表彰馬・表彰者一覧|NARグランプリ2021

NARGRANDPRIX2021

地方競馬全国協会

更新情報

年度代表馬- HORSE OF THE YEAR -

NAR GRAND PRIX 2021

4歳以上最優秀牡馬

4歳以上最優秀牡馬

ミューチャリー

2021.11.3 JBCクラシック(JpnⅠ)

2016年3月31日生まれ 牡 芦毛

パイロ(USA)
黒鹿毛 2005
Pulpit(USA)
Wild Vision(USA)
ゴッドビラブドミー
芦毛 2004
ブライアンズタイム(USA)
ゴッドインチーフ
2021年成績 8戦2勝
2021年収得賞金 135,880,000円
主な成績 JBCクラシック(JpnⅠ)1着、
白山大賞典(JpnⅢ)2着、
大井記念1着
馬主 石瀬 丈太郎 氏
調教師 矢野 義幸
生産牧場 芳住 鉄兵 氏

JBC競走創設から21年。地方馬はこれまでスプリントで3勝、途中から加わったレディスクラシック、2歳優駿でもそれぞれ勝利をあげていたが、メインともいえるクラシックでの勝利は層の厚い中央勢に阻まれていた。いわば悲願となっていたそのタイトルを、地方馬として初めて制したのがミューチャリーだった。
ミューチャリーがこれまでに制したタイトルは、2歳、3歳、4歳時に、それぞれ地方重賞を1つずつ。実力を考えれば少ないようにも思えるが、GI/JpnIの舞台に挑戦を続けてきたがゆえでもある。手ごたえをつかんだのは、6馬身差の圧勝となった大井記念。続く帝王賞(JpnI)は4着だったが、JBCクラシック(JpnI)への意欲は、ステップレースとして同じ舞台の白山大賞典(JpnⅢ)への遠征に見て取れた。水の浮く不良馬場もあって逃げ馬をとらえきれず2着だったが、迎えた本番のJBCクラシックは大井記念同様の積極策で、4コーナー先頭に立って中央の実績馬を完封。その大一番で見せた走りは、この1年を代表するにふさわしいものだった。

NAR GRAND PRIX 2021

2歳最優秀牡馬

2歳最優秀牡馬

ナッジ

2021.9.30 サンライズカップ

2019年3月21日生まれ 牡 鹿毛

フェノーメノ
青鹿毛 2009
ステイゴールド
ディラローシェ(IRE)
エーシンジョイフル
鹿毛 2008
オペラハウス(GB)
カンザスガール(USA)
2021年成績 10戦4勝
2021年収得賞金 17,660,000円
主な成績 JBC2歳優駿(JpnⅢ)2着、
サンライズカップ1着
馬主 和田 博美 氏
調教師 田中 正二
生産牧場 信田牧場

夏までに5戦1勝とあまり目立つ存在ではなかったナッジの素質は距離延長で開花した。初めての1700m戦は、ゴール前の接戦から抜け出しての勝利。同じ1700mのJRA認定ウィナーズチャレンジは、2着馬を3馬身突き放しての完勝。重賞初挑戦となった1800mのサンライズカップは、人気を集めた重賞勝ち馬3頭を従え堂々の勝利。レースを重ねるごとに強い勝ち方を見せての3連勝。デビュー以来初めて1番人気に支持され臨んだJBC2歳優駿(JpnⅢ)は、直線馬群をさばいて一旦は先頭に立ちかけたが、外を強襲したJRAのアイスジャイアントに屈しての2着。惜しくもJBCのタイトルは逃したものの、この年に創設された2歳チャンピオンシリーズ2021を優勝。距離が伸びて一気のステップアップは、3歳になっての可能性も感じさせるものだった。

NAR GRAND PRIX 2021

2歳最優秀牝馬

2歳最優秀牝馬

スピーディキック

2021.10.14 エーデルワイス賞(JpnⅢ)

