ヨシムラ
最近、各メーカーが続々と導入している装備の一つがスマートフォンとの接続機能。メーカーや車種によってできることは異なるが、車両の状態を保存するなど利便性が高まることは間違いない。カワサキ車の接続機能でできるメニューを紹介しよう。
車両状況や走りの記録がスマホで簡単に取れる
昨今、多くのバイクに導入されて注目を集めているシステムがスマートフォンとの連携機能であろう。国内外多くのメーカーが導入し始めているが、メーカーや車種によってできることが違う。今回はモデルチェンジしてスマートフォンとの連携機能が追加された2020年式Z900で検証した。
まずはスマートフォンにバイクと連携するためのアプリ“RIDEOLOGY THE APP”をダウンロードする。アプリを起動し、バイクは液晶メーターのメニューモードで“Bluetooth”を選んでペアリング。この辺りの操作は取扱説明書を見れば問題なくできるだろう。するとビークルインフォメーションに各種車両情報(走行距離、トリップメーター、燃料計など)が記録される。バイクから離れた時でもそれらの情報を手元ですぐに確認できるのはかなり便利。ガソリン残量などをもとに、次の予定などを立てやすいのだ。
車用アプリ『RIDEOLOGY THE APP』を使用
カワサキのバイクとスマートフォンをリンクさせるために必要なのが専用アプリ『RIDEOLOGY THE APP』だ。接続(ペアリング)の設定は難しいものではなく、メニューに沿って行なえばすぐに完了する。アプリを起動すると最初に開くのはビークルインフォメーションだ。ライディングログ機能やチューニング機能を使いたい場合は下に並んでいるアイコンをタップして選ぶ。機能が豊富なのはうれしいが、より身近になるよう日本語版アプリのリリースを望みたい。
iPhoneでもAndroidでもOK
走りの記録が取れるライディングログはかなり楽しめる機能だ。走り出す時に記録開始ボタンを押すとストップボタンを押すまでルートやその間の車両データを記録し続ける。それがスマートフォン上で再生でき、地図上を動く軌跡にあわせて速度やエンジン回転数、ギヤなどがグラフで表示される。これが見ていておもしろい。遊び心ある旅の記録としても価値がある。ただしログを長時間取り続けるならスマートフォンに電源をつないでおいたほうがいいので、オプションパーツにあるDC電源ソケットなどが必要になる。
チューニングはアプリ上で各種設定を変更することができる機能。速度の単位や日付、時間の表示方法といった基本的なモノから、車種別のパワーモードやトラクションコントロールの設定、サスペンションセッティングまで行なえる。ただし車種によって機能が異なり、Z900はアプリで変更できるのは基本情報のみ。パワーモードやトラクションコントロールなどはバイク側で設定したモノの読み込みだけとなる。
また電話やメールの着信をアイコンで知らせる機能もある。これは通知だけなので、表示が出たらバイクを停めてスマートフォンを操作することになる。
バイクとスマートフォンとが連携すると、今まで考えてもいなかったことが可能になる。できることも増えていくと思うので、今後の展開にも大いに期待したい。
ビークルインフォメーション
アプリを起動すると最初に開くビークルインフォメーションは、現在の車両情報が確認できる画面。上部に表示される地図にはバイクの位置とライダーの位置が表示され、接続日時の下にオドメーターや走行時間、トリップメーターA&B、燃料の残量、走行可能距離、平均燃費、平均スピード、バッテリーの電圧などが表示される。車種によって使えない項目は文字が暗転しタップしても反応しない。
チューニング
アプリ上で液晶メーターの基本設定や、電子制御システムの設定ができる画面。車種によって行なえる作業に違いがある。Z900ができるのはシフトランプが点灯する回転数やメーターの単位などの基本設定のみ。ニンジャH2 SX SE+だとパワーモードやサスペンションセッティングなどを細く設定しバイクに送ることができる。
ライディングログ
ツーリングの記録として役立つのがライディングログ機能。スタートから停止までのルートを地図上に記憶し、その間の距離やかかった時間、平均燃費や最高&平均速度を記録してくれる。また走行中のスピードやエンジン回転数、ギヤ、燃費などをカラフルな折れ線グラフで表示し、地図上の車両の位置とリンクして再生する機能はユーザー目線でいうと、一番おもしろい。欲を言えばアプリを立ち上げているときは自動的に記録し続けてくれるとありがたい。今後の発展にも期待したい機能だ。
試乗モデル/2020年モデル Z900
横田 和彦
1968年6月生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターバイクまで数多く乗り継ぐ。現在もプライベートで街乗りやツーリングのほか、サーキット走行、草レース参戦を楽しんでいる。