災害対策を事業戦略としてデザインする|構造計画研究所

展示レポート

災害対策を事業戦略としてデザインする

これまで私たちが提供してきた2つのソリューション、

・地震をはじめとする災害が建物に与える影響を定量化する「災害リスク評価」
・事業課題や開発投資を定量的に評価し意思決定を支援する「マーケティング・コンサルティング」

これらを組み合わせて災害対策を事業戦略に組み込むことで、投資家へ企業価値が訴求でき、サステナブルな経営の実現の一助になるのではないでしょうか。

事業投資と災害対策投資を別々に進めていませんか。

 

取り組む社会課題


最近、全国各地で大きな地震がよく発生しています。また、南海トラフ巨大地震はいよいよ近い将来に起こると考えられています。このように、地震をはじめとする災害対策は待ったなしの状況です。

企業経営に関しては、「コーポレートガバナンス・コードの改定」や「ESG投資」など、サステナブル経営の姿勢を開示するよう社会要請が変化してきています。企業はいま、「事業が環境や社会へ与える影響」に加えて、「環境や社会の変化により事業が受ける影響」も考慮した情報発信が求められています。
こうした社会要請の変化がある中で、現状は事業評価と災害対策が別々に検討され、事業開発投資が優先されていたり、災害対策が実行されていてもサステナビリティ経営のアピールには使われていなかったりしています。

そこで構造計画研究所では、災害対策を事業戦略に織り込み、一つの道筋として整理することでサステナブル経営の強化に役立てられるのではないかと考えます。

 

「解」へのアプローチ


 

さまざまな立場の社内の関係者からヒアリングした内容を元に事業戦略のシナリオを作成し、ターゲットとなる災害を元にした災害対策を入れ込んで多軸評価を行います。

 

 

1. ヒアリング

要望や課題を選択肢として整理します。社内の異なる部門の方に対してヒアリングし、総合的な情報収集を行います。

2. 選択肢のシナリオ化

様々な立場の関係者へのヒアリング結果を踏まえて、選択肢の前後の関係性を整理し、いくつかの道筋(シナリオ)として整理します。メリットやデメリット、コスト感を踏まえて有望なシナリオを抽出します。

3. 評価指標の設定

会社方針や意思決定観点に合わせて評価指標を設定します。ヒアリングや各種調査を行いながら、評価指標を洗い出すことも可能です。

4. シナリオに災害対策の観点を付加

各シナリオにおける災害対策のコストと効果を評価します。対策無し、事前対策A、事前対策B・・・などのほか、簡易評価と詳細評価の2段階での評価が可能です。

5. 各シナリオの再評価

災害対策の投資効果を加えたシナリオに対して、設定した評価指標を算出するモデルを作成し、各シナリオを評価します。シナリオを比較する材料を作り上げることで、納得のいく意思決定をサポートします。

 

活用例


①守りを強化した骨太な事業戦略の策定

事業部門だけでなく、社内の様々な意見を取り入れ、災害リスクやその対策効果を加味した事業戦略を策定する。

②計画的な災害対策投資

復旧にかかる投資額や被災時の事業への影響を考慮し、事業戦略と連動した長期的な視点で納得感の高い投資計画を立てる。

③投資家への企業価値の訴求向上

重要事業の計画に影響の⼤きい災害リスクを定量的に捉え、事前の対策を計画・実施し、⾻太な事業戦略の根拠として有価証券報告書へ対策状況を記載する。

 

今後の展望


私たちは、「災害対策投資」を企業価値向上を目的とした事業戦略の1つとして捉えることで、全社的な合意形成のもとで、計画的な災害対策として加速させられると考えています。

ここでご紹介したアプローチは一例であり、検討の進め方や評価軸、定量化の方法といった具体は、お客様と議論を重ねながら形にしていくものであると考えています。今後も様々な知見・経験を総動員しお客様の災害対策の推進、ひいてはサステナブルな経営実現のご支援に取り組んでまいります。

 

【問い合わせ先】
防災戦略コンサルティング担当 
eng-info@kke.co.jp

【関連Webサイト】
災害リスク評価コンサルティングサービス: https://www.bcp-kke.jp/index.html
創造工学部: https://iit.kke.co.jp/

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