ごあいさつ
全国各地の競馬場で輝かしい活躍をされた方々をお迎えして毎年開催しております『NAR グランプリ』ですが、本年につきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、誠に残念ではありますが、表彰式及び祝賀会の開催をとりやめることといたしました。素晴らしい成績を収められ、受賞された関係者の皆様には、心からお詫びいたしますとともに、本編を通してにはなりますが、皆様のご活躍を盛大にお祝いしたいと存じます。また、コロナ禍の状況の中、『NAR グランプリ2020』表彰の選定にご尽力いただいた委員の皆様をはじめ、お客様へ広く発信していただいておりますマスコミ等関係の方々に対し、厚く御礼申し上げます。
2020 年は、2 月下旬から新型コロナウイルス感染拡大防止のため無観客開催に移行し、1 年にわたって競馬場及び場外発売施設の入場制限をやむなく実施することとなり、とりわけ競馬観戦をお楽しみいただいているお客様には、多大なご迷惑をおかけした年となりました。そのような状況にもかかわらず、多くのお客様に主にインターネット投票で地方競馬を支えていただきました。初の2場開催となったJBC大井・門別は両場の1 日売上合計で100億円を超え、年末の東京大賞典(大井競馬場)におきましても、地方競馬の1 競走レコードを更新(60 億円)するなど、年間を通じてお客様に格別のご支援をいただきましたこと、心から感謝申し上げます。
近年、地方競馬所属馬は着実に好成績を挙げつつあり、2020 年においてもJpnⅠ競走の優勝馬2頭を含め、7 つのダートグレード競走を地方所属馬が制しました。騎手の活躍では、現役最高齢で国内最多勝利記録更新中の的場文男騎手(大井)が、騎手として初めて黄綬褒章を受章されたことは、地方競馬にとってもたいへんな栄誉でありました。また、若手に目を転ずると、地方・中央の若手騎手が腕を競うヤングジョッキーズシリーズでは、シリーズ創設から4 年連続で地方所属騎手が総合1位の栄冠に輝きました。騎手候補生を育成する地方競馬教養センターは本年9 月に新教育棟が完成しますので、これを機にさらなる有望な新人騎手のデビューをご期待くださいますようお願いいたします。 今後も、地方競馬にひしめく卓越した騎手たちと、加えて、地方・中央のトップ・ダートホースが競い合うダートグレード競走の魅力を、より多くのお客様に知っていただくとともに、地域に根差した地方競馬の特色を活かし、多くのお客様にさらに地方競馬を安心して楽しんでいただけるよう、主催者とともに、いっそう努めてまいります。
さて、本サイトに掲載されました皆様は、2020 年に優秀な成績を収められ、あるいは、地方競馬の発展に功績のあった栄えある受賞者であります。皆様に対しましては、心よりお祝いを申し上げるとともに、深く敬意を表するものです。 結びにあたり、農林水産省をはじめ、JRA など関係の皆様並びにファンの皆様には、引き続き、地方競馬に温かいご支援を賜りますようお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。
AWARDS表彰部門一覧
NAR GRAND PRIX 2020
NAR GRAND PRIX 2020
年度代表馬- HORSE OF THE YEAR - 4歳以上最優秀牡馬・最優秀短距離馬
2014年3月15日生まれ 牡 黒鹿毛
サウスヴィグラス(USA) 栗毛 1996 |
エンドスウィープ(USA) |
ダーケストスター(USA) | |
サブノイナズマ 青鹿毛 2005 |
カコイーシーズ(USA) |
サブノアフロディア |
2020年成績 | 9戦5勝 |
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2020年収得賞金 | 105,200,000円 |
主な成績 | JBCスプリント(JpnⅠ)1着、 東京スプリント(JpnⅢ)2着、 アフター5スター賞1着 |
馬主 | 中川 三郎 氏 |
調教師 | 堀 千亜樹 |
主戦騎手 | 矢野 貴之 |
厩務員 | 塚本 竹瑠 |
生産牧場 | 藤沢牧場 |
“ダートの祭典”とも言われるJBC競走は、数あるダートGI/JpnIの中でも特に地方競馬関係者が目標とするレース。しかしながらJRA勢はダート路線の層も厚く、容易には勝たせてもらえない。それでも近年、特に短距離路線では地方馬の健闘が目立つようになり、それが19年のブルドッグボス、さらにこの年のサブノジュニアと、南関東所属馬によるJBCスプリント(JpnI)連覇という結果として示された。
サブノジュニアは3歳時から短距離路線で頭角を現したが、重賞タイトルには惜しいところで手が届かず、6歳になったこの年9月のアフター5スター賞が重賞初制覇だった。4月の東京スプリント(JpnⅢ)では1馬身1/4差で2着に好走しており、アフター5スター賞を制して臨んだ東京盃(JpnII)でも5着とはいえ勝ち馬とは0秒4差。JRAの一線級とも互角のスピードがあることは示していた。そして臨んだJBCスプリント(JpnI)は、4コーナーでもまだ中団の位置取りから自慢の末脚一閃、ゴール前で見事に突き抜けた。6歳での重賞初勝利から、一気に最高峰のタイトルも仕留めて見せた。この年の地方馬の活躍でもっとも輝いた瞬間だったといえよう。
年度代表馬 サブノジュニア 関係者コメント
馬主:中川 三郎 氏
まずは年度代表馬という栄誉を賜りましたことにたいへん驚いております。また、これまでサブノジュニアに関わっていただいた全ての関係者に心から感謝申し上げます。
