配置するなどの方法で建物の評点を高めます。
どこの壁を強くするともっとも評点が上がるかを分析できますので、効率よく補強できます。
壁工法は登録されている工法の他、追加登録することもできますので新しい技術や工法に簡単に対応できます。
接合部で補強
金物伏図
柱頭柱脚接合部を強いものに変えることで評点を高めます。
全体の接合部の補強効果を把握するにはレーダーチャート、個々の壁に関しては金物伏図が参考となります。
基礎で補強
RC基礎の抱き合わせ
無筋コンクリート基礎や鉄筋コンクリート基礎でひび割れが生じている場合は、増し打ちなど健全な鉄筋コンクリートにすることで評点を高めます。
壁単位で基礎の影響を考慮できますので、部分的な基礎の補強に対応できます。
補強案複写機能
補強案
現状の各階のデータを補強案にコピーできます。
コピーしたデータの一部を補強のために変更したり、壁を追加配置したりして補強案が簡単に作れます。
現状のデータだけでなく補強案同士のコピーもできますので、予算に応じた複数の補強案提案にも便利です。
各補強案で変更・追加されたデータは色が変わりますので、補強箇所が一目瞭然です。
補強設計の参考資料データ
レーダーチャート
現状に対してすべての「基礎」「柱頭柱脚接合部」を最大に補強した場合、バランス良く壁を配置した場合、劣化箇所を補修した場合、軽い建物とした場合などに評点がどのようになるかを示したレーダーチャートを表示します。
補強設計の方針を考える場合の参考となります。
目的に応じた耐震診断方法に対応
補強の要否に関するスクリーニングを主目的とした「一般診断法」と接合や部材の劣化状態など、詳しく調査して診断や補強を行う「精密診断法1」の2つの方法に対応した機能を備えています。
対象建物と計算方法 | |
---|---|
対象建物 | 平屋から3階建までの木造住宅 |
1階がRC造またはS造で2階以上が木造住宅の木造部分 | |
対象構・工法 | 在来軸組構法、枠組壁工法、伝統的構法 |
計算方法 | 一般診断法、精密診断法1 |
その他の耐震要素 (一般診断法) |
在来軸組構法、枠組壁工法では開口壁の長さによる「有開口壁長」と、「無開口壁率」のいずれかを選択 |
伝統的構法では垂れ壁付き独立柱、垂れ壁・腰壁付き独立柱から求める | |
必要耐力計算方法 | 一般診断法では総2階として求める「簡易」と各階の床面積比を考慮して求める「詳細」のいずれかを選択 |
精密診断法1では各階の床面積比を考慮して求める | |
耐力要素の配置等 による低減係数 |
一般診断法では両側1/4範囲内の充足率の組み合わせから算出する「4分割法」と壁・柱の配置により偏心率を算出する「偏心率法」のいずれかを選択 |
耐震診断の流れ
1現況図の作成
図面や現地調査から現況図を作成します。地盤、基礎、壁の配置や劣化度などを確認します。
調査シートの印刷機能
現状調査に落ちがないようにするために、調査シートには入力に必要な項目がすべて記載されています。印刷して現場に持参すると便利です。
調査シートの読み取り機能
建物を診て記入した手書きの調査シート(建物概要、平面図、劣化度)をスキャンして読み込んだ画像ファイルから、チェックマークや柱・壁位置を読み取って入力データを作成することができます。
パソコンにデータを打ち込むのに比べ、入力時間が短縮され、入力のミスや漏れが少なくなります。
対応画像ファイル形式:bmp, jpeg, gif, png, tiff
調査シートの読み取り
2診断法の指定
リボンメニューから診断法を選択します。
3建物の入力
入力データは、平面図と3Dで表示されます。
平面図上で配置した壁部材は瞬時に3Dに反映され、マウス操作で視点を自由に変えられます。
3D表示上で部材を選択することもできます。
部材の選択
建物概要
選択した診断法ごとに必要な項目が表示されます。直接入力する項目もありますが、多くの項目はあらかじめ登録されたものから選択でき入力が簡単です。
柱やはりなど
