ヨシムラ
砂の王国、鳥取から、風力発電の風車が道すがらに多く立ち並ぶ島根をひたすら走り抜け、山陰と山陽を併せ持つめずらしい県、本州の最西端、山口の穴場を探ってみた。
めずらしく柔らかなグリーンに映る日本海
国道9号線は信号があまり変わらない。止まらず走って行けるのだ。本州でゆったり走れるこの道が好きだ。牛骨ラーメンや温泉など、ブラブラと寄り道をして走れるこの街道は実に楽しい。山口に入って“道の駅発祥”の看板をとらえた。その道の駅とは、道の駅阿武町。ここはどんな展開をしているのか。
なんだこの安さは! 山陰沖で獲れた魚の豊富さと安さに驚く。温泉も併設されているし景色もいい。郷土料理の“イトヨリきずし”を食べた。米の代わりに酢をからめたおからで小ぶりににぎった寿司だ。口の中が少しパサつくが、他で味わえない山口の郷土を感じる一品。温泉から日本海を眺めて心の贅沢を味わったら、近くでキャンプすることを決めた。
詩人、金子みすゞを探して長門湯本へ向かう。音信川に沿って歩きながら、80才を越えた母に恋文に似た葉書を出す。
“僕は元気です。貴女はいかがお過ごしですか”
緑のキレイな日本海を味わったら愛車にまたがりまた走る。途中のコンビニで20才くらいの2人と出会った。「角島からの帰りです」。そんな話で盛り上がり下関まで一緒に走ることにした。途中で別れると、下関でいつも世話になってるカフェに寄った。「暑さにやられたでしょう?」とオーナーが出してくれたヨーグルトスムージーをすすりながら、染みわたる人の縁を味わっていた。
コレを食っとけ
海の幸
ここは山陰沖で獲れた地魚であふれているうえ、かなり安い。数人でキャンプするなら食材はすべてそろう。さばいてくれるのでスーパーに行くより断然オススメ。平アジ10匹で150円、ひらまさ1.5㎏で600円、サザエ10個950円、一人で来たことを久々に後悔した。
落合 みつを
シンガーソングライター。新潟県出身。2004年メジャーデビュー。世界初の分解ギターをヤイリギターと製作する。現在、愛車W800との旅をウェブ TVで世界配信中。全国コミュニティFM7局放送中『今日はどこまで歩こうか?』詳しくは公式HPインフォメーションにて
http://information.mitsuwo.com
Web TV『落合みつをの今日はどこまで走ろうか?』
http://www.mitsuwo.com/