JBCスプリント(JpnⅠ)を勝利したことで、今後は斤量や出走レース選別が悩みどころですが、レース結果の言い訳はできず、年度代表馬に相応しい結果を残し、2021年金沢でのJBC連覇に挑戦していく義務もあると考えています。
父馬サウスヴィグラスとのJBC親子制覇になり、先々のことですが、後継種牡馬として生産界への寄与を視野に考えていきたいとも考えています。そのためにも馬を大切に、調教師と相談しながら、サブノジュニアには今年も期待を込めて出走させますので、ファンの皆様の応援をよろしくお願いいたします。
調教師:堀 千亜樹
最初から素質のある馬で、故障もありましたが時間をかけて徐々に育ててきたことが、この活躍につながったと思います。これまで我慢した分、年度代表馬のタイトルには感無量です。
騎手:矢野 貴之
年度代表馬に騎乗できたことはとても光栄ですし、この経験は、馬主、調教師、厩務員ほか関係者全ての方のお陰です。この喜びには今後の責任がついてくると思います。勝って兜の緒を締めよ、今後も気を引き締めて騎乗させていただきます。
NAR GRAND PRIX 2020
NAR GRAND PRIX 2020
2歳最優秀牡馬
2018年2月8日生まれ 牡 鹿毛
ヘニーヒューズ(USA) 栗毛 2003 |
ヘネシー(USA) |
Meadow Flyer(USA) | |
カサロサーダ 鹿毛 2013 |
ステイゴールド |
センブラフェ(ARG) |
2020年成績 | 5戦5勝 |
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2020年収得賞金 | 81,400,000円 |
主な成績 | 全日本2歳優駿(JpnⅠ)1着、 ゴールドジュニア1着、 ハイセイコー記念1着 |
馬主 | 猪熊 広次 氏 |
調教師 | 林 正人 |
主戦騎手 | 左海 誠二 |
厩務員 | 荒美 成栄 |
生産牧場 | 大狩部牧場 |
5月のデビューから地元船橋で圧倒的なスピードで2連勝としたアランバローズは、その後も着実に進化を遂げた。3カ月の休み明けで臨んだゴールドジュニアは、初めての大井への輸送に加え、初めての右回り。それでも直線では独走となって、同じ船橋のマカベウスとの無敗馬対決を制して見せた。続くハイセイコー記念は、2番手で我慢させる競馬を教えながらも、やはり直線突き放しての圧勝。この4戦では、徐々に距離を延ばすことにも対応させてきた。そして臨んだ頂点のJpnI、全日本2歳優駿。外目の枠でも逃げの手に出ると、向正面から早くも後続との差を広げにかかり、やはり直線は独走。2着との5馬身差は、08年のスーニと並び、このレースが中央との交流となった97年以降では最大の着差。圧倒的な2歳ダートチャンピオンとなったアランバローズの前途は洋々だ。
NAR GRAND PRIX 2020
NAR GRAND PRIX 2020
2歳最優秀牝馬
2018年2月23日生まれ 牝 栗毛
アジアエクスプレス(USA) 栗毛 2011 |
ヘニーヒューズ(USA) |
ランニングボブキャッツ(USA) | |
ヒバリエクスプレス 黒鹿毛 2007 |
アグネスデジタル(USA) |
コスモグローリ |
2020年成績 | 7戦5勝 |
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2020年収得賞金 | 25,400,000円 |
主な成績 | エーデルワイス賞(JpnⅢ)1着、 リリーカップ1着 |
馬主 | 村上 雅規 氏 |
調教師 | 角川 秀樹 |
主戦騎手 | 阿部 龍 |
厩務員 | 鹿田 諭 |
生産牧場 | 村上 雅規 氏 |
デビュー戦のJRA認定フレッシュチャレンジこそアタマ差2着だったソロユニットだが、その後は、未勝利戦、JRA認定アタックチャレンジ、2歳オープンと連勝し、重賞初挑戦となったリリーカップは2着に7馬身差をつける圧勝。レースを使うごとに成長を見せた。そして臨んだJpnⅢのエーデルワイス賞は、4コーナーで先頭をとらえると直線では後続を突き放して2着に4馬身差をつける完勝で1番人気にこたえて見せた。
2歳ダート戦線で毎年のように活躍馬を出す角川秀樹調教師は、特に牝馬での活躍が目立ち、エーデルワイス賞(JpnⅢ)は6勝目。本賞も、牡牝別の表彰となる以前の2歳最優秀馬の時代も含めて5頭目の受賞となった。また、ソロユニットの父アジアエクスプレスは初年度産駒からグレード勝ち馬を送り出すことになった。
NAR GRAND PRIX 2020
NAR GRAND PRIX 2020
3歳最優秀牡馬
2017年4月30日生まれ 牡 黒鹿毛
シンボリクリスエス(USA) 黒鹿毛 1999 |
Kris S.(USA) |
Tee Kay(USA) | |
プーカ 黒鹿毛 2010 |
キングカメハメハ |
ペニーホイッスル |
2020年成績 | 8戦4勝 |
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2020年収得賞金 | 59,800,000円 |
主な成績 | 東京ダービー1着、 東京湾カップ2着 |
馬主 | (有)太盛 |
調教師 | 林 正人 |
主戦騎手 | 山口 達弥 |
厩務員 | 藤平 省三 |
生産牧場 | 飯岡牧場 |
2歳時には2勝を挙げたものの目立った活躍のなかったエメリミットだが、3歳になって地元船橋の特別戦を3連勝。それが2着に3馬身、5馬身、8馬身差という圧勝とあって一躍注目の存在となった。東京湾カップ2着で出走権を掴んだ東京ダービーは、直線馬場の真ん中を力強く伸び、東京湾カップでクビ差先着されていたマンガンを、逆にクビ差でしりぞけて見せた。