2019年3月5日生まれ 牝 栗毛

タイセイレジェンド
栗毛 2007
キングカメハメハ
シャープキック
デザートフラワー
栗毛 2010
サイレントディール
ルーベラ
2021年成績 8戦4勝
2021年収得賞金 45,456,000円
主な成績 エーデルワイス賞(JpnⅢ)1着、
東京2歳優駿牝馬1着、
リリーカップ1着
馬主 加藤 鈴幸 氏
調教師 石本 孝博
生産牧場 熊谷 武 氏

ホッカイドウ競馬でデビューしたスピーディキックは、夏までに4戦1勝、2着3回。重賞初挑戦となったリリーカップは直線大外を伸びて豪快に差し切り、エーデルワイス賞(JpnⅢ)でも馬群の中から直線内を伸びて差し切った。牡馬相手で距離延長のJBC2歳優駿(JpnⅢ)こそ7着に敗れたものの、浦和に移籍して臨んだ東京2歳優駿牝馬では直線突き抜け4馬身差の完勝。JpnⅢと地方全国交流の2歳牝馬重賞を制してのグランダム・ジャパン2歳シーズン優勝は、絶対的な2歳女王ともいえる。
父タイセイレジェンドは、2012年のJBCスプリント(JpnI・川崎)など短距離のダートグレードを3勝。母の父サイレントディールは佐賀記念(JpnⅢ)を勝利。スピーディキックは地方のダートで活躍した血を受け継いだ。

NAR GRAND PRIX 2021

3歳最優秀牡馬

3歳最優秀牡馬

キャッスルトップ

2021.7.14 ジャパンダートダービー(JpnⅠ)

2018年4月20日生まれ 牡 黒鹿毛

バンブーエール
栗毛 2003
アフリート(CAN)
レインボーウッド(GB)
ジーガートップラン
鹿毛 1999
マヤノトップガン
ジーガーターセル
2021年成績 12戦4勝
2021年収得賞金 68,190,000円
主な成績 ジャパンダートダービー(JpnⅠ)1着
馬主 城市 公 氏
調教師 渋谷 信博
生産牧場 城市 公 氏

3歳馬によるダート戦では唯一のJpnIにして最高峰のジャパンダートダービー。23回の歴史でキャッスルトップは地方馬として6頭目の勝ち馬となった。過去5頭の地方所属の勝ち馬は、いずれもそれまでに重賞を勝っていたのに対して、キャッスルトップで驚かされたのは、重賞未勝利どころかジャパンダートダービー(JpnI)が重賞初挑戦だったこと。初勝利もデビューから9戦目の3歳5月と遅かったが、そこから3連勝で急成長。補欠から繰り上がりという幸運もあったジャパンダートダービー(JpnI)は13頭立て12番人気。たしかに“人気薄の逃げ馬”ではあったが、刻んだラップタイムは決して楽なものではなく、ゴールまでギリギリ粘らせた鞍上の好騎乗。デビュー8年目の仲野光馬騎手は重賞初制覇がJpnIのビッグタイトルとなった。

NAR GRAND PRIX 2021

3歳最優秀牝馬

3歳最優秀牝馬

ケラススヴィア

2021.4.28 東京プリンセス賞

2018年5月9日生まれ 牝 黒鹿毛

サウスヴィグラス(USA)
栗毛 1996
エンドスウィープ(USA)
ダーケストスター(USA)
レディパッション
青毛 2011
ネオユニヴァース
アリゲーターアリー(USA)
2021年成績 7戦2勝
2021年収得賞金 58,000,000円
主な成績 関東オークス(JpnⅡ)2着、
桜花賞1着、
東京プリンセス賞1着
馬主 小田 吉男 氏
調教師 小久保 智
生産牧場 ヒサイファーム

