Q.どうして後期高齢者医療制度はできたのですか。
A.我が国の高齢者医療は、老人保健制度を軸としてきましたが、この老人保健制度は、高齢者がそれぞれの国民健康保険や被用者保険(健康保険組合、共済組合、政府管掌など)に加入したまま、国民健康保険や被用者保険からの拠出金と公費をもとに市町村が運営するという方式をとっており、保険料の決定・徴収と給付の主体が別となるため、財政運営の責任が不明確であるという指摘がされていました。
また、急速な高齢化の進展、国民の生活や意識の変化など、医療を取り巻く環境が大きく変化する中、老人医療費を初めとする国民医療費は増加の傾向にあり、医療保険制度を将来にわたって持続可能なものとしていくため、制度全般にわたる構造改革を行うことが必要であるとされていました。
このようなことから、医療費適正化の総合的な推進、保険者の再編・統合、新たな高齢者医療制度の創設等の措置を講ずることが、「医療制度改革大綱」(政府・与党医療改革協議会、平成17年12月1日)により決定されました。
これを受けて、平成18年6月21日に「健康保険法等の一部を改正する法律」が公布され、平成20年4月から現行の「老人保健法」が「高齢者の医療の確保に関する法律」に改正、施行されることとなりました。
この後期高齢者医療制度は、後期高齢者の心身の特性や生活の実態を踏まえるとともに、現役世代と高齢者世代の負担を明確にし、公平でわかりやすい制度とするために創設されたものです。