主戦の山口達弥騎手は、騎手生活17年目での重賞初制覇。地方競馬でも期間限定騎乗や重賞のスポット騎乗によって有力馬は乗替りが当り前の時代。しかしながらエメリミットの鞍上は一貫して山口達弥騎手で変わることなく、そしてもたらされたビッグタイトルでもあった。また管理する林正人調教師は、13年のインサイドザパークに続き、東京ダービー制覇&3歳最優秀牡馬受賞となった。
NAR GRAND PRIX 2020
NAR GRAND PRIX 2020
3歳最優秀牝馬
2017年3月13日生まれ 牝 栗毛
パイロ(USA) 黒鹿毛 2005 |
Pulpit(USA) |
Wild Vision(USA) | |
アスカリーブル 黒鹿毛 2009 |
ブラックタキシード |
ステキナデアイ |
2020年成績 | 9戦2勝 |
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2020年収得賞金 | 69,130,000円 |
主な成績 | 関東オークス(JpnⅡ)2着、 桜花賞1着、東京プリンセス賞1着、 グランダム・ジャパン2020 3歳シーズン優勝 |
馬主 | (有)新生ファーム |
調教師 | 米谷 康秀 |
主戦騎手 | 矢野 貴之 |
厩務員 | 髙橋 高幸 |
生産牧場 | 新生ファーム |
母は3歳時に関東オークス(JpnⅡ)など重賞5勝を挙げたアスカリーブル。その初仔にして唯一の産駒アクアリーブルが素質を開花したのは、北海道から船橋に移籍したこの年。ユングフラウ賞2着から臨んだ浦和・桜花賞を制すと、東京プリンセス賞は直線を向いての追い比べから抜け出して母仔制覇。南関東牝馬三冠が期待された関東オークス(JpnII)は中央馬に屈して2着だったものの、グランダム・ジャパン3歳シーズンでは圧倒的なポイント差で優勝。この世代の牝馬では圧倒的な活躍で、本賞は母仔での受賞となった。
なお本馬を管理していた佐藤賢二調教師は、東京プリンセス賞を制した3日後の5月1日早朝に急逝。その後は、かつて同調教師のもとで厩務員・調教師補佐として教えを受けた米谷康秀調教師に引き継がれた。
NAR GRAND PRIX 2020
NAR GRAND PRIX 2020
4歳以上最優秀牝馬
2014年5月3日生まれ 牝 栗毛
ゴールドアリュール(USA) 栗毛 1999 |
サンデーサイレンス(USA) |
ニキーヤ(USA) | |
サルサクイーン 栗毛 1999 |
リンドシェーバー(USA) |
シーサイドエンゼル |
2020年成績 | 11戦4勝 |
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2020年収得賞金 | 72,200,000円 |
主な成績 | マリーンカップ(JpnⅢ)1着、 クイーン賞(JpnⅢ)1着、 スパーキングレディーカップ(JpnⅢ)3着、 報知グランプリカップ1着 |
馬主 | 菅原 広隆 氏 |
調教師 | 堀 千亜樹 |
主戦騎手 | 矢野 貴之 |
厩務員 | 福田 祐也 |
生産牧場 | 荒谷牧場 |
中央在籍時にはダートグレード競走で2着までだったサルサディオーネだが、大井に移籍したこの年、充実の1年となった。
逃げて持ち味を発揮するタイプだけに同型との対戦ではもろいこともあるが、単騎マイペースで逃げられれば強い。転入2戦目の報知グランプリカップでは重賞勝ちのある牡馬を相手に逃げ切って重賞初勝利。4月のマリーンカップ(JpnⅢ)では直線で後続を突き放してダートグレード初制覇。圧巻だったのは12月のクイーン賞(JpnⅢ)で、3コーナーから後続との差を広げて完封。これこそがサルサディオーネの強さで、追い込んだ2着馬には2馬身半差だが、3着馬には大差をつけた。中央馬相手にトップハンデでの完勝は、6歳ながらこの1年での進化を感じさせるもの。ダートグレード2勝は、牝馬では圧倒的な成績を残した。
NAR GRAND PRIX 2020
NAR GRAND PRIX 2020
ばんえい最優秀馬
2010年3月22日生まれ 牡 青毛
(半血)ウンカイ 青毛 1994 |
(半血)マツノコトブキ |
(半血)ミハル | |
(日輓)富士姫 栃栗毛 2006 |
(半血)クリフジ |
(半血)ノースランドトップ |
2020年成績 | 17戦5勝 |
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2020年収得賞金 | 14,788,000円 |
主な成績 | ばんえい記念1着 |
馬主 | 大森 勝廣 氏 |
調教師 | 槻舘 重人 |
主戦騎手 | 鈴木 恵介 |
厩務員 | 槻舘 一男 |
生産牧場 | 六車 實子 氏 |
10歳を迎えたオレノココロで際立ったのは、抜群の安定感だった。重賞は8戦して1勝のみだったが、2着5回、3着2回とすべて馬券にからんだ。そして5着以下は一度もなく、4着4回も負担重量が700キロ台かそれ以下の特別戦。より重い負担重量の力比べを制してこそ評価されるのがばんえい競馬。比較的軽い重量のスピード勝負では一流馬が格下馬に負けることもめずらしくない。重賞で常に勝ち負けを争った安定感こそが、現役最強と言われるオレノココロの真骨頂。この年、同世代のライバル、コウシュハウンカイが重賞3勝をマークしたのに対して、オレノココロは1勝のみだったが、それが負担重量1トンの最高峰、ばんえい記念であったことの価値は大きい。ばんえい最優秀馬には17、18年に続いて3度目の受賞となった。
