消費者志向自主宣言・フォローアップ2017年 | 消費者志向自主宣言 | キリンホールディングス

消費者志向自主宣言・フォローアップ

理念

  1. 食と健康の領域で、情熱をもって真摯にお客様に寄りそい、一緒になって幸せな未来をめざします。そして、技術に立脚した品質本位のものづくりを通じて、人々の健康で心豊かな生活に貢献します。
  2. 安全で安心いただける商品・サービスを提供し、お客様の声を大切にして満足度の向上を図り、信頼される企業をめざします。
  3. 社会と共有できる価値の創造(CSV)という経営方針のもと、「健康」「地域社会」「環境」という3つの社会課題の解決に主体的に取り組むことで、お客様の幸せに貢献します。
  • CSV=Creating Shared Value

取組方針

1.常にお客様の立場に立って考えるという企業風土の醸成

  1. お客様本位、お客様満足が第一であるという経営トップの考え方を、従業員との直接対話等を通じて社内への浸透を図ります。
  2. お客様が価値を認めご満足いただける商品・サービスを提供できるための社内研修を実施します。

2017年 主な取組・成果

①「お客様本位」の浸透と実践に向けて
  • 創業以来の姿勢である「お客様本位」の考え方、お客様や社会の課題を解決していくことの重要性を“社長メッセージ”として、キリングループ全体への社内報や社内イントラネットにて発信しています。また、経営陣がグループ各社の全国39事業所を巡回し、従業員との直接対話を通じて浸透を図りました。
②社内研修の実施
  • お客様を起点にして考えるマーケティングフレームを構築し、その浸透と実践に向けた勉強会を全国27事業所にて開催しました。
  • お客様からのお申出に対する営業担当者の応対品質の向上を図るため、基本的スキルを学ぶオンライン研修とお客様相談室員が講師となる集合研修を全国26の営業拠点にて、のべ53回開催しました。

2.お客様の安心につながる情報の適切な開示

  1. 適正飲酒の啓発活動を継続的に行っていきます。
  2. 商品・サービスにかかわる品質情報のコミュニケーションを充実させることで、安心感や信頼感の向上につなげていきます。

2017年 主な取組・成果

①適正飲酒啓発への取組
  • アルコール0.00%のノンアルコール・ビールテイスト飲料「キリン零ICHI(ゼロイチ)」を通じ、全国でハンドルキーパー運動※1 を支援し、飲酒運転の根絶に向けた活動を推進しています。
  • 2018年1月、新成人向けに、工場所在地を中心に全国12か所の成人式会場にて啓発リーフレットを配布し、アルコールパッチテスト※2 で自身のアルコール体質の確認を促したり、式典に登壇して講演を行うなど、適正飲酒に向けた様々な活動を実施しました。さらには“大人な飲み方”を学んでいただくために、キリンウェブサイトにてSlow Drink(スロードリンク)※3 のコンセプトを紹介していきます。
  1. ハンドルキーパー運動=自動車で飲食店に来て飲酒する場合、お酒を飲まない人(ハンドルキーパー)を決めることで、飲酒運転を防止しようとする運動です。
  2. アルコールパッチテスト=アルコール体質を確認するためのパッチテストのこと。
  3. Slow Drink(スロードリンク)=ゆっくりと適正に飲むことで、お酒とともに、より豊かで楽しい人生を送ってほしいというキリンの願い。
②WEBでの開示情報の拡充
  • キリンウェブサイト内の「WEB品質保証室」では、キリン商品の品質情報をスマートフォンなどで手軽に確認できるサービスを提供しています。
  • 2017年度には、ソフトドリンクについて、原材料名、アレルギー、栄養成分などお客様の健康ニーズにあわせて商品を検索できる機能を追加しました。