前年、無敗のまま東京2歳優駿牝馬を制したケラススヴィアは、しかし3歳初戦のユングフラウ賞では不覚をとって接戦の2着。それでも南関東牝馬三冠戦線でのレースぶりは圧巻だった。桜花賞では逃げて直線後続を引き離し3馬身差。東京プリンセス賞でも外枠から抜群のスタートダッシュを決めると、楽な手応えのまま後続を突き放し7馬身差の圧勝。関東オークス(JpnⅡ)では中央馬相手に惜しくも2着で牝馬三冠はならなかったものの、地方の3歳牝馬としては圧倒的なパフォーマンスを見せ、グランダム・ジャパン3歳シーズンでも圧倒的なポイント差で女王となった。
管理する小久保智調教師は、2019年に同じく桜花賞、東京プリンセス賞の南関東牝馬二冠を制したトーセンガーネットに続いての3歳最優秀牝馬受賞となった。

NAR GRAND PRIX 2021

4歳以上最優秀牝馬

4歳以上最優秀牝馬

サルサディオーネ

2021.9.29 日本テレビ盃(JpnⅡ)

2014年5月3日生まれ 牝 栗毛

ゴールドアリュール(USA)
栗毛 1999
サンデーサイレンス(USA)
ニキーヤ(USA)
サルサクイーン
栗毛 1999
リンドシェーバー(USA)
シーサイドエンゼル
2021年成績 9戦3勝
2021年収得賞金 96,200,000円
主な成績 日本テレビ盃(JpnⅡ)1着、
スパーキングレディーカップ(JpnⅢ)1着、
スパーキングサマーカップ1着
馬主 菅原 広隆 氏
調教師 堀 千亜樹
生産牧場 荒谷牧場

中央から大井に移籍しての2シーズン目、7歳になったサルサディオーネはさらなる進化を遂げた。
スパーキングレディーカップ(JpnⅢ)は単騎の逃げに持ち込んで6馬身差圧勝。牡馬相手のスパーキングサマーカップも、重賞3勝(当時)のティーズダンクに半馬身差まで迫られたものの、危なげのない逃げ切り。日本テレビ盃(JpnⅡ)では外枠から難なくハナを取ると、GI/JpnI実績のある中央の牡馬を相手に堂々の逃げ切り。地方所属の牝馬が牡馬相手にマイル以上のダートグレード競走を制したのは、2歳戦を除けば、2003年にネームヴァリューが帝王賞を制して以来、じつに18年ぶりの快挙。地方の牝馬が2年連続で複数のダートグレード競走を制したことも過去に例がなく、2年連続での4歳以上最優秀牝馬に輝いた。

NAR GRAND PRIX 2021

ばんえい最優秀馬

ばんえい最優秀馬

ホクショウマサル

2021.3.21 ばんえい記念

2011年5月5日生まれ 牡 鹿毛

(半血)エビスカチドキ
栗毛 1995
(半血)クロタカ
(ベルジ)サニーソフイア
(半血)ミクニレンショウ
鹿毛 2002
(半血)アトミックドラゴン
(半血)リキショウヒメ
2021年成績 7戦4勝
2021年収得賞金 13,140,000円
主な成績 ばんえい記念1着
馬主 井内 紀子 氏
調教師 坂本 東一
生産牧場 門 志美 氏

ばんえい競馬のシーズンクライマックス、年に一度だけ1トンの重量で争われるばんえい記念を制したのは、10歳のホクショウマサル。前年、初挑戦だったばんえい記念3着のあと不振に陥ったが、秋以降、徐々に調子を戻して迎えた大一番。第2障害3番手から力強く歩いて差し切った。残念ながらその後、闘病の末6月にこの世を去ったため、この年に出走した重賞はばんえい記念のみだったが、その最高峰の舞台でのパフォーマンスが評価された。
ホクショウマサルは、イレネー記念やばんえいダービーを制するなど、2歳時から世代のトップクラスで活躍。2年4カ月という長期の戦線離脱から復帰後、31連勝という地方競馬の連勝記録も打ち立てた。記録にも記憶にも残る活躍で、2度目の挑戦となったばんえい記念が、結果的に集大成となった。

NAR GRAND PRIX 2021

ダートグレード競走特別賞馬

ダートグレード競走特別賞馬

カジノフォンテン

2021.1.27 川崎記念(JpnⅠ)