NAR GRAND PRIX 2020
NAR GRAND PRIX 2020
ダートグレード競走特別賞馬
2016年2月10日生まれ 牡 鹿毛
ゴールドアリュール 栗毛 1999 |
サンデーサイレンス(USA) |
ニキーヤ(USA) | |
クリソプレーズ 黒鹿毛 2002 |
エルコンドルパサー(USA) |
キャサリーンパー(USA) |
2020年成績 | 3戦2勝(ほか海外1戦0勝) |
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2020年収得賞金 | 155,000,000円 (ほか海外54,280,400円) |
主な成績 | 帝王賞(JpnⅠ)1着、 JBCクラシック(JpnⅠ)1着 |
馬主 | (有)キャロットファーム |
調教師 | 音無 秀孝 |
調教助手 | 生野 賢一 |
主戦騎手 | 川田 将雅 |
厩務員 | 濱田 誠一 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
地方競馬で実施されたダート交流重賞競走で最も優秀な成績をおさめた馬に与えられる本賞は、帝王賞(JpnI)、JBCクラシック(JpnI)を制したクリソベリルが受賞となった。
この年、クリソベリルが地方競馬で出走したのはその2戦のみだったが、それぞれ2着馬との2馬身、2馬身半という着差以上に完勝といえるレース内容だった。そしてその2戦とも2着だったオメガパフュームは年末の東京大賞典(GI)で3連覇を達成し、やはり2戦とも3着だったチュウワウィザードはこの年、川崎記念(JpnI)とチャンピオンズカップ(GI)を制した。
現役最強クラスが対戦した2度の地方ダートグレードの舞台で、クリソベリルが発揮した圧倒的なパフォーマンスが評価された。
NAR GRAND PRIX 2020
NAR GRAND PRIX 2020
最優秀勝利回数調教師賞
上位拮抗となることが多い調教師の全国リーディング争いだが、この年は例年以上。最終的に上位4名が10勝差以内にひしめく僅差の争いでトップに立ったのが、176勝をあげた角田輝也調教師。18、19年に2年連続本賞を受賞していた打越勇児調教師(高知)とわずか1勝差、3年ぶり4回目の栄誉となった。
この年までに角田調教師が積み重ねた通算勝利数は3,620。8月にはそれまで雑賀正光調教師(高知)が更新し続けていた地方競馬における調教師の通算勝利数を上回り、以降その記録を更新し続けている。1963年生まれの57歳。1999年の初出走から足掛け22年でたどり着いた前人未到の記録は、後進の追随を許さない高みにまで昇っていくことになるのだろう。
生年月日 | 1963年10月21日 |
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初出走 | 1999年1月17日 |
2020年成績 | 854戦176勝 勝率20.6% |
2020年収得賞金 | 118,647,000円 |
主な勝ち鞍 | 名古屋記念(アドマイヤムテキ)、 マイル争覇(サムライドライブ)、 新緑賞(エイシンハルニレ) |
最優秀勝利回数調教師賞 角田 輝也 受賞コメント
最多勝のタイトルは、毎日の積み重ねでしか成しえない記録であって、オーナーのご協力と、騎手、厩務員の努力の賜物による結果であり、本当に光栄に感じています。コロナ禍による無観客開催など大きな変容があった年でしたが、1年間集中して競馬に携われたことに感謝しています。時代に適応する調教師でなければ勝ち星を重ねられないと考えていますので、通算最多勝の更新に向けても研鑽してまいります。
NAR GRAND PRIX 2020
NAR GRAND PRIX 2020
最優秀賞金収得調教師賞
収得賞金額の表彰は、開催日数も多く賞金も高い南関東所属の調教師によって争われることがほとんどだが、中でも近年の小久保智調教師の数字は突出している。地方競馬の歴代最高を記録した2019年の7億9千万円余りには届かなかったものの、この年に獲得した7億2477万円余りは、2位の藤田輝信調教師(大井)にダブルスコア近い差をつける圧倒的なもの。2年連続6回目の本賞受賞となった。
前年にJBCスプリントのタイトルをもたらしたブルドッグボスは引退レースとなった地元浦和のゴールドカップ連覇を果たし、種牡馬となるべく無事に北の地へ送り出した。そしてデビューから無傷の4連勝で東京2歳優駿牝馬を制したケラススヴィアは、グランダム・ジャパン2歳シーズン女王にも輝く活躍を見せた。
生年月日 | 1971年10月17日 |
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初出走 | 2005年7月18日 |
2020年成績 | 748戦146勝 勝率19.5% |
2020年収得賞金 | 724,775,000円 |
主な勝ち鞍 | 東京2歳優駿牝馬・ローレル賞(ケラススヴィア)、 習志野きらっとスプリント(ノブワイルド)、ゴールドカップ(ブルドッグボス)、 東京シンデレラマイル(ダノンレジーナ)、東海桜花賞(ドリームドルチェ)、 留守杯日高賞(ボンボンショコラ) |
最優秀賞金収得調教師賞 小久保 智 受賞コメント