伝統的構法以外では、診断を行う上で柱のデータは必要ありません。基礎やはりのデータも診断を行う上で必要ありませんが、平面図や3D表示で表現したい場合には入力を行います。
壁
属性を指定して配置します。同じ工法の壁がすでに配置されている場合には、その情報を参照できます。配置後も属性は変更できます。
床・屋根
一般診断では各階ごとに代表的な床の仕様を建物概要で指定しますが、精密診断では床の仕様と範囲を指定するなど、詳細な情報を入力します。
4計算の実行
入力が終わったら計算を実行します。
建物の強さは数値化され、評点として平面図上に表示されます。
入力データにエラーや警告、コメントがある場合はメッセージが表示され、ダブルクリックすると該当のデータが選択されます。
該当データの表示
重心と剛心
建物の重心と剛心は平面図上に表示され、バランスの良い補強の検討に役立ちます。偏心率による低減係数が1.0になる範囲を図示します。
5結果の確認と印刷
計算が終わると、診断書を表示できます。
確認したい項目をクリックすると該当する計算結果を表示できます。
必要な項目のみ印刷することもできます。
計算結果
2012年改訂版 対応一覧
「2012年改訂版 木造住宅の耐震診断と補強方法」の主な改訂点は、以下の通りです。
(一般財団法人 日本建築防災協会の講習会案内による)
木造住宅の耐震診断・補強ソフト「HOUSE-DOC」は、一般財団法人 日本建築防災協会発行「2012年改訂版 木造住宅の耐震診断と補強方法」の一般診断法、精密診断法1に、下記のように対応しています。
用語の統一・変更(⑥ の内容)
診断方法 | 2012年改訂版での変更内容 | HOUSE-DOCでの対応 |
---|---|---|
一般診断法 精密診断法1 |
・記号、用語の統一 | 対応しています |
壁基準耐力(③ の内容)
診断方法 | 2012年改訂版での変更内容 | HOUSE-DOCでの対応 |
---|---|---|
一般診断法 |
・工法の追加と削除 ・壁基準耐力の数値の一部変更 ・天井までしかない土塗りや面材壁の性能を評価 ・壁仕様が不明な場合の壁基準耐力を2.0(kN/m)に変更 ・壁基準耐力の上限を10.0(kN/m)に変更 |
対応しています |
精密診断法1 |
・工法の追加と削除 ・壁基準耐力と壁基準剛性の数値の一部変更 ・補強設計に新たに付加する部材として用いることのできない“診断専用”の工法を指定 ・床や天井までしかない土塗りや面材壁の耐力を評価する修正式を記載 ・筋かいの壁内法高さと柱間隔の比が3.5を超える場合、耐力と剛性に乗じる「筋かい高さによる低減係数」を追加 |
対応しています |
柱接合部による低減係数(④ の内容)
診断方法 | 2012年改訂版での変更内容 | HOUSE-DOCでの対応 |
---|---|---|
一般診断法 精密診断法1 |
・壁基準耐力と柱接合部および基礎の仕様により低減係数を求める表の一部変更 (壁基準耐力の中間値の低減係数は直線補間により連続的になるように変更) ・多雪区域用の表を追加 ・基礎の仕様で、軽微なひび割れのある無筋コンクリート造の基礎を基礎Ⅱ、 ひび割れのある無筋コンクリート造の基礎を基礎Ⅲ、柱脚に足固めを設け 鉄筋コンクリート底盤に柱脚または足固め等を緊結した玉石基礎を基礎Ⅱに追加 |
対応しています |
斜め壁の評価
診断方法 | 2012年改訂版での変更内容 | HOUSE-DOCでの対応 |
---|---|---|
一般診断法 |
・斜め壁でθ=0~45°までの範囲の評価式を解説に記載 |
対応しています |
有開口壁の評価(② ③ ④ の内容)
診断方法 | 2012年改訂版での変更内容 | HOUSE-DOCでの対応 |
---|---|---|
一般診断法 |
