「あたしが、ひめさまを幸せにしてみせます!」
むかしむかし、継母にいじめられ、
床が落ち窪んだ部屋で、こきつかわれるお姫さまがいました。
しかし、その姫には、とっても心強い味方がいたのです。
姫とすてきな貴公子の恋、
そして、その恋を応援する侍女の活躍をえがく
1000年前のシンデレラ・ストーリー。
平安時代に成立したとされる「落窪物語」。
薄幸の姫君と貴公子の物語とされる本作を、児童文学作家・花形みつるが姫君の幼なじみで侍女のあこぎを語り手に、現代によみがえらせました。
あの手この手で、姫を今の境遇から救おうとするあこぎの奮闘を、ポップに描きだします。果たして姫君の運命やいかに!
あこぎの行動力の源泉は、姫君が大好きでたまらないというただそれだけ。こんな無垢な感情をぶつけられたら、姫君だって泣いてるばかりじゃいられない。あこぎの気持ちにこたえなくてはなりません。
だから、この『落窪物語』は姫君とあこぎの友情と冒険の物語なのです。
(あとがきより)
とてもとても面白く、文章がうまいのであっいう間に読了。「あこぎ」が何といっても魅力的で、まあ正直花形さんには原典をはなれてもっともっとあこぎが活躍する創作を描いて欲しいな〜とつくづく。平安時代の女房たちの「立体解像力」すばらしいです!! 小布施たのしかったです!!(読者の方より)