コロナ禍の社会情勢の中、競馬を実施させていただけていることに深く感謝する1年でした。これからも気を引き締めて業務にあたります。昨年前半は重賞を勝ちきれず苦しみました。後半で何とか結果を出すことができ、その中でも、ブルドッグボスとノブワイルドの同世代2頭をともに種牡馬として生産界に送り出せたのは、この上ない喜びです。いつか両馬の仔を浦和競馬の新馬戦に出走させることが夢になりました。
NAR GRAND PRIX 2020
NAR GRAND PRIX 2020
最優秀勝率調教師賞
調教師・騎手が部門別の表彰となって12年目、川西毅調教師の本賞受賞はその歴史でじつに8回目(5年連続)となった。
2020年の成績は、421戦142勝、2着79回、3着50回。勝率は33.7%で、この年に30%を超えたのは唯一という圧倒的な数字を残した。そして連対率は52.5%、3着以内の複勝率は64.4%。じつに出走3回に1回は勝利し、2回に1回以上は連対、3回のうち2回近くは馬券にからんでいるという信頼度は抜群。
2005年が初出走だった川西調教師の2020年までの通算成績は、5,434戦1,772勝、2着1,062回で、勝率32.6%、連対率52.2%(中央の成績も含む)。毎年のように勝率でトップを争っていることが、デビュー以来の数字を見てもわかる。この年の142勝は勝利数でも全国で7位という成績も素晴らしい。
生年月日 | 1972年7月30日 |
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初出走 | 2005年1月16日 |
2020年成績 | 421戦142勝 勝率33.7% |
2020年収得賞金 | 86,029,000円 |
主な勝ち鞍 | 湾岸スターカップ(インザフューチャー) |
最優秀勝率調教師賞 川西 毅 受賞コメント
今年も最優秀勝率調教師賞をいただくことができ、また5年連続8回目の受賞は、スタッフの頑張りがあったからこそ、です。毎年、年始めにはその年の成績に不安を感じることもありますが、地道にコツコツ業務にあたることが大事だと思っています。この賞をいただけるということは、馬主とファンの方の信頼に沿える結果を出せている証になりますので、今後とも皆様の信頼に応える仕事を続けていきたいです。
NAR GRAND PRIX 2020
NAR GRAND PRIX 2020
殊勲調教師賞
サブノジュニアによるJBCスプリントでのJpnI制覇に加え、サルサディオーネでもマリーンカップ(JpnⅢ)、クイーン賞(JpnⅢ)を制し、ダートグレード競走3勝という活躍が評価され、堀千亜樹調教師が殊勲調教師賞の栄誉となった。
地方馬によるJpnI格付のJBC競走制覇は、サブノジュニアで歴代4頭目。デビュー時から手掛けてきた厩舎生え抜きで、ダート短距離では最高峰のタイトル獲得は、なお一層評価されるべきだろう。
堀調教師は管理馬でのNARグランプリ初受賞となったが、年度代表馬、4歳以上最優秀牡馬、最優秀短距離馬に加え、サルサディオーネでも4歳以上最優秀牝馬と、数多くのタイトルを獲得したことでは、2005年の厩舎初出走以来、最良の1年となった。
生年月日 | 1961年1月8日 |
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初出走 | 2005年6月26日 |
2020年成績 | 447戦39勝 勝率8.7% |
2020年収得賞金 | 294,281,000円 |
主な勝ち鞍 | JBCスプリント(JpnⅠ)・アフター5スター賞(サブノジュニア)、 マリーンカップ(JpnⅢ)・クイーン賞(JpnⅢ)・報知グランプリカップ(サルサディオーネ) |
殊勲調教師賞 堀 千亜樹 受賞コメント
JBCスプリントを含むダートグレード競走年間3勝という成績を評価していただき、誠にありがとうございました。サブノジュニア、サルサディオーネともに、最高の舞台に挑む場面で、馬の調子を合わせることができ、いい形で結果を出すことができました。この成績には納得しています。両馬にはこのまま今年の活躍につなげていきたいですし、さらに他の管理馬でも好成績を上げる年となるよう精進していきます。
NAR GRAND PRIX 2020
NAR GRAND PRIX 2020
最優秀勝利回数騎手賞
最優秀賞金収得騎手賞・特別賞
森泰斗騎手がこの年にマークした勝利数387、収得賞金13億円超は、ともに騎手生活23年でのキャリアハイ。勝利数では2位の吉村智洋騎手(兵庫)に30勝差、収得賞金では2位の矢野貴之騎手(大井)に3億5千万円余りの差をつけてトップを堅持。最優秀勝利回数騎手賞は2年連続4回目、最優秀賞金収得騎手賞は6年連続6回目の受賞となった。
この年は、大井リーディングこそわずか1勝差で地元の矢野騎手にトップを譲ったが、地元船橋をはじめ、浦和、川崎でも1位。また大レースでの活躍も目立ち、重賞は10勝。その中には、JRA所属馬に騎乗してのTCK女王盃(JpnⅢ)、さきたま杯(JpnⅡ)というダートグレードのタイトルもあった。
7月14日には地方通算3000勝を達成し、特別賞も併せての受賞となった。
生年月日 | 1981年1月11日 |
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初騎乗 | 1998年4月18日 |
2020年成績 | 1585戦387勝 勝率24.4% |
2020年収得賞金 | 1,311,727,000円 |
主な勝ち鞍 | さきたま杯(JpnⅡ)(ノボバカラ)、 TCK女王盃(JpnⅢ)(マドラスチェック)、 東京記念・金盃(サウンドトゥルー)、 ロジータ記念(ルイドフィーネ)、 東京2歳優駿牝馬・ローレル賞(ケラススヴィア)、 ニューイヤーカップ(グリーンロード)、 川崎マイラーズ(グレンツェント)、 プラチナカップ(ベストマッチョ) |