2016年3月29日生まれ 牡 栗毛

カジノドライヴ(USA)
栗毛 2005
Mineshaft(USA)
Better Than Honour(USA)
ジーナフォンテン
栗毛 1998
ベストタイアップ
ジュピターガール
2021年成績 6戦3勝
2021年収得賞金 151,000,000円
主な成績 川崎記念(JpnⅠ)1着、
かしわ記念(JpnⅠ)1着、
京成盃グランドマイラーズ1着
馬主 吉橋 興生 氏
調教師 山下 貴之
生産牧場 登別上水牧場

地方競馬で実施されたダート交流重賞競走で最も優秀な成績をおさめた馬に与えられる本賞。この年、地方のGI/JpnI競走で2勝をあげたのはカジノフォンテンが唯一。中央・地方の所属に関わらず表彰対象となる本賞で、地方馬の受賞は初となった。
母ジーナフォンテンが船橋に所属しダートグレード競走2勝をあげた活躍馬とあってデビュー時から注目を集めたカジノフォンテンだが、重賞初制覇は4歳になった2020年。その年の東京大賞典(GI)ではオメガパフュームにクビ差2着で本格化を思わせた。そして迎えた21年、母も3着と好走した川崎記念(JpnI)を制し、地元のかしわ記念(JpnI)も勝利。地方馬によるGI/JpnI年間2勝は、11年に同じ船橋のフリオーソが、奇しくも同じ川崎記念、かしわ記念を制して以来10年ぶりの快挙だった。

NAR GRAND PRIX 2021

特別表彰馬

特別表彰馬

マルシュロレーヌ

2021.11.6 ブリーダーズカップ・ディスタフ(GⅠ) *写真中央10番

2016年2月4日生まれ 牝 鹿毛

オルフェーヴル
栗毛 2008
ステイゴールド
オリエンタルアート
ヴィートマルシェ
鹿毛 2002
フレンチデピュティ(USA)
キョウエイマーチ
2021年成績 6戦4勝
2021年収得賞金 国内賞金:97,080,000円
海外賞金:1,040,000米ドル
主な成績 ブリーダーズカップ・ディスタフ(GⅠ)1着、
エンプレス杯(JpnⅡ)1着、
TCK女王盃(JpnⅢ)1着、
ブリーダーズゴールドカップ(JpnⅢ)1着
馬主 (有)キャロットファーム
調教師 矢作 芳人
生産牧場 ノーザンファーム

地方競馬の発展に顕著な功績があった馬や、その他顕彰に値すると認められる馬を称える特別表彰。マルシュロレーヌは、地方競馬で実施されたダートグレード競走で実績を重ね、ダート競馬では世界最高峰とされるアメリカのブリーダーズカップ・ディスタフ(GI)を日本調教馬として初めて制した。
当初は芝で実績を重ねたが、ダート重賞初挑戦となった2020年のレディスプレリュード(JpnⅡ)を圧勝。21年は、TCK女王盃(JpnⅢ)、エンプレス杯(JpnⅡ)、ブリーダーズゴールドカップ(JpnⅢ)を制し、国内の重賞では牝馬のダートグレード競走で通算4勝。地方競馬のダートをステップにアメリカに渡っての歴史的快挙。ダートの本場アメリカで、日本のダート競走のレベルの高さをアピールした功績が評価されての表彰となった。

マルシュロレーヌ ブリーダーズカップ優勝記念ページ

NAR GRAND PRIX 2021

最優秀勝利回数調教師賞

最優秀勝利回数調教師賞

打越勇児

売上が右肩上がりを続ける高知競馬にあって、いまもっとも勢いがあるのが打越勇児調教師。2018年に197勝をマークし初めて全国のトップに立つと、翌19年には202勝で2年連続の本賞受賞。20年はわずか1勝差で角田輝也調教師(愛知)にトップの座を譲ったが、この年はキャリアハイとなる206勝をマーク。2位の角田調教師(162勝)に圧倒的な差をつけ、2年ぶり3度目の受賞となった。
管理馬ではマリンスカイ(牡2歳)が黒潮ジュニアチャンピオンシップ制覇を含め、圧巻のレースぶりでデビューから4連勝。高知所属馬として初めて全日本2歳優駿(JpnI)に出走(13着)した。22年は打越調教師自身の活躍とともに注目の存在となりそうだ。
また、所属する宮川実騎手の最優秀勝率騎手賞との同時受賞ということでは、なお一層の誉れとなった。

