稲田ゼミ活動報告 東海興業株式会社様工場見学を掲載しました | KBS Life | KBS 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 | 慶應義塾大学ビジネス・スクール

2024年11月25日

稲田ゼミ活動報告 東海興業株式会社様工場見学

 10月8日、11月11日の2日間にわたり、東海興業株式会社様(以下、東海興業様)に稲田ゼミの活動として訪問させていただきました。

 東海興業様は、愛知県大府市にあり、自動車用樹脂・ゴム・シート部品、車載電子部品、建材用部品および関連商品の製造・販売を行っている製造企業です。国内では愛知県に本社工場を含む4つの工場、長野県に1つの工場を構え、さらにアメリカ、中国、ベトナムなどグローバルな工場展開にも積極的に取り組んでいます。今回は稲田准教授と一緒に、愛知県内の4工場と長野県の下条工場を見学し、各工場での製造工程や最新の技術、人材育成について詳しく説明を受けることができました。

 まず、東海興業様は、全社を挙げてカーボンニュートラルへの取り組みを中期経営計画に盛り込み、積極的に推進しています。各工場はこの計画に基づき、環境に配慮した改善活動や取り組みを行っています。例えば、製品に廃材を再利用することや、環境負荷の少ない素材を採用すること、また、商品設計や開発段階からカーボンニュートラルを意識した工程設計が行われています。さらに、効率化を目指した自動化設備の導入も進められており、投資をする際の稟議書には「CO2削減効果金額」を明示しなくてはいけないなどと徹底されていました。お話を通じて、全社一丸となってカーボンニュートラルに向けた取り組みが進んでいる様子を実感しました。

 工場見学では、各工場の工場長様から丁寧な説明をいただき、現場での取り組みを直接知る貴重な機会となりました。いずれの工場も省人化を目指した自動化設備の導入が展開されており、効率の良いロボットや製品の動きなど、無駄を徹底的に省くための改善活動が繰り返し行われていることが印象的でした。また、作業の効率化だけでなく、人間の負担を減らす観点も配慮がされ、安全対策も徹底されていることがわかりました。さらに、工場ごとに改善活動や自動化設備の導入に独自の工夫が見られ、それぞれのオリジナリティが感じられました。また、各工場でも現状の設備に満足するのではなく、より省人化や生産効率を高める設備設計について課題を挙げており、社員の方々の改善活動に対しての熱意を感じました。

 一方で、時代の変化に対応していかなければならないという課題についても伺いました。特に、近年では,自動車業界の電動化の進展等に伴い、お客様から求められる技術レベルがますます高まっており、これらへの対応が強く求められています。また、モノづくりに興味を持つ学生が減少していることから、将来の社員採用についても課題を抱えている点についてもお話を伺うことができました。

 今回の東海興業様への訪問で、改めて現場を見ることの大切さを学びました。改善活動をする際は、現場で人の動きやワークの動きを見ることが何より大切で、その中から課題が浮かびあがってくることがわかりました。また、各工場長様をはじめ、東海興業様の社員の皆様が、自動車業界全体を俯瞰してみており、その中から課題や向かうべき方向性を考えていることがわかりました。普段仕事をしているとどうしても目の前の仕事をただこなすという視点になってしまいがちです。その結果、変化に対応できず、他社との競争に遅れをとってしまいます。当たり前のことかもしれませんが、たとえ生産現場といったお客様と関わる機会が比較的少ない部署だとしても、常にお客様について考え行動することは大切だと学びました。そして、このような視点を社内に浸透させることで、社員の技術力向上につながり、結果としてお客様からのあらゆる要望に対応することができるようになることが分かりました。
 今回、このような機会をご提供頂きました同社代表取締役社長・CEOの木村友一様をはじめ、今回関わってくださった東海興業株式会社の皆様に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

M46 篠原直孝

東海興業株式会社様HP

下条工場での取り組みについてのご説明頂いている様子
下条工場見学の様子

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