通算成績 | 22,779戦3,192勝 勝率14.0% |
通算収得賞金 | 9,219,060,400円 |
地方重賞通算 | 47勝 |
※2020年12月31日終了時点
最優秀勝利回数騎手賞・最優秀賞金収得騎手賞・特別賞
森 泰斗 受賞コメント
昨年はキャリアハイの387勝、重賞勝利も10勝でキャリアハイを記録できたことが賞金収得騎手賞につながっています。3,000勝達成を含め、いずれの記録も騎乗馬があってのことであり、各馬の関係者の皆さんに心より感謝します。昨年に続いてベストフェアプレイ賞を獲れなかったことが心残りです。今年中に3,500勝したいですね。
NAR GRAND PRIX 2020
NAR GRAND PRIX 2020
最優秀勝率騎手賞
2009年から12年まで4年連続で本賞を受賞していた赤岡修次騎手が、8年ぶり(5回目)の勝率1位に返り咲いた。
赤岡騎手は2015年以降毎年、南関東で約2カ月間の期間限定騎乗をしてきたが、この年は他地区重賞のスポット騎乗以外は高知での騎乗に専念。地元高知での245勝は、2位の永森大智騎手にダブルスコアとなる圧倒的な差をつけ、2014年以来6年ぶりに高知リーディングにも返り咲いた。地方全国リーディングも249勝で3位。そしてマークした勝率34.6%は、この年ただひとり30%超となる圧倒的な数字だった。
赤岡騎手がこの年、それ以上に注目されたのは、佐々木竹見元騎手の記録を44年ぶりに更新する14年連続200勝という記録。歴代13人目、現役8人目の地方競馬通算4000勝も達成し、もはやレジェンドといえる存在だ。
生年月日 | 1977年3月15日 |
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初騎乗 | 1994年10月10日 |
2020年成績 | 720戦249勝 勝率34.6% |
2020年収得賞金 | 224,128,000円 |
主な勝ち鞍 | 楠賞(サロルン)、 秋桜賞(サラーブ)、 大高坂賞(サクラレグナム)、 建依別賞(スリラーインマニラ) |
最優秀勝率騎手賞 赤岡 修次 受賞コメント
10年連続200勝達成を昨年の目標にしてきましたが、同じ年に最優秀勝率騎手賞を受賞できたことはたいへん嬉しく思います。勝率については、正直なところそれほど意識をしていませんでしたが、コロナの影響であまり県外遠征ができず、高知に腰を据えて乗ってきた結果が、このような形で評価されたことに感謝しています。
NAR GRAND PRIX 2020
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殊勲騎手賞
サブノジュニアをJBCスプリント(JpnI)制覇に導き、サルサディオーネでもマリーンカップ(JpnⅢ)、クイーン賞(JpnⅢ)勝利と、ダートグレード競走で顕著な活躍を見せた矢野貴之騎手が殊勲騎手賞受賞となった。
矢野騎手は2004年の高崎競馬廃止にともない大井に移籍。当初は勝ち星に恵まれない時期もあったが、204勝をあげた15年以降は南関東リーディング上位に定着。14年の南関東重賞初制覇から毎年重賞タイトルを重ね、前述マリーンカップ(JpnⅢ)がダートグレード初勝利。さらにJBCスプリントでJpnIのタイトルも獲得した。この年は東京プリンセス賞を制したアクアリーブルも3歳最優秀牝馬に選出され、4歳以上最優秀牝馬のサルサディオーネ、そして年度代表馬のサブノジュニアと、NARグランプリ受賞馬3頭の主戦騎手としても名を連ねることになった。
生年月日 | 1984年8月3日 |
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初騎乗 | 2002年4月12日 |
2020年成績 | 1319戦237勝 勝率18.0% |
2020年収得賞金 | 956,998,500円 |
主な勝ち鞍 | JBCスプリント(JpnⅠ)・アフター5スター賞(サブノジュニア)、 マリーンカップ(JpnⅢ)・クイーン賞(JpnⅢ)(サルサディオーネ)、 東京プリンセス賞(アクアリーブル) |
殊勲騎手賞 矢野 貴之 受賞コメント
思いがけない受賞に驚いています。騎乗馬に恵まれた、いい1年でした。サブノジュニアは、遠征などの要素を含め、もう一皮剥ける成長が必要ですし、さらなる挑戦を騎手の立場から支えていきたいです。サルサディオーネは展開に左右されますが、嵌まった時の強さは牡馬にも勝ると思っていますので、それを改めて実証したいです。
NAR GRAND PRIX 2020
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優秀新人騎手賞
2019年にホッカイドウ競馬でデビューした小野楓馬騎手は、その年、地元門別で行われたヤングジョッキーズシリーズ・トライアルラウンドの当日、その第2戦を含め1日5勝の活躍で脚光を浴びた。その翌週にはリリーカップをプリモジョーカーで制し、デビュー年での重賞初制覇。46勝を挙げた。
そして2年目となったこの年、さらに成績を伸ばしての年間68勝は、優秀新人騎手賞の対象となるデビュー2年以内の騎手では最多。北海道リーディングでも前年の11位から7位に躍進した。また重賞でもアザワクでグランシャリオ門別スプリントを制し、クインズプルートでは星雲賞制覇に加え、笠松に遠征してくろゆり賞を勝利。勝利数のみならず、重賞での活躍も評価されての優秀新人騎手賞となった。
