スケジューリングは、月の初め・週の初め・1日の初めに | コクヨのMANA-Biz

タイムマネジメント

2016.08.19

スケジューリングは、月の初め・週の初め・1日の初めに

タイムマネジメント2:TODOリストから始めない

時間価値を上げたければ
スケジューリングの時間は惜しまない

みなさんは毎日仕事のスケジュールを考えるときに、何から着手するでしょうか。とりあえずTODOリストを作る、という方も多いかもしれません。しかしそれでは「目の前の業務をこなすだけ」。一段上のキャリアを目指すのであれば、中長期的な視点を持ち、現状から課題を検証し、そこから目的・目標を立て、それらを達成するためのスケジュールを作る時間をつくってほしいと思います。

方法としては、月の初め・週の初め・1日の初めに、それぞれの期間の目標を立て、やるべきことを洗い出し、いつからどうやるのかを「意思決定」していきます。単なる計画ではなく「意思決定」することで、一つひとつの業務への行動力と確実度がぐんと増すのです。

ここまで読んで「月初めとか、そんな悠長に考える時間をつくれない」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。しかし1日1日、ただ TODOリストをこなすだけなのと、中長期的な視点で目標を考え実行していくのとでは、1年後どのくらい差がついているでしょうか? そういう意味で何ヶ月かの単位で中長期的な目標を計画に組み込んでいくことはとても大事なことなのです。

〈月の初め:必要な行動を質と数を念頭に目標設定〉
まずは、中長期的な目的や目標(会社から提示された売り上げ目標や達成事項など)と照らし合わせながら、月間の必要行動数や行動計画を設定します。

たとえば、営業の方の場合・・・

・売上目標500万円
・契約件数は平均単価から最低5件
     ↓
提案回数は最低9回必要
     ↓
アポイントの電話は1日〇件

このとき、単に行動数を割り出すだけでなく、行動の質も目標設定してください。
たとえば前の月を振り返って提案がうまくいかなかったという課題があったのならば、何が課題だったのかを検証します。
顧客情報の収集が足りなかったのであれば、ヒアリング力を高めるためにコミュニケーションスキルを学んだり、顧客の業界展望や課題を勉強するといったスキルアップの時間をつくるようにします。そうすると会社にいる以外の時間の使い方も定まってきます。

この月間の計画を考えるときに大切なのが、仕事(ワーク)だけでなく仕事以外の時間(ライフ)の予定もいっしょに考えていくことです。自己啓発のための勉強、ジム通い、読みたい本、季節の衣替えなど、生活をしていく上でその月にやろうと思っていることを書き出しておくのです。
ライフの予定というのは、やろうやろうと思いつつ、つい後回しにしてしまいがち。そして、「やろうと思っていたのにできていない→自分はスケジュール管理ができていない」とメンタルにネガティブな影響を及ぼしてしまいます。
ライフでやるべきことを明文化して平日の夜や休みの日の予定に組み込み、実行することで、充実感が得られます。そしてその充実感が、仕事への意欲にもつながるのです。

オススメの月間行動計画表のつくり方は、全体を俯瞰してビックピクチャーを描くこと。 A3の紙を用意し、そこに目標と案件を書いた付箋を貼り付けて優先順位づけし、マンスリーカレンダーに落とし込んでいきます。



小倉 環(Ogura Tamaki)

大手流通会社にて広報を経験後、人事・採用メディアのコンサルティングおよび転職支援に従事したのちに株式会社ハーモニーワークスを設立。専門はワークライフバランスと若年者および女性のキャリア支援。ワークライフバランスの知識を活かし、「ワークライフシナジー」につながる個人・組織の生産性アップと働き方を見直す時間の使い方を企業向け研修で提唱し、好評を得ている。

イラスト/吉泉ゆう子