2021.10.31 黒潮ジュニアチャンピオンシップ(マリンスカイ)

2021.10.31 黒潮ジュニアチャンピオンシップ(マリンスカイ)

生年月日 1972年11月29日
初出走 2012年4月14日
2021年成績 787戦206勝 勝率26.2%
2021年収得賞金 242,480,000円
主な勝ち鞍 黒潮ジュニアチャンピオンシップ(マリンスカイ)

NAR GRAND PRIX 2021

最優秀賞金収得調教師賞

最優秀賞金収得調教師賞

小久保智

南関東で圧倒的な成績を記録し続ける小久保智調教師は、この年も6億7千万円余りの賞金を獲得。2位の矢野義幸調教師(船橋)に3億円近い差をつけ、本賞は3年連続7度目の受賞となった。勝利数の137は全国6位だが、南関東で記録した135勝は、2位の新井清重調教師(船橋・84勝)を大きく引き離した。
重賞では、ケラススヴィアが桜花賞、東京プリンセス賞の南関東牝馬二冠を制覇。関東オークス(JpnII)は2着で惜しくも三冠には手が届かなかったが、グランダム・ジャパン2021では、前年の2歳シーズンに続き、3歳シーズンでも女王となった。牡馬ではトランセンデンスが羽田盃を勝利。2歳馬でもライアンが平和賞を、ノブレスノアがハイセイコー記念を制するなど、2022年の南関東クラシック戦線にも小久保厩舎の有力馬が揃うことになりそうだ。

2021.4.28  東京プリンセス賞(ケラススヴィア)

2021.4.28 東京プリンセス賞(ケラススヴィア)

生年月日 1971年10月17日
初出走 2005年7月18日
2021年成績 728戦137勝  勝率18.8%
2021年収得賞金 671,505,500円
主な勝ち鞍 桜花賞・東京プリンセス賞(ケラススヴィア)、羽田盃・ニューイヤーカップ(トランセンデンス)、ハイセイコー記念(ノブレスノア)、東海桜花賞・金沢スプリントカップ(トーセンレビュー)、東京シンデレラマイル・しらさぎ賞(ダノンレジーナ)、平和賞(ライアン)、雲取賞(ランリョウオー)

NAR GRAND PRIX 2021

最優秀勝率調教師賞

最優秀勝率調教師賞

川西 毅

勝率30%、連対率50%は、調教師の記録としては傑出した数字で、それを何年も続けるのは容易なことではない。しかしながら川西毅調教師にとっては、もはや毎年のノルマともいえるもので、2005年の初出走から21年末までの通算成績5,765戦1,877勝、2着1,117回は、勝率32.6%、連対率51.9%(中央の成績も含む)。この年の勝率31.7%は、通算の勝率をやや下回ったものの、それでも30%超は全国で唯一。NARグランプリに勝率の部門表彰ができてから13年、川西調教師の本賞受賞は6年連続9度目となった。
この年は重賞で3歳馬の活躍が目立ち、牡馬のブンブンマルが年明けからスプリングカップなど重賞3連勝。牝馬のニジイロは姫路に遠征した兵庫クイーンセレクション、地元の東海クイーンカップを制した。

2021.4.21  東海クイーンカップ(ニジイロ)

2021.4.21 東海クイーンカップ(ニジイロ)

