世界遺産といえば、海外旅行に行く際にはかならずチェックしておきたいその国を代表する定番の観光地です。
みなさんもいつかは行ってみたい!見てみたい!と思っている世界遺産があるのではないでしょうか?
タイには、世界文化遺産が3か所、世界自然遺産が3か所、計6か所の世界遺産があり、そのどれもがとても価値があるものばかりです。
タイでしか感じることができない古代の文化と仏教の歴史が織りなす世界文化遺産と貴重な自然が残る世界自然遺産をご紹介します。
世界文化遺産
1991年登録
「古代都市アユタヤ」
バンコクから北へ約76キロメートルの場所に位置するアユタヤは、チャオプラヤー川とその支流に囲まれ中州にあり、1350年にウートン王によって建都されてから約400年アユタヤ王朝の首都として繫栄しました。東南アジア諸国との貿易によって国際商業都市として栄え、荘厳な寺院や黄金に輝く仏塔、優美な王宮が建設され、現在残る遺跡群がアユタヤ歴史公園として整備されて世界遺産に登録されました。
アユタヤ島の中心部には、王室儀礼が執り行われた王宮寺院ワット・プラシーサンペットや初代王ウートンの菩提寺ワット・プララーム、長い年月をかけて木の根で覆われた仏像の頭が残るワット・マハタートなどアユタヤ王朝の繁栄ぶりを偲ばせる遺跡が多く残っています。ひと味違う体験をしたい方は、象に乗って遺跡をまわるツアーやサムロー(人力車)で街なかをまわったり、運河クルーズもおすすめです。
1991年登録
「古代都市スコータイと周辺古代都市群」
スコータイは1238年にタイ族による最初の王朝が開かれた場所です。「幸福の夜明け」を意味するこの都市は強力な軍事力と豊かな大地によって発展しました。第三代ラームカムヘーン王は、仏教の普及に尽力し、多くの寺院を建造したり、中国をはじめとする他国と外交を進めることで、文化芸術を発展させ、タイの文化や文学の礎を築き上げました。この当時の、荘厳で美しい遺跡群が世界遺産に登録されました。
世界遺産に登録されているのは、首都スコータイ、シーサッチャナーライ、カンペーンペットの三都市に残る仏教寺院やそれらの遺跡群です。そのなかでもスコータイ歴史公園は、三重の城壁に囲まれた旧市街とその周辺に大小200以上の遺跡が点在し、クメール文化のもとにつくられた寺院建築の数々は素晴らしいものです。
また、スコータイ発祥のロイクラトン祭りは毎年11月に開催されており、世界各国から観光客が訪れます。バナナの葉でできた灯篭を川に流して川の神に感謝する祭りで、ライトアップされた歴史公園を舞台に行われる歴史劇、コムローイ(熱気球)や花火が夜空に浮かび上がる光景はとても幻想的です。
1992年登録
「バンチェンの古代遺跡」
バンチェン遺跡は、紀元前2500年~2000年頃の先史時代の貴重な遺跡です。陶器の技術が発達したとされている歴史の跡が世界遺産として登録されました。国陶、文様陶器、彩色陶器という3つの時代に分けられた人々の歴史を垣間見ることができます。展示のほかにも、遺跡が発掘された状態を保存した遺構を見学することができます。
隣接するバンチェン国立博物館では、発掘当時に世界中の注目を集めた貴重な出土品などが展示されています。
世界自然遺産
1991年登録
「トゥンヤイ・ファイカケン野生生物保護区群」
バンコクから約350キロメートルと比較的近い場所にありながら、自然がそのまま残されている地域となっており、「タイ最大で最後の原生地域」または「最後の未踏の地」と言われています。
この地域は他に類を見ない生物多様性を維持し、東南アジア本土で確認されている哺乳類の3分の1が生息していると言われています。また、この地域に生息している生物のうち28種が国際的な絶滅危惧種に指定されており、大変貴重なエリアであると言えます。
保護区域はタイ王国政府が所有し、国王法令の元もとに厳重に管理されているため、一般人の立ち入りは禁じられています。
2005年登録
「ドン・パヤーイェン‐カ・オヤイ森林群」
カオヤイ国立公園は、タイで初めて認定された国立公園で、2005年に世界自然遺産にも登録されました。カオヤイとはタイ語で「大きな山」いう意味で、面積の85%が森林に覆われています。
園内のハイキング道では様々な動植物を観察しながら散策することができ、運が良ければ野生のゾウやトラにも遭遇できます。その他にも絶滅の危機に瀕している哺乳動物が生息しており、サイチョウの仲間やズアカキバネドリなど希少な野鳥を観察できる有数のバードウォッチングのスポットとしても人気です。
園内ではハイキングのほかに、ラフティング、キャンプ、トレッキング、サイクリング、ナイトサファリなどのアクティビティを楽しむことができるほか、高原リゾートとして観光施設も充実しているのでとても人気の場所です。
2021年登録
「ケーンクラチャン国立公園」
ケーンクラチャン国立公園はタイ最大の国立公園で、この地域の主要河川であるペッチャブリー川とプランブリー川の源泉となっています。多種多様な植物相や動物相で構成されていて、特に公園のエリアは北方鳥と南方鳥の分岐点となっているため300種以上の鳥を見ることができます。タイ国内でもバードウォッチング、リラックスのためのエコツーリズムの場所として広く利用されています。
トレッキングやゴムボート・ラフティングで野生の象やバイソン、鹿などの動物や色とりどりの蝶をウォッチングしてみてください。タイ王室の保養地として知られるリゾート地「ホアヒン」からも車で1時間のところにあり、アクセスも良いのでぜひ訪れてみてください。