生年月日 | 2000年2月23日 |
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初騎乗 | 2019年4月17日 |
2020年成績 | 608戦68勝 勝率11.2% |
2020年収得賞金 | 77,130,500円 |
主な勝ち鞍 | くろゆり賞・星雲賞(クインズプルート)、グランシャリオ門別スプリント(アザワク) |
優秀新人騎手賞 小野 楓馬 受賞コメント
嬉しい、の一言に尽きます。この成績を収めることができたのは関係者の皆さんのおかげです。昨年はシーズン途中まで地元リーディング5位を争いながら、最終開催に成績が伸ばせず7位に終わりました。受賞後のここからが本当のスタートだと思っています。気を引き締めて、来期は70勝、リーディング5位以内を目標に頑張ります。
NAR GRAND PRIX 2020
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優秀女性騎手賞・特別賞
2016年8月、5年ぶりに現役復帰を果たした宮下瞳騎手は、フルシーズンの騎乗となった2017年以降、毎年50前後の勝利数で推移。しかしこの年、その数字を一気に105まで伸ばし、2005年に自身が記録した国内女性騎手の年間最多勝記録84勝を大きく上回る活躍を見せた。名古屋リーディング4位、東海リーディング7位も、これまでの最高順位。ポルタディソーニでは梅見月杯を勝利し、2017年から4年連続の重賞制覇を果たした。それら傑出した成績が評価され、2年ぶり11度目の優秀女性騎手賞受賞となった。
また国内の女性騎手では初めて年間100勝を達成したことで、特別賞も併せての受賞。国内女性騎手の通算最多勝記録も更新し続け、この年までで918勝。通算1000勝という大台も見えてきた。
生年月日 | 1977年5月31日 |
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初騎乗 | 1995年10月22日 |
2020年成績 | 884戦105勝 勝率11.9% |
2020年収得賞金 | 72,978,500円 |
主な勝ち鞍 | 梅見月杯(ポルタディソーニ) |
通算成績 | 10,698戦918勝 勝率8.6% |
通算収得賞金 | 562,103,500円 |
地方重賞通算 | 5勝 |
※2020年12月31日終了時点
優秀女性騎手賞・特別賞 宮下 瞳 受賞コメント
昨年はケガもなく、恵まれた1年でした。良い流れでレースに乗れて、かつてない最高の成績につながったことはたいへんありがたく、関係者の皆様には心から感謝しています。通算1,000勝という夢のような記録が近づいてきており、達成に向けて意識も少しずつ強くなってきました。ファンの皆様の応援を糧に記録達成を目指します。
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ベストフェアプレイ賞
年間100勝以上をあげ、進路関係無制裁の騎手の中で勝利回数がもっとも多かった騎手を表彰する本賞は、高松亮騎手が初受賞となった。
高松騎手が初めて年間100勝超を記録したのはデビュー11年目の2014年。以降は一度も100勝を下ることなく岩手リーディング上位に定着。この年の164勝は自身のキャリアハイで、地方全国リーディング13位、岩手リーディング2位も、ともに最高順位となった。フレッチャビアンカでは、東北優駿、不来方賞、そして3歳秋のチャンピオンシップ・ファイナルのダービーグランプリというビッグタイトルを制し、存在感を示した。
“勝ち”を強く意識すれば、きわどいプレーも必然となるところ、過去最高の成績をマークする中での無制裁は、残した数字やタイトル以上に評価されるべきだろう。
生年月日 | 1986年6月30日 |
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初騎乗 | 2004年4月18日 |
2020年成績 | 987戦164勝 勝率16.6% |
2020年収得賞金 | 128,974,000円 |
主な勝ち鞍 | ダービーグランプリ・東北優駿・不来方賞(フレッチャビアンカ)、ビューチフルドリーマーカップ(アッキー)、金杯(シンボ)、あやめ賞(アンズビジン) |
ベストフェアプレイ賞 髙松 亮 受賞コメント
本賞の歴代受賞者を振り返ると素晴らしい方ばかりで、気が引き締まる思いです。岩手競馬の菅原勲、小林俊彦(ともに現調教師)両先輩騎手に続くことができ、とても光栄です。未熟な自分を、この賞がいただけるまでに支えてくださった多くの関係者の方々に感謝します。この賞に恥じぬフェアな騎乗で、岩手リーディングを狙います。
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特別賞
秋の褒章において、騎手として初めて黄綬褒章を受章した的場文男騎手。NARグランプリの特別賞は、地方通算3,000勝を達成した1999年、地方競馬通算最多勝記録を更新した2018年に続いて3度目の受賞となった。
通算最多勝記録の更新から、2020年末で2年4カ月余り。不滅と思われた佐々木竹見元騎手の記録更新から167もの勝ち星を積み重ね、空前にして絶後と思われる地方競馬での勝ち星は7,318となった。