生年月日 1972年7月30日
初出走 2005年1月16日
2021年成績 331戦105勝  勝率31.7%
2021年収得賞金 102,071,000円
主な勝ち鞍 スプリングカップ・新春ペガサスカップ・中京ペガスターカップ(ブンブンマル)、東海クイーンカップ・兵庫クイーンセレクション(ニジイロ)

NAR GRAND PRIX 2021

最優秀勝率騎手賞

最優秀勝率騎手賞

宮川 実

1999年10月に高知競馬でデビューした宮川実騎手は、2003年に高知リーディングの5位に入るなど早くから頭角を現した。07年に初の100勝超えとなる119勝(うち高知117勝)をあげ高知で2位にまで躍進。翌08年には140勝(うち高知139勝、3位)と数字を伸ばし、その確かな騎乗技術も評価されていた。ところが09年5月、レース中の落馬事故で顔面を骨折し、左目を失った。
 事故から約1年後、騎手として復帰したことだけでも奇跡に思えたが、その後は右目しか見えないハンデを背負いながら、再び高知でリーディング上位を争う活躍を続けている。本賞は、前年に5度目の受賞を果たしていた同じ高知の赤岡修次騎手に替わっての初受賞。所属厩舎である打越勇児調教師の最優秀勝利回数調教師賞との同時受賞ともなった。

2021.10.31  黒潮ジュニアチャンピオンシップ(マリンスカイ)

2021.10.31 黒潮ジュニアチャンピオンシップ(マリンスカイ)

生年月日 1982年2月10日
初騎乗 1999年10月2日
2021年成績 473戦134勝  勝率28.3%
2021年収得賞金 153,210,000円
主な勝ち鞍 黒潮ジュニアチャンピオンシップ(マリンスカイ)

NAR GRAND PRIX 2021

最優秀勝利回数騎手賞最優秀賞金収得騎手賞

最優秀勝利回数騎手賞

森 泰斗

この年363勝をあげた森泰斗騎手は、2位の吉村智洋騎手(兵庫・319勝)に44勝差をつけ全国のトップに立った。所属する南関東での362勝も、2位の笹川翼騎手(大井・267勝)に100勝近い差をつける圧倒的なもの。また収得賞金でもこの年ただひとり10億円超えとなる11億9千万円余りを稼いだ。双方の数字で他の追随を許さず、最優秀勝利回数騎手賞は3年連続5度目、最優秀賞金収得騎手賞は7年連続7度目の受賞となった。
重賞では、ケラススヴィアで桜花賞、東京プリンセス賞の南関東牝馬二冠を制覇。関東オークス(JpnⅡ)は惜しくも2着で三冠とはならなかったものの、3歳最優秀牝馬に選出される活躍だった。またトランセンデンスで羽田盃を勝利するなど、南関東のクラシック戦線では常に中心的存在であった。
2021年末現在の地方競馬通算3,545勝(ほか中央10勝)は、現役11位、歴代でも20位。デビューから24年の40歳。すでに地方競馬のレジェンドといえる実績を積み重ねている。

2021.3.31  桜花賞(ケラススヴィア)

2021.3.31 桜花賞(ケラススヴィア)

生年月日 1981年1月11日
初騎乗 1998年4月18日
2021年成績 1,494戦363勝  勝率24.3%
2021年収得賞金 1,192,282,000円
主な勝ち鞍 桜花賞・東京プリンセス賞(ケラススヴィア)、羽田盃・ニューイヤーカップ(トランセンデンス)、習志野きらっとスプリント・兵庫ゴールドカップ(コパノフィーリング)、ハイセイコー記念(ノブレスノア)

NAR GRAND PRIX 2021

優秀女性騎手賞

優秀女性騎手賞

宮下 瞳

宮下瞳騎手は前年、国内の女性騎手では初の年間100勝超えとなる105まで勝ち星を積み上げた。2021年はその数字を更新するまでには至らなかったものの、それでも地方競馬の女性騎手としては最多の96勝。名古屋リーディングでも6位という成績を残した。重賞勝利はなかったものの、それまで宮下騎手で重賞4勝をあげていたポルタディソーニでは、2018、20年に制していた梅見月杯で2着。これまでの騎手人生で最良のパートナーともいえるポルタディソーニは母になるため春には引退。それでもこの年、名古屋競馬場で行われた重賞24レースのうち15レースに騎乗したことは、トップジョッキーとして信頼を得ている証といえる。その中には他地区からの遠征馬への騎乗依頼も2レースあった。優秀女性騎手賞受賞は実に12度目の受賞となった。