・方法1:「その他の耐震要素の耐力」として必要耐力の25%と計算していたものを、有開口壁長による算定(開口の種別と壁長さから求める方法)、または無開口壁率による算定(外壁面の無開口壁率から求める方法)に変更 ・方法2:柱の小径120mm以上(以前は150mm以上)を評価するように変更 ・方法2:垂れ壁・腰壁付き独立柱の耐力を評価するように変更 |
対応しています 方法1では、「有開口壁長による算定」、「無開口壁率による算定」を選択できます。 |
精密診断法1 |
・方法1:開口低減係数を柱間距離から連続的な値を算出するように変更 ・方法2:垂れ壁・腰壁付き独立柱の耐力を評価するように変更 |
対応しています |
耐力要素の配置などによる低減係(④ の内容)
診断方法 | 2012年改訂版での変更内容 | HOUSE-DOCでの対応 |
---|---|---|
一般診断法 |
・4分割法による場合、式から計算し連続的な値になるように変更 (従来の充足率から表を用いて求める方法も記載) ・方法1の場合、有開口壁の耐力を評価しない ・偏心率による低減係数の表の変更(低減係数は精密診断法1と同じ 連続的な値を算出するように変更) |
対応しています ただし、充足率から表を用いて求める方法には対応していません。 |
偏心率と床の仕様による低減
診断方法 | 2012年改訂版での変更内容 | HOUSE-DOCでの対応 |
---|---|---|
精密診断法1 |
・偏心率0.3以上0.6未満の床の仕様による低減係数の変更 ・床倍率の表に水平構面の仕様を2種類追加 |
対応しています |
劣化度による低減係数
診断方法 | 2012年改訂版での変更内容 | HOUSE-DOCでの対応 |
---|---|---|
一般診断法 |
・補強前の診断で劣化度による低減係数が0.9未満の場合、 補強後の低減係数の上限を0.9と記載 |
対応しています |
多雪区域の評点
診断方法 | 2012年改訂版での変更内容 | HOUSE-DOCでの対応 |
---|---|---|
一般診断法 精密診断法1 |
・多雪区域において、無積雪時の評点と積雪時の評点の両者を求め、 低い方の評点を当該建物の評点とすることを記載 |
多雪区域の指定により両方を計算し、低い方の評価を出力します |
基礎の部分補強(⑥ の内容)
診断方法 | 2012年改訂版での変更内容 | HOUSE-DOCでの対応 |
---|---|---|
一般診断法 精密診断法1 |
・部分的に基礎の補強を行う場合の条件を解説に追加 |
壁単位で基礎仕様と健全度を入力することで対応します |
基礎の部分補強(⑥ の内容)
診断方法 | 2012年改訂版での変更内容 | HOUSE-DOCでの対応 |
---|---|---|
精密診断法2 |
・精密診断法2の保有水平耐力計算による方法を非住宅に 適用可能な診断法と位置づけ |
精密診断法2には対応していません |
プログラム関連図
① CADファイル※を下図として利用して、データ入力が行えます。
スパンと通り心名称をCAD図面から読み込んで自動設定できます。
② 入力した配置データや3DモデルをCADファイル※として出力できます。
③ HOUSE-省エネにデータを渡し、建築物省エネ法に基づく省エネルギー計算が行えます。
詳細は株式会社建築ピボットにお問い合わせください。
※ 対応形式:mps、mpz、mpx、mpw、mpp、dwg、dxf、jwc、jww
3Dモデルは、mpw、mpp、jwc、jwwで保存できません。
動作環境・価格
動作環境
価格
別売オプション機能
柱頭柱脚金物算定(N値計算)
33,000円(税込)
さらに補強設計を支援
簡易的に引張力を求めて仕口の金物を選定する方法として「N値計算」を用意しています。
出隅の柱を指定するだけで耐震診断計算と同時にN値を求め、仕口に必要な接合金物を見やすい表と平面図に出力します。
※ HOUSE-DOC Ver.6が必要です。
※ 壁工法・柱接合部にカネシン製品のマスタをインストール可能となりました。
カネシン製品のマスタについては、カネシンホームページをご確認ください。