通算最多勝のほか、最年長重賞勝利の記録も保持している的場騎手は64歳。川崎の森下博騎手がこの年3月の騎乗を最後に引退したことで、地方競馬では現役最年長となった。2021年7月以降には、森下騎手による地方競馬の最年長勝利および最年長騎乗の記録も更新する可能性がある。
生年月日 | 1956年9月7日 |
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初騎乗 | 1973年10月16日 |
通算成績 | 42,346戦7,322勝 勝率17.3% |
通算収得賞金 | 27,678,975,200円 |
地方重賞通算 | 154勝 |
※2020年12月31日終了時点
特別賞 的場 文男 受賞コメント
騎手として初の黄綬褒章受章という、長年にわたる騎手生活へのご褒美をいただき、併せてNARグランプリ特別賞受賞は、関係者と競馬ファンの皆様のおかげであり、本当に感謝しています。今年は7月以降の国内最年長勝利記録更新を目標に、これからもできるところまでは騎乗を続けます。コロナ禍が落ち着いた後、ぜひ皆さんにはまた競馬場で騎乗ぶりをご覧いただきたいです。
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特別賞
2020年10月28日、園田競馬場で下原理騎手が地方競馬通算3,000勝を達成した。
地方通算2,000勝達成はデビューから22年目の2016年。その前年、2015年から毎年200以上の勝ち星を重ね、2,000勝から3,000勝までは約4年1カ月で到達。その間、2017年には最優秀勝利回数騎手賞も受賞している。
2018年以降、兵庫リーディングの座は吉村智洋騎手に譲っているが、ベテランらしく大レースでの活躍が目立ち、この年もステラモナークでの重賞5勝をはじめ、タガノゴールド、エイシンエンジョイ、タガノジーニアスで各2勝と、11の重賞タイトルを獲得。重賞通算72勝は、それまでの兵庫生え抜きの騎手による重賞最多勝記録だった木村健元騎手の71勝(JRAを含む)を超えた。地方競馬の歴史にその名を確実に刻んでいる。
生年月日 | 1977年9月3日 |
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初騎乗 | 1995年10月10日 |
通算成績 | 22,343戦3,042勝 勝率13.6% |
通算収得賞金 | 2,998,574,750円 |
地方重賞通算 | 72勝 |
※2020年12月31日終了時点
特別賞 下原 理 受賞コメント
3,000勝達成にあたり、これまで乗せてくださった関係者の皆様に感謝でいっぱいです。これからも兵庫の騎乗制限である1日8鞍の騎乗依頼を毎日いただけるように頑張ります。デビューから27年、年齢は43歳になりましたが、今もますます楽しくレースに騎乗できています。ですので、まだまだ元気に乗り続けていきます。
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2020 地方競馬ジョッキーズ
チャンピオンシップ優勝者
生年月日 | 1977年2月4日 |
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初騎乗 | 1994年7月2日 |
2020年成績 | 740戦131勝 勝率17.7% |
2020年収得賞金 | 89,155,000円 |
主な勝ち鞍 | 桐花賞・北上川大賞典(エンパイアペガサス)、スプリングカップ(フレッチャビアンカ)、2020地方競馬JCS 第1戦 |
2020地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ総合優勝 村上 忍 コメント
地方競馬JCSでは、過去に惜しい成績(2015年2位)はあったのですけれど、今回ようやく結果を出せました。全国の一流騎手が腕を競うシリーズで優勝できたことは、今後の騎手生活において大きな自信と励みになります。2021年も岩手の盛り上げ役になれるよう、1シーズンをケガなく頑張ります。岩手競馬をよろしくお願いします。
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2020 ヤングジョッキーズ
シリーズ優勝者
生年月日 | 2001年3月26日 |
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初騎乗 | 2018年4月16日 |
2020年成績 | 573戦40勝 勝率7.0% |
2020年収得賞金 | 123,023,000円 |
主な勝ち鞍 | 2020YJS TR浦和 第2戦、 2020YJS FR園田 第2戦、 2020YJS FR阪神 第1戦 |
2020ヤングジョッキーズシリーズ総合優勝 吉井 章 コメント
レベルの高い若手騎手とのYJSは、1年を通じて、多くを勉強させていただきました。そして、大きな舞台でのYJS総合優勝は、とても自信になりました。YJSというシリーズ実施自体に感謝したいです。今年は減量もなくなり、トップジョッキーと対等の条件で騎乗することになりますが、目標は高く、初重賞制覇を果たしたいですね。
- 「最優秀ターフ馬」「特別表彰馬」部門は該当馬なし。
- 「2020地方競馬JCS優勝者」「2020YJS優勝者」は、NARグランプリにかかる規程上の表彰ではありません。
- 本ページに記載の受賞馬および受賞者の成績は、地方競馬と中央競馬の総計です。
- 写真提供:愛知県競馬組合、兵庫県競馬組合、いちかんぽ
- 受賞馬・受賞者紹介文:斎藤 修