2021.11.18 地方通算1000勝達成(リアルスピード)

2021.11.18 地方通算1000勝達成(リアルスピード)

生年月日 1977年5月31日
初騎乗 1995年10月22日
2021年成績 864戦96勝  勝率11.1%
2021年収得賞金 71,985,000円

NAR GRAND PRIX 2021

優秀女性騎手賞

優秀女性騎手賞

佐々木 世麗

2021年4月に地方競馬でデビューした新人騎手は9名。女性騎手として初めて兵庫県競馬所属となった佐々木世麗騎手は、同期の中で最多の87勝をマーク。その勝利を重ねていく過程は驚きの連続だった。初勝利はデビューして2日目、メインレースの特別戦を断然の支持にこたえて逃げ切り、続く最終レースも勝利。1日2勝は珍しいことではなく、3勝の固め勝ちも4度あった。
そうしてマークした87勝が9カ月で達成した数字であることを考えれば、ともに優秀女性騎手賞を受賞した宮下瞳騎手(愛知)の12カ月での96勝を上回るペースで勝ち星を重ねたことになる。また佐々木騎手の勝率13.1%も、宮下騎手のそれを上回るもの。デビュー初年度から女性騎手という枠にとらわれずとも優秀な成績を残しての本賞受賞となった。

2021.11.23  LJS2021盛岡第2戦

2021.11.23 LJS2021盛岡第2戦*写真左7番

生年月日 2003年2月7日
初騎乗 2021年4月13日
2021年成績 663戦87勝  勝率13.1%
2021年収得賞金 115,770,000円
主な勝ち鞍 LJS2021盛岡第2戦

NAR GRAND PRIX 2021

優秀新人騎手賞

優秀新人騎手賞

飛田 愛斗

2020年10月3日にデビューした飛田愛斗騎手は、年が明けると、佐賀不動のリーディング、山口勲騎手とトップを争うペースで勝ち星を重ね、一躍注目となった。6月27日に達成した通算100勝は、デビューから268日という地方競馬最速の記録。またデビューから1年間での127勝も地方競馬の記録更新となった。重賞4勝を含め、この年は145勝。本賞の対象となる新人騎手では、94勝をあげた金田利貴騎手(ばんえい)、この年4月のデビューから9カ月間で87勝の佐々木世麗騎手(兵庫)などもすばらしい記録を残したが、飛田騎手のパフォーマンスがそのはるか上をいった。
またヤングジョッキーズシリーズでは、ファイナルラウンド大井・中山の4戦で2勝をあげ、すでに減量を卒業しているため最初で最後の出場で優勝を果たした。

2021.12.28  YJSファイナルラウンド中山(中山競馬場

2021.12.28 YJSファイナルラウンド中山(JRA中山)*写真中央

生年月日 2002年8月1日
初騎乗 2020年10月3日
2021年成績 902戦145勝  勝率16.1%
2021年収得賞金 130,060,000円
主な勝ち鞍 たんぽぽ賞(イロエンピツ)、カペラ賞(タケノサイコウ)、 佐賀がばいダッシュ・ウインターチャンピオン(ドラゴンゲート)、 2021YJS FR大井 第2戦、 FR中山 第2戦

