「こちら葛飾区亀有公園前派出所」107巻の収録全話のあらすじを紹介していく。
(1998年4月発売)
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●G-SHOCKパニック!!の巻
ストーリー
腕時計のG-SHOCKは頑丈さと機能が売りだが、BABY-Gはかわいらしさから女性にも人気。
署のビンゴ大会で使うはずだった景品にG-SHOCKの限定品が眠っていると知った両さんは、定価の一割増で買い取って転売し臨時収入を得る。
手にした収入で両さんはシルバーユーザー向けの「G(ジジイ)-ショック」を開発するが、まったく売れない。
今度はG-SHOCKのニセブランドG-SHOOKを販売しようとする。
主な登場人物
腕時計G-SHOCKの話。
本田が苦労して入手した限定品のラバーズコレクションを勝手に強奪していく婦警たちが相変わらずヒドい。
両さんの開発した「G(ジジイ)-ショック」は、血圧、心電図などの健康データを測定し、万歩計機能もついている。現代のスマートウォッチにも通じる機能がついているところがスゴい。だが、健康データを入力すると死ぬまでの時間がカウントダウンされる「グッドバイライフ機能」は、今後のスマートウォッチにもたぶん搭載されない。
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●CDモンスター!!の巻
ストーリー
読み取ったCDからモンスターを生成し、そのモンスターを育てて闘わせるゲーム「モンスターファーム」で遊んでいると、電極プラスから似たようなゲームのモニターを頼まれる。
クラシック、ジャズ、ロック、アニソンなど様々なジャンルのCDからモンスターを生成。意外にも演歌や落語のCDから生み出したモンスターが強い。
両さんは研究の末、演歌と軍歌をミックスし、史上最強のモンスターを作り出す。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、寺井洋一、本田速人、左近寺竜之介
CDからモンスターを作るゲームの話。
プラスの開発したゲームは架空のものだが、「モンスターファーム」は実在のゲーム。プラスはゲームを宅配便で送り付けるが、本人は登場しない。
両さんは読み取るCDにアニソンを使い、アニメタルや、アニメ界3大テノール(水木一郎、佐々木功、子門真人)のMIXを使うも、できたモンスターは弱かった。
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●郷愁(ノスタルジック)の螢小夜曲(ホタルセレナーデ)の巻
ストーリー
婦警のリカの実家でホタルが見られると聞いて、中川と麗子が遊びに行くことにするが、両さんもついていくことに。
ケータイどころかポケベルの電波ですらつながらない田舎の環境に文句を言う両さん。それでも田舎のホタルの無警戒さや光景に感動する。
主な登場人物
リカの地元の田舎に行く話。次回にも続くので実質、前後編の前編。
田舎の電車やバスでの移動、バスの運転手とリカとの何気ない会話など、田舎の暮らしの様子がゆっくり描かれており、大きな事件などは起きない。
中川たちは休暇だが、両さんはパトロールと称して三日間抜け出して参加している。さすがに一度も戻らずに三日間不在だったらバレそう。
東京の下町育ちの両さんは、リカに「田舎の地主って どうしてフロ屋みたいな家を建てるんだ?」などと田舎の暮らしについて疑問を呈していた。
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●螢里(ほたるのさと)鉄道の夜の巻
ストーリー
前回からリカの地元の田舎に来ている両さんたち。神社の夏祭りに参加していると、木々の間を飛び交う天狗の姿が。石をぶつけて捕まえると、ボルボの祖父・小金丸だった。
小金丸はボルボとともに忍術の合宿訓練で来ており、廃線になった路線のトンネル内で野宿していた。トンネルを見たリカは、この線路は戦時中に爆撃を受けていて、後に廃線になったものであり、幽霊列車が出るというウワサを教える。
それを聞いた両さんは、廃線路で肝試しをしようと提案。夜に一行が訪れると、線路に振動があり、列車の音が近づいてくる。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、早乙女リカ、ボルボ西郷、西郷小金丸
リカの地元の田舎の話の後編。
忍術の訓練中のボルボは、忍者装束をまとい、刀を背負っているにも関わらず、両さんの接近を感じ取ると刀ではなく拳銃を抜いていた。忍者よりも軍人の習性の方が強いらしい。
両さんが中川の鉄道会社に連絡を取っていることを聞いたときの中川は、短パン、ランニングシャツに麦わら帽子姿で、地元の子供たちと川辺で遊んでいた。大企業のエリート社長とは思えない姿だが、自ら進んでやっていたことなのかは不明。
価格:2911円 |
●中川くんと2ショットの巻
ストーリー
交通課のリカは気が強く、男性署員を言い負かすことも日常。
実家に帰った際に撮影した写真の現像を頼んでいたことから、他の婦警に中川との写真を見られてしまう。二人で実家に行ったというので、婦警たちから羨ましがられたリカは、二人きりの帰省ということにして、両さんも同行していたことを秘密に。
しかし、そのことを知った両さんは秘密の暴露をネタにリカを脅すようになる。リカは両さんに対抗するべく、中川に頼んで両さんの写っていない写真を合成する。
主な登場人物
両さんが写真の秘密をネタにリカを脅迫する話。
リカが持っているバッグのロゴマークは、シャネルっぽいが、マークの輪が閉じたデザインになっており、少し違う。