3.お客様の声を活かす仕組みづくり

お客様からいただいた貴重な声を全従業員に共有し、より良い商品・サービスの提供に活かしていきます。

2017年 主な取組・成果

  1. お客様の声への対応と共有
    • お客様相談室では、ご連絡を受けた時点で、その内容を情報管理システムに入力し、社内の各関連部門と連携しながら、年間約75,000件のお問い合わせやご意見、ご指摘※4 に、迅速かつ丁寧に対応しています。また、全国の工場において、工場見学時にいただくご意見やご指摘も同様に、情報管理システムに入力し、より良い商品・サービスの提供に活かしています。
    • 寄せられた声は、翌日までに「日報」として社内共有する他、「週報」、「月報」、「四半期報」、「トピックス」等のレポートを発信するとともに、お客様相談室の社内ポータルサイトで常時掲載し、全従業員に共有しています。
  1. ご指摘=商品やサービスに対するお客様のご不満が形となって現れたもののこと。
  1. お客様の声を改善につなぐ仕組み
    • お客様から寄せられたご意見やご要望を取り入れ、商品やサービスの開発、改善、充実を図るために、お客様相談室と研究開発、製造、販売、企画などの関連部門が集まる“改善ミーティング”を毎月実施し、改善につなげています。

4.社会課題の解決に資する商品・サービスの開発・提供(CSVの推進)

  1. お客様の健康増進につながる商品・サービス・事業を創造します。
  2. 事業活動を通じた地域活性化や、サプライチェーンの持続可能性強化により、地域社会へ貢献します。
  3. 事業活動における環境負荷軽減の取り組みを進めていきます。

2017年 主な取組・成果

①お客様の健康増進につながる商品、サービス、事業の創造
  • キリン、小岩井乳業、協和発酵バイオの3社により、キリンの独自素材“プラズマ乳酸菌”を配合した商品として、各社の強みを結集させたグループ初の統一ブランド「iMUSE(イミューズ)」を立ち上げました。
  • カフェインをとることができないお客様にも安心して楽しめる「生茶 デカフェ」「午後の紅茶 ストレートティー デカフェ」、また、ストレス・疲労感軽減・快眠に対応した機能性表示食品の「キリン サプリ」を発売するなど、お客様の健やかで快適な毎日に向けた商品をご提供しご好評をいただいています。
②事業活動を通じた地域活性化、サプライチェーンの持続可能性強化による地域社会への貢献
  • 地元の誇りを美味しさに変えた47都道府県の一番搾りを、地元のお客様ととことん語り合ってつくることで、日本全国をますます盛り上げてきました。2018年も、9工場の一番搾りとして継続してまいります。
  • 年々減少する“ビールの魂”と言われる原材料「ホップ」の国内での生産を継続するため、行政、生産者、地域の皆様と共に、生産地の活性化に向けた取り組みを継続して行っております。
③事業活動における環境負荷軽減の取り組み
  • 子どもたちの世代に美しい地球を残すため、様々な取り組みを進めてきました。
    「グローバルでのキリングループのバリューチェーン全体のCO2排出量を、2050年までに1990年比で半減する」長期の目標達成に向けて、2017年3月に、企業活動などで直接排出するCO2などの温室効果ガスおよびバリューチェーンで排出される温室効果ガスを、2030年までにそれぞれ2015年比30%削減する新たな中期削減目標を設定しました。この削減目標は、多くの国際的な機関やNGOが共同で立ち上げたイニシアチブである「Science Based Targets」より、産業革命前からの気温上昇2℃未満に抑えるための科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出量削減目標として、日本の食品・飲料業界として初めて承認されています。
  • 商品をお届けするために必要な容器でも様々な取り組みを行い、PETボトルにおける再生ペット素材の利用(ボトルtoボトル)を継続・拡大するとともに、紙容器へのFSC認証紙の採用を拡大していきます。特に、FSC認証紙ついては、2017年末までに6缶パックを、さらに2020年末までにギフト箱、紙パック、製品用段ボール箱をすべてFSC認証紙にすることを目指す野心的な「行動計画」を策定し、実行しています。

以上

2018年3月26日
キリン株式会社 代表取締役社長

磯崎 功典