YJSファイナルラウンド 合計獲得ポイント

順位 騎手名 所属 合計P
1位 飛田 愛斗 佐賀 65
2位 菅原 明良 JRA美浦 55
3位 魚住 謙心 金沢 52

NAR GRAND PRIX 2021

ベストフェアプレイ賞

ベストフェアプレイ賞

髙松 亮

進路関係無制裁の騎手の中で勝利回数がもっとも多かった騎手(年間100勝以上)を表彰する本賞は、岡部誠騎手が4年ぶり2度目の受賞。この年はキャリアハイとなる年間298勝をマークし、全国リーディングでも3位という成績を残した。
デビューから28年目、44歳という年齢は、体力的にはおそらくピークを過ぎていると思われるが、それを補って余りある豊富な経験と精神力で上昇を続けている。この年は重賞9勝、そのうち4勝は金沢、園田に遠征してのもので、地元だけではないさまざまな競馬場で結果を残し、そしてフェアプレイを続ける騎乗は、後進のお手本となるもの。2021年末現在、地方競馬通算4,355勝(ほか中央19勝)は現役6位、歴代でも10位。地方競馬の歴史に確実にその名を刻んでいる。

2021.7.23  兵庫サマークイーン賞(シーアフェアリー)

2021.7.23 兵庫サマークイーン賞(シーアフェアリー)

生年月日 1977年3月3日
初騎乗 1994年10月16日
2021年成績 1,187戦298勝   勝率25.1%
2021年収得賞金 222,671,000円
主な勝ち鞍 東海桜花賞・金沢スプリントカップ(トーセンレビュー)、ベイスプリント(ナムラマホーホ)、名古屋記念(アドマイヤムテキ)、東海クイーンカップ(ニジイロ)、湾岸スターカップ(スプリングメドウ)、兵庫サマークイーン賞・兵庫クイーンカップ(シーアフェアリー)、日本海スプリント(ニュータウンガール)

NAR GRAND PRIX 2021

特別賞

特別賞

岡田 繁幸

岡田 繁幸

日本の競馬産業全体に多大なる貢献を果たされてきた岡田繁幸氏が、2021年3月19日、71歳の誕生日に逝去された。
地方競馬における最大の功績は、コスモバルクに代表されるように、地方競馬に所属したままJRAGIへの挑戦を続けたことだろう。03年に始まった認定厩舎制度の第1号となったコスモバルクは、弥生賞などJRA重賞を3勝。クラシック三冠を含めJRAGIに挑戦することじつに23回。残念ながら勝利には至らなかったものの、海外遠征ではシンガポール航空国際カップを制し、地方馬として、また日高地区の生産馬として、初めて海外の国際GIを制する快挙となった。地方から中央への挑戦を続ける過程ではさまざまに問題を提起し、その後の制度改革にもつながった。またJBC競走の創設にも関わり、JBC協会副会長としてその拡大・発展にも尽力された。

2006.5.14 シンガポール航空国際カップ GI(コスモバルク)

2006.5.14 シンガポール航空国際カップ GI(コスモバルク)

NAR GRAND PRIX 2021

特別賞

特別賞

宮下 瞳

国内の女性騎手として最多勝利記録を更新し続けてきた宮下瞳騎手が、ついに大台の地方競馬通算1000勝に到達。1995年に騎手としてデビューし、2011年8月に一度引退。2人のお子さんの出産を経て16年8月に復帰後も順調に勝ち星を重ねての記録達成となった。
引退前の年間最多勝が05年の84勝で、復帰後の20年には女性騎手として地方競馬史上初の年間100勝を超える105勝、そしてこの年も96勝をマーク。また引退前の国内での通算成績は7,797戦626勝で、勝率は8.0%。一方、復帰して以降、21年末までの成績は3,765戦388勝で勝率は10.3%。若い頃より、復帰後のほうがハイペースで勝ち星を重ねていることになる。
この年は第2回競馬功績者表彰(農林水産大臣賞)も受賞。NARグランプリ・特別賞は前年に続いて4度目の受賞となった。

2021.7.5 競馬功績者表彰を受賞

2021.7.5 競馬功績者表彰を受賞

生年月日 1977年5月31日
初騎乗 1995年10月22日
通算成績 11,562戦1,014勝  勝率8.8%
通算獲得賞金 634,088,500円
地方重賞通算 5勝

※2021年12月31日終了時点

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