当時は、写真フィルムを現像に出していた時代。一緒にいたのは麗子もなのだが、この話ではまったく触れられていない。
ラストで両さんは、廃車予定の車のトランクに三週間閉じ込められるはめになるが、婦警たちへの復讐のため「ふえるワカメ」を大量に持ち込んでいたのと、雨が降っていたため生き延びたようである。
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●大混戦「こち亀」ゲームの巻
ストーリー
中川がPUFFYの大貫亜美と世界一周デートに行ってきたと聞き、両さんは羨ましがる。
そんな両さんの元にバンダイの太田氏が現れ、「こち亀」のゲームができたと報告にやって来る。やって来た太田氏に「両さんアクションドール」の機関銃発売大作戦、麗子ドールの計画の進捗を訊ねるが、はぐらかされてしまう。
派出所メンバーは、太田氏の置いていったセガサターン版のゲームを楽しむ。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、本田速人、麻里愛、ボルボ西郷、星逃田、中川龍一郎、太田健介
実際に発売された「こち亀」のゲームをする話。
PUFFYの大貫亜美は「こち亀」の単行本の巻末解説(104巻)もしている。中川が亜美にプレゼントしているのはFAOシュワルツのぬいぐるみ。
この回では進捗について言葉を濁しているバンダイの太田氏だが、108巻「麗子ドール ついに完成!!の巻」で麗子ドールは完成する。
今回、太田氏が持ってきたゲームはプレイステーション版の「ハイテクビル侵攻阻止作戦!の巻」とセガサターン版の「中川ランド大レース!の巻」。ゲームキャラとして、星逃田と中川の父が登場。星逃田について、両さんは「日本で5人ぐらいしか知らんよ」と語っている。
こちら葛飾区亀有公園前派出所 (ゲーム) - Wikipedia
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●生き様さまざま!?の巻
ストーリー
人間が生き方に迷った際、背中を押すものが様々ある。結婚相手に迷った場合に背中を押すのは「愛」、転職に迷った際に背中を押すのが「勇気」だったりする。
「わかっちゃいるけど やめられない」という言葉が好きな両さんの背中を押すのは「欲」。
そのような人生設計のない生き方を部長や中川たちにとがめられた両さんは、競馬に行っても「イギリス紳士の様にスマートに買う」と誓う。しかし、大当たりで大金を手にした両さんは「紳士としての引き際」と背中を押す「欲」の間で葛藤する。
主な登場人物
生き様に関しての話。
一般に「背中を押す」というのは比喩としての表現だが、この話では「欲」という巨大な文字が実際に背中を押す描写になっている。
即断即決の両さんだが、5万円という高額のデン助人形の購入については悩んで3キロやせたらしい。
冒頭で両さんが飲んでいるのは「葛飾金町のおいしい水」という缶飲料。
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●氷上の熱血バトル!!の巻
ストーリー
米国のプロアイスホッケーリーグNHLの日本での試合を見に行った両さんたち。ロサンゼルス・デトニクスvsコロラド・レッド・エンジェルスの試合で、デトニクスに所属しているのがジョディーの兄のシルベスターだったため、チケットが入手できたのだった。
試合後、デトニクスにダメ出しをする両さんは、チームを率いてデトニクスと練習試合をすることに。チームを持たない両さんは、ボルボ、左近寺の他、スポーツ経験者を集める。
素人ばかりのチームながら、持前の身軽さとラフプレーで両さんはプロ相手に大健闘。
主な登場人物
両津勘吉、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、ボルボ西郷、左近寺竜之介、早乙女リカ、ジョディー・爆竜・カレン、爆竜・シルベスター、太田健介
NHL選手とアイスホッケー対決をする話。
両さんが急遽集めたメンバーは、柔道着、剣道着、野球のユニフォームなどバラバラの恰好。その中で、なぜか両さんはハゲヅラにステテコの加トちゃんスタイルだった。
集められたメンバーの中には、アメフト経験者のバンダイ太田氏の姿もあった。
価格:5445円 |
●部長のポケモン奮戦記の巻
ストーリー
両さんは集めた珍しい種類のポケモンを子供たちに有料で売る商売をしていた。
一方、部長は孫の大介のポケモンソフトの入ったゲームボーイを預かるが、誤って大介が集めた140匹分のデータを消してしまう。(全部で151匹)
部長はお金を払って両さんに集めてもらおうとするが、両さんは拒否。部長は攻略本を買って勉強し、近所の子供から情報収集し、自力でポケモンを集める。
主な登場人物
両津勘吉、大原大次郎(部長)、中川圭一、秋本カトリーヌ麗子、角田大介、大原良子
部長がポケモンをする話。
初代の「赤・緑」ついで「青」がヒットしていた頃。部長がプレイしていたのは「緑」。
両さんは部長から報酬5万円を提示されるが、部長がゲームをやる方が面白いと、珍しくお金を選択しなかった。
部長は、大介が学校の合宿から帰るまでの4日間で、自力で118匹まで集めた。
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G-SHOCK、モンスターファーム、ポケモン赤・緑と、90年代のサブカルが反映された巻。
「郷愁(ノスタルジック)の螢小夜曲(ホタルセレナーデ)の巻」はギャグ少な目だが、郷愁を誘って味わい深い。