ごあいさつ
全国各地の競馬場で輝かしい活躍をされた方々をお迎えして毎年開催しております『NARグランプリ』ですが、新型コロナウイルス感染拡大にかかる社会情勢に鑑み、誠に残念ではありますが、昨年に引き続き表彰式及び祝賀会の開催を取り止めることといたしました。2021年を通じて素晴らしい成績を収められ、受賞された関係者の皆様には、お詫びいたしますとともに、この場をお借りして、皆様のご活躍を心からお祝い申し上げたいと存じます。
また、コロナ禍の状況の中、『NARグランプリ2021』表彰の選定にご尽力いただいた委員の皆様を始め、お客様へ広く発信していただいておりますマスコミ等関係の方々に対し、厚く御礼申し上げます。
2021年は、年初から政府により新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が発令され、その後対象地域の拡大、対象期間の延長等がなされたことから、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、1年にわたって競馬場及び場外発売施設の入場制限をやむなく実施することとなり、とりわけ競馬観戦をお楽しみいただいているお客様には、多大なご不便をおかけいたしました。そのような状況にもかかわらず、多くのお客様にインターネット投票でご購入いただき地方競馬を支えていただきました。
昨年1年間の地方競馬の総売得金額は前年対比で111.7%と一昨年を上回り、年末の東京大賞典(大井競馬場)におきましても、地方競馬の1競走・1日のレコードをそれぞれ更新するなど、年間を通じてお客様の格別のご支持をいただきましたこと、感謝の念に堪えません。
近年、地方競馬所属馬は着実に好成績を挙げつつあり、2021年においてもJBCクラシックにおいてミューチャリー(船橋)が地方所属馬による悲願の初制覇を達成するなどJpnⅠ競走4勝を含む8つのダートグレード競走を地方所属馬が制しました。
また、マルシュロレーヌ(JRA)は、 地方競馬のレースで能力を開花させ、世界最高峰のレースであるアメリカのブリーダーズカップディスタフに勝利し、日本で実施されているダート競走の地位を大いに高めてくれました。
騎手の活躍では、女性騎手歴代最多勝利記録を更新中の宮下瞳騎手(名古屋)が、12月に女性騎手として前人未到の地方競馬通算1000勝を達成されました。また、若手に目を転ずると、地方・中央の若手騎手が腕を競うヤングジョッキーズシリーズでは、飛田愛斗騎手(佐賀)が優勝し、シリーズ創設から5年連続で地方所属騎手が総合1位の栄冠に輝きました。
騎手候補生を育成する地方競馬教養センターは昨年9月に最新のトレーニング設備を備えた新教育棟が完成し、ここから巣立っていく有望な新人騎手達のデビューにもご期待くださいますようお願いいたします。
今後も、地方競馬の宝である卓越した技術を持つ騎手たちや、地方・中央のトップ・ダートホースが競い合うダートグレード競走の魅力を、より多くのお客様に広めるとともに、地域に根差した地方競馬の特色を活かし、多くのお客様にさらに地方競馬を安心して楽しんでいただけるよう、主催者とともに、一層努めてまいります。
さて、本編に掲載されました皆様は、2021年に優秀な成績を収められ、あるいは、地方競馬の発展に功績のあった栄えある受賞者でございます。皆様に対しましては、心よりお祝いを申し上げるとともに、深く敬意を表するものです。
結びにあたり、ファンの皆様には、本年も引き続き地方競馬に温かいご支